■教団新報 第4976・77号
【4976・77号】2022年度❷教区総会報告(1面)
【4976・77号】お知らせ・荒野の声(1面)
【4976・77号】2022年度❷教区総会報告(2面)
【4976・77号】教団四役沖縄教区訪問記(2面)
【4976・77号】予算決算委員会(2面)
【4976・77号】教育委員会(3面)
【4976・77号】伝道推進室(3面)
【4976・77号】カルト問題相談会(3面)
【4976・77号】事務局報(3面)
【4976・77号】「東北地方地震被災教会支援募金」献金報告(3面)
【4976・77号】伝道のともしび 伝道報告(4面)
【4976・77号】カナダ合同教会との会合(4面)
【4976・77号】人ひととき(4面)
【4976・77号】沖縄を訪問して(4面)
5月第5日曜日、三役と総幹事の4名で、沖縄キリスト教センターにて開催された第82回沖縄教区総会に赴いた(コロナ感染対策のため別室にて傍聴)。
総会においては各議事が丁寧に審議され、三役・常置委員選挙が行われたほか、教区としての宣教活動や、教会・伝道所の互助・宣教協力について熱心な議論が続けられた。
何よりも祈りを深くさせられたことは、沖縄の諸教会・伝道所の宣教における苦闘である。配付資料によれば、沖縄教区28教会・伝道所全体の昨年度の現住陪餐会員数は498名で、礼拝出席者数は331名である。統計の数字だけで判断するということではないが、各教会・伝道所の財政状況も大変きびしい状況である。しかし、各教会・伝道所において礼拝が守られ、伝道がなされ、信徒が懸命に教会を支えている現状を知ることができた。日々、沖縄教区の教会・伝道所を覚えて祈りを合わせて行きたい。
コロナ禍のために時間短縮で教区総会が終わり、その後、4名で辺野古に向かい、金井創牧師(佐敷)所有の船「不屈」に乗せていただいた。辺野古ではダンプが列をなし、次々と土砂を投入している様子を間近で見ることができた。今この時も、まるでプログラミングされたロボットが作業しているかのように工事が続いていることを忘れてはならない。
(教団総会書記 雲然俊美)
わたしを強くして下さるかたによって
ワールド・ビジョン・ジャパン サポートサービス部部長
武蔵野教会員
佐野弘枝さん
4歳の頃に母が召され、祖母の家に預けられた佐野弘枝さん。急遽、入園することになった幼稚園がキリスト教系だったことが神さまとの出会いだった。縁側から空を見上げて、神さまとお話をするような子どもだったという。
父の再婚によって新しい生活が始まるが、両親に対する反抗心から心無い言葉をかけたこともあった。中学生の頃に国際支援活動に興味を持つ。授業で世界情勢を学び、自分が加害者であるとの意識を持った。また、家族から遠く離れた地で働きたいという思いもあったそうだ。
大学時代に宣教師が開いていた英会話教室に通い、クリスマス礼拝に出たことがきっかけで、教会にも通うようになり、1年後に受洗した。卒業後、民間企業に就職するも1年半で退職。宣教師の勧めでアメリカに渡り、教会生活を送った。帰国後、キリスト教精神に立ち人道支援・開発援助を行う国際NGOワールド・ビジョンに就職。当初は、慣れない経理を任され、勉強しながら働いた。現在は総務部門の長として80名近いスタッフを裏方で支えている。
厳しい環境にある子どもたちに愛を注ぐ働きを担う中で、その子どもたちと幼い頃の自らが重なり、自分も両親をはじめ、周囲の人々にどれだけ愛されてきたかということに気づかされた。それは、ワールド・ビジョンが大切にする活動の一つ「子どもたち自身が神と人とに愛されていることを知る」を、自らが経験することでもあった。
神の導きと救いの約束を信じているものの、争いの絶えない世界の現実を前に虚しさと憤りを覚えることもあると語る佐野さん。「わたしを強くして下さるかたによって、何事でもすることができる」(ピリピ4・13)との御言葉に励まされて、平和を実現するべく、世に遣わされて行く。
献金の使途を確認
日本基督教団とカナダ合同教会(The United Church of Canada/UCC)は、JNAC(日・北米宣教協力会)およびCoC(宣教協力協議会)を通じた協力関係にあり、2005年のJNAC解散後も正式な宣教協約は締結していないが、日加ユースミッションなどの交流・宣教師の派遣および受け入れなど協力関係は継続されてきた。また、カナダ合同教会はマイノリティーの諸課題に取り組んでおり、教団の部落解放センターや北海教区アイヌ民族情報センターへ継続的に支援がなされて来た。
このたびカナダ合同教会は日本にある不動産等の資産の全てを数年以内に売却することを決議し、その売却益については日本基督教団に全額ささげるとの決定がなされた。総額は7600万円で、カナダ合同教会の宣教課題でもあるマイノリティーの諸課題への取り組みと平和の実現に向けた宣教活動、および農村伝道のために用いることが条件となっている。また、そのうちの2800万円を教団独自のプロジェクトのために用いることが、カナダ合同教会との話し合いで決定していた。しかし、コロナ禍のために多くのプロジェクトが実施できなくなっていることから、今年6月、改めて、カナダ合同教会の担当幹事と教団の総幹事・幹事、世界宣教委員長とで、オンラインによる話し合いをもった結果、マイノリティーの諸課題に2000万円、平和実現への活動に1400万円、農村伝道のために1400万円、そして、教団独自のプロジェクトに2800万円を用いることで大枠を確認した。
今後は、この資金をどのように運用し配分して行くかが課題である。現在、教規の規定に従って総幹事の取り扱い事項として、最終的な協議を行っている。予定では、8月の予算決算委員会に提案し承認を得た後、三役の承認も得て、関係委員会や関連教区とも協議しながら、有意義な用いられ方がなされるように、取り組んで行きたい。
(道家紀一報)
神の愛の中で子どもたちを育む場
阿佐谷幼稚園園長、阿佐谷東教会牧師 坂下 道朗
阿佐谷幼稚園は1925(大正14)年10月、旧日本基督教会の牧師であった高崎能樹氏によって始められました(認可は翌1926年10月)。高崎牧師は関東大震災後、子どもたちへの「震災救護活動」に当たっていました。活動が終わり、子どもたちとの関わりが絶たれてしまったことを悲しみ、「一人前になるまで引越してゆかない子供たちの居る処で、長い間の持論である宗教教育を試みたい」と思い立ち、幼稚園を開くことを決断しました。場所を阿佐ヶ谷に定めた当時は、「左右に深い森があり、駅との間には田んぼが広がっていた」といいます。当初は様々な苦労があったようですが、10年後には卒業生400余名を送り出したと記録されています。
高崎牧師が大切にしたことの一つが母親への教育です。「子供をよくするにはどうしても先ず母性を教育せねばならぬ」と、「母の学校」(最初は「母の講座」)を設け、毎週1回キリスト教や子育てのための知識を教授しました。また後に小金井教会と小金井教会幼稚園の設立に尽力した武南高志牧師と協力して、育児雑誌『子供の教養』を発行しました。その後「母の学校」は年に数回の開催になりましたが、全員参加を原則としているのは、高崎牧師の願いを引き継いでのことです。最近は「母」のみならず、父親や祖父母なども参加しやすいよう「むくろじ学校」(園庭にある無患子・むくろじの木にちなんで)と改称し、現在に至っています。
その後、1954年、設置者が高崎牧師個人から阿佐谷東教会に変更されました。ちなみに教会が先にあって幼稚園を始めたのではなく、園舎内で礼拝を行うところから教会が生まれています。幼稚園から教会。珍しい順序かもしれません。
さて現状についてです。都市部の幼稚園にも、少子化や保育所増設の影響が出てきました。西東京教区には教育部の下に「幼稚園保育園連絡会」が置かれ、園長・設置者同士の交流や情報交換などが行われていますが、どの園も多かれ少なかれ園児減少に嘆いています。
すでに保育所機能を併せ持つ認定こども園になったり、早朝・夜間や長期休み中の預かり保育の充実を図っている園もありますが、従来型の幼稚園では立ちゆかなくなる園も増えそうです。当園は2017年度から「子ども子育て支援新制度」の下で運営される園となり、財政的には多少安定しましたが、それでもなお園児が減っていく現実は変わりません。
幼稚園があることで、教会学校にはそれなりの子どもたちがやってきます。ただ小学校高学年は塾通いのため、中学生は部活動のため、来られなくなる人が多くなります。残念です。保護者の中には子どもの入園を機に求道、受洗へと導かれる人も皆無ではありませんが、ごく稀なことです。それでもよいと思っています。幼稚園は神の愛の中で子どもたちを育む場だからです。その使命を誠実に果たしたいと思います。御言葉の種はしっかり蒔かれていますから。
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