小野寺さんの自宅は石巻山城町教会の真向かいにある。幼い頃は牧師館で英語を教わったり、教会の庭でよく遊んでいた。しかしその後、教会とは疎遠になった。「わざとのように知らん顔をしていた」という。中学卒業後、付属高校から東京音楽大学に進み、ピアノを学んだ。卒業後は石巻に戻り、子どもたちにピアノを教えていた。
2011年東日本大震災が起きた。ちょうど数年前に夫の剛さんと共に海の近くでコンビニ店を始めたばかりだった。激しい揺れの直後に大津波警報が発令され、剛さんに促されて、自宅にいた母親の様子を見に一人で自宅へ戻った。その間に津波が襲い、剛さんは津波に巻き込まれて天に召された。由美さん自身も自宅から店に戻る途中に車と共に津波に巻き込まれ、ギリギリのところで脱出した。
そのような中、再び山城町教会との接点が与えられた。教会が全国から届けられた支援物資を、近隣の人々に配布していたのであ……
各教区の総会が終わり、7月常議員会が終わって、教団の歩みが「祈ろう、伝えよう、献げよう」の伝道基本方針の具体的展開と機構改定の素案づくり、実現に向かって大きく前進を始めました。事務局、出版局の仕事もこの働きに心あわせて忙しくなります。
そんな中で、先日より総幹事室に一枚の絵が加わることになりました。宮崎県の飫肥教会の最年長(105歳)の教会員・西北羽つ衣さんの描かれた曼殊沙華の絵です。「信徒の友」の今年2月号「ここに教会がある」欄の「飫肥教会−小さな教会の元気な働き」のために取材に行った出版局職員が帰りに絵をいただいて送られてきたものです。絵に合う額装をして総幹事室を彩る仲間に加えたのです。西北さんは「75歳で絵を描き始め、日展、二科展にも入選歴のあるプロの画家だ」と「信徒の友」にも紹介されていますが、「高齢ゆえに教会に行けるのは年に数回だが、教会が大好き」と言っておられる方との……
東日本大震災「被災者支援センター・エマオ」終了を報告
東北教区
第74回東北教区総会は5月28日から29日、仙台青葉荘教会にて議員152名中130名が出席して行なわれた。
開会礼拝の後、1名の准允式が執行され、議場は感謝に満たされた。その後、小西望議長は、総会資料の「第74回東北教区総会を迎えるにあたって」を読みあげ、その中で「昨年の第73回総会において『教会救援復興委員会』ならびに『被災者支援センター・エマオ』を2019年3月まで継続、『放射能問題支援対策室・いずみ』は2024年3月まで継続することを協議しました。これに沿い、『被災者支援センター・エマオ』は去る3月末をもってその働きを閉じました。関わられたボランティアは9100人以上、連なった方々はその何倍にもなります。主の導きと多くの支えに感謝します。今後は宣教部の中に『東日本大震災支援小委員会』を置き、必要な情報交換を……
幼稚園のクラスルームで水槽に亀を飼っている。10年以上飼われている。教師たち、代々の園児たちが世話をして、水をきれいにしてやり、時には園庭で甲羅干しをさせて、餌やりを欠かさない。元気に水槽の我が家で暮している。▼日曜日の朝、教会学校の準備のためクラスルームのカーテンを開けに行くと、亀は水槽に体をぶつけて自己主張をする。ここにいる、餌がほしいというアピールなのだ。他のときにはねだることはないのに、よくわかるものだと感心する。2、3日餌がなくても大丈夫と教師たちは言うのだか、求められると無視もできない。春から冬がはじまるまで、日曜日の朝の餌やりを牧師がしている。▼時間が来ると日曜日欠かすことなく礼拝を献げる者たちが準備し教会に集ってくる。聖霊が教会に降臨して以降、途切れることなく続いている礼拝の連続、参加した者たちの数、気が遠くなる営みだ。この伝統の中の一人としてあることの畏れと喜びを改めて……
伝道所信徒に投票権、可決
沖縄教区
第79回沖縄教区総会は、5月26・27両日、沖縄キリスト教センターで、開会時、議員42名中35名が出席して開催された。沖縄教区は、03年以来、教団問安使を拒否しているが、石橋秀雄教団総会議長、秋山徹総幹事が総会を傍聴した。
平良修議長は、「中間報告」と題する議長報告で、「沖縄教区は、第69回教区総会制定内規で、伝道所信徒にも投票権を与える二重投票を実施してきたが、28教会・伝道所の43%が伝道所という沖縄の実情から、二重投票を廃止し、伝道所信徒にも投票権を与える投票に一本化すべきだ。まず協議会を開きたい」と述べて同意を得た。
協議会は、牧師・信徒別にグループに分かれ、話し合ったが、積年の難問に、解決策は見出せず、議長提案に「信徒は賛成が多く、教職は慎重だった」という。
初日午後8時から議事に入ったが、平良議長は「体調不良」と……
第41総会期第1回韓国・台湾・スイス合同協約委員会が5月24日、教団会議室で開催された。
開会祈祷と自己紹介の後に委員会組織を行い、合同委員長に村山盛芳(南山)、書記に佐藤飛文(明治学院東村山高校)、韓国協約委員長にナグネ宣教師(韓国派遣宣教師)、台湾協約委員長に村山盛芳、スイス協約委員長に廣石望(代々木上原)を選任、岸ひかり(千葉本町)が委員として加わる。
続いて、報告事項として、第16回日本基督教団と台湾基督長老教会の教会協議会(18年11月、愛知にて)、日韓5教団宣教師関係実務者会議(18年11月、福岡中部教会にて)、台湾エキュメニカル・フォーラム(18年11月、台湾新竹聖經学院にて)、宣教師会議(19年3月、清泉寮にて)などの報告があった。教団の主任担任教師をしている宣教師は韓国からの宣教師が圧倒的に多い。今後も増えてゆくことが予想される。韓国出身者限定の宣教師会……
第41総会期第1回教師委員会は、4月5日に開催した。前総会期から継続する委員は2名となり、新たに有力な教師が5名加わったことを感謝している。
教師委員会は、教団の教務に関することを扱う。そして、毎年6月には、「新任教師オリエンテーション」を開催している。新任教師一同が集まり、三日間のプログラムを通して学びと交わりを深め、現場に遣わされていく大切な集会である。そして、昨年度より「教師継続教育研修会」を開催することになった。これは10年目までの教師を対象にし、研修を行っている。今日の教会における伝道と牧会、特に、昨年に引き続いて「説教」をテーマとして開催することにしている。こちらは何度でも参加できる。将来的には、20年研修や30年研修と広がっていけるとよいと願っている。
教師委員会では、2年に一度、教団立神学校の東京神学大学と5つの認可神学校を問安している。伝道者を育てる尊い……
鈴木一義氏(シャロンのばら教会担任教師)
19年5月24日逝去、83歳。千葉県生まれ。60年東京神学大学卒業。同年より春日部、シャロンのばら教会を牧会。
遺族は妻・鈴木孜孔さん。
七飯教会のある七飯町は北海道渡島半島の南部、函館市から北に16キロのところにあり、面積216万平方キロ、人口2万8000人の静かな町です。気候は、北海道の中ではかなり穏やかで、町の中に桜並木や赤松の街道、果樹園などがあり、方々の庭では季節ごとに色々なお花が咲きます。教会は、町の中心部にある古い杉林(植林・1886年)に面して建っています。特別大きな建物でも、長い歴史を刻んだ建物でもありません。けれども30年間、ここに建ち続けてきました。建物の中に、一人用の居室が8部屋ほどあります。それは、この建物が最初は高齢者用シェアハウスとして建てられたものだからです。1988年のことです。後に牧師となる能美敏彦氏の「高齢のため信仰生活、教会生活の継続が困難になっていく方々が共同生活をしながら、この地で主の御栄を表していけるように」、という願いからでした。そして将来は伝道所に、との祈りをもって、建物の……
わたしが深沢教会に赴任して3か月目に「イエス様への信仰を告白されましたので、バプテスマの準備をよろしくお願いします」と、ある教会員から言われた。わたしは一瞬何のことかと戸惑ったが、すぐにわかったのは、その会員が礼拝に出席し始めた青年に礼拝後少しの時間を用いて、自分の救いの体験を通して、主と共に生きる喜びを伝え続けていたということだった。
その青年は、わたしとの準備を経てバプテスマを受けるに至った。このパターンが、わたしたちの教会における「日常」であったことを知ったとき、とても新鮮な気持ちにさせられた。
この経験を通して、わたしは伝道をする「器」について考えさせられた。牧師が専ら伝道に励むために神から遣わされていることは当然でありながらも、牧師「だけ」が伝道の担い手ではないことを、深沢教会の信徒伝道の実際から改めて確信させられたのだ。
わたしが現在遣わされている深沢……