神学研究と教会が必要
・神学の目的と教会
かつてマックス・ウェーバーは学問が「価値中立的」であり、「制度から自由」であることが必要であると言った(『職業としての学問』)。学問一般がこの性格規定にかなうかどうかについては、すでに長い議論がなされている。
ここでは議論を「神学」に絞って、大学でなされる神学研究と教会が必要とする神学との関係について、前回(四五七四号)に引き続きドイツ・バーデン領邦教会(ハイデルベルク)の例を取材した。
「学問の自由が第一であることは論を待ちません」とはヴェルカー教授(組織神学)。
「たとえばバルトも、『教会に仕える神学』ではなくて『教会を通じて世界に仕える神学』を謳いました。神学の目的は教会への奉仕には留まらないのです」。ただし、神学が教会において果たす役割が大きいことも強調する。「『牧師の神学嫌い』という傾向があって両者の関係に緊張をもたらし……
▼ワープロが月収の三倍もした時代。単漢字変換、つまり一字一字変換することしかできない、限りなく和文タイプに近いワープロ?が発売された。値段は月収の半分程。欲しくて欲しくて、夢にまで見た。しかし、買えない。ガリ版の鉄筆を持つ手に力が入り過ぎて蝋原紙を破いてしまう。▼或る大きな教会の年配の牧師が、二台目のワープロを購入したと自慢する。最初のものは孫に譲ったそうだ。謄写版印刷で伝道集会のチラシを作り……負けるものか、三色のカラー印刷、ガリ版で。徒歩で一軒一軒配布した。その時に、講師の費用があればワープロを購入出来るのにという思いが、ふと頭をかすめた。▼都会と地方との教会・牧師の経済格差拡大が問題になっている。子供一人当たりで教育費、つまり現金収入が要る時代だから問題は深刻だ。牧師の信仰・信念であっても子供を犠牲にはできない。▼経済格差は、牧師の労働問題や人権問題である前に、伝道の問題だ。印刷を外……
『教団新報』今号を四五七七・七八合併号とし、四五七九号は五月二一日発行とします。 総幹事 竹前 昇
にじのいえを訪れた三月初旬の土曜日夜、子ども聖書会から巣立つ女子高生の送別会が開かれていた。
中高生十一人に加え、入居者、職員ら二十三人が出席した聖書会は、礼拝から始まり、辻哲子牧師は「光の中を歩こう」と題する説教で「希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい」と諭し、「祈れなくなったり、祈る言葉を忘れたら、ただ、『インマヌエル・アーメン』とだけ祈りなさい」と優しく語りかけた。
千葉市に就職するMさんの送別会は、手造りのケーキを頬張りながら、多くの人が優しい励ましの言葉を贈ったが、
「Mさんを知ったのは、幼稚園のころ。以来十数年、毎週聖書会でその成長を見つめて来た。神様に見守られて、社会人となる日を迎えたことは、自分の孫のようにうれしい」
と語った隠退婦人教職の言葉が印象的で、心温まる感動的な送別会だった。
全国教会婦人の熱い思いと祈りで
千葉県館山市、南房総……
キリスト教保育を志向して
藤野敬子さんは、女学生時代の一九四〇年、松山大街道教会で洗礼を受け、キリスト者としての歩みを始めた。
最初、キリスト教幼稚園(松山東雲学園付設勝山幼稚園)で働いていたが、戦災にあって廃園となり、戦後は静岡県内の国立幼稚園で働くこととなった。しかし、もう一度キリスト教保育に戻りたいとの願いから、国立幼稚園を一五年目に退職。キリスト教主義大学で学んだ後、今度こそキリスト教幼稚園にと願うも叶わず、再び国立幼稚園に再就職することとなった。
がっかりした藤野さんは、ミス・マクラクラン宣教師の「あなたは世俗でみ栄えを表した方がいいのでは」との言葉に励まされたと言う。
しかしその後、教会からも離れ、み栄えを表すどころか、自分が素晴らしい保育をしたいとの野望にとらわれる過ちを犯してしまったと当時を振り返る。
幼稚園でのこんなエピソードを伺った。いつもふざけてばかりい……
★新刊から
『ヨハネの福音書』
〈R・ブルトマン 杉原助=訳、大貫隆=解説〉現代聖書学の方向を決定付けたブルトマンの、歴史的・批判的研究の最高峰というべきヨハネ福音書注解。説教黙想の貴重な示唆を与える「決定版注解書」。A5判・一、〇二六頁・一八、九〇〇円。
『キリスト教音楽の歴史─初代教会からJ・S・バッハまで』〈金澤正剛=著〉
西洋音楽の母というべきキリスト教音楽の、初代教会からバッハまで一五〇〇年に及ぶ変遷とそれを支えた精神史とを叙述。A5判・四〇六頁・五、四六〇円。
『みんなで歌おう こどもさんびか改訂版ガイド』
〈日本基督教団讃美歌委員会=編〉大好評の「こどもさんびか改訂版」各曲の「使い方」を実例付きでガイド。各曲一口紹介、索引も豊富。「こどもさんびか」を活用するために。A5判・一四四頁・一、五七五円。
昨年、東京教区・西東京教区内の教会の高校生が
Candyという音楽バンドを結成した。このグループ名はChristとYouの頭文字のCとYをandで結びつけたものである。
このグループが、世界の苦悩に少しでも連帯したいとの祈りから、二月一三日、本所緑星教会の会館ホールを会場に「スマトラ津波被災者のために」とチャリティコンサートを行った。集まった募金はすでに社会委員会に送金済である。
「若者がいない」という前に、こうしたグループを招いての音楽集会などを企画してほしいと願っている。
(本所緑星教会牧師 矢吹一夫記)
①青年交換プログラム 6月30日~7月20日(18~32歳)
②台湾青年大会
7月14日~17日(16~40歳)
③在外台湾人向けプログラム
6月30日~7月14日
◎主催 台湾基督長老教会
◎開催地 台湾
◎費用 渡航費自己負担(若干の交通費補助をする予定)
◎締切 5月20日
◎問い合わせ 日本基督教団教育委員会(☎03-3202-0544)
生きている伝統
中川 寛
(聖学院中高 宗教主任)
聖学院は来年創立百周年を迎える。一九〇六年米国ディサイプルス派宣教師H・H・ガイ博士と初代校長石川角次郎によって駒込の地に設立された。それに先立ち一九〇三年、ガイ博士は聖学院神学校を創設し、ディサイプルスの「伝道者養成」に着手している。聖学院は伝道者養成の神学校としてその礎を持っている。今日その神学校は青山学院神学部から東京神学大学に合併している。現在聖学院は六年一貫教育を施す千百余名の男子中高である。一九九九年に校舎改築を行ない、東京北区駒込の地に十字架の高くそびえる石川角次郎初代校長を記念するベルタワーをもってキリスト教学校としてその存在を明らかにしている。毎朝八時十五分には三つの鐘が鳴り渡り、四方数キロに及ぶ範囲で都会の喧騒を和ませている。
聖学院のキリスト教精神を明確化する意味で『光と水と風のシンフォニー』との校舎建築……
井上 淑氏(石岡記念教会牧師) 三月十日、逝去。九〇歳。栃木県に生まれる。一九四四年教団立女子神学校卒業後、須賀川教会に赴任。その後四八年、上石原教会を創立し、小平市に移転に伴い石岡記念教会と改称、主任担任として牧会した。遺族は夫の清さん。