城門の中でサウルはサムエルに近づいて、彼に言った。「お尋ねしますが、先見者の家はどこでしょうか。」サムエルはサウルに答えた。「わたしが先見者です。先に聖なる高台へ上って行きなさい。今日はわたしと一緒に食事をしてください。明朝、あなたを送り出すとき、あなたの心にかかっていることをすべて説明します。三日前に姿を消したろばのことは、一切、心にかける必要はありません。もう見つかっています。全イスラエルの期待は誰にかかっているとお思いですか。あなたにです。そして、あなたの父の全家にです。」
サウルは答えて言った。「わたしはイスラエルで最も小さな部族ベニヤミンの者ですし、そのベニヤミンでも最小の一族の者です。どんな理由でわたしにそのようなことを言われるのですか。」サムエルはサウルと従者を広間に導き、招かれた人々の上座に席を与えた。三十人ほどの人が招かれていた。サムエルは料理人に命じた。「取り分けておくようにと、渡しておいた分を出しなさい。」料理人は腿肉と脂尾を取り出し、サウルの前に差し出した。サムエルは言った。「お出ししたのは取り分けておいたものです。取っておあがりなさい。客人をお呼びしてあると人々に言って、この時まであなたに取っておきました。」この日、サウルはサムエルと共に食事をした。聖なる高台から町に下ると、サムエルはサウルと屋上で話し合った。
彼らは朝早く起きた。夜が明けると、サムエルは屋上のサウルを呼んで言った。「起きなさい。お見送りします。」サウルは起きて、サムエルと一緒に外に出た。町外れまで下って来ると、サムエルはサウルに言った。「従者に、我々より先に行くよう命じ、あなたはしばらくここにいてください。神の言葉をあなたにお聞かせします。」従者は先に行った。
サムエルは油の壺を取り、サウルの頭に油を注ぎ、彼に口づけして、言った。
あるとき、サウルの父キシュのろばが数頭、姿を消した。キシュはその子サウルに言いつけた。「若い者を一人連れて、ろばを捜しに行ってくれ。」
彼はエフライムの山地を越え、シャリシャの地を過ぎて行ったが、ろばを見つけ出せず、シャアリムの地を越えてもそこにはおらず、ベニヤミンの地を越えても見つけ出せなかった。ツフの地に来たとき、サウルは供の若者に言った。「さあ、もう帰ろう。父が、ろばはともかくとして、わたしたちを気遣うといけない。」若者は答えた。「ちょうどこの町に神の人がおられます。尊敬されている人で、その方のおっしゃることは、何でもそのとおりになります。その方を訪ねてみましょう。恐らくわたしたちの進むべき道について、何か告げてくださるでしょう。」サウルは若者に言った。「訪ねるとしても、その人に何を持参できよう。袋にパンはもうないし、神の人に持参する手土産はない。何か残っているか。」若者はまたサウルに答えて言った。「御覧ください。ここに四分の一シェケルの銀があります。これを神の人に差し上げて、どうしたらよいのか教えていただきましょう。」昔、イスラエルでは神託を求めに行くとき、先見者のところへ行くと言った。今日の預言者を昔は先見者と呼んでいた。
サウルは若者に言った。「それはいい。さあ行こう。」彼らは神の人がいる町に向かった。
町に通じる坂を上って行くと、水くみに出て来た娘たちに出会った。彼らは彼女たちに尋ねた。「ここに先見者がおられますか。」娘たちは答えて言った。「はい、おられます。この先です。お急ぎなさい。今日、この町に来られたのです。聖なる高台で民のためにいけにえがささげられるのは今日なのです。町に入るとすぐ、あの方に会えるでしょう。あの方は食事のために聖なる高台に上られるところです。人々は、あの方が来られるまでは食べません。あの方がいけにえを祝福してくださるからです。祝福が終わると、招かれた者が食べるのです。今上って行けば、すぐにあの方に会えるでしょう。」
二人が町に上り、町の中に入って行こうとしたとき、サムエルも聖なる高台に上ろうと向こうからやって来た。
ある日のこと、イエスが教えておられると、ファリサイ派の人々と律法の教師たちがそこに座っていた。この人々は、ガリラヤとユダヤのすべての村、そしてエルサレムから来たのである。主の力が働いて、イエスは病気をいやしておられた。すると、男たちが中風を患っている人を床に乗せて運んで来て、家の中に入れてイエスの前に置こうとした。しかし、群衆に阻まれて、運び込む方法が見つからなかったので、屋根に上って瓦をはがし、人々の真ん中のイエスの前に、病人を床ごとつり降ろした。イエスはその人たちの信仰を見て、「人よ、あなたの罪は赦された」と言われた。ところが、律法学者たちやファリサイ派の人々はあれこれと考え始めた。「神を冒瀆するこの男は何者だ。ただ神のほかに、いったいだれが、罪を赦すことができるだろうか。」イエスは、彼らの考えを知って、お答えになった。「何を心の中で考えているのか。『あなたの罪は赦された』と言うのと、『起きて歩け』と言うのと、どちらが易しいか。人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。」そして、中風の人に、「わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい」と言われた。その人はすぐさま皆の前で立ち上がり、寝ていた台を取り上げ、神を賛美しながら家に帰って行った。人々は皆大変驚き、神を賛美し始めた。そして、恐れに打たれて、「今日、驚くべきことを見た」と言った。
【4991号】メッセージ 主の食卓に集まろう(1面)
【4991号】コロナ3年目のクリスマス 新型コロナウイルス感染拡大の渦中で(2・3面)
【4991号】教区議長コラム(3面)
【4991号】2・11メッセージ(3面)
【4991号】事務局報、お詫び・訂正(3面)
【4991号】伝道のともしび(4面)
【4991号】 ▼年金局理事会 ▼(4面)
【4991号】人ひととき(4面)
教区議長の働きを担う中での大きな感謝は、四国のそれぞれの場で歩む信徒の方々の、信仰の歩みから出てくる言葉に出会わせていただけることである。
かなり以前になるが、南予分区のある教会の役員の方々と、懇談する時があった。一人の方が、こう言われた。もし、この教会がなくなったとしても、今なら車で約20キロ先の隣の教会の礼拝に出席はできる。しかし、高齢となり車の運転が出来なくなれば、遠距離通うことは難しくなる。そして、最後にこう言われた。「高齢化が進んでいる四国だからこそ、四国にはもっと教会が必要ではないかと思います」と。私は、本当にその通りだと思わされた。高齢化が進むからこそ、礼拝出席が可能な範囲に教会があることはどんなに大きな意味があるのだろうかと、考えさせられた。
四国教区は、それぞれの教会を伝道の拠点と受け止め、この伝道のネットワークを大切にしてきた。そして、高齢化が進むからこそ、更にきめ細やかなものにしていく必要があるのではないかと、思わされている。
体が真に生きるために隅々まで毛細血管が伸びているように、日本の隅々にまで伝道のネットワークが広がっている。そうして、日本のどこでも礼拝を捧げ信仰の道を歩むことが出来る。そんな教団の将来を、祈り求めていきたいと願わされている。
(教団総会書記 黒田若雄)
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