深刻な被害状況の情報共有
日韓の教派を超えた協力関係
一月一八~一九日、ソウルの韓国教会宣教百周年記念館を会場に「統一協会問題についての日韓教会フォーラム」が開催された。日本側からは「統一協会問題キリスト教連絡会」を構成する日本基督教団、カトリック教会、日本聖公会、日本福音ルーテル教会、日本バプテスト連盟、在日大韓基督教会の六教派の代表、弁護士、被害者家族の会の代表二八名、韓国側からは大韓イエス教長老会の統合派、高神派、ホーリネス、カトリック教会の四教派の代表二一名の合計四九名の参加であった。
これまで日本の各教派はエキュメニカルな形で「連絡会」を組織する形で、韓国の諸教派もそれぞれに「異端似而非対策委員会」等を設ける形で統一協会問題(韓国ではキリスト教と明確に区別して「文鮮明集団」と呼ぶ)の対策と相談に当たってきた。そうした積み重ねにより目覚しい成果が上がってきた一方で、互……
旧統一協会被害の実態について学ぶ
2024年度カルト問題全国連絡会が、10月3〜4日にかけて、東梅田教会を会場に開催された。
まず、岸憲秀代表世話人(宣教委員長)による挨拶ののち、講演Ⅰ「統一協会被害の実態について−信仰選択の自由の侵害」と題し、勝俣彰仁弁護士と川井康雄弁護士による講演があった。旧統一協会の行動がなぜ問題なのかについて、弁護士として成し得ることのできる務めについて、実例を取り上げながら丁寧に講演がなされた。
講演後の質疑応答も活発なものとなった。特に旧統一協会に対する宗教法人解散命令請求がなされている現状と展望についての質問があり、この問題を法的な側面から回答されることで、理解を深める機会となった。
講演Ⅰに続く講演Ⅱ「あなたのマインドコントロール」は、村田敏教師(周防教会)が担当した。カルト対策に全く経験のなかった村田氏がカルト宗教信者に接していくなかで、……
メディア戦略 時代に即した伝道スタイルへのチャレンジ
教団ホームページをリニューアルして3年が経過した。教勢の低下にあって、広く一般に日本基督教団を知ってもらうことを目的の一つとした。総幹事の指揮の下、事務局として教団の伝道に寄与できることを模索し、その一つとして一般財団法人日本総合研究所に日本基督教団の市場における位置付けを分析してもらい、いわば現在の教団のイメージを明確にした上で、情報発信を開始した。
最近のホームページアクセス数は1日約600前後で、3ヶ月で5万人以上が観ていることになる。ホームページと連動する形で、X(フォロワー数688)、Instagram(フォロワー数695)、Facebookも活用しており、アクセス数は順調に伸びている。また、YouTubeを利用した毎月の説教動画は既に30本を超え、最も多いもので1千回の再生回数となり、ゆっくりと確実に増加している。直……
伝道報告 伝道推進室より応援した教会・伝道所
主に導かれて
和歌山新生伝道所牧師
松田 光代
和歌山新生伝道所は、1994年4月3日谷口章牧師によって創立、当初のメンバーは、谷口牧師のご家族、妹さんご夫妻のご家族で、日曜日は妹さんの経営されていた美容室で礼拝が守られていました。普段は美容室ですが、日曜日になると、教会に早変わりです。谷口牧師は、友人も多く皆から頼られる存在でした。特に統一協会に悩まされていた人の相談にも真剣に取り組み、多くの時間を割かれていました。その後美容室移転に伴い、美容室跡を改装し会堂としました。
谷口牧師が牧師を志されたのは、ホーリネスの群れの一つである丸の内教会時代です。市役所務めをしながら独学で学ばれ、1983年に准允、奈良教会に伝道師として招聘されました。牧師館が整備されていなかったので、市役所務めをしながら半年間と1年後に市役所を辞めるまで、日……
▼カルト問題全国連絡会・韓日異端似以非対策セミナー▲
「宗教二世問題」で講演
去る6月14日、15日に 教団でカルト問題全国連絡会が開催された。 コロナ禍で往来の叶わなかった韓国PCKの教会の方々との久しぶりの会であった。
今回の連絡会は、 一日目には二つの講演、二日目は全国各地の活動の報告と協議がなされた。参加者は51名。
昨年来、教団は相談窓口を設け、様々な相談に対応してきたが、 特に最近のカルト問題の課題として浮上してきた「宗教二世」の問題をテーマとして持たれた。 「宗教二世」とは、信仰者である親を持つ家庭に育った子どもを指す。
今回はまずエホバの証人の三世である夏野なな(仮名)さんに経験と思いを話して頂いた。ななさんは自らの経験から、特に信仰の名の下でなされた抑圧的な育て方、 そこで経験した苦しい経験を語り、 エホバの証人だけでなく、すべての “信仰”の元になされ……
イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」
マタイによる福音書16章15節〜19節
秋田桜教会牧師
雲然俊美くもしかりとしみ
神の新しさ
主の年2023年が与えられました。各地の教会・伝道所、関係学校・施設・団体の新しい年の歩みの上に主の祝福をお祈りいたします。
新しい年を迎えて、教会における「新しさ」とは、私たちが新……
「摂理」、「クリスチャントゥデイ」、「統一協会」についての発題を聞く
2022年度日本基督教団カルト問題全国連絡会が10月20日、ズーム会議で開催された。参加者は47名。
会は、 教団宣教委員長で代表世話人の岸憲秀牧師による挨拶と祈りによって始められ、「摂理問題」、「クリスチャントゥデイ問題」、「統一協会問題」についての発題と、各教区の報告ならびに全体協議がなされた。
発題はまず、日本バプテスト連盟枝光教会の岩崎一宏牧師により、現在、日本で教勢を伸ばしているキリスト教福音宣教会(通称、摂理)の勧誘、特にSNSによる中高生にまで及ぶ勧誘の実態と手法についてなされた。接触から入信までの巧妙な手法は、他のカルトにも用いられている可能性もあり、予防的対応が求められていることが話された。
「クリスチャントゥディ問題」は、以前から警鐘を鳴らされているにもかかわらず無責任な対応をしている……
多くなる相談への対応が課題
カルト問題連絡会では、7月26日にメール相談窓口、8月18日に電話相談窓口を開設し、10月17日までの2ヶ月半の間に、メール42件、電話31件、合計73件の相談が寄せられた。その内、統一協会に関する相談が42件で全体の57%、次いでスピリチュアル・自己啓発系の団体に関する相談が11件で全体の15%、摂理・新天地・救援派などその他キリスト教系団体に関する相談が5件で全体の6%を占めた。
二世問題に関する相談は、統一協会で8件、その他キリスト教系で1件、仏教系で1件見られ、全体の14%を占めた。メール、電話共に、全国霊感商法対策弁護士連絡会や統一協会被害者家族の会からの紹介が増え、スピリチュアル系教祖の信者ビジネスや認定講師セミナー、自己啓発セミナーに関する相談も増えている。
日本基督教団では、基本的に各教区事務所がカルト問題の相談窓口になっているが、専……
去る7月22日、岸田内閣が安倍元首相の「国葬」を閣議決定したことに、わたしたちは強い懸念と憂慮を示し、再考し撤回されることを求めます。
岸田内閣の閣議の恣意的判断によって国葬とされる儀式に国費を支出することは、国の財政権限を国会決議に基づかせる憲法第83条違反となります。また国葬となれば、全国の都道府県や教育機関への弔旗・記帳台設置などが指示され、国民の弔意が事実上、権力によって強いられることとなり、言論が封じられ、人間の思想・良心の自由を保障する憲法第19条の重大な違反ともなりましょう。
安倍元首相の在任期間に、平和憲法の精神を逸脱した様々な施策(集団自衛権の閣議決定、安保法制[2015年9月]、特定秘密保護法[2013年12月]、共謀罪法[2017年6月]の制定)を顧みるならば、「国葬」の閣議決定は、それら今後の国の姿を変えてしまう考慮を欠いた判断を支持することにもなると言え……
8月15日は1945年に帝国主義下にあった日本がポツダム宣言を受領し、第二次世界大戦が終結するに至った日です。私どもは、この日に多くの国会議員が靖国神社に参拝することを憂慮し、反対します。
靖国神社にはこの侵略戦争を指導し、A級戦犯とされた人々が祀られています。彼ら指導者たちは大東亜共栄圏構想の下、韓国を武力によって支配し、満州国に対して傀儡し、そこの人々の自由を奪い、人権を蹂躙してきました。また、国内においても思想信条の自由を奪い、将来ある若者たちを戦場に駆り立て、尊い命が犠牲になることを強いてまいりました。とりわけ沖縄においては、生きて恥を晒すなとの思想を強いて、多くの市民を自死に追い込むカルト的なものでもありました。私どもはそのような指導者たちの姿を到底受け入れることができず、また国家の指導的な人々がそれらに崇敬の念を抱くことは断じて受け入れられません。そのようなことは世界に誇……