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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4980・81号】福音という鞘に納めて(6面)

2022年9月10日

 教団総会議長になって一つ趣味が増えました。教団議長になりますと批判文書が沢山送られてきます。私の手元に送られてきた批判文書をファイルにして集めています。分厚いファイルが2冊になりました。私の新しい趣味です。この批判文書を読みながら、「自分の正しさ」につい考えさせられてきました。
 「自分の正しさ」を心に留めながら仕事をします。また、自分の正しさで闘わなければならないということもあります。
 批判文書を読みながらこの批判文書の中にある真理性を読み取ることの大切さを考えるようになりました。こちらが70パーセント正しいと思って事柄を進めていきます。しかし、30パーセントの反対者の意見の中にある真理性を見つめてきました。反対者が正しいと主張する事柄の中にある真理性を読み取って自分の視野を広げてきました。
 時に反対者が正しいと主張する事柄の中にある真理性によって自分の正しさを見直して自分を変えるという努力もしてきました。自分の正しさに固執して戦ったら、自分の正しさを刃にして切り捲ったら、主の御体なる教会を破壊してしまうことがありますし、また、教会を去らなければならないということも起こり得るのです。
 刃は鞘に納めなければなりません。福音という鞘に納めて教会に仕える伝道者であることが求められています。

(教団総会議長 石橋秀雄)

終わりのない仕事

弘前西教会員
佐藤洋治さん

 佐藤洋治さんは1957年、青森県弘前市で生まれた。地元にある東奥義塾高校に在学中、すでにクリスチャンであった親友から紹介されて向かった先は、民家にしか見えない、できたばかりの小さな開拓教会、現在の弘前西教会であった。当時、高校での朝礼拝や聖書科の授業、教会での説教はよく分からなかったが、ただ一つ、分かったことがあった。それは「この人たちは本気だ」ということだった。
 やがてクリスチャンとなり、母校の英語教師になると、さらに研鑽を積むために渡米。デンバー大学で学んだ後に帰国し、聖愛中高に導かれ、現在まで仕えてきた。そして今、あらためて大切にしているのは、生徒一人ひとりのために祈ることだと言う。
 もちろん、それは英語教師としてではなく、主が教育現場に派遣してくださった一人の信仰者として、福音宣教の一端を担わせていただいているから。そこで主から与えられたのは、相談に来た生徒、問題を起こした生徒、そしてその親のために祈る日々であった。特に、ここ数年は、生徒たちや同僚たちの心と体の癒やしのために祈るよう示されている。不登校の生徒たちが次々と教室へ復帰し、同僚の帯状疱疹による痛みが癒やされるなどの出来事を通して生きて働く神の力を体験することができたと言う。
 定年を迎え、高校の英語教師としての働きは終わろうとしている。しかし、一人ひとりを主の御名によって祝福する仕事に終わりはない。「積み上げてきた経歴や称賛は主の十字架の前には何の意味もないが、赦された一人の罪人として、十字架と復活のイエス・キリストを伝えることは大きな喜びだ」。病によって視野が欠けつつある瞳を輝かせながら信仰を告白する姿は、まさに「本気」だった。

「キリストにある自由」をテーマに

 8月4〜7日までドイツのschönblickにて『第39回ヨーロッパ・キリスト者の集い』が開催。参加者は約160名。今年のテーマは「キリストにある自由」。私はブリュッセル日本語プロテスタント教会短期派遣宣教師として同教会員1名と参加。この会はヨーロッパ各地に住む日本人、また日本にゆかりのある方々が参加している。私は初参加だったが、周りの方々に話を聞くと多くの方がリピーター。ここで与えられる多くの出会いと、また1年ぶりの再会を楽しみに来ていると皆笑顔で話してくれた。4日間の内容も充実。2日間、今年のテーマについて2名の講師による全体講演、それとは別に各自が興味のあるテーマを24テーマの中から選べる分科会が設けられている(帰国者クリスチャンフォローシップ、信仰継承など)。それに並行しティーンズと幼少科対象のプログラムも用意。私は幼少科の奉仕者として携わり、本大会前からズームでの打ち合わせが行われた。参加する子どもたちのことを思い、今年のテーマに沿って何を伝えたいかを何度も話し合った。家族での参加者が多いのも納得。
 この集いに参加し「伝道」とは何かに思いを寄せた。初めて参加した方々は「口コミ」で来たという。ここに素敵な出会いがある、ここに喜びがある、その言葉に魅了されたそうだ。伝道とは何かを難しく考え過ぎていたのではないかと感じた。そして私たちの本当の喜びとは一体何なのか、改めて考える時となった。最終日、皆が口を揃え「また1年後」という別れの挨拶をしていた。寂しそうな表情と同時に癒された人たちの表情。リピーターが多い理由が分かった。多くの気づきと出会いが与えられたことに感謝。

(伊勢 希報)

心に記憶を植える

学校法人美唄キリスト教学園めぐみ幼稚園園長・理事長
美唄教会牧師 木村拓巳

 1954年に創立しためぐみ幼稚園を紹介する上で、どうしても炭鉱地に建てられた教会の宣教について触れるべき責任を感じます。先立って1952年に創立した日本基督教団美唄教会は、美唄の地での宣教について真摯な協議を重ね、美唄めぐみ幼稚園を設立しました。地域の子どもと保護者に福音を伝える意義は当然ながら、背景には北海道特別開拓伝道(北拓伝)によって建てられた教会であることの重圧があったことを想像します。
 美唄教会創立30周年記念誌の序文には次のように記されます。「北海道特別開拓伝道のプログラムによって、空知炭田地帯に誕生した四つの教会のうち、30年の歴史を記すことができるのは美唄教会のみとなりました」。
 1950年代の人口9万人余をピークとして、閉山と共に、人口は15年で半減しました。つまり、2022年度創立70周年を迎えた美唄教会は、美唄めぐみ幼稚園の働きなくして地域に立ち続けることはできなかったのです。今日の北海教区においても、いかに教会と幼稚園の働きが大切であるかが噛み締められています。
 近年の本園の保育では「手」に着目しています。粘土から陶芸教室やそば打ち教室につなげたり、積み上げたカプラ(積木)を見上げて、ボルダリング(クライミング)に挑戦してみたり、食育を兼ねたクッキングでは、こねたりまぜたりを通じて、手のいろんな役割を発見したり…。それまでできなかったことや見えなかったことが形になっていく過程を子どもたちと楽しんでいます。やがて、見えざる御手が一人ひとりに働いていることに気づいてほしいと願っています。
 さて、机の片側に園児2名が並んで座り、一方向に向かって黙食する保育の日々が来るだなんて、誰が想像したでしょうか。マスク着用・手指消毒、分散しての行事開催、平日の運動会やクリスマスページェント開催…数えればたくさんあります。言い換えれば、入園から卒園まで、「ずっとマスクを着用して園生活を過ごす子どもたちがいる」ということです。
 ウイルスや雑菌など、目に見えないいろんなものを取り除く日々ですが、同時に、むしろ目に見えない大切な何かを心に植える作業を大切にしたいとも思います。何かを生み出す創造力であったり、共感する心であったり、また神さまに出会う機会のことです。主にある希望を園児と保護者と、そして保育者と分かち合って歩んでいきたいと思います。全国で子どもと福音を分かち合う保育者の方々の働きが、日々御手に導かれるようにと祈ります。
 来たる9月、胆振東部地震から4年を迎えます。その記憶を持つ子どもがもう園内に少ないことに気づかされます。子どもたちに炭鉱や災害、さまざまな記憶を伝えたいと思います。

 去る7月22日、岸田内閣が安倍元首相の「国葬」を閣議決定したことに、わたしたちは強い懸念と憂慮を示し、再考し撤回されることを求めます。
 岸田内閣の閣議の恣意的判断によって国葬とされる儀式に国費を支出することは、国の財政権限を国会決議に基づかせる憲法第83条違反となります。また国葬となれば、全国の都道府県や教育機関への弔旗・記帳台設置などが指示され、国民の弔意が事実上、権力によって強いられることとなり、言論が封じられ、人間の思想・良心の自由を保障する憲法第19条の重大な違反ともなりましょう。
 安倍元首相の在任期間に、平和憲法の精神を逸脱した様々な施策(集団自衛権の閣議決定、安保法制[2015年9月]、特定秘密保護法[2013年12月]、共謀罪法[2017年6月]の制定)を顧みるならば、「国葬」の閣議決定は、それら今後の国の姿を変えてしまう考慮を欠いた判断を支持することにもなると言えるでしょう。
 またこのたびの銃撃事件を契機に、自民党をはじめとする政界が、霊感商法などで人生と家族の破産や崩壊をもたらしてきた旧統一協会と根深い関係を築いてきたことが明らかになりつつあります。
 特定の人間の国葬化は、思想・良心の自由を保障する憲法第 19 条に違反し、聖書が警告する“人間の神格化”を意味するものでもあります。あたかも故人の遺志を国家的に継承するかのような「国葬」の政治利用によって、憲法改定の国民的気運の形成につなげられることは決してあってはならず、何よりも民主主義の根幹を揺るがすことになりかねません。
 以上の理由により、わたしたちはここに、安倍元首相の国葬に深い懸念と憂慮を表明し、閣議決定の撤回を求めます。 
 2022年8月1日

 日本基督教団社会委員会 委員長 森下 耕

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