第56回関東教区総会は五月三〇日~三一日、さいたま市大宮のソニックシティ・小ホールで開催された。正議員二六四名中一三三名で総会は成立し、開会礼拝を行い聖餐に与った。
議事に入る前に、まず前回(55回)の教区総会で行われた常置委員選挙に関し、教区三役からのお詫びと経過説明がなされた。これは、信徒常置委員として選出された議員が後に教会役員でないことが判明した際の処置と、役員でないことが判っている議員の被選挙権の有無について、教区の慣例と教憲教規との整合性を巡る混乱があったことである。これらの問題について三役は、今後宣教研究委員会等で検討したいとの考えを示した。
一日目の午前、一名の准允式と三名の按手礼式が執行され、受允者と受按者それぞれの教会の関係者が壇上で紹介され、喜びを分かち合った。
一日目午後、教団問安使の鈴木伸治教団書記が挨拶し、教団議長の挨拶を朗読した。これに関して、議場からいくつかの問いや意見が出された。まず、「正しい聖礼典の執行」に関し、聖礼典の乱れはどの程度進んでいるのかと問われ、また、「二種教職制の問題を含めて、これらの乱れは執行部の怠慢だ」、あるいは、教団議長の社会状況、合同のとらえなおし、沖縄の諸問題についての認識が不十分である等の意見が述べられた。
諸報告中、教区議長報告の補足として、沖縄教区総会を傍聴した飯塚拓也書記がその時の様子を報告した。「ある意味で意外な議長・副議長選挙の結果だったが、沖縄教区の方々は静かに受け止めていたのではないか、我々はこれにいたずらに評価を下そうとするのでなく、静かに見守ることが大事ではないか」と語った。
二日目午後、前日の分科会報告を受けた上で各審議に入り、とくに「新潟中越地震被災教会・被災地支援推進に関する件」に時間と熱意が注がれた。
教団は一億五千万円を目標として募金を続けているが、関東教区として五〇%の七千五百万円を献げようという議案である。この金額は各教会の経常収入の約八%、また教区負担金額と近く、諸教会の決断が問われることになる。被災教会の現況や募金状況、教区財政との関連、各個教会の実情、具体的な募金方法等々、様々な意見が述べられ、十分な議論を経た後、三浦修議長は、「我々は非常に重要な決断をしようとしているのだ」との認識を慎重に議場に確かめつつ、採決に入った。
議案は一五九名中一四三名の賛成で可決され、関東教区は被災地支援について新たな態勢に入ることになった。この決意が全教団に伝わることを関東教区は願っている。
教団総会議員選挙結果。
【教職】村田元(原市)、疋田國磨呂(大宮)、三浦修(埼玉和光)、飯塚拓也(竜ヶ崎)、石橋秀雄(越谷)、原田史郎(東中通)、熊江秀一(新津)、秋山徹(上尾合同)、塚本潤一(高崎)、島田進(日立)、上島一高(新潟)、田中かおる(安行)、平山正道(四條町)、小野團三(桐生東部)
【信徒】金刺一雄(上尾合同)、滝川英子(七里)、大島健一(大宮)、内田聖子(長岡)、伴朋子(前橋)、和田献一(氏家)、吉田武人(鴻巣)、諏訪部勝(甘楽)、小西文江(新潟)、内山一(鹿島)、舟生まゆみ(石岡)、棚橋千恵美(越谷)、坪井明子(安中)、綿貫富夫(桐生東部)
(藤盛勇紀報)
▼農民達が車輪を作るために木を曲げている。二度も蒸して、柔らかく曲げやすくしているのに、自分たちがぐるぐる回るだけで木はいっこうに曲がらない。中心の台に留め木が無いので、彼らは台と一緒に回っていたのだ。トルストイの『洗礼の子』にそんな場面がある。▼どんな時にも動くことのない確固とした足場を持っていないと、他を動かすことは出来ない。力を入れれば入れる程、自分の方が動いてしまう。▼同じ本に、こんな場面もある。女性が熱心に床の拭き掃除をしている。しかし、汚れはひどくなるばかり。見ると、彼女の雑巾は汚れきっている。自分自身が汚れていて、他を清めることなど出来る筈がない。▼ところで、トルストイの論理を逆手に取れば、自分を動かすために取るべき手立ては、絶対に動かないものにどこまでも向かって行くことだろう。実際にそのような人が存在するかも。自分をきれいにするには、どうしたら良いだろう。少しの汚れもない方に、清めていただくしかないのだろう。
五月二八日から二九日にわたって、第15回西東京教区定期総会が吉祥寺教会において開催された。小中乃芙子常置委員の司式、原田謙常置委員の説教による開会礼拝の後、議員総数二〇三名中一二九名の出席が確認され、開会が宣言された。推薦准議員の承認、組織会、議事日程承認の後、教団問安使の山北宣久教団総会議長の挨拶を受けた。昨年に続き、「正しい聖礼典の執行」を巡って議論があったが、特に、未受洗者への陪餐について教憲教規に依る山北議長の見解に質疑が集中した。
来賓挨拶の後、議事に入った。吉岡光人議長による議長報告、道家紀一書記による常置委員会報告がなされた。質問は常置委員会報告に集中した。特に教区ホームページ委員会が、委員会規則に従って、二教会に下した判断について、常置委員会がどう扱ったかについて、質疑が交わされた。
質疑は続いたが、吉岡議長は、常置委員半数選挙と教区選出教団総会議員選挙に入ることを議場に諮り了承を得、選挙が行われた。結果は後述の通りである。
夕食休憩の後、〇五年度教区活動について、若月健悟宣教委員長と各部・各委員長より報告がなされた。
また高津博財務委員長より、教区歳入歳出決算、剰余金処分の報告がなされた。吉岡議長は、報告、財務の各審査委員会に付託することを議場に諮り了承を得、一日目の議事の終了を告げた。
二日目、第五期宣教協約を結んだ北海教区の西岡昌一郎議長を迎えて和やかな挨拶が交わされ、改めて宣教協力を誓い合った後、准允式が行われ、八名もの方が補教師に立てられた。
昼食休憩を挟んで、各審査委員会の報告を受け、決算も含めた〇五年度の諸報告が承認された。次に、〇六年度の計画と予算も審議の上、可決された。閉会祈祷をささげ予定より早く、総会は終了した。
常置委員選挙結果(半数改選)。【教師】大村栄(阿佐ヶ谷)、原田謙(更生)、河村博(調布)【信徒】平松進(東中野)、高津博(大宮前)新堀邦司(日野台)
教団総会議員選挙結果。
【教師】吉岡光人(吉祥寺)、若月健悟(国分寺)、道家紀一(井草)、久山庫平(南三鷹)、原田謙(更生)、大村栄(阿佐ヶ谷)、河村博(調布)、真壁巌(相愛)、山畑謙(小金井緑町)、吉岡康子(吉祥寺)、大宮溥(成瀬が丘)、内藤留幸(高井戸)【信徒】高橋豊(白鷺)、小中乃芙子(永福町)、川原正言(南三鷹)、平松進(東中野)、高津博(大宮前)、新堀邦司(日野台)、渡邊豊明(小金井緑町)、山本晃(仙川)、本村利春(吉祥寺)、寺嶋公子(阿佐ヶ谷)、五十嵐昭一(国立)、西舘巖(天門)
(道家紀一報)
第61回沖縄教区定期総会は五月二八、二九両日、沖縄キリスト教センターに正議員四六名中、開会時四一名が出席して開催された。
総会は、四年連続で教団問安使を拒否したが、傍聴席には他教区からの代表・個人も多かった。
議長選挙は、三回目の投票で有効投票の過半数に達し、知花正勝氏(与那原)が、 二三票を獲得(投票総数四三、無効一)して当選。知花新議長は、「私に対する批判票の存在することをきっちりと受け止めて、協力出来る一致点を探して行きたい」と所信を語った。
副議長も同様に三回目の投票で具志堅篤氏(読谷)が二二票を獲得(投票総数四二、無効一)して選出され、正副議長は四年振りに新しくなった。書記は、芳澤信氏(真和志)が二年振りに新たに選任され、結果三役全員が入れ替わった。
二日目午後の教団総会議員選挙議案では、「第35回教団総会議員の選出を行わないことを承認する」との常置委員会提案議案を巡って、白熱した論議が展開された。「距離を置くことで何が生まれるか。選挙を行い、出席するか否かは、選ばれた人が決めれば良い」「常議員に選ばれた時、教区の70%の人から反対されたが、沖縄以外の人達から選ばれた責任があり、常議員会へ出席したことは間違ったとは思っていない。しかし、今回常置委員として議案に反対しなかったのは、今は自分たちの足場を固める時期だと思うから」「選出を行わないことで、全国の諸教会に沖縄の状況を分かって貰うことは大切」「距離を置くのでなく、むしろ引き寄せて沖縄の立場を語るべき」「距離を置くことは関係を断つことではない。沈黙も大切な情報の発信となる」「こういう議案の出ること自体が異常だが、将来教会の在り方を問う特設委が作業中であることを考慮し、今回だけ、選出を行わないことに同意する」など様々な意見が開陳された。
一時間半近く、今総会で最も時間をかけ、丁寧に行われた討論の後、挙手採決で、三五人中二五人の賛成で承認され、34回総会に引き続き、教団総会議員の選出は行われなかった。
「沖縄にある将来教会の在り方を検討する特設委員会」は、任期を二年延長する議案が提出された。平良修委員長は、「期待したほどに論議が展開しなかった。教区執行部とも距離を置いて論議を進めたい。07年総会に第一回答申を、08年に教団との関係の在り方を示す答申を出したい」と報告した。これに対し、「これ以上任期を延長しないで欲しい」「答申後、諸教会がどう対応するかは別の問題」などの意見が出たが、賛成多数で承認した。
04年総会以来、教区の大きな懸案となって来た沖縄キリスト教センター問題では、「事業を当分の間継続する」議案が提出された。宗教施設の性格を鮮明にして、許される範囲の事業を継続しようというもので、「常置委員会がセンターの自己資金での運営が不可能であると予想した場合、速やかに事業を停止する」との条件の付いた議案を賛成多数で承認。教区借入金二九八〇万円の返済を当分の間猶予する議案も承認した。
常置委員選挙結果。
【教職】村椿嘉信(石川)、名嘉隆一(コザ)、小倉隆一(平真)(推薦)【信徒】糸洲のぶ子(宜野湾)、仲里佐代子(首里)、上地武雄(読谷)
(永井清陽報)
いつもあなたがたと共にいる
十七教区中、十六教区の総会が終わった。ここ数年或いはそれ以上の期間、重要課題とされて来た事柄に、少しでも解決の兆しが見えたとは言い難い。一方、多くの教区で聖餐を巡る議論が起こっている。財政問題は深刻の度合いを高めている。教団の未来は何所に向かうのか、不透明な状態が続き、迷子になりそうな不安を覚える。しかし、主はこの時も、私たちと共にいて下さる(マタイ28・20)。
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