インスタグラムアイコンツイッターアイコンyoutubeアイコンメールアイコン
日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
newaccount

【4999号】記事一覧

2023年6月24日

【4999号】教区総会報告2023年度1 − 四国・兵庫(1面)
【4999号】荒野の声(1面)
【4999号】教区総会報告2023年度 1 − 京都・東北・大阪(2面)
【4999号】教区総会報告2023年度 1 − 九州・中部・奥羽(3面)
【4999号】教区総会報告2023年度 1 − 西中国・北海(4面)
【4999号】「東北地方地震被災教会支援募金」献金報告(4面)
【4999号】伝道推進室・信仰職制委員会(5面)
【4999号】事務局報(5面)
【4999号】会堂共済組合理事長交代について(5面)
【4999号】☆教会幼稚園・幼児施設融資金募集☆(5面)
【4999号】狭山集会報告(6面)
【4999号】伝道報告 − 伝道のともしび(6面)
【4999号】人ひととき(6面)
【4999号】力を抜いて力を得る(6面)

 

 カトリックの叙階式に初めて出席した。神父となる方のご家族は日本基督教団の教会員。東京カテドラル大聖堂に多くの方が集まった。式の中で叙階を受ける方々が体を床にうつ伏せにする場面がある。神さまの前に身を投げ出して委ねきり、自分の力ではなく神さまの力によって福音を伝えていく。脱力してこそ必要な力を得ることを改めて知らされるひとときだった。
 かつてお仕えした教会で、説教が始まるとすぐに長椅子に横たわる求道者がいた。アルコール依存もあり受付では毎回その方が手にしている紙パックのお酒を一時お預かりした。誰も声をかけないのに献金の時に起き上がり、献げ物をしてまた伏せて礼拝後静かにお帰りになる方だった。皆が聖霊に守られていると感じる光景でもあった。
 礼拝の語源は「ひれ伏す」だが、所作を伴わなくても、誰もが全てを神さまにお任せする信仰の原点に置かれる。世に在る責任や役割、力むことからも解放され主に在って力を抜く恵みも礼拝の豊かさの一つであろう。教会にまだ見ぬ誰かと神さまとの新しい出会いがあるよう祈る。  
 5月に父を天に送った。静かに息を引き取る瞬間を母と見守り、完全な脱力に主の平安を覚えた。「わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きることにもなると信じます」(ローマ6章8節)。

(教団総幹事 網中彰子)

信仰と漢方の遺産を継ぎ

尾鷲教会員、三重県立志摩病院医師、漢方診療・東洋医学会専門医
古橋 健彦さん

 毎朝、教会のオンライン早天祈祷会に出席し、出勤するのが日課、「祈祷会から始めることで一日を大事にできる」と語る古橋さんは、志摩で漢方診療を行う漢方医だ。
 祖母と母がキリスト者の家庭に生まれ、尾鷲教会の幼稚園に通った。中高時代は横浜に新設された国際教育を掲げる一貫校で寮生活を送る。帰国子女や外交官の子弟に囲まれる生活に居場所を見失い、中学2年のある夜、学園創設者に「ここにいる意義がわからない」と訴えると、先生は「対話を学び、異なる価値観に触れて視野を広げること」と答えた。この言葉に目覚めるも、勉強より柔道に熱中し、喧嘩に負ければ空手をやった。自分の夢や適性よりも「医者の子は医者」という時代だったと古橋さんは語るが、時が来ると医学部へ進学。医者である母に「医者はひとりではダメだ。信仰を持たなければ」と強く勧められた。母の言葉で教会に通い始め、22歳で受洗した。牧師の紹介により伴侶の智恵子さんと出会えたことは「神さまからのご褒美だと思う」と古橋さんは語る。
 医者としての歩みは順風満帆ではなく、挫折も同然の経験をして地元に帰る。開業医の父母の手伝いの傍ら、もう一度学び直した。中でも目が開かれたことは、東洋医学に精通した皮膚科医の父が漢方で患者を癒すのを目の前で見たことだった。親は魚を欲しがる子に「蛇を与えるだろうか」(マタイ7・10)。父親が自分に本物を教えようとしていると感じた。このときから東洋医学に傾倒し、「師匠」のもとに通って学んだ。今は自らが「弟子」に教える側だ。漢方の良さを認め、学ぼうとする医者は多くはない。しかし、「漢方も福音も本物だから伝えたい」。芽生えるのは10年先かもしれない。その日のために、日々種蒔きに励む。

 

やさしい心・きれいな心・つよい心

学校法人ひかり学園園長
永倉 正嗣

 

【聖書の教え】
 「神さまは、ありのままのあなたが大好きです」を、あたたかい環境で伝えることがキリスト教保育の原点です。神さまの愛と人の愛を伝えることで、子どもたちの心を「大好き」で満たしています。聖書の御言葉の真髄を当園独自に「聖書の教え」として次のようにまとめ、日々子どもたちと唱和しています。
 「神さまはあなたのことが大好きです。だから、あなたも神さまのことを大好きでいてください。自分のことを大好きでいてください。自分と同じくらい、みんなのことも大好きでいてください」。

【教育理念】
 聖書の教えをもとに「やさしい心」「きれいな心」「つよい心」を育てることを教育理念としています。「やさしい心」は、人の気持ちに共感してその人を思いやり、みんなを大切に思う心です。「きれいな心」は、当たり前のことを喜び、今ある幸せに気づいて、すべてのことについて神さまと人に感謝の気持ちを表すことのできる心です。「つよい心」は、「誰かの役に立ちたい」「誰かを助けたい」「誰かに喜んでもらいたい」と、自分にできることをがんばる心です。

【創立からの歴史】
 ひかり学園の歩みは、岡山市南部に幼稚園を建てて欲しいという地域からの要望で、1966年、岡山聖心教会創立者の永倉義雄牧師が、「第一ひかり幼稚園」「ひかり保育園(3歳未満児)」を設立したところから始まりました。
 永倉信嗣牧師(現理事長)が副理事長として、1970年に「第二ひかり幼稚園」、1975年に「第三ひかり幼稚園」を、半径1キロ圏内に、立て続けに開園。1979年に学校法人化し、ピーク時には園児数が千名を超えました。
 30年が経ち園舎は老朽化。園児数も一時は約300名までに減少しました。2004年に、「第二ひかり幼稚園」を「第一ひかり幼稚園」に統合し、園舎を全面改築。その後、「第三ひかり幼稚園」も増築やリフォームを重ね、園児数も500名を超えるまでに回復しました。
 2015年、学童保育所「ひかりキッズクラブ」を第三ひかり幼稚園内に開設。近隣4校の100名近くの卒園生を継続して保育しています。
 2019年、幼稚園型認定こども園に移行。「第三ひかり幼稚園」は、認可外保育施設「ひかり保育園」を吸収し「第二ひかり幼稚園」に改名しました。
 2022年、「第一ひかり幼稚園」も園舎を増築し、0〜2歳児の保育を開始。現在、学園全体で700名の子どもたちと100名の先生たちが、神さまの愛に照らされ「ひかりの子」として過ごしています。
 2024年からは、「幼稚園」を「こども園」に改名し、「第一ひかりこども園」と「第二ひかりこども園」となります。
 これからも、聖書の教えをもとに、やさしい心・きれいな心・つよい心を育む園として、神さまに用いて頂けますよう、どうぞお祈りください。

動かせ司法 満座の声で

 1963年埼玉県狭山市でおきた高校生殺害事件「狭山事件」の冤罪を訴える石川一雄さんを支援するため、5月23日冷たい雨の中、約1200人の市民が東京日比谷野外音楽堂に集った。狭山事件弁護団は2022年8月、東京高裁に11人の鑑定人の証人尋問と万年筆インク資料の鑑定実施を求め事実取り調べ請求書を提出している。市民集会で石川さんは、目が少し不自由になってきたけれども元気で闘っていくと訴え「吾が無実 叫び続けて60年 動かせ司法 満座の声で」と詠んだ。今年3月に再審が決まった袴田事件の袴田巌さんの姉袴田秀子さん、足利事件冤罪被害者の菅家利和さん、東住吉事件冤罪被害者の青木惠子さんらも連帯の声をあげた。集会後はデモ行進が行われた。
 市民集会直前に超教派で「キリスト者前段集会」(会場:日本聖公会聖アンデレホール)が開かれ、不正義が続いていることへの懺悔と公正への願いを共に祈った(44名が参加)。呼びかけ団体の各代表、日本キリスト教協議会総幹事金性済さんが開会祈祷、同・議長吉髙叶さん、部落問題に取り組むキリスト教連帯会議議長奥村貴充さん、日本カトリック部落差別人権委員会委員長・長崎大司教中村倫明さん、日本基督教団部落解放センター運営委員長鈴木祈さんらが団体アピールを行った。またマリアの宣教者フランシスコ修道会のシスター細渕則子さんが「私と狭山事件」と題しご自身の関わりを共有した。運営委員山内英子さんが閉会祈祷をささげた。「同宗連」事務局長我孫子高宏さんも来賓挨拶いただいた。各教区からの参加者は前段集会後に各地での取り組みを共有した。部落解放センターからは、運営委員長鈴木祈さん、活動委員の汐碇直美さん、金愛さん、主事上野が参加した。これからも石川さんの無罪と解放を求める祈りを合わせ、署名活動等への参加を強く求めていきたい。

(上野玲奈報)

PageTOP
日本基督教団 
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
Copyright (c) 2007-2025
The United Church of Christ in Japan