「はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである」(マタイによる福音書25・40)。
一昨年3月東京都目黒区で当時5歳の女の子が虐待死した。継父より字の練習を命じられ、食事の制限「しつけ」と称して不適切な扱いの日常だった。
同年5月、大阪の警察署に70歳代の女性が訪れ「アルバイトをしながら、自分一人で認知症で寝たきりの夫の介護をしてきたが、4月末から食事を与えていない。もう疲れた。死んでもかまわないと思った」と話した。
最新の人口統計によると日本の総人口は1億2615万人、うち14歳以下の年少人口は1528万5000人で全人口の12・1%、65歳以上の老年人口は3580万1000人で全人口の28・4%と年少人口の倍以上となっている。少子高齢社会は、これからの日本の次世代を担う若者を心身ともに健全に育て社会に……
12月2日に行われた、四国教区本年度第3回常置委員会において、関西学院大学神学部と四国教区との間で、神学生の研修プログラムに関する協定が結ばれた。
今回の協定締結に繋がったのは、四国教区の「神学校との対話」という取り組みである。四国教区では、神学校を卒業してすぐの教師を迎える場合が少なくない。そのような形で赴任する教師を支えることが、教区の重要な役割である。そのため、神学校との対話を通し、今の神学生の状況を受け止め、地方教区の現状を伝える機会を持っている。
本年3月に、四国教区は関西学院大学神学部長中道基夫氏を招き、教会で奉仕の機会を設け、教区三役との対話の時を持ち、協議を行った。この協議の中で、関西学院大学神学部から神学生の研修プログラムを四国教区で行えないかとの提案があった。同神学部はかねてより教区等と連携して伝道者育成の実践的な機会を神学生に提供できないかと考えてお……
父は現役の教団の牧師である。大きな病が与えられてから約6年が経過し、今年度初めに牧師としての最前線から離れることになった。父の決断の前で涙を流した自分に、「信仰があるなら死を恐れる必要はない。永遠の命が与えられているから」と、父は言った。
教会育ちゆえ、信仰の世界があまりにも当たり前になっていた自分が初めて真剣に祈ったのは高校1年。ネットゲームで知り合った友人が、後遺症が残るほどの大けがをした時だった。しかし、それが信仰告白へと導いたかと言えばそうではなかった。
救いを律法主義的に捉えていた自分にとって、信仰者の道はどう考えても歩むことができない道だった。右の頬を打たれれば左の頬を出す、もちろんもっと深い意味があると思いながらも、それは無理だというのが信仰告白前の自分だった。
しかしある時、父親以外の牧師の「信仰義認」を語る説教で目が開かれた。神は人間の弱さをご存……
夏の休暇で沖縄にいたとき、「葬儀の依頼がある。セレモニーホール平塚さんに電話して」とのメールが教会の担当者から来た。「?」、平塚は妻の妹がいて両親の葬儀の司式をした。沖縄から駆けつけることは不可能。平塚に近い横浜明星教会、網中彰子牧師に依頼したら引き受けて下さった。「葬儀社に電話してくだい」とお伝えした。「感動の葬儀だった」とご遺族から感謝のメール。2週間後、委員会で網中先生から「平塚ではなく越谷だった。越谷まで葬儀に行った」と聞かされて驚いた。「セレモニーホールの平塚さん」だった。「の」を飛ばして平塚と思い込んでしまった。以後、網中先生に頭が上がらない。
頭が上がらないといえば、幼稚園の副園長にも頭が上がらない。幼稚園の仕事は丸投げだ。普段仕事をしないで幼稚園に来たら勝手な指示をすることに腹を立てまくしたてた。「石橋先生はね!3歳4歳児だ。落ち着きがない。好奇心が旺盛、遊びが大……
その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。《ルカによる福音書2章8〜15節》
不安と恐れの中の出来事
主イエス・キリストの誕生の知らせは……
♦北海教区♦ 国民主権に違反しない儀式を
北海教区は、天皇代替わりにともなう諸儀式が、日本国憲法の国民主権、基本的人権の保障の原則に違反するものであってはならないとの観点から、問題意識をもって取り組んできた。裕仁天皇から明仁天皇に皇位継承が行われた時の諸儀式は日本国憲法にはふさわしくないと思われるものが多くあったため、その誤りを正していく自覚と行動が必要であると考えている。それと同時に、象徴天皇制とは何か、そもそも天皇制とは何かを考えることも大切だと考えている。
2018年11月23日、「第49回靖国神社問題北海道キリスト教連絡会議」が札幌北光教会で開催された。参加者41名。この集会はキリスト教4団体が幹事団体として共催するもので、教団北海教区はその一つである。北海教区の平和部門委員長の佐藤幹雄牧師(岩見沢)が「天皇代替わりと『国民主権』」と題して講演した。大嘗祭は天皇が神とな……
11月18・19日、ソウルで、第7回韓日5教団の宣教師に関する実務者会議が開催された。
2016年より始まったこの会議は、大韓イエス教長老会(PCK)、韓国基督教長老会(PROK)、基督教大韓監理会(KMC)から日本に派遣される宣教師の人事に関する諸課題について、在日大韓基督教会(KCCJ)と共に協議をするものである。
これまでの6回の会議において、韓国3教団から日本に派遣されている宣教師の働きの状況や、教団における宣教師受け入れ手続きおよび現状の報告、日本における宣教師の活動報告、日本宣教を目指している宣教師候補者のインターンシップ制度構築の検討等について協議してきたが、この度は、あらかじめ本会議をもってこの会議の開催を終了することとしていた。
今回は、韓国3教団より世界宣教部門や宣教師人事の担当者が出席し、KCCJからは趙永哲総会長ほか4名、教団からは雲然俊美……
四国教区では、昨年度伝道資金として、伝道交付金360万円、教区伝道方策交付金81万9400円、合計441万9400円を受領した。このうち、教区伝道方策交付金は、特に継続的な取り組みが必要と考えている主として5つの働きのために用いた。それは、青年育成費、在日大韓基督教会新居浜グレース教会との合同シンポジウム開催費、教区広報費、差別問題学習会費、そして、ハラスメント対策費である。
今回は、特に青年育成費について報告する。四国では、進学や就職を機に四国を離れる青年が少なくない。教会でも、同様の傾向が続いている。しかし、少数ではあるが、四国教区の教会で信仰生活を送る青年が与えられている。そのような一人一人の信仰の歩みを支えていくことが、教区の重要な使命であると受け止めている。
現在、教区には青年部は存在しないが、青年に対する取り組みを継続するために、教育部の下に青年伝道小委員会を……
11月18日、東京教区西南支区・南支区合同教師会が渋谷教会で行われ、36名が出席した。「いきいきと伝道する教会〜教会合併を事例として」を主題に、伊藤英志牧師(三軒茶屋主任)と北川美奈子牧師(三軒茶屋担任、元・駒澤主任)が三軒茶屋教会と駒澤教会の合併について発題した。
北川牧師によると、駒澤教会では高齢化による礼拝出席の減少に伴い将来的に運営が困難になることが予想された。検討の結果、歴史が途絶えず信徒が離散しない吸収合併という道を選択。西南支区と協議し、至近にある三軒茶屋教会に合併を申し入れることになった。
伊藤牧師によれば三軒茶屋教会役員会では「これからは教会合同や合併が必要になるかもしれない。今から心構えを」との共通理解が2012年頃よりあったとのこと。合併の申し出を受け、もともと三軒茶屋が駒澤から分離したという経緯から「他人事ではない」と受け止める一方、懸念や反対もあ……
この夏は、2年ぶりに訪れたアウグスブルク(ドイツ)で、前回果たせなかったフッガーライ訪問を叶えることができた。
フッガーライは1521年にアウグスブルクの豪商ヤコブ・フッガーが資金を提供し生活に困っている貧しい市民のために建設された。当時52軒、第二次世界大戦当時の被災後なお再建され、67軒の棟に現在140のアパート、150名の入居者が生活している。世界最古の社会住宅として知られ、当時も今も年間家賃1ライン・グルテン(現在の0・88ユーロ)のままで入居できる。モーツアルトの曾おじいさんが住んでいたことでも知られている。500年前とはまさに宗教改革の当時だが、フッガー家は自己の財的拡張にのみ拘泥するのではなく、きちんと社会に還元することを果たしていた。その姿勢は戦後も崩されることはなかった。入居者は高齢者が多いが、人に優しく配慮された設備が当時のコンセプトのまま現在も用いられている……