生きている伝統
中川 寛
(聖学院中高 宗教主任)
聖学院は来年創立百周年を迎える。一九〇六年米国ディサイプルス派宣教師H・H・ガイ博士と初代校長石川角次郎によって駒込の地に設立された。それに先立ち一九〇三年、ガイ博士は聖学院神学校を創設し、ディサイプルスの「伝道者養成」に着手している。聖学院は伝道者養成の神学校としてその礎を持っている。今日その神学校は青山学院神学部から東京神学大学に合併している。現在聖学院は六年一貫教育を施す千百余名の男子中高である。一九九九年に校舎改築を行ない、東京北区駒込の地に十字架の高くそびえる石川角次郎初代校長を記念するベルタワーをもってキリスト教学校としてその存在を明らかにしている。毎朝八時十五分には三つの鐘が鳴り渡り、四方数キロに及ぶ範囲で都会の喧騒を和ませている。
聖学院のキリスト教精神を明確化する意味で『光と水と風のシンフォニー』との校舎建築……
井上 淑氏(石岡記念教会牧師) 三月十日、逝去。九〇歳。栃木県に生まれる。一九四四年教団立女子神学校卒業後、須賀川教会に赴任。その後四八年、上石原教会を創立し、小平市に移転に伴い石岡記念教会と改称、主任担任として牧会した。遺族は夫の清さん。
血の通う教区へ 村田 元
私たちの教区は太平洋から日本海に渡る広域教区です。また、一部の都市化が進む地域と多くの過疎化の進む地域を持っています。そのため地域による教会の格差があります。七七の教会が経常収入が六〇〇万円以下で、これは教区の一四三教会・伝道所の半数以上となります。このため、教区では二〇年前から、教区の宣教を共に担うという視点から、ナルドの壺献金運動を始めました。教区内の全ての教会の教師と信徒が教区協力伝道の一環として毎日祈りつつ五円を献金する運動です。この献金は教会互助のために、具体的には教師謝儀互助のために用いられます。当時の言葉を借りれば「血の通う教区」を目指したのです。
今年度に私たちの教区の新潟地区では台風による水害、さらには十月二三日には中越地震に被災しました。被災された地域や教会、牧師館の状況は大雪の中で惨憺たる状況にあり、春を待ちわびておられます。一月三一……
第34総会期第一回信仰職制委員会は三月三日、四日の両日、教団会議室で七名の委員が集まって開催された。委員長に岡本知之氏、書記に井ノ川勝氏を互選し、まず信仰職制委員の任務について話し合った。
委員会の主要な職務である諮問への答申に関しては、委員個々の思想信条をこえて教憲・教規の文理・条理に徹した解釈を基礎として答申を作成する努力をすることを確認し合った。
次に式文改訂小委員会委員の報告を聞いた。同小委員会では、既に結婚式文案を作成し、次いで葬儀式文、礼拝指針と礼拝式文の作成を行いつつある。結婚式文については改訂案を常議員会に送って検討が始まっている。
また前期委員会よりの申し送り事項として、次の三項目があることを確認した。
①出版局の要望による教会暦行事のリスト作成。
②総務担当幹事の要請による教規等における条文の整備。
③葬儀式文の検討。
続いて本年一月一八日付で教団総幹事よ……
三月八・九の両日、第34総会期の第一回宣教研究所委員会が教団会議室において開催された。
前総会期において、宣研は、規定の改定を行い、さらに規定に存在しなかった教団史料編纂室の廃止を決定した。また、長きにわたり宣研のために多くの働きをされた戒能信生氏は、今年三月をもって宣研の実務スタッフを辞する事になった。これまでの多くの働きに感謝したい。
そのような意味でも、今総会期の宣研は、新たなスタートを切る事となった。特に、今総会期の課題は、宣研に与えられた使命の明確化とその組織作りに焦点が絞られると考えられる。
特に宣研は本年十一月に設立五十周年を迎える事になる。その期を迎えるに当たって、その設立当時の役割とその重要性を再確認する事は重要な使命と考えられる。
現在、日本基督教団は、財政問題をはじめとして、伝道の思いの行き詰まり感すらもある。特に地方における宣教の課題の取り組みについては急務……
第34総会期第一回宣教委員会が三月八~九日、教団会議室にて開催された。開会礼拝を知花正勝委員が担当し、マタイ福音書第十五章三二~三九節の群衆を憐れまれる主の姿を朗読し、「与えられる豊かさを受け継ぎ、奇跡を信じて歩み、この方によって支えられ、救われた者として仕え、神が私たちの教団を祝福してくださるように」と説いた。
組織会では、互選により委員長に岩﨑隆氏(六ッ川)、書記に藤田義哉氏(玉川平安)が選任された。
前期委員会からの申し送り事項を上田博子担当幹事が報告し、常設専門委員会等の報告が行われた後に協議に入った。
協議の主要事項は、宣教委員会の活動について、特に前総会期に開催できなかった宣教方策会議の件である。これは前総会期委員会で、宣教理解を巡って異なる認識のまま慣行的に開催することは開催主体として無責任な結果を生むことになるとの共通理解から開催を見送っていた。しかし可能な限り未調整……
二〇〇五年秋季教師検定試験を左記の要領で行います。
一、受験要綱と受験願書の提出期限
受験要綱と教団指定の願書用紙は一六〇円切手を同封し、正教師受験志願者か補教師(A、B、Cコースの別も)受験志願者かを明記した上、封書でお申し込みください。願書と必要書類を整えて、受験料とともに所属教区に提出してください。
教区締切 六月九日(木)(教区により締切が異なりますので、教区事務所に確認してください。)
教団締切 七月七日(木)(各教区から教師検定委員会に提出する際の締切です。)
*受験料は正教師一万三千円、補教師一万円。
二、正教師の「説教」「釈義」の課題テキスト
①旧約 ヨエル書三章一~五節
②新約 マタイによる福音書十五章二一~二八節
三、正教師の「神学論文」の課題
『今日における宣教の課題』。「特に~をめぐって」という副題をつけ、ご自分の伝道・牧会をふまえて神学的に論述……
一九六七年に佐古純一郎氏に替わって高見澤潤子氏が編集委員長となり、また石井錦一牧師が一九七二年から原田洋一氏に替わって編集長を務めた。教団紛争が渦巻く時代であったが、高見澤・石井時代は、編集委員たちの協力も得て教団内で様々な立場が林立する中で教団政治に直接関わることはできるだけ避け、信徒の信仰生活にもっぱら焦点を当てて霊性が養われるようにとの使命を自覚し編集されてきたと言えよう。その特集テーマを拾いあげてみてもこの傾向を確認することができる。
『信徒の友』の歴史はよき執筆者によって支えられてきた歩みであることを痛感する。三浦綾子氏の『塩狩峠』をはじめ、辻宣道氏による『教会生活の処方箋』、石井錦一氏の巻頭の祈りをまとめた『祈れない日のために』等誌上連載から単行本にまとめられたものも多数挙げることができる。連載がそれぞれの教会で話題になり、それだけ信徒の信仰生活に深く関わっている月刊誌となっ……
第34総会期第一回スイス協約委員会が、二〇〇五年三月一五日、教団会議室で開催された。今期委員は、鈴木重正氏(名古屋中央教会牧師)、中道基夫氏(関西学院大学)、そして廣石望氏(フェリス女学院大学)の三人である。互選により鈴木委員を委員長に、廣石委員を書記に選出した。
まずスイス・プロテスタント教会連合(SEK)とミッション21、さらに韓国の二教会(PROK、PCK)から提案された「第二回スイス・韓国・日本―三国間教会協議会」(二〇〇六年一月一八日~二五日、スイス・バーゼル)について協議した。協議会には内外から計一二の教会が招かれる予定である。私たちも上記日程で協議会に参加することが承認された。今回は、第一回協議会(二〇〇二年六月、韓国・ソウル)に基づき、「多宗教間対話」と「移住労働者問題」が主題となる。委員の合議を通して代表者(計五名)を選出することが承認された。
続いてチューリッヒ日本……
第34総会期第一回台湾協約委員会は、三月七日に日本キリスト教会館五階CoC会議室で行われた。
二月四日に開催された今総会期第一回世界宣教協力委員会で選任された、大宮溥氏、李孟哲氏、村山盛芳氏の委員全員が出席、互選によって委員長に大宮氏、書記に村山氏を選出した。
前総会期に台湾協約委員会が、常議員会の下にある委員会から世界宣教協力委員会の内にある委員会に変更になったことにつき、台湾基督長老教会側の理解を得るのに時間がかかり、前回の「日本基督教団と台湾基督長老教会との協約協議会」において認知された後ようやく活動することが出来たが、今期は直ちに組織できたことは感謝である。
今総会期は第十回の「教会協議会」が日本で開催されるため、その準備が重要課題のひとつである。十一月に東京で開催することを台湾基督長老教会側に打診することが決定された。場所は東京付近で、今年は「日本基督教団と台湾基督長老教会……