その名をマノアという一人の男がいた。彼はダンの氏族に属し、ツォルアの出身であった。彼の妻は不妊の女で、子を産んだことがなかった。
主の御使いが彼女に現れて言った。「あなたは不妊の女で、子を産んだことがない。だが、身ごもって男の子を産むであろう。
今後、ぶどう酒や強い飲み物を飲まず、汚れた物も一切食べないように気をつけよ。
あなたは身ごもって男の子を産む。その子は胎内にいるときから、ナジル人として神にささげられているので、その子の頭にかみそりを当ててはならない。彼は、ペリシテ人の手からイスラエルを解き放つ救いの先駆者となろう。」
女は夫のもとに来て言った。「神の人がわたしのところにおいでになりました。姿は神の御使いのようで、非常に恐ろしく、どこからおいでになったのかと尋ねることもできず、その方も名前を明かされませんでした。
ただその方は、わたしが……
見よ、主の日が来る。かすめ取られたあなたのものが/あなたの中で分けられる日が。
わたしは諸国の民をことごとく集め/エルサレムに戦いを挑ませる。都は陥落し、家は略奪され/女たちは犯され、都の半ばは捕囚となって行く。しかし、民の残りの者が/都から全く断たれることはない。
戦いの日が来て、戦わねばならぬとき/主は進み出て、これらの国々と戦われる。
その日、主は御足をもって/エルサレムの東にある/オリーブ山の上に立たれる。オリーブ山は東と西に半分に裂け/非常に大きな谷ができる。山の半分は北に退き、半分は南に退く。
あなたたちはわが山の谷を通って逃げよ。山あいの谷はアツァルにまで達している。ユダの王ウジヤの時代に/地震を避けて逃れたように逃げるがよい。わが神なる主は、聖なる御使いたちと共に/あなたのもとに来られる。
その日には、光がなく/冷えて、凍てつく……
その日、ダビデの家とエルサレムの住民のために、罪と汚れを洗い清める一つの泉が開かれる。
その日が来る、と万軍の主は言われる。わたしは数々の偶像の名をこの地から取り除く。その名が再び唱えられることはない。また預言者たちをも、汚れた霊をも、わたしはこの地から追い払う。
それでもなお預言する者がいれば、彼はその生みの親である父からも母からも、「主の御名において偽りを告げたのだから、お前は生きていてはならない」と言われ、その預言のゆえに生みの親である父と母によって刺し貫かれる。
その日、預言者たちは皆、預言をしても自分の幻のゆえに恥を受け、欺くための毛皮の外套を着るのをやめ、
「わたしは預言者ではない、土を耕す者だ。わたしは若いときから土地を所有している」と言う。
また、「あなたの胸にあるこの傷はどうしたのか」と問われると、「それは友人の家で受けたもの……
娘シオンよ、大いに踊れ。娘エルサレムよ、歓呼の声をあげよ。見よ、あなたの王が来る。彼は神に従い、勝利を与えられた者/高ぶることなく、ろばに乗って来る/雌ろばの子であるろばに乗って。
わたしはエフライムから戦車を/エルサレムから軍馬を絶つ。戦いの弓は絶たれ/諸国の民に平和が告げられる。彼の支配は海から海へ/大河から地の果てにまで及ぶ。
またあなたについては/あなたと結んだ契約の血のゆえに/わたしはあなたの捕らわれ人を/水のない穴から解き放つ。
希望を抱く捕らわれ人よ、砦に帰れ。今日もまた、わたしは告げる。わたしは二倍にしてあなたに報いる。
その日には、お前はもはや/わたしに背いて行った、いかなる悪事のゆえにも/辱められることはない。そのとき、わたしはお前のうちから/勝ち誇る兵士を追い払う。お前は、再びわが聖なる山で/驕り高ぶることはない。
わたしはお前の中に/苦しめられ、卑しめられた民を残す。彼らは主の名を避け所とする。
イスラエルの残りの者は/不正を行わず、偽りを語らない。その口に、欺く舌は見いだされない。彼らは養われて憩い/彼らを脅かす者はない。
娘シオンよ、喜び叫べ。イスラエルよ、歓呼の声をあげよ。娘エルサレムよ、心の底から喜び躍れ。
主はお前に対する裁きを退け/お前の敵を追い払われた。イスラエルの王なる主はお前の中におられる。お前はもはや、災いを恐れることはない。
その日、人々はエルサレムに向かって言う。「シオンよ、恐れるな/力なく手を垂れるな。
お前の主なる神はお前……
わたしダニエルは大いに憂い、頭に浮かんだこの幻に悩まされた。そこに立っている人の一人に近づいてこれらのことの意味を尋ねると、彼はそれを説明し、解釈してくれた。 「これら四頭の大きな獣は、地上に起ころうとする四人の王である。 しかし、いと高き者の聖者らが王権を受け、王国をとこしえに治めるであろう。」 更にわたしは、第四の獣について知りたいと思った。これは他の獣と異なって、非常に恐ろしく、鉄の歯と青銅のつめをもち、食らい、かみ砕き、残りを足で踏みにじったものである。 その頭には十本の角があり、更に一本の角が生え出たので、十本の角のうち三本が抜け落ちた。その角には目があり、また、口もあって尊大なことを語った。これは、他の角よりも大きく見えた。 見ていると、この角は聖者らと闘って勝ったが、 やがて、「日の老いたる者」が進み出て裁きを行い、いと高き者の聖者らが勝ち、時が来て王権を受けたので……
バビロンの王ベルシャツァルの治世元年のことである。ダニエルは、眠っているとき頭に幻が浮かび、一つの夢を見た。彼はその夢を記録することにし、次のように書き起こした。
ある夜、わたしは幻を見た。見よ、天の四方から風が起こって、大海を波立たせた。
すると、その海から四頭の大きな獣が現れた。それぞれ形が異なり、
第一のものは獅子のようであったが、鷲の翼が生えていた。見ていると、翼は引き抜かれ、地面から起き上がらされて人間のようにその足で立ち、人間の心が与えられた。
第二の獣は熊のようで、横ざまに寝て、三本の肋骨を口にくわえていた。これに向かって、「立て、多くの肉を食らえ」という声がした。
次に見えたのはまた別の獣で、豹のようであった。背には鳥の翼が四つあり、頭も四つあって、権力がこの獣に与えられた。
この夜の幻で更に続けて見たものは、第四の獣で、も……
御前に、わたしたちの背きの罪は重く/わたしたち自身の罪が不利な証言をする。背きの罪はわたしたちと共にあり/わたしたちは自分の咎を知っている。
主に対して偽り背き/わたしたちの神から離れ去り/虐げと裏切りを謀り/偽りの言葉を心に抱き、また、つぶやく。
こうして、正義は退き、恵みの業は遠くに立つ。まことは広場でよろめき/正しいことは通ることもできない。
まことは失われ、悪を避ける者も奪い去られる。主は正義の行われていないことを見られた。それは主の御目に悪と映った。
主は人ひとりいないのを見/執り成す人がいないのを驚かれた。主の救いは主の御腕により/主を支えるのは主の恵みの御業。
主は恵みの御業を鎧としてまとい/救いを兜としてかぶり、報復を衣としてまとい/熱情を上着として身を包まれた。
主は人の業に従って報い/刃向かう者の仇に憤りを表し/敵に報い……
その日には、ユダの地でこの歌がうたわれる。我らには、堅固な都がある。救いのために、城壁と堡塁が築かれた。
城門を開け/神に従い、信仰を守る民が入れるように。
堅固な思いを、あなたは平和に守られる/あなたに信頼するゆえに、平和に。
どこまでも主に信頼せよ、主こそはとこしえの岩。
主は高い所に住まう者を引きおろし/築き上げられた都を打ち倒し/地に打ち倒して、塵に伏させる。
貧しい者の足がそれを踏みにじり/弱い者の足が踏みつけて行く。
神に従う者の行く道は平らです。あなたは神に従う者の道をまっすぐにされる。
主よ、あなたの裁きによって定められた道を歩み/わたしたちはあなたを待ち望みます。あなたの御名を呼び、たたえることは/わたしたちの魂の願いです。
わたしの魂は夜あなたを捜し/わたしの中で霊はあなたを捜し求めます。あなたの裁きが地に行われ……
見よ、主は地を裸にして、荒廃させ/地の面をゆがめて住民を散らされる。民も祭司も、僕も主人も、女の僕も女主人も/売る者も買う者も、貸す者も借りる者も/債権者も債務者も、すべて同じ運命になる。 地は全く裸にされ、強奪に遭う。主がこの言葉を語られた。 地は乾き、衰え/世界は枯れ、衰える。地上の最も高貴な民も弱り果てる。 地はそこに住む者のゆえに汚された。彼らが律法を犯し、掟を破り/永遠の契約を棄てたからだ。 それゆえ、呪いが地を食い尽くし/そこに住む者は罪を負わねばならなかった。それゆえ、地に住む者は焼き尽くされ/わずかの者だけが残された。 新しい酒は乾き、ぶどうのつるは枯れる。心の朗らかだった人々も皆、ため息をつく。 太鼓の音は絶え、陽気な人々の騒ぎは終わり/竪琴の音も絶えた。 酒を飲んで歌う人々もいなくなり/甘い酒も、飲んでみれば苦い。 混乱の町は破壊され/どの家も閉ざされ、入る者……