不義によって真理の働きを妨げる人間のあらゆる不信心と不義に対して、神は天から怒りを現されます。なぜなら、神について知りうる事柄は、彼らにも明らかだからです。神がそれを示されたのです。世界が造られたときから、目に見えない神の性質、つまり神の永遠の力と神性は被造物に現れており、これを通して神を知ることができます。従って、彼らには弁解の余地がありません。なぜなら、神を知りながら、神としてあがめることも感謝することもせず、かえって、むなしい思いにふけり、心が鈍く暗くなったからです。自分では知恵があると吹聴しながら愚かになり、滅びることのない神の栄光を、滅び去る人間や鳥や獣や這うものなどに似せた像と取り替えたのです。そこで神は、彼らが心の欲望によって不潔なことをするにまかせられ、そのため、彼らは互いにその体を辱めました。神の真理を偽りに替え、造り主の代わりに造られた物を拝んでこれに仕えたのです。造……
キリスト・イエスの僕、神の福音のために選び出され、召されて使徒となったパウロから、――この福音は、神が既に聖書の中で預言者を通して約束されたもので、御子に関するものです。御子は、肉によればダビデの子孫から生まれ、聖なる霊によれば、死者の中からの復活によって力ある神の子と定められたのです。この方が、わたしたちの主イエス・キリストです。わたしたちはこの方により、その御名を広めてすべての異邦人を信仰による従順へと導くために、恵みを受けて使徒とされました。この異邦人の中に、イエス・キリストのものとなるように召されたあなたがたもいるのです。――神に愛され、召されて聖なる者となったローマの人たち一同へ。わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように。まず初めに、イエス・キリストを通して、あなたがた一同についてわたしの神に感謝します。あなたがたの信仰が全世界に言い……
主なる神が地と天を造られたとき、地上にはまだ野の木も、野の草も生えていなかった。主なる神が地上に雨をお送りにならなかったからである。また土を耕す人もいなかった。しかし、水が地下から湧き出て、土の面をすべて潤した。主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。主なる神は、東の方のエデンに園を設け、自ら形づくった人をそこに置かれた。主なる神は、見るからに好ましく、食べるに良いものをもたらすあらゆる木を地に生えいでさせ、また園の中央には、命の木と善悪の知識の木を生えいでさせられた。
主なる神は人を連れて来て、エデンの園に住まわせ、人がそこを耕し、守るようにされた。主なる神は人に命じて言われた。「園のすべての木から取って食べなさい。ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう。」主なる神……
荒れ野から上って来るおとめは誰か/恋人の腕に寄りかかって。
りんごの木の下で/わたしはあなたを呼びさましましょう。あなたの母もここであなたをみごもりました。あなたを産んだ方も/ここであなたをみごもりました。
わたしを刻みつけてください/あなたの心に、印章として/あなたの腕に、印章として。
愛は死のように強く/熱情は陰府のように酷い。火花を散らして燃える炎。
大水も愛を消すことはできない/洪水もそれを押し流すことはできない。愛を支配しようと/財宝などを差し出す人があれば/その人は必ずさげすまれる。
……
それはわたしの恋しい人へ滑らかに流れ/眠っているあの人の唇に滴ります。わたしは恋しい人のもの/あの人はわたしを求めている。恋しい人よ、来てください。野に出ましょう/コフェルの花房のもとで夜を過ごしましょう。朝になったらぶどう畑に急ぎ/見ましょう、ぶどうの花は咲いたか、花盛りか/ざくろのつぼみも開いたか。それから、あなたにわたしの愛をささげます。恋なすは香り/そのみごとな実が戸口に並んでいます。新しい実も、古い実も/恋しい人よ、あなたのために取っておきました。あなたが、わたしの母の乳房を吸った/本当の兄だと思う人なら/わたしをとがめたりはしないでしょう/外であなたにお会いして/くちづけするわたしを見ても。わたしを育ててくれた母の家に/あなたをお連れして/香り高いぶどう酒を/ざくろの飲み物を差し上げます。あの人が左の腕をわたしの頭の下に伸べ/右の腕でわたしを抱いてくださればよいのに。エルサレ……
眠っていても/わたしの心は目覚めていました。恋しい人の声がする、戸をたたいています。「わたしの妹、恋人よ、開けておくれ。わたしの鳩、清らかなおとめよ。わたしの頭は露に/髪は夜の露にぬれてしまった。」衣を脱いでしまったのに/どうしてまた着られましょう。足を洗ってしまったのに/どうしてまた汚せましょう。恋しい人は透き間から手を差し伸べ/わたしの胸は高鳴りました。恋しい人に戸を開こうと起き上がりました。わたしの両手はミルラを滴らせ/ミルラの滴は指から取っ手にこぼれ落ちました。戸を開いたときには、恋しい人は去った後でした。恋しい人の言葉を追って/わたしの魂は出て行きます。求めても、あの人は見つかりません。呼び求めても、答えてくれません。街をめぐる夜警にわたしは見つかり/打たれて傷を負いました。城壁の見張りは、わたしの衣をはぎ取りました。エルサレムのおとめたちよ、誓ってください/もしわたしの恋しい……
夜ごと、ふしどに恋い慕う人を求めても/求めても、見つかりません。起き出して町をめぐり/通りや広場をめぐって/恋い慕う人を求めよう。求めても、あの人は見つかりません。わたしが町をめぐる夜警に見つかりました。「わたしの恋い慕う人を見かけましたか。」彼らに別れるとすぐに/恋い慕う人が見つかりました。つかまえました、もう離しません。母の家に/わたしを産んだ母の部屋にお連れします。エルサレムのおとめたちよ/野のかもしか、雌鹿にかけて誓ってください/愛がそれを望むまでは/愛を呼びさまさないと。荒れ野から上って来るおとめは誰か。煙の柱が近づいて来るかのよう。それは隊商のもたらすさまざまな香料/ミルラや乳香をたく煙。見よ、ソロモンの輿を。輿をになう六十人の勇士、イスラエルの精鋭。すべて、剣に秀でた戦士。夜襲に備えて、腰に剣。ソロモン王は天蓋を造らせた。レバノン杉を柱とし、銀の台座に金の玉座/エルサレムの……
恋しい人の声が聞こえます。山を越え、丘を跳んでやって来ます。恋しい人はかもしかのよう/若い雄鹿のようです。ごらんなさい、もう家の外に立って/窓からうかがい/格子の外からのぞいています。恋しい人は言います。「恋人よ、美しいひとよ/さあ、立って出ておいで。ごらん、冬は去り、雨の季節は終った。花は地に咲きいで、小鳥の歌うときが来た。この里にも山鳩の声が聞こえる。いちじくの実は熟し、ぶどうの花は香る。恋人よ、美しいひとよ/さあ、立って出ておいで。岩の裂け目、崖の穴にひそむわたしの鳩よ/姿を見せ、声を聞かせておくれ。お前の声は快く、お前の姿は愛らしい。」狐たちをつかまえてください/ぶどう畑を荒らす小狐を。わたしたちのぶどう畑は花盛りですから。恋しいあの人はわたしのもの/わたしはあの人のもの/ゆりの中で群れを飼っている人のもの。夕べの風が騒ぎ、影が闇にまぎれる前に/恋しい人よ、どうか/かもしかのよう……
恋人よ、あなたをたとえよう/ファラオの車をひく馬に。房飾りのゆれる頬も/玉飾りをかけた首も愛らしい。あなたに作ってあげよう/銀を散らした金の飾りを。王様を宴の座にいざなうほど/わたしのナルドは香りました。恋しい方はミルラの匂い袋/わたしの乳房のあいだで夜を過ごします。恋しい方は香り高いコフェルの花房/エン・ゲディのぶどう畑に咲いています。恋人よ、あなたは美しい。あなたは美しく、その目は鳩のよう。恋しい人、美しいのはあなた/わたしの喜び。わたしたちの寝床は緑の茂み。レバノン杉が家の梁、糸杉が垂木。わたしはシャロンのばら、野のゆり。おとめたちの中にいるわたしの恋人は/茨の中に咲きいでたゆりの花。若者たちの中にいるわたしの恋しい人は/森の中に立つりんごの木。わたしはその木陰を慕って座り/甘い実を口にふくみました。その人はわたしを宴の家に伴い/わたしの上に愛の旗を掲げてくれました。ぶどうのお菓子……
この後、わたしが見ていると、見よ、あらゆる国民、種族、民族、言葉の違う民の中から集まった、だれにも数えきれないほどの大群衆が、白い衣を身に着け、手になつめやしの枝を持ち、玉座の前と小羊の前に立って、大声でこう叫んだ。「救いは、玉座に座っておられるわたしたちの神と、/小羊とのものである。」また、天使たちは皆、玉座、長老たち、そして四つの生き物を囲んで立っていたが、玉座の前にひれ伏し、神を礼拝して、こう言った。「アーメン。賛美、栄光、知恵、感謝、/誉れ、力、威力が、/世々限りなくわたしたちの神にありますように、/アーメン。」すると、長老の一人がわたしに問いかけた。「この白い衣を着た者たちは、だれか。また、どこから来たのか。」そこで、わたしが、「わたしの主よ、それはあなたの方がご存じです」と答えると、長老はまた、わたしに言った。「彼らは大きな苦難を通って来た者で、その衣を小羊の血で洗って白くし……