偽りの天秤を主はいとい/十全なおもり石を喜ばれる。高慢には軽蔑が伴い/謙遜には知恵が伴う。正しい人は自分の無垢に導かれ/裏切り者は自分の暴力に滅ぼされる。怒りの日には、富は頼りにならない。慈善は死から救う。無垢な人の慈善は、彼の道をまっすぐにする。神に逆らう者は、逆らいの罪によって倒される。正しい人は慈善によって自分を救い/裏切り者は自分の欲望の罠にかかる。神に逆らう者は力に望みをかけ、期待しても/死ねばそれも失われる。神に従う人は苦難に陥っても助け出され/神に逆らう者が代わってそこに落とされる。神を無視する者は口先で友人を破滅に落とす。神に従う人は知識によって助け出される。神に従う人が幸いを得れば町は喜び/神に逆らう者が滅びれば歓声をあげる。正しい人の祝福によって町は興り/神に逆らう者の口によって町は滅びる。心ない者は友人を侮る。英知ある人は沈黙を守る。
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ソロモンの格言集。知恵ある子は父の喜び、愚かな子は母の嘆き。不正による富は頼りにならない。慈善は死から救う。主は従う人を飢えさせられることはない。逆らう者の欲望は退けられる。手のひらに欺きがあれば貧乏になる。勤勉な人の手は富をもたらす。夏のうちに集めるのは成功をもたらす子。刈り入れ時に眠るのは恥をもたらす子。
神に従う人は頭に祝福を受ける。神に逆らう者は口に不法を隠す。神に従う人の名は祝福され/神に逆らう者の名は朽ちる。知恵ある心は戒めを受け入れ/無知な唇は滅びに落とされる。完全な道を歩む人は安らかに歩む。道を曲げれば知られずには済まない。嘲りのまなざしは人を苦しめる。無知な唇は滅びに落とされる。神に従う人の口は命の源/神に逆らう者の口は不法を隠す。憎しみはいさかいを引き起こす。愛はすべての罪を覆う。聡明な唇には知恵がある。意志の弱い者の背には杖。
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知恵は家を建て、七本の柱を刻んで立てた。獣を屠り、酒を調合し、食卓を整えはしためを町の高い所に遣わして/呼びかけさせた。「浅はかな者はだれでも立ち寄るがよい。」意志の弱い者にはこう言った。「わたしのパンを食べ/わたしが調合した酒を飲むがよい浅はかさを捨て、命を得るために/分別の道を進むために。」不遜な者を諭しても侮られるだけだ。神に逆らう者を戒めても自分が傷を負うだけだ。不遜な者を叱るな、彼はあなたを憎むであろう。知恵ある人を叱れ、彼はあなたを愛するであろう。知恵ある人に与えれば、彼は知恵を増す。神に従う人に知恵を与えれば、彼は説得力を増す。主を畏れることは知恵の初め/聖なる方を知ることは分別の初め。
主は、その道の初めにわたしを造られた。いにしえの御業になお、先立って。永遠の昔、わたしは祝別されていた。太初、大地に先立って。わたしは生み出されていた/深淵も水のみなぎる源も、まだ存在しないとき。山々の基も据えられてはおらず、丘もなかったが/わたしは生み出されていた。大地も野も、地上の最初の塵も/まだ造られていなかった。わたしはそこにいた/主が天をその位置に備え/深淵の面に輪を描いて境界とされたとき主が上から雲に力をもたせ/深淵の源に勢いを与えられたときこの原始の海に境界を定め/水が岸を越えないようにし/大地の基を定められたとき。御もとにあって、わたしは巧みな者となり/日々、主を楽しませる者となって/絶えず主の御前で楽を奏し主の造られたこの地上の人々と共に楽を奏し/人の子らと共に楽しむ。さて、子らよ、わたしに聞き従え。わたしの道を守る者は、いかに幸いなことか。諭しに聞き従って知恵を得よ……
知恵が呼びかけ/英知が声をあげているではないか。高い所に登り、道のほとり、四つ角に立ち城門の傍ら、町の入り口/城門の通路で呼ばわっている。「人よ/あなたたちに向かってわたしは呼びかける。人の子らに向かってわたしは声をあげる。浅はかな者は熟慮することを覚え/愚か者は反省することを覚えよ。聞け、わたしは指導者として語る。わたしは唇を開き、公平について述べわたしの口はまことを唱える。わたしの唇は背信を忌むべきこととしわたしの口の言葉はすべて正しく/よこしまなことも曲がったことも含んでいない。理解力のある人には/それがすべて正しいと分かる。知識に到達した人には/それがすべてまっすぐであると分かる。銀よりもむしろ、わたしの諭しを受け入れ/精選された金よりも、知識を受け入れよ。知恵は真珠にまさり/どのような財宝も比べることはできない。わたしは知恵。熟慮と共に住まい/知識と慎重さを備えている。主を畏……
わたしが家の窓から/格子を通して外を眺めていると浅はかな者らが見えたが、中に一人/意志の弱そうな若者がいるのに気づいた。通りを過ぎ、女の家の角に来ると/そちらに向かって歩いて行った。日暮れ時の薄闇の中を、夜半の闇に向かって。見よ、女が彼を迎える。遊女になりきった、本心を見せない女。騒々しく、わがままで/自分の家に足の落ち着くことがない。街に出たり、広場に行ったり/あちこちの角で待ち構えている。彼女は若者をつかまえると接吻し/厚かましくも、こう言った。「和解の献げ物をする義務があったのですが/今日は満願の供え物も済ませました。それで、お迎えに出たのです。あなたのお顔を捜し求めて、やっと会えました。寝床には敷物を敷きました/エジプトの色糸で織った布を。床にはミルラの香りをまきました/アロエやシナモンも。さあ、愛し合って楽しみ/朝まで愛を交わして満ち足りましょう。夫は家にいないのです、遠くへ……
怠け者よ、蟻のところに行って見よ。その道を見て、知恵を得よ。蟻には首領もなく、指揮官も支配者もないが夏の間にパンを備え、刈り入れ時に食糧を集める。怠け者よ、いつまで横になっているのか。いつ、眠りから起き上がるのか。しばらく眠り、しばらくまどろみ/しばらく手をこまぬいて、また横になる。貧乏は盗賊のように/欠乏は盾を持つ者のように襲う。ならず者、悪を行う者、曲がったことを言い歩く者目くばせし、足で合図し、指さす者心に暴言を隠し、悪を耕し/絶えずいさかいを起こさせる者このような者には、突然、災いが襲いかかり/たちまち痛手を負うが、彼を癒す者はない。主の憎まれるものが六つある。心からいとわれるものが七つある。驕り高ぶる目、うそをつく舌/罪もない人の血を流す手悪だくみを耕す心、悪事へと急いで走る足欺いて発言する者、うそをつく証人/兄弟の間にいさかいを起こさせる者。
……
子らよ、父の諭しを聞け/分別をわきまえるために、耳を傾けよ。わたしは幸いを説いているのだ。わたしの教えを捨ててはならない。わたしも父にとっては息子であり/母のもとでは、いとけない独り子であった。父はわたしに教えて言った。「わたしの言葉をお前の心に保ち/わたしの戒めを守って、命を得よ。わたしの口が言いきかせることを/忘れるな、離れ去るな。知恵を獲得せよ、分別を獲得せよ。知恵を捨てるな/彼女はあなたを見守ってくれる。分別を愛せよ/彼女はあなたを守ってくれる。知恵の初めとして/知恵を獲得せよ。これまでに得たものすべてに代えても/分別を獲得せよ。知恵をふところに抱け/彼女はあなたを高めてくれる。分別を抱きしめよ/彼女はあなたに名誉を与えてくれる。あなたの頭に優雅な冠を戴かせ/栄冠となってあなたを飾る。」わが子よ、聞け、わたしの言うことを受け入れよ。そうすれば、命の年月は増す。わたしはあなたに知……
わが子よ、主の諭しを拒むな。主の懲らしめを避けるな。かわいい息子を懲らしめる父のように/主は愛する者を懲らしめられる。いかに幸いなことか/知恵に到達した人、英知を獲得した人は。知恵によって得るものは/銀によって得るものにまさり/彼女によって収穫するものは金にまさる。真珠よりも貴く/どのような財宝も比べることはできない。右の手には長寿を/左の手には富と名誉を持っている。彼女の道は喜ばしく/平和のうちにたどって行くことができる。彼女をとらえる人には、命の木となり/保つ人は幸いを得る。主の知恵によって地の基は据えられ/主の英知によって天は設けられた。主の知識によって深淵は分かたれ/雲は滴って露を置く。
知恵は巷に呼ばわり/広場に声をあげる。雑踏の街角で呼びかけ/城門の脇の通路で語りかける。「いつまで/浅はかな者は浅はかであることに愛着をもち/不遜な者は不遜であることを好み/愚か者は知ることをいとうのか。立ち帰って、わたしの懲らしめを受け入れるなら/見よ、わたしの霊をあなたたちに注ぎ/わたしの言葉を示そう。しかし、わたしが呼びかけても拒み/手を伸べても意に介せずわたしの勧めをことごとくなおざりにし/懲らしめを受け入れないならあなたたちが災いに遭うとき、わたしは笑い/恐怖に襲われるとき、嘲笑うであろう。恐怖が嵐のように襲い/災いがつむじ風のように起こり/苦難と苦悩があなたたちを襲うとき。」そのときになって/彼らがわたしを呼んでもわたしは答えず/捜し求めても/わたしを見いだすことはできない。彼らは知ることをいとい/主を畏れることを選ばずわたしの勧めに従わず/懲らしめをすべてないがしろにした。だ……