2021年度 教勢報告(B表)財政報告(C表)から見えてくるコロナ禍の影響
新型コロナウイルス感染症の拡大が始まってから、4年目を迎えているが、キリスト教界を取り巻く状況の厳しさは続いている。昨年度はコロナ禍初年度であった2020年度と前年度(2019年度)との統計から見た教団の諸教会伝道所における教勢と財務状況について比較検討してみた。そこで明らかとなったことは、礼拝出席者の減少とそれに伴う財務状況の悪化であったが、特別献金が増えるなど、コロナ禍の中にあっても、教会伝道所を支えようとする思いと祈りとがみられた。
コロナ禍2年目に入り、更に諸教会伝道所がどのような状況であったのか、前年度に続いて、統計データを基に考察を試みた。
1.現住陪餐会員について
21年度は7万3548名であった。20年度は7万5087名、19年度は7万7288名と、コロナ禍以前からの減少傾向は依然とし……
平和の計画を生きる
主はこう言われる。バビロンに七十年の時が満ちたなら、わたしはあなたたちを顧みる。わたしは恵みの約束を果たし、あなたたちをこの地に連れ戻す。わたしは、あなたたちのために立てた計画をよく心に留めている、と主は言われる。それは平和の計画であって、災いの計画ではない。将来と希望を与えるものである。そのとき、あなたたちがわたしを呼び、来てわたしに祈り求めるなら、わたしは聞く。わたしを尋ね求めるならば見いだし、心を尽くしてわたしを求めるなら、わたしに出会うであろう、と主は言われる。わたしは捕囚の民を帰らせる。わたしはあなたたちをあらゆる国々の間に、またあらゆる地域に追いやったが、そこから呼び集め、かつてそこから捕囚として追い出した元の場所へ連れ戻す、と主は言われる。
エレミヤ書29章10〜14節
高知教会牧師
黒田若雄
「災い」としか思えない「今」
神さまはエレミ……
【4991号】メッセージ 主の食卓に集まろう(1面)
【4991号】コロナ3年目のクリスマス 新型コロナウイルス感染拡大の渦中で(2・3面)
【4991号】教区議長コラム(3面)
【4991号】2・11メッセージ(3面)
【4991号】事務局報、お詫び・訂正(3面)
【4991号】伝道のともしび(4面)
【4991号】 ▼年金局理事会 ▼(4面)
【4991号】人ひととき(4面)……
教区議長の働きを担う中での大きな感謝は、四国のそれぞれの場で歩む信徒の方々の、信仰の歩みから出てくる言葉に出会わせていただけることである。
かなり以前になるが、南予分区のある教会の役員の方々と、懇談する時があった。一人の方が、こう言われた。もし、この教会がなくなったとしても、今なら車で約20キロ先の隣の教会の礼拝に出席はできる。しかし、高齢となり車の運転が出来なくなれば、遠距離通うことは難しくなる。そして、最後にこう言われた。「高齢化が進んでいる四国だからこそ、四国にはもっと教会が必要ではないかと思います」と。私は、本当にその通りだと思わされた。高齢化が進むからこそ、礼拝出席が可能な範囲に教会があることはどんなに大きな意味があるのだろうかと、考えさせられた。
四国教区は、それぞれの教会を伝道の拠点と受け止め、この伝道のネットワークを大切にしてきた。そして、高齢化が進むからこそ、更……
愛がなければ
ケイトリン・オークインさん
シカゴで育ち、幼い頃から長老派の教会に通っていたケイトリン・オークインさんが、自覚的に信仰を受け止めたのは中学生の時。人生が神の御手の中にあり、良いことも悪いことも、全てを益としてくださることを知らされた。
ブレザレンの大学で宗教学と政治学を学び、卒業時に教会の海外宣教に信徒を派遣する部署を訪ねたところ、アジア学院で2年間働くプログラムを紹介された。2018年に赴任、支援金を集める部署で働きながら、学生たちと生活を共にした。
任期を終えた2020年はコロナウイルスが猛威を振るっている時期で、「帰国しても仕事は見つからない」と考え、日本に留まることを決意、金城学院中学校で英語教師の職を与えられた。週16コマの授業の他、行事の準備、部活の顧問、礼拝のメッセージなど、多岐にわたる働きを担っている。
生徒の中には、恥ずかしがりやで、勉強は……
3年ぶりに集って開催
第1回年金局理事会が、1月20日キリスト教会館会議室(一部オンライン参加)で開催され、教区代表理事、監事、総幹事、東京教区支区代表、隠退教師を支える運動推進委員長ら総勢27名が3年ぶりに集った。
今総会期には北海、奥羽、東京、神奈川、中部、九州、常議員会推薦の7名の理事と監事1名の交代があった。まず、招集者中川義幸理事が年金局理事長に推薦され、満場一致で承認された。また金刺英雄(関東)、渡邊義彦(東京)、籔田安晴(常議員会)、髙花富夫(常議員会)各理事が常任理事に推薦され、理事長、秋山徹総幹事と6名で常任理事会を構成することが提案、承認された。
この3年間コロナ禍の中で、教区総会を始め、各集会等の開催が難しく、また実施されてもオンライン開催や規模の縮小により、年金局からの報告やアピールがままならないこと、そのような状況での知恵や工夫などの報告が教区代表理事……
キリストの妥協なき眼差しに導かれ
石動教会牧師・幼保連携型認定こども園石動青葉保育園園長
井幡 清志
富山県下でも人口減少著しい小矢部市。公立園は統合、他の私立園も定員を下げ始めた中で当園は数億円を借りて新園舎を建築。地域の子育て世代に「園児の生き生きした姿」が少しずつ伝わり165名の園児と充実した日常を送っています。「うまくいっている」ということでなく、託された務めを見極め、自分たちの働きを磨き、共に担う保育者の人生を大切にして、小さなこと一つ一つに立ち止まってきた今の姿です。
カナダ人キリスト者による明治期の創立ですが、今日の保育の難しさは当時の比でなく子育ての孤立化、地域子ども社会の衰退、夜型生活の低年齢化、ゲームや動画サイトの影響など厳しい状況が山盛り。その中で命を深く捉え、生きる幸いを心の奥にまで伝え、『子供の育ちを救う』ことは保育に与えられた務めです。そこで真に……
大久保教道(隠退教師)
22年1月18日逝去、94歳。東京都生まれ。88年受允、94年受按。88年より小金、長生教会を牧会し、04年隠退。遺族は息・大久保教宏さん。
大串 肇(仙川教会主任担任教師)
23年1月8日逝去、65歳。東京都生まれ。85年東京神学大学大学院修了。同年より東中通、仙川教会を牧会。遺族は妻・大串浩子さん。
風間直次郎(隠退教師)
23年1月12日逝去、82歳。東京都生まれ。71年日本聖書神学校卒業、72年より赤磐、小石川白山、七里教会を牧会し、14年隠退。遺族は妻・風間トモ子さん。
平居 讓(隠退教師)
23年1月14日逝去、90歳。京都府生まれ。58年同志社大学大学院修了、同年より五泉、津川、原市、王子教会を牧会し、教団事務局幹事を務め、97年隠退。遺族は子・平居進・いずみさん。
德永五郎(隠退教師)
23年1月16日逝去、92歳。山口県……
2・11に思う
〜“自由”こそ人権そのものです〜
私にとって長らく、2月11日は「両親の結婚記念日」でした。子どもの頃より「紀元節」に結婚したのだと、何度も両親から聞かされてきたためです。生きていれば今年で100歳を迎えていたはずの母は、2代目のキリスト者として、それは熱心に聖書に基づく子育てに徹した人でした。しかし、母の口からは、なんの抵抗もなく「紀元節」の言葉が発せられていたのです。日本神話を基として定められた「紀元節」は、1948年に廃止されますが、1966年、同じ日が「建国をしのび 国を愛する心を養う」ことを目的とする「建国記念日」として制定されました。教団では、この日を「信教の自由を守る日」としています。
個人の思想や信仰に対する国の動きを振り返ると、1939年、第二次世界大戦の前夜、宗教団体を国家の統制化に置くことを目的とした宗教団体法が公布され、信教の自由は大きく制……
伝道・連帯・奉仕を柱に
西東京教区
岩田昌路
西東京教区は1999年4月に旧東京教区西支区が独立して設立された新しい教区です。教区が近くなり総会や諸集会を主日の午後に開催できる利点も生まれました。設立当初より「積極的に福音伝道を行う教区」、「諸教会が互助に努め、連帯する教区」、「社会の課題に取り組み、地域に奉仕する教区」が教区形成の三つの柱とされています。
戦後、東京教区の諸教会が西へと開拓伝道して設立された諸教会が多くあり、親教会群による開拓伝道で設立された諸教会があります。そして「教会を生み出す」という教区設立の理念により、教区による開拓伝道が志向され、再開発計画地・アジア最大の大学密集地の立川で展開することへ導かれ、2013年に立川からしだね伝道所が開所されました。やがて土地建物が購入され、現在は借入金完済の目途も立ち、新たな段階に進む時期を迎えています。
一方、現代……