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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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ペトロの手紙一 1・1~12

2022年8月4日

 イエス・キリストの使徒ペトロから、ポントス、ガラテヤ、カパドキア、アジア、ビティニアの各地に離散して仮住まいをしている選ばれた人たちへ。あなたがたは、父である神があらかじめ立てられた御計画に基づいて、“霊”によって聖なる者とされ、イエス・キリストに従い、また、その血を注ぎかけていただくために選ばれたのです。恵みと平和が、あなたがたにますます豊かに与えられるように。

 わたしたちの主イエス・キリストの父である神が、ほめたたえられますように。神は豊かな憐れみにより、わたしたちを新たに生まれさせ、死者の中からのイエス・キリストの復活によって、生き生きとした希望を与え、また、あなたがたのために天に蓄えられている、朽ちず、汚れず、しぼまない財産を受け継ぐ者としてくださいました。あなたがたは、終わりの時に現されるように準備されている救いを受けるために、神の力により、信仰によって守られています。それゆえ、あなたがたは、心から喜んでいるのです。今しばらくの間、いろいろな試練に悩まねばならないかもしれませんが、あなたがたの信仰は、その試練によって本物と証明され、火で精錬されながらも朽ちるほかない金よりはるかに尊くて、イエス・キリストが現れるときには、称賛と光栄と誉れとをもたらすのです。あなたがたは、キリストを見たことがないのに愛し、今見なくても信じており、言葉では言い尽くせないすばらしい喜びに満ちあふれています。それは、あなたがたが信仰の実りとして魂の救いを受けているからです。この救いについては、あなたがたに与えられる恵みのことをあらかじめ語った預言者たちも、探求し、注意深く調べました。預言者たちは、自分たちの内におられるキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光についてあらかじめ証しされた際、それがだれを、あるいは、どの時期を指すのか調べたのです。彼らは、それらのことが、自分たちのためではなく、あなたがたのためであるとの啓示を受けました。それらのことは、天から遣わされた聖霊に導かれて福音をあなたがたに告げ知らせた人たちが、今、あなたがたに告げ知らせており、天使たちも見て確かめたいと願っているものなのです。

2022年8月3日
 永遠の契約の血による羊の大牧者、わたしたちの主イエスを、死者の中から引き上げられた平和の神が、御心に適うことをイエス・キリストによってわたしたちにしてくださり、御心を行うために、すべての良いものをあなたがたに備えてくださるように。栄光が世々限りなくキリストにありますように、アーメン。兄弟たち、どうか、以上のような勧めの言葉を受け入れてください、実際、わたしは手短に書いたのですから。わたしたちの兄弟テモテが釈放されたことを、お知らせします。もし彼が早く来れば、一緒にわたしはあなたがたに会えるでしょう。あなたがたのすべての指導者たち、またすべての聖なる者たちによろしく。イタリア出身の人たちが、あなたがたによろしくと言っています。恵みがあなたがた一同と共にあるように。
2022年8月2日
 あなたがたに神の言葉を語った指導者たちのことを、思い出しなさい。彼らの生涯の終わりをしっかり見て、その信仰を見倣いなさい。イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変わることのない方です。いろいろ異なった教えに迷わされてはなりません。食べ物ではなく、恵みによって心が強められるのはよいことです。食物の規定に従って生活した者は、益を受けませんでした。わたしたちには一つの祭壇があります。幕屋に仕えている人たちは、それから食べ物を取って食べる権利がありません。なぜなら、罪を贖うための動物の血は、大祭司によって聖所に運び入れられますが、その体は宿営の外で焼かれるからです。
それで、イエスもまた、御自分の血で民を聖なる者とするために、門の外で苦難に遭われたのです。だから、わたしたちは、イエスが受けられた辱めを担い、宿営の外に出て、そのみもとに赴こうではありませんか。わたしたちはこの地上に永続する都を持っておらず、来るべき都を探し求めているのです。だから、イエスを通して賛美のいけにえ、すなわち御名をたたえる唇の実を、絶えず神に献げましょう。善い行いと施しとを忘れないでください。このようないけにえこそ、神はお喜びになるのです。

 指導者たちの言うことを聞き入れ、服従しなさい。この人たちは、神に申し述べる者として、あなたがたの魂のために心を配っています。彼らを嘆かせず、喜んでそうするようにさせなさい。そうでないと、あなたがたに益となりません。
 わたしたちのために祈ってください。わたしたちは、明らかな良心を持っていると確信しており、すべてのことにおいて、立派にふるまいたいと思っています。特にお願いします。どうか、わたしがあなたがたのところへ早く帰れるように、祈ってください。

2022年8月1日

安倍晋三元首相の「国葬」が行われることを憂慮し、撤回を求める声明

 去る 7 22 日、岸田内閣が安倍元首相の「国葬」を閣議決定したことに、わたしたちは強い懸念と憂慮を示し、再考し撤回されることを求めます。
 岸田内閣の閣議の恣意的判断によって国葬とされる儀式に国費を支出することは、国の財政権限を国会決議に基づかせる憲法第83条違反となります。また国葬となれば、全国の都道府県や教育機関への弔旗・記帳台設置などが指示され、国民の弔意が事実上、権力によって強いられることとなり、言論が封じられ、人間の思想・良心の自由を保障する憲法第19条の重大な違反ともなりましょう。
 安倍元首相の在任期間に、平和憲法の精神を逸脱した様々な施策(集団自衛権の閣議決定、安保法制[20159月]、特定秘密保護法[201312月]、共謀罪法[20176月]の制定)を顧みるならば、「国葬」の閣議決定は、それら今後の国の姿を変えてしまう考慮を欠いた判断を支持することにもなると言えるでしょう。
 またこのたびの銃撃事件を契機に、自民党をはじめとする政界が、霊感商法などで人生と家族の破産や崩壊をもたらしてきた旧統一協会と根深い関係を築いてきたことが明らかになりつつあります。
 特定の人間の国葬化は、思想・良心の自由を保障する憲法第 19 条に違反し、聖書が警告する“人間の神格化”を意味するものでもあります。あたかも故人の遺志を国家的に継承するかのような「国葬」の政治利用によって、憲法改定の国民的気運の形成につなげられることは決してあってはならず、何よりも民主主義の根幹を揺るがすことになりかねません。
 以上の理由により、わたしたちはここに、安倍元首相の国葬に深い懸念と憂慮を表明し、閣議決定の撤回を求めます。 

202281
日本基督教団社会委員会
委員長 森下 耕

安倍晋三元首相の「国葬」が行われることを憂慮する声明(PDF)

2022年 在日大韓基督教会 日本基督教 平和メッセージ

2022年 平和聖日
日本基督教団 総会議長 石橋秀雄
在日大韓基督教会総会長 中江洋一

 実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し…十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。

(エフェソの信徒への手紙2章14、16節)

 日本基督教団と在日大韓基督教会は、1984年に宣教協約を締結してから38年の歴史を神に導かれて歩んできました。わたしたちを結びあわせる主イエス・キリストは、十字架を通して敵意という隔ての壁を取り壊し、二つのものを一つにしてくださいました。わたしたちは、主イエス・キリストこそ和解と平和の主であることを信じ、2022年の平和メッセージを表明いたします。

<ロシアのウクライナ軍事侵攻について>
 去る2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻をしました。このことは、どのような理由をもってしても決して容認できるものではありません。
 特に、この度、ロシアの大統領が核抑止部隊に特別態勢を取るように命じたことについて、世界で唯一の戦争被爆国である日本にあるキリスト教会として、何としても最悪の事態となることを防がなければなりません。
 また、日本では、戦争にかこつけて軍事費を倍増させようとする短絡を問わねばなりません。
 そこでわたしたちは、「悪から遠ざかり、善を行い、平和を願って、これを追い求めよ」(ペトロの手紙一3章11節)との御言葉に聴き従い、ロシアの軍事侵攻を押しとどめることができなかったわたしたち自身の罪を深く悔い改めつつ、ウクライナからのロシア軍の即時撤退を求めつつ、ウクライナとロシアの人々を覚えて共に祈りたいと思います。

<憲法改正の動きについて>
 わたしたちは、「日本国憲法」の基本原則である主権在民、基本的人権、平和主義を護り、国家優先の憲法とする改憲の試み、また戦力保持を是とする改憲の動きに強く反対いたします。
 政府は緊急事態条項について、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症への対応が遅れたのは憲法に緊急事態条項がないためだと、その必要性を主張しています。しかし、災害等への対応は、法律の制定や適切な実施で十分な対応が可能であり、憲法を改正する必要性はありません。
 また、この度のロシアのウクライナへの軍事侵攻を受けて、憲法9条を改悪しようとする動きもあります。
 わたしたちは、このような憲法改悪を憂慮し、現憲法を擁護しようとする多くの住民とともに、引き続き、こうした動きに抗うことを表明いたします。

<新型コロナウイルス感染拡大について>
 新型コロナウイルス感染症が世界の脅威となり、日本においても事態が深刻化しています。今この時も、ウイルス感染による痛みや悲しみを覚えておられる方々、悩みと不安の中にある方々の上に、主なる神の慰めと平安をお祈りいたします。
 すでに、各教会では様々な工夫や取り組みが進められています。日本基督教団と在日大韓基督教会の全国の教会が、祈り合い、この大きな試練の中で、神の恵みを受け、喜びに満たされて礼拝をささげ、神の御栄光を現わすことができればと祈ります。

<ヘイトクライムについて>
 日本では外国人に対するヘイトスピーチ、アメリカではアジア系住民へのヘイトクライムが横行しています。
 わたしたちは、すべての人の命を贖うキリストへの信仰に基づき、「すべての人と平和に暮らしなさい」(ローマの信徒への手紙12章18節)との御言葉に従って、差別のない社会が実現することを願い祈り、そのための愛による働きにあずかることを志しています。緊張と不安に満ちた今日の状況の中でこそ、社会の中で弱い立場に置かれた人々の命と平安が守られ、支えられなければなりません。社会の動揺に乗じたあらゆるヘイトに反対し、この社会に生きるすべての人々の人権が守られるべきことを改めて表明します。

<難民・在日外国人の人権について>
 新型コロナウイルス感染拡大により、各教会、学校、施設においても、この状況下での活動に苦闘しておられること、その労力の多大なことは想像に難くありません。日本に在住する外国人、とりわけ移住者や難民申請者たちへの差別が顕在化していることが報じられています。「自粛」を「要請」しながら生存に必要な「保障」を出し渋り、弱くされているところにさらなる圧迫と危機を与え続けるという差別的事態が広がっています。
 また、日本では、ウクライナからの難民を「避難民」と区別しています。「難民」との差別的な処遇との差別がなぜ起きるのでしょうか。
 この状況下で特に根深い差別意識と排外的政策によって引き起こされている出来事のほんの一断片であっても、連続して起こることに対して、それぞれの宣教における祈りと支援の連帯を喚起していきたいと思います。

<貧困の拡大について>
 日本では、貧困が拡大しています。そのために、就職難、不安定雇用の常態化、学校でのいじめ、不登校、職場でのいじめ、嫌がらせが増えています。
 このように、経済格差を理由に、教育格差、学力の格差、意欲の格差が広まっています。無縁社会の拡大が、つながりの格差を生み、人が本来持っている特性や可能性が活かされず、弱者に落とし込まれ、社会から排除されて漂流せざるをえない人々が増えているのです。
 わたしたちの教会は今、地球を席巻する過酷なグローバル経済の下で、激変していく社会にあって、この世に遣わされたキリストの体なる教会として、寄留者を歓待の精神で迎えながら、単にナショナルな教会ではなく、移民排斥・マイノリティ排除に抗して、寄留者が招き入れられる「神の家族」(エフェソの信徒への手紙2章19節)として改革されて行くことが求められています。それは同時に、教会自体が今から次の時代へと、頭なる主イエス・キリストによって生かされ、遣わされ、用いられる道であるとわたしたちは確信します。

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