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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

レント(受難節)

2023年3月1日

レント(受難節)
——この世界の痛みを覚えつつ過ごす——

30アーメン、わたしはあなたたちに言う、これらのすべてのことが起きるまでは、この時代は過ぎ去ることはない。31天と地は過ぎ去るだろうが、わたしの言葉が過ぎ去ることはないであろう。
(マルコ福音書13章30−31節[私訳])

 

 冒頭の引用は「小黙示録」(マルコ福音書13章)において「アーメン」で導入されるイエスの唯一の言葉です。30節の「これらのすべてのこと」は24−27節の「天体の滅亡」が表す宇宙万物の終焉に至る一連の出来事を指します。また、その予兆として「戦争と戦争の噂」(7節)や「地震と飢饉」(8節)などが起きるとも言われていますが、ロシアのウクライナ侵攻、シリアとトルコの地震や飢餓に喘ぐ今の時代を彷彿とさせるかのようです。31節においてマルコは天地万物が過去のものになったとしても、イエスの言葉だけは忘れ去られることはないと断言します。ここでマルコが言うイエスの言葉とはローマ帝国支配下で抑圧や苦難を被っている人たちに向けられたイエスの福音にほかなりません。小黙示録の直後の14章からマルコ福音書ではイエスの受難物語が始まります。イエスの受難を覚えるレント(受難節)にこそ、紛争、戦争、地震、飢餓、迫害の被害に遭っている人たちを覚えて、支援を続ける必要があるのではないでしょうか。なぜなら、この世界の痛みを覚えつつ過ごすことこそが、イエスの受難に与ることにもつながるからです。(小林昭博/酪農学園大学教授・宗教主任、デザイン宗利淳一

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