日本基督教団は宗教団体法による宗教団体統制を目論んだ国家の要請に基づき、1941年6月24〜25日に創立しました。それ以前からプロテスタントの諸教派を統合した日本独自の合同教会の誕生をという機運が高まっていたこともあり、宗教団体法を渡りに船とばかりに合同を推し進めたとも言えます。戦時下の教団がかの戦争を是認し、加担していったことを考えると、日本独自の合同教会の誕生をという機運そのものが近代日本のナショナリズムへの同化だったと言えます。2022年5月15日に沖縄の本土復帰50年を迎えました。沖縄の本土復帰を前に、1969年2月25日に沖縄キリスト教団と日本基督教団の合同が実現しました。しかし、この合同もまた近代日本のナショナリズムに沖縄を再び同化させるものだったとは言えないでしょうか。2022年の教団創立記念日に当たり、沖縄との関係修復を願いつつ、教会の合同とはいったい何なのかを立ち止まって考えてみたいのです。
(小林昭博/酪農学園大学教授・宗教主任、デザイン宗利淳一)