あなたが立ちに直ったら−しくじりと失敗を糧に
8月17〜19日の日程で、「2026年度教師継続教育研修会」が開催された。主題は「あなたが立ち直ったら−しくじりと失敗を糧に」。伝道・牧会の現場に遣わされて10年未満の者を対象に行われた研修会。対象参加者9名は仕える教会や学校での悩みや戸惑いを抱えつつ、何か手がかりは得られないかという求めを抱いて集ってきた。
一日目の小泉健教師(成瀬が丘、東京神学大学)による講演では、実践神学の特に説教を指導してきた立場から、説教を巡って語られた。問題を抱えた人への関わり方が不十分だったこと、またその人たちを心にかけながら説教の言葉として語れなかった経験が伝えられた。また説教において自分を語るだけの傲慢と、自分を語らない怠慢があることも指摘された。またペトロやパウロのようにつまずいた者たちが、わたしたちを見なさいと語る者にまで変えられていることにも、しくじり・失敗の意味を考えさせられた。
二日目は小宮山剛教師(逗子)による講演。39年の伝道・牧会の経験から、失敗を重ねてきたことは数知れないが、その失敗をイエスさまが用いてくださると語られた。最初の任地であった輪島教会では、自分では何もできないように見えても神さまが働いてくださることを体験してきたことを具体的に語られた。人がことをなそうとするのではなく、神さまのお働きに仕えるのが牧師であり伝道者であると、経験に裏付けられた言葉として力強く語られた。自分に頼るのではないからこそ、失敗も絶望ではない。神さまの御手の中では、わたしたちの失敗も無駄にはなさらないと励ましの言葉も語られた。
三日目は関谷直人教師(同志社大学神学部)による牧会講話。ワーシップソングを一緒に歌い場を温めるところから講演が始まる。「交流分析(TA)」、「認知行動療法(CBT)」、非暴力コミュニケーション(NVC)」の観点から伝道・牧会の現場でトラブルが起こったり、教師自身も傷つくことや、対立することを減らせるのではないかと語られた。
講演のみならず繰り返しみ言葉に聞いた研修会に、参加者それぞれが励まされる三日間とされた。全参加者22名。
研修会後、第9回委員会も開催された。特に戒規申請の受理の判断を巡っての議論が中心となる。信仰職制委員会による答申集142の「教区常置委員会を通じて」の解釈について確認する必要があるとの意見も出された。(清藤 淳報)
教師検定試験公告
2027年春季教師検定試験を左記の要領で行います。
一、受験要綱の申し込み
受験要綱と教団指定の願書用紙は165円切手を同封し、正教師受験志願者か補教師(A、B、Cコースの別も)受験志願者かを明記した上、封書でお申し込みください。
なお、正教師受験志願者は「教師検定規則第12条②」によるものに限ります。
二、受験願書の提出
受験願書と必要書類を整えて、受験料とともに所属教区に提出してください。
①教区締切 2026年11月16日(月)
(教区により締切が早まる場合がありますので、教区事務所に確認してください。)
②教団締切 2026年12月16日(水)
(各教区から教師検定委員会に提出する際の締切です。)
*受験料は正教師1万3千円、補教師1万円。
三、補教師について
①「説教」「釈義」の課題テキスト
旧約 エレミヤ書1章4〜10節
新約 マルコによる福音書6章45〜52節
②コースによって「説教」「釈義」の提出内容が異なりますので、必ず受験要綱でご確認ください。
③補教師(CⅢコース)の牧会学の課題
『牧会とは何か』について論述してください。
④Aコースについては、教師検定規則第4条第3号にもとづく試験が実施されます。
同対象者は、神学校を通して説明をうけ、それにもとづく手続をおこなってください。
四、正教師について
受験志願者は、直接教師検定委員会までお問い合わせください。
五、提出物(説教、釈義、牧会学等)締切について
当委員会への提出締切日は、2026年12月18日(金)午前中 必着です。
六、筆記試験と面接試験について
筆記試験は2027年2月23日(火)、面接試験は2月25日(木)、26日(金)に日本キリスト教会館において実施します。
不明な点は直接、当委員会へお問い合せください。
2026年9月26日
日本基督教団教師検定委員会
〒169−0051
東京都新宿区西早稲田2−3−18−31
電話 03−3202−0546
「格差社会」が意識され、問題視されて論争にもなって、「分断社会」が問題とされるようになったのは、せいぜいこの20年ほどのことだ。なんとなくだが、「分断」よりも「格差」が先のように思われるのは、身近な社会では、格差が分断を生んでいるように感じるからだろう。とくに同じコミュニティーの中での経済格差の意識は「上下」の感覚となって、とたんに生き辛さを生む。
教会ではどうか。「格差」とくに経済格差が意識されることはそれほど多くないだろう。しかし、「分断」や「断絶」が意識されたり口にされることは少なくない。とくにコロナ禍を経てからはそうだ。その分断の要因は経済格差ではなく、情報格差であり世代間格差だと言われる。それが、ときに生きづらさとなるのは、その格差が「共感格差」を意識させるからだろう。
それで、「なんとかしないと」と言われ、私もそう思っていたのだが、最近は変わってきている。「分断・断絶があるのは問題だ」と言われるが、古代エジプトの時代から「近頃の若い者は…」という愚痴が象形文字で残されているそうだ。問題は世代間の分断ではなく、それぞれ世代の間でどうコミュニケーションが取れるかだ。難しい問題だが、教会というコミュニティーには、その可能性が開けている。
(教団総会副議長 藤盛勇紀)
相談室の働きの重要性、再認識
7月22・23日、教団会議室において、牧会者とその家族のための相談室第4回ミーティング及び委員会を開催した。
一日目は、相談電話を受けている相談員と委員で、塩谷洋子委員の発題をもとに学びの時をもった。その後、ミーティングでさまざまな相談への対応について話し合った。
二日目は委員会において現状報告とそれを受けて対応を協議した。
常議員会の各教区報告において、教勢・財政の低下や兼務・代務などの増加に伴い、牧会者とその家族への負担が重くのしかかっている現状を受け止め、本委員会の働きの重要性をあらためて認識した。問題解決が難しい時にこそ、批判し合うのではなく、役員会をはじめ教会全体で共に課題を分かち合い、祈り合える信仰共同体であることを願っている。
また、相談室の働きが、牧会者とその家族をはじめ、各教会に十分に伝わっていない現状もあり、引き続きアピールしてゆきたいと思う。相談電話には、経験豊富な信徒の方がボランティアで奉仕してくださっている。またメール相談も受け付けている。
是非、遠慮なく相談していただきたい。(加藤幹夫報)
「好き/嫌い」だけで決めていいの⁉
〜排外と分断の時代に尊厳を〜
第36回全国キリスト教学校人権教育セミナー(全キリ)が8月11、12日、カトリック麹町聖イグナチオ教会信徒会館(東京)を会場に開催され、全国から約100人が参加した。教団からは部落解放センター主事と在日韓国朝鮮人連帯特設委員会の本城勇介委員が参加した。少子化と競争のなかで教育現場が効率や成果を優先しがちな今こそ、学校が「いのちの尊厳・世界の平和・人権」を堂々と掲げて歩む場であり続けたいとの願いが、主題設定の背景にある。
初日は高橋睦子さん(幼きイエス会会員)による開会礼拝に始まり、上智大学国際教養学部教授の中野晃一さんが「若い人たちに届けられるか愛と尊厳と平和のメッセージ」と題して講演。反戦平和・護憲行動を主催する若者たちと連携しながら活動する立場から、不安と猜疑心をあおる政治のもとで希望をどう若い世代と分かち合うかを語った。続く聖書研究では、ルーテル学院大学・神学校と農村伝道神学校で聖書関連の授業を担当する安田真由子さんが、「規範を問い直す聖書のクィア・フェミニスト批評」と題し、男性中心・異性愛中心の規範を聖書解釈や学校教育が強化してきたのではないかと問うた。
二日目は5つの分科会が設けられた。①人権問題としてのハンセン病問題〜教育が問われるもの、②分断と憎しみをのりこえる教室、③差別しているのは「差別者」だけじゃない〜無知・無関心とインターセクショナリティに焦点をあてて、④生き延びるためのラップ・ワークショップ、⑤歩く分科会〜お肉の情報館・産業教育資料室きねがわの見学。二日目の午後は、作家の石井光太さんがいじめや不登校を取材してきた経験から、「なぜ子どもたちは傷つけ合うのか」と題して講演した。派遣礼拝(報告者担当)で終了。
三日目、オプションで国立ハンセン病資料館見学・国立療養所多磨全生園訪問のフィールドワークが行われた。30名を超える初参加者があり、学びと共に新たな出会いが与えられたセミナーであった。(上野玲奈報)
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