▼主任担任教師として初めて執行した葬儀式は、五才の男の子のものだった。▼将来牧師になった時に、葬儀を司るということは、勿論、神学校の時から念頭にあった。それに備える授業もあった。しかし、本当の意味での自覚はなかった。▼何回かの葬儀で、その都度、牧師として働くことに挫折感を覚える程の体験をした。同時に、全く矛盾する思いを味わった。牧師になった、神さまに用いていただいたという実感を与えられた。▼誰ひとり出席者のなかった祈祷会の直後に、青年がふらりと礼拝堂に入り込んできた。式を目前にした婚約者の裏切りを知り、死んだ方がましだという告白を聞いた。慰め励ます言葉を持たない自分の無力に、辞めた方がましだと、その時は思った。▼白々と夜が明けようとしている時に、ガリ版の週報を刷り直した。どうしても、予告した箇所で説教原稿が書けなかった。▼特別な体験ではない。誰もが体験することだ。打ちのめされて、ただ、主に頼るしかないことを実感する。牧師になるとは、そういうことだと思う。
教師である重さを実感する
参加者の関心は説教に集中
二〇〇六年度新任教師オリエンテーションが、六月二六日から二八日まで静岡県伊豆市にある天城山荘を会場に開催された。主題は今年度も「教団の教師として宣教を共に担う」。参加した新任教師は七一名(昨年度未参加者九名を含む)、教育委員会から委託を受けているキリスト教教育主事の参加は三名、関係者を含めると計九七名が参加した。無我夢中で駆け抜けた新任教師が自らの三ヶ月の歩みを振り返り、教師であることの重さを実感する三日間となった。
新任教師オリエンテーションの大まかな日程は次のようなものである。第一日目、「合同教会としての教団」山北宣久教団総会議長。第二日目、「教団の教師像」小林眞副議長。「教団の働き」竹前昇総幹事。「教団の取り組み~差別と人権」東岡山冶部落解放センター運営委員長。「牧会の課題」佐藤誠氏(特別講師・愛誠メンタルクリニック所長、南三鷹教会員)。最終日、「牧会講話」小島誠志氏(松山番町教会牧師として)。
このような発題と講演で構成されているのは、教団全体を参加者に理解してもらいたいとの願いとそれぞれの任地で早速大きな課題となる説教と牧会に対して希望を見失わないで取り組んでほしいという配慮を形にしたものである。
・教師としての自覚の時
山北議長は、発題「合同教会としての教団」を通して合同教会の本質は、「まことにして一なる教会」にあるとし、「イエスは主なり」という点に一致点があって、そこから生まれる多様性という流れが合同教会の本来の姿であることを指し示す一方、福音理解の混乱により、教団をとらえる「本質」「職制」「体質」「伝道論」の四点において相対化による崩壊が起こっているのではないかと問題提起しながら教団の歴史を振り返った。
小林副議長の「教団の教師像」の発題では、教団における教師問題について、自ら一九七〇年に教師として立てられ、教師試験が開催されない中で「信徒伝道者」として出発した歩みを紹介しながら教師問題の歴史を振り返り、教憲教規から見た教団の教師像を第一部として紹介した。
第二部では、「私の教師像」として「聖書が深く読めること」、「教会形成に結びつく人間関係を作ること」、「教会に仕える業に雑用はない」という三点を語って参加者の大きな共感を得た。
竹前総幹事は「教団教師の一つの働き」と題して発題し、人間関係の基本的な信頼を失わないために事務最終責任者としての教師という側面を疎かにしないでほしいと訴えた。
東岡氏は部落解放センター運営委員長として部落差別への取り組みを信仰に押し出された取り組みとして熱く語った。参加者の中には、発題に触発されて、もっと先生個人の具体的な取り組みを知りたいとの要望も分団の中で出た。
また、特別講師として「牧会の課題」と題して講演してくださった佐藤氏からは、カウンセリングとコンサルテーションの違いを区別して、カウンセリングは相談者の潜在的力を引き出すことであることを教えられ、牧会に立つ上で多くの示唆を与えられた。
特に、相手の話を正確に聴くことと相手の言わんとすることを聴き取ることの大切さと難しさを実感させられた。
講演の中で実際に行われた参加者への心理テストを通して、教師委員を含めて、自分が相手の言わんとすることを自分の先入観で歪めて聞いている実態を知らされ、改めて自分自身の現実の姿に向かい合うこととなった。
・礼拝と交わりの時
オリエンテーションは礼拝に始まり、礼拝に終わる。開会礼拝と閉会礼拝は教師委員が奉仕し、朝の礼拝は新任教師が奉仕した。共に説教と牧会に苦悩する者として、また、同労者として御言葉に聞き合う礼拝がオリエンテーション全体を支えた。
朝礼拝で説教を担当した新堀真之教師(岡山教会)、深谷与那人教師(京都復興教会)が、キリストが心の内に輝いて福音を宣べ伝える喜びを初々しく語るなど、労苦の中にも喜びがあることを確認しながら三日間を過ごした。
しかし、食事の席で参加者に説教準備の話題を振り向けると、互いに自らの体験を話し始めて止まることを知らないなどという場面もあり、参加者の関心が説教に集中していることが感じられた。その点、最終日の小島氏の牧会講話の中での自らの説教準備失敗談は参加者への慰めと励ましを生み出して、明日からの教師として立つ者への応援歌となった。
また、今年度のプログラムの特色の一つとして、全体の交わりの時には、参加者の中から主任担任教師、担任教師、キリスト教教育主事として遣わされた者の代表として三人にそれぞれ三ヶ月間の「牧会報告」をしてもらった。更に、参加者全員の自己紹介の中でこれまでの三ヶ月の歩みに困惑しているか、喜びに満たされているかを尋ねたところ、参加者の大半が自分に与えられた務めに全力で取り組んでいることへの充実感があることが語られた。
しかし、今回のオリエンテーションにはCコースで教師として立てられた十一名の者が加わっている。その中の四名が、任地が与えられていない苦悩の中にあることを祈りに覚えてほしいとの訴えを深く聞いた。
二日目の分団は、事前に委員会で七つのグループに参加者を割り振り、それぞれのグループに講演発題者が助言者として参加するという形を取った。このことで、テーマ別の分団という従来の形式とは違って、各分団が全体的に講演と発題を深めることができた。
時間がなくなる程、これからの歩みの希望が述べられた。
また、この分団の時間を用いてキリスト教教育主事のオリエンテーションが別分団の形で実施された。
今年度の参加者は中日の自由時間に温泉に入りたいとの希望者が四〇名近くあり、多かった。おそらく初任地でのストレスから心身共に解放されてそれぞれ帰途に着いたことと思う。
(宮本義弘報)
私たちは、言うまでもなく、プロテスタント教会に属するキリスト者であるが、その信仰の大枠は、少々乱暴な表現をすると「聖書正典と信仰義認」の二つであろう。
しかし私たちは、より狭く、日本基督教団という教会に所属する。
従って、その場合の枠とは、前述の二つの枠を前提として、教会組織としての法や規約などが加わり、具体的には「教団信仰告白に立ち、教憲・教規に則る」ことになるのである。
このことは、キリスト者としての誕生の「洗礼式」と、教師としての出発の「准允式」に用いられる式文を見ても明らかである。
即ち、両方とも、誓約に際して「教団信仰告白を告白すること」と、「教憲・教規を守ることを志すこと」の二つが、当該の本人に求められており、この誓約時に「ノー」と拒めば、キリスト者にも教師にもなれないのは当然のこと。
各教区総会に問安使として挨拶をし、「教憲・教規が、私たちの土俵」と言うと、「頷く人」や、「不満顔の人」などの反応が現れる。
しかし、真正面からの反対はなく、批判をする人は、挨拶終了後に来られ、実際にA教区で「副議長は、律法学者ですか」と言われたこともある。
私は、ガチガチの「律法学者」でもなく、現行規則にも現状に即していない部分があることも承知しているが、様々な対立や議論がある中での最低の一致は、ここにしかないと言わざるを得ない。
(教団総会副議長 小林 眞)
主の聖名を讃美いたします。
ジャワ島中部を襲った去る5月27日の地震による災害は、報じられる度に犠牲者の数が増しています。ユニセフの発表では、家を失った人の数は13万にも及ぶと言われています。
WCCとルーテル教会世界連盟(LWF)でつくる人道支援組織ACTは、そのメンバーである現地の教会や団体YAKKUM Emergency Unit(YEU)、Church World Service(CWS)、Yayasan Tanggul Bencana Indonesia(YTBI)による調査とそれに基づく救援を行うための募金準備をすすめています。
日本キリスト教団でもそれにこたえることができるように、救援のための全国募金を行います。祈りをもってお献げ下さい。
集まった募金はACTから右記の団体の救援活動のために用いられます。
▼募金期間=2006年8月末まで
▼目標額=特に定めません
▼送金先=加入者名/日本基督教団社会委員会
郵便振替/00150-2-593699(通信欄に「ジャワ中部地震救援募金」とお書き下さい)
2006年5月30日
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
日本基督教団社会委員会 委員長 小出 望
■主 題 「ルーツからヴィジョンへ~合同教会における会衆主義の課題と可能性~」
■と き 2006年8月28日(月)~29日(火)
■ところ 同志社大学今出川寒梅館1階(旧学生会館)および関西セミナーハウス
■講 演 原 誠さん(同志社大学神学部)
■発 題 西岡昌一郎さん(旭川六条教会)
菅根 信彦さん(神戸教会)
小西 望さん (仙台北教会)
◎案内、申込書を必要とされる方は、下記実行委員会までご連絡ください。
◎参加申し込み〆切:7月29日(土)
〒621-0803 京都府亀岡市河原町165-2 丹波新生教会
竹ヶ原政輝気付
「同志社神学協議会2006」実行委員会
TEL:0771-23-0596 FAX:0771-23-2475
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