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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4999号】人ひととき(6面)

2023年6月24日

信仰と漢方の遺産を継ぎ

尾鷲教会員、三重県立志摩病院医師、漢方診療・東洋医学会専門医
古橋 健彦さん

 毎朝、教会のオンライン早天祈祷会に出席し、出勤するのが日課、「祈祷会から始めることで一日を大事にできる」と語る古橋さんは、志摩で漢方診療を行う漢方医だ。
 祖母と母がキリスト者の家庭に生まれ、尾鷲教会の幼稚園に通った。中高時代は横浜に新設された国際教育を掲げる一貫校で寮生活を送る。帰国子女や外交官の子弟に囲まれる生活に居場所を見失い、中学2年のある夜、学園創設者に「ここにいる意義がわからない」と訴えると、先生は「対話を学び、異なる価値観に触れて視野を広げること」と答えた。この言葉に目覚めるも、勉強より柔道に熱中し、喧嘩に負ければ空手をやった。自分の夢や適性よりも「医者の子は医者」という時代だったと古橋さんは語るが、時が来ると医学部へ進学。医者である母に「医者はひとりではダメだ。信仰を持たなければ」と強く勧められた。母の言葉で教会に通い始め、22歳で受洗した。牧師の紹介により伴侶の智恵子さんと出会えたことは「神さまからのご褒美だと思う」と古橋さんは語る。
 医者としての歩みは順風満帆ではなく、挫折も同然の経験をして地元に帰る。開業医の父母の手伝いの傍ら、もう一度学び直した。中でも目が開かれたことは、東洋医学に精通した皮膚科医の父が漢方で患者を癒すのを目の前で見たことだった。親は魚を欲しがる子に「蛇を与えるだろうか」(マタイ7・10)。父親が自分に本物を教えようとしていると感じた。このときから東洋医学に傾倒し、「師匠」のもとに通って学んだ。今は自らが「弟子」に教える側だ。漢方の良さを認め、学ぼうとする医者は多くはない。しかし、「漢方も福音も本物だから伝えたい」。芽生えるのは10年先かもしれない。その日のために、日々種蒔きに励む。

 

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