モアブについての託宣。一夜のうちに、アルは略奪され、モアブは滅びた。一夜のうちに、キルは略奪され、モアブは滅びた。 ディボンの娘は、嘆くために聖なる高台に上った。ネボの上で、またメデバの上で/モアブは泣き叫ぶ。皆、髪をそり上げ、ひげをそり落とす。 巷で、人々は粗布をまとい/屋上でも広場でも皆、泣き叫び、嘆きくずおれる。 ヘシュボンとエルアレは助けを求めて叫び/その声はヤハツにまで聞こえる。それゆえ、モアブの武装した勇士も悲鳴をあげ/その心はおののく。 わが心は、モアブのために叫ぶ。逃れて行く者がツォアルへ/エグラト・シェリシヤへと向かう。彼らは、ルヒトの坂を泣きながら上り/ホロナイムへの道で、絶望の叫びをあげる。 ニムリムの水は干上がり/草は枯れ、青草は尽き/緑はなくなった。 それゆえ、彼らは蓄えた富と家財を携え/アラビムの川床を渡る。 叫び声は、モアブの全域に響き渡り/……
主が、あなたに負わせられた苦痛と悩みと厳しい労役から、あなたを解き放たれる日が来る。 そのとき、あなたはバビロンの王に対して、この嘲りの歌をうたう。
ああ、虐げる者は滅び/その抑圧は終わった。 主は、逆らう者の杖と/支配者の鞭を折られた。 かつて、彼らは激怒して諸民族を撃ち/撃って、とどまることを知らなかった。また、怒って諸国民を支配し/仮借なく踏みにじった。 しかし今、全世界は安らかに憩い/喜びの声を放つ。 糸杉もレバノン杉も/お前のことで喜ぶ。「ついに、お前が倒れたから/もはや、切り倒す者が/我々に向かって来ることはない。」
地下では、陰府が騒ぎを起こす/お前が来るのを迎えて。そして、亡霊たちを呼び覚ます/地上では、すべてつわものであった者らを。また、その王座から立ち上がらせる/諸国の王であった者らを皆。 彼らはこぞってお前を迎え、そして言う。「お前も……
アモツの子イザヤが幻に見た、バビロンについての託宣。 はげ山の上に旗を立て/彼らに向かって大声をあげ、手を振り/貴族の門から入らせよ。 わたしは、自ら聖別した者らに命じ/わたしの勇士、勝ち誇る兵士らを招いて/わたしの怒りを行わせる。 山々にどよめく音がする/多くの民の集う物音が。もろもろの国が騒ぎ立ち/諸国の民の集められる音がする。万軍の主が、軍勢を召集される。 彼らは遠くの地から来る/地平線のかなたから。主とその怒りの道具として/この国を滅ぼし尽くすために。 泣き叫べ、主の日が近づく。全能者が破壊する者を送られる。 それゆえ、すべての手は弱くなり/人は皆、勇気を失い、 恐れる。彼らは痛みと苦しみに捕らえられ/産婦のようにもだえ/驚きのあまり、顔を見合わせ/その顔は炎のようになる。 見よ、主の日が来る/残忍な、怒りと憤りの日が。大地を荒廃させ/そこから罪人を絶つために。 天のもろ……
アモツの子イザヤが、ユダとエルサレムについて幻に見たこと。 終わりの日に/主の神殿の山は、山々の頭として堅く立ち/どの峰よりも高くそびえる。国々はこぞって大河のようにそこに向かい 多くの民が来て言う。「主の山に登り、ヤコブの神の家に行こう。主はわたしたちに道を示される。わたしたちはその道を歩もう」と。主の教えはシオンから/御言葉はエルサレムから出る。 主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。彼らは剣を打ち直して鋤とし/槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず/もはや戦うことを学ばない。ヤコブの家よ、主の光の中を歩もう。
その日には、あなたは言うであろう。「主よ、わたしはあなたに感謝します。あなたはわたしに向かって怒りを燃やされたが/その怒りを翻し、わたしを慰められたからです。 見よ、わたしを救われる神。わたしは信頼して、恐れない。主こそわたしの力、わたしの歌/わたしの救いとなってくださった。」 あなたたちは喜びのうちに/救いの泉から水を汲む。その日には、あなたたちは言うであろう。「主に感謝し、御名を呼べ。諸国の民に御業を示し/気高い御名を告げ知らせよ。 主にほめ歌をうたえ。主は威厳を示された。全世界にその御業を示せ。 シオンに住む者よ/叫び声をあげ、喜び歌え。イスラエルの聖なる方は/あなたたちのただ中にいます大いなる方。」
その日が来れば、主は再び御手を下して/御自分の民の残りの者を買い戻される。彼らはアッシリア、エジプト、上エジプト、クシュ、エラム、シンアル、ハマト、海沿いの国々などに残されていた者である。 主は諸国の民に向かって旗印を掲げ/地の四方の果てから/イスラエルの追放されていた者を引き寄せ/ユダの散らされていた者を集められる。 エフライムのねたみは取り去られ/ユダの敵意は断たれる。エフライムはユダをねたまず/ユダはエフライムに敵対しない。 彼らは、西のペリシテを側面から襲い/共に、東の民を略奪する。彼らはエドムとモアブを支配し/アンモンの人々を服従させる。 主はエジプトの海の入り江を干上がらせ/御手を大河の上に振って、強風を起こし/それを打って七つの流れとし/サンダルのまま渡れるようにされる。 エジプトの地から上った日に/イスラエルのために備えられたように/アッシリアに残されていた/この民の……
その日には、イスラエルの残りの者とヤコブの家の逃れた者とは、再び自分たちを撃った敵に頼ることなく、イスラエルの聖なる方、主に真実をもって頼る。 残りの者が帰って来る。ヤコブの残りの者が、力ある神に。 あなたの民イスラエルが海の砂のようであっても、そのうちの残りの者だけが帰って来る。滅びは定められ、正義がみなぎる。 万軍の主なる神が、定められた滅びを全世界のただ中で行われるからだ。 それゆえ、万軍の主なる神はこう言われる。「シオンに住むわが民よ、アッシリアを恐れるな。たとえ、エジプトがしたように/彼らがあなたを鞭で打ち、杖を振り上げても。 やがて、わたしの憤りの尽きるときが来る。わたしの怒りは彼らの滅びに向けられる。 万軍の主は、彼らに対して鞭を振るわれる/かつて、オレブの岩で/ミディアン人を打たれたように。またエジプトでなされたように/杖を海の上に伸ばされる。 その日が来れば/あなたの肩か……
災いだ、わたしの怒りの鞭となるアッシリアは。彼はわたしの手にある憤りの杖だ。 神を無視する国に向かって/わたしはそれを遣わし/わたしの激怒をかった民に対して、それに命じる。「戦利品を取り、略奪品を取れ/野の土のように彼を踏みにじれ」と。 しかし、彼はそのように策を立てず/その心はそのように計らおうとしなかった。その心にあるのはむしろ滅ぼし尽くすこと/多くの国を断ち尽くすこと。 彼は言う。「王たちは、すべて、わたしの役人ではないか。 カルノはカルケミシュと同じではないか/ハマトは必ずアルパドのようになり/サマリアは必ずダマスコのようになる。 偶像を持つ国々/エルサレムにも/サマリアにもまさる像を持つ国々を/既に手中に納めたように そして、サマリアとその偶像にしたように/わたしは必ずエルサレムと/その彫像に対して行う。」 主はシオンの山とエルサレムに対する御業をすべて成就されるとき、……
まことに悪は火のように燃え/茨とおどろをなめ尽くす。森の茂みに燃えつき、煙の柱が巻き上がる。 万軍の主の燃える怒りによって、地は焼かれ/民は火の燃えくさのようになり/だれもその兄弟を容赦しない。 右から切り取っても、飢えている。左に食らいついても、飽くことができない。だれも皆、自分の同胞の肉を食らう。 マナセはエフライムを、エフライムはマナセを/そして彼らは共にユダを襲う。しかしなお、主の怒りはやまず/御手は伸ばされたままだ。災いだ、偽りの判決を下す者/労苦を負わせる宣告文を記す者は。 彼らは弱い者の訴えを退け/わたしの民の貧しい者から権利を奪い/やもめを餌食とし、みなしごを略奪する。 刑罰の日に向かって/襲って来る嵐に対して/お前たちはどうするつもりか。誰に助けを求めて逃れるつもりか。どこにお前たちは栄光を託そうとするのか。 捕らわれ人としてかがみ/殺された者となって倒れるだけ……
主は御言葉をヤコブに対して送り/それはイスラエルにふりかかった。 民はだれもかれも/エフライム、サマリアの住民も/それを認めたが、なお誇り、驕る心に言った。 「れんがが崩れるなら、切り石で家を築き/桑の木が倒されるなら、杉を代わりにしよう。」 主は民に対して、苦しめる者レツィンを興し/敵を奮い立たせられた。 アラムは東から、ペリシテは西から/大口を開けて、イスラエルを食らった。しかしなお、主の怒りはやまず/御手は伸ばされたままだ。 民は自分たちを打った方に立ち帰らず/万軍の主を求めようとしなかった。 それゆえ主は、イスラエルから頭も尾も/しゅろの枝も葦の茎も一日のうちに断たれた。 長老や尊敬される者、これが頭/偽りを教える者、預言者、これが尾だ。 この民を導くべき者は、迷わす者となり/導かれる者は、惑わされる者となった。 それゆえ、主は若者たちを喜ばれず/みなしごややもめ……