動かせ司法 満座の声で
1963年埼玉県狭山市でおきた高校生殺害事件「狭山事件」の冤罪を訴える石川一雄さんを支援するため、5月23日冷たい雨の中、約1200人の市民が東京日比谷野外音楽堂に集った。狭山事件弁護団は2022年8月、東京高裁に11人の鑑定人の証人尋問と万年筆インク資料の鑑定実施を求め事実取り調べ請求書を提出している。市民集会で石川さんは、目が少し不自由になってきたけれども元気で闘っていくと訴え「吾が無実 叫び続けて60年 動かせ司法 満座の声で」と詠んだ。今年3月に再審が決まった袴田事件の袴田巌さんの姉袴田秀子さん、足利事件冤罪被害者の菅家利和さん、東住吉事件冤罪被害者の青木惠子さんらも連帯の声をあげた。集会後はデモ行進が行われた。
市民集会直前に超教派で「キリスト者前段集会」(会場:日本聖公会聖アンデレホール)が開かれ、不正義が続いていることへの懺悔と公正への願いを共に祈った(44名が参加)。呼びかけ団体の各代表、日本キリスト教協議会総幹事金性済さんが開会祈祷、同・議長吉髙叶さん、部落問題に取り組むキリスト教連帯会議議長奥村貴充さん、日本カトリック部落差別人権委員会委員長・長崎大司教中村倫明さん、日本基督教団部落解放センター運営委員長鈴木祈さんらが団体アピールを行った。またマリアの宣教者フランシスコ修道会のシスター細渕則子さんが「私と狭山事件」と題しご自身の関わりを共有した。運営委員山内英子さんが閉会祈祷をささげた。「同宗連」事務局長我孫子高宏さんも来賓挨拶いただいた。各教区からの参加者は前段集会後に各地での取り組みを共有した。部落解放センターからは、運営委員長鈴木祈さん、活動委員の汐碇直美さん、金愛さん、主事上野が参加した。これからも石川さんの無罪と解放を求める祈りを合わせ、署名活動等への参加を強く求めていきたい。
(上野玲奈報)