二日目冒頭、教団とミナハサ福音キリスト教会(インドネシア)との宣教協約締結式が行われ、ヘイン・アリーナ議長、ヘニー・スマクル前議長と石橋秀雄教団議長、秋山徹総幹事が、署名・調印文書を交換した。
ミナハサは、第2次大戦中1942年、旧日本海軍が上陸した地で、戦後、邦人キリスト教徒医師の贖罪的な活動があった。そうしたことから、多くのインドネシア人が日本に移住するようになり、99年、大洗ベツレヘム教会が設立された。関東教区は、これまでに数度、訪問団をミナハサに送って来た。その後、新大洗、小山、鈴鹿と、在日インドネシア人教会は4教会となった。
ミナハサは、インドネシア・スラウェシ島北部の県だが、1831年、ドイツ人宣教師が送り込まれたインドネシア・キリスト教徒にとって、重要な地で、現在は、人口の90%がキリスト教徒。
教会数961、牧師は、1600人を数え、うち65%が女性だという。牧師数は、ミナハサ地区だけで教団全体に匹敵し、長老1万4000人、執事1万人と、邦人キリスト教徒にとっては、想像出来ないような数字が、次々に上げられた。
調印後、ヘイン・アリーナ議長は、「この連携が出来るのは、神様の導き」と述べ、ヘニー・スマクル前議長は、戦後、在留邦人が医療でインドネシア住民を助けて来たことに触れ、「これからも助け合う関係が続くことを願っている」と語った。
石橋秀雄議長は、「侵略戦争に加担した罪に対し、悔い改めを祈り、隣人に赦しを乞いながら、調印をした。調印式を行えたことを、心から喜んでいる」と述べた。
調印式には、在日インドネシア4教会の牧師・信徒5、6人も出席しており、調印の瞬間、立ち上がり、涙を流しながら、抱き合って喜んでいたのが、印象的だった。 (永井清陽報)
飼い犬に手を噛まれた。牙が少し深く入ったので血が大分流れた。流れた血を犬の鼻面に突き付けた。神妙に静かになった。主人を傷つけてしまったと反省したのだろうか。▼飼い犬に手を噛まれるには比喩的に蔑みのニュアンスがあるが、主から傷を見せられたトマスはどうだったのだろう。トマスの心を聖書は記していない。「わたしの主、わたしの神よ」と信仰の告白だけを記す。▼お受けになった傷をトマスに示された主の御顔は、筆者が犬に傷を突き付けたような怒りの顔だったのではないであろう。憐れみ、慈しみと愛に満ちた表情であったのか。言葉にすると全く陳腐だ。この御顔をトマスは正面から見上げることができたのか。▼主は、弟子たちをもう僕とは呼ばない、友と呼ぶ、と十字架を前に言っておかれた。主従の関係ではなく、兄弟となってくださると言ってくださった。兄を傷つけた弟たちは、兄の傷を前に大いに悲しんだにちがいない。この大きな悲しみから彼らが立ち直ったのは、彼ら自身の力ではない。ただ主の憐れみと御力だ。▼少し時間が経ち、我が家の犬との関係も以前よりは少しは良いものとなったようにも思える。
教団歳入歳出に関することを、愛澤豊重予算決算委員長が報告した。
16年度決算では、事業活動収支において、「財務幹事退職による退職金増、台湾地震への献金、東日本大震災対策本部への支出等の特別な支出があり、1480万3000円の赤字となった。投資活動収支において、三鷹住宅等の売却による収入があり、全体では424万5000円の赤字となった」と述べた。
17年度決算では、「総幹事未就任による人件費の減少等で、事業活動収支差額が1506万9000円の黒字となり、当期収支差額で347万4000円の黒字となった。収益事業会計においては、会館室料が1081万3000円となり、新報購読額、年鑑の売り上げの減少があるものの、2万2976円の黒字となった」と述べた。
18年度予算の審議に入る前に、兵庫教区から出された、「沖縄教区宣教連帯金」に関する件を審議した。2010年度からの減額分(600万)を送ると共に、2018年度分を120万とし、沖縄宣教連帯金を720万円とすることが提案されたが、369名中159名の賛成で否決。
18年度実行予算で愛澤委員長は、負担金収入が、対前年度比1・34%減の3億474万2000円になること、支出項目において、総幹事の給与分が増額する人件費を除き、総会関係費、宣教関係費等多くの科目において前年に比べて減額した予算を説明した。
19年度原予算で愛澤委員長は、事業活動収支の部、収入において、負担金が対前年度1・37%減の2億9970万6000円となり、はじめて3億円を下回ったこと、事業活動収支の差額が3万4000円と厳しい状況であることを説明した。
出版局決算では、山北宣久理事長が報告。16年度について、売上総利益は、1億1573万2731円、当期純利益は651万6034円の赤字となったと述べ、要因として、単行本在庫調整勘定の繰入を100万円増額したこと、パソコンの更新、会館移転に伴う費用等を挙げた。17年度について、売上総利益は8938万1823円、当期純利益は2355万3114円の赤字となったと述べ、要因として、在庫処分を600万円行い、単行本在庫調整勘定の繰入を400万円増額したことを挙げた。
財務関連議案は、全て挙手多数で可決した。 (嶋田恵悟報)
教団総会三日目午後に議論された主な議案は次の通り。
九州教区提案の「伝道資金規則改定に関する件」。賛成意見として「教区間格差を少なくするような運用がなされるべき」、反対意見として「分配後の用いられ方を明確にすべきで、申請制は保持すべき」との意見があり、採決の結果少数否決となった。
西中国教区提案の「日本基督教団と沖縄キリスト教団との「『合同のとらえなおしと実質化』をすすめるための特設委員会を設置する件」。次回教団総会までの期間限定で各教区常置委員1名、計17名で委員会を組織することを求める議案である。議場からの「沖縄教区への言及について、沖縄教区が距離を置いている状況をどう考えているか」、「沖縄不在の状況でこのような議案を議論できるのか」との質問に対し、「沖縄教区の主体性を考えて、沖縄教区の判断にゆだねることを議案に盛り込んだ」と小畑太作西中国教区議長が答えた。沖縄から出席の推薦議員より「現在沖縄教区で、なぜ教団と距離を置いているのか、合同の捉えなおしについて学習会を行っている。教区内の和解と一致、交わりの回復が優先事項である」という意見があった。採決の結果、賛成129票で少数否決。
神奈川教区からは「聖餐のあり方について慎重かつ十分に議論する場を教団内に設置する件」が提案された。この議案は41総会期限定で、聖餐に関する議論の場を設定する委員会の設置を求めるものである。採決の結果賛成140票で否決。
西中国教区提案「『天皇代替わり儀式に公費を支出することに反対する声明』に関する件」は、賛成205票で可決。
また、総会中に常議員選挙の結果が確定しなかったため、「常議員選挙結果の取り扱いと承認を40総会期常議員会に付託する件」が上程され、賛成236票、3分の2が満たされ、可決された。 (小林信人報)
【教職常議員】
◎小西 望 (東 北)279票
藤掛順一 (神奈川)198票
横山良樹 (中 部)198票
川﨑善三 (兵 庫)193票
宮本義弘 (東 海)193票
◎田邊由紀夫 (大 阪)185票
東野尚志 (関 東)164票
大友英樹 (東 京)163票
篠浦千史 (四 国)159票
◎勇 文人 (中 部)155票
◎願念 望 (西東京)154票
◎梅崎浩二 (九 州)149票
◎入 治彦 (京 都)146票
小橋孝一 (東 京)142票
【信徒常議員】
佐久間文雄 (関 東)200票
野村敏彦 (中 部)199票
八嶋由里子 (東 海)198票
豊川昭夫 (関 東)197票
奥山盾夫 (東 京)196票
◎遠矢良男 (東 京)195票
◎髙橋嘉男 (東 北)194票
◎河田直子 (東中国)193票
◎黒沼宏一 (東 海)192票
望月克仁 (神奈川)190票
◎守安久美子 (東 京)165票
井田昌之 (西東京)155票
◎土井しのぶ (東中国)142票
*得票順(◎は新議員、無印は前総会期から再選)
総会三日間を通して、出席者が共に主を仰ぐ礼拝で一日の日程が始められた。
開会礼拝では、教団総会史上初めて海外から説教者を招いた。李秀英牧師(大韓イエス教長老会)は洛雲海牧師(長老会神学大学校)の通訳を介し、「福音伝播の命令」と題して、マルコによる福音書16章15~20節の御言葉を説き明かした。ご復活の主イエスは弟子たちに現れ、宣教命令を与えられた。この伝道の使命には、三つの危険が伴う。死と迫害、狂気に陥っているのではないかとの非難、福音が伝統と食い違うという糾弾である。相手の心を乱すことが倫理的伝統に反するとタブー視される日本では、心を揺さぶる福音の伝道は批判されるだろう。しかし、主の命令である伝道は、常に伝統よりも大切である。李師は、日本の教会が伝道を志すのは誠に尊いと語り、主が教団を力強く導かれ、宣教命令を遂行する教会とならしめてくださるようにとの祈りで説教を結んだ。
二日目の逝去者記念礼拝では、横山良樹牧師(半田)が「『衣鉢』を継ぐ者」の題のもとに列王記下2章6~18節から説教を語った。エリシャは、預言者エリヤの後継者として彼の霊を受けたいと切実に願い、ヨルダンに発つエリヤから離れようとしなかった。エリヤは初めの歩みへの立ち帰りを示唆するその旅にエリシャを伴い、その道すがら、召命は人の思いによらず神の御心の表れによるとエリシャに告げた。その後、エリヤが火の戦車に乗って嵐の中を天に上ってゆく様を見たエリシャは、そこに神のご臨在を確かに目撃し、人の思いではなく、主の御旨のみを求める者に新しく造り変えられ、主に従う歩みを始めた。第40回総会期に逝去された教団教師・宣教師は、主の召しを受けて献身され、福音を伝道し続けた方々である。御心によって後継者が立てられてゆくことを信じて進み続けたいとの結語の後、逝去者128名の氏名が読み上げられた。
三日目には、黒田若雄牧師(高知)がエレミヤ書31章15~17節から聖餐礼拝説教「あなたの未来には希望がある」を語った。神の守りがあるからこそ、戦いに必ず勝利すると信じていたイスラエルの民にとって、バビロンに大敗を喫したのは神に見捨てられたことを意味した。未来への希望を失った彼らに、神は「あなたの苦しみは報いられる」と語られた。これは、絶望に沈む民を今、主は見捨ててはおらず、今後も必ず共におられると告げる神の決意宣言である。神は主イエスを世に遣わして、この決意の証としてくださった。この主が、私たちを未来へと導いてくださることにこそ、私たちの希望がある。1945年に空襲に遭って内部が全焼した高知教会は、その四日後に焼け跡で主日礼拝を献げ、1ヶ月後には1名の受洗者を与えられた。人の目にはすべての希望が失われたように見える中でこそ、神は希望の光を与えられる。祈りの後、聖餐の恵みに与った。 (原田裕子報)
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