第116回神奈川教区総会が、六月二四日、清水ヶ丘教会を会場に行われた。逝去教師を憶える開会礼拝の後、正議員二二五名中、一七六名で総会は成立した。例年は二日間の日程で行われる六月総会だが、今回は一日としたため、直ちに教団総会議員選挙に入り、予備投票が行われた。その後、補教師の准允執行に関する件が扱われた。前回の按手礼の際と同様、常置委員会の面接で行われたことを繰り返す必要はない等の意見が上がったが、いつくかの質疑を経て採決、准允式が執行され新たに五名の補教師が立てられた。
昼食後、教団問安使の竹前昇総幹事が挨拶し、教団議長の挨拶を簡略に述べた。議場から教団議長に対していくつかの疑義や要求が出され、竹前総幹事は議長に伝えると答えた。
続いて、つきみ野伝道所が、名称も「林間つきみ野教会」と新たに第二種教会として設立されることが承認された。昨年までは教区の教職謝儀互助の受給教会だったが、自給独立の教会となったことを喜び合った。
午後議論となった議案は、北村慈郎議員提案の議案第八号「教団総会に沖縄教区との関係修復を進めるための行動をとる議案を提出する件」。これは、第33回教団総会における「合同のとらえなおし」関連議案の取り扱いを不適切とし、議長の名において沖縄教区に謝罪した上で関係修復を進めること等を内容としている。これに対して、議案の取り扱いは不当ではない、沖縄教区にも様々な受け止め方がある等の意見があり、一五〇名中賛成七一名の僅差で否決された。
教団総会議員選挙結果
【教職】高柳竜二(本牧めぐみ)、岩﨑隆(六ツ川)、東野尚志(鎌倉雪ノ下)、鈴木伸治(大塚平安)、西田直樹(平塚)、藤掛順一(横浜指路)、藤盛勇紀(藤沢北)、古旗誠(横浜上原)、大久保照(横須賀小川町)、北村慈郎(紅葉坂)、孫裕久(川崎戸手)、菊池礼子(高座渋谷)、牧野邦久(横浜二ツ橋)
【信徒】望月克仁(鎌倉雪ノ下)、中林克彦(鎌倉雪ノ下)、小川信順(茅ヶ崎)、片山知子(本牧めぐみ)、関滋夫(蒔田)、杉森耀子(小田原十字町)、數井紀彦(横浜指路)、武田利邦(横浜二ツ橋)、渡辺勝利(茅ヶ崎南湖)、金子昭(平塚)、伊東永子(翠ヶ丘)、青木誠二(上大岡)、山崎康生(紅葉坂)
(藤盛勇紀報)
六月十九日から二〇日にわたって、第34総会期教区伝道委員長会議が金城学院と中京教会で開催された。出席者は教区伝道委員十四名、講師一名、伝道委員七名、スタッフ二名、他一名、計二五名。開会礼拝は、北紀吉教団伝道委員長が行った。
その後、金城学院から中学校・高等学校の校長である深谷昌一先生から挨拶があった。
続いて、今回の教区伝道委員長会議の主題である「ミッションスクールの伝道」について、青山学院大学宗教主任である嶋田順好氏に「青年伝道について-大学の現場から-」という題で講演をしていただいた。今日の伝道の状況は、礼拝出席者の高齢化に伴って、全国的に振わない現状が指摘された。現代日本の高齢化が教会内において反映されているものの、その振わない原因は、教団内の伝道の姿勢にあるのではないか、と問題提起をされた。また同時に、キリスト教学校(ミッションスクール)でも、その傾向が現れていることが報告された。そして、ミッションスクールが本来目的としていた福音の伝道のヴィジョンが見当たらないと、述べられた。
今日の学生は、その外見は現代的なスタイルを身に付け、その生活は合理的であるが、宗教心は伝統的であり日本的であると指摘された。教会において、今若者が少ないことを、痛みとして感じなくてはならないとも述べられた。
講演が終わり、会場を中京教会に移し夕食を共にし交わりの時を持った。そして、神奈川教区、京都教区、沖縄教区の教区伝道委員長は欠席だったが、出席十四教区の教区伝道委員長から各教区の報告がされた。各教区の現状と課題が語られ、各教区の担われている課題を覚えることが出来た。
二日目は、金城学院・高等学校の礼拝に出席した後、各教区の報告に基づいて協議が行われ、教区内の協力体制(互助制度)を整えることが、多くの出席者から指摘された。また全体協議では、教会とミッションスクールの協力体制を築く必要があることが指摘された。 (白砂誠一報)
去る六月二〇日(火)午前十一時より午後六時まで教団会議室において第34総会期第五回世界宣教協力委員会が委員全員の出席を得て行われた。
今回の委員会では二人の帰国宣教師をお迎えして昼食を共に頂いた後、その活動報告を伺った。
サンパウロ福音教会(ブラジル)で働かれた小井沼真樹子宣教師は、現地の貧しい人々の中にあって自分が富める階級に属する者であり、多く与えられている者として多くの責任を求められていることを自覚させられたことや、日系人の高齢化に伴い、介護の仕事にたずさわるようになられた様子を語られた。また、重い病にかかられた小井沼国光宣教師の状態も報告して下さった。
米国パイン合同メソジスト教会で働かれた西村篤宣教師は、報告書に基づいて教会における働きや日系人高齢者ホームの事業等、多岐にわたる活動の報告をされた。
次に、昨年十一月よりジャカルタ日本語キリスト教会で働いておられる松本章宏氏と面談し、同氏を教団派遣宣教師として派遣することを決定した。
続いて台北の国際日本語教会の宣教師に応募されたうすきみどり氏と面談し、同氏を宣教師として派遣することを決定した。
また、ハワイのオワフ日本語ミニストリーからの宣教師派遣要請に応募された方々と面接し、推薦者を決定した。
その他には、二〇〇五年度の決算承認と二〇〇六年度予算案の承認、また常議員会よりの回付議案である「宣教師に関する規定」の原案が提示され、これの承認がなされた。
さらに、現在補教師である教師は正教師試験に合格しても按手礼が受けられないとの信仰職制委員会の答申があり、教規上の不備が指摘され、改定等の方策を検討した。
最後に、CoCの解散に伴う組織改編について協議がなされた。
(木下宣世報)
六月二〇日から二一日にかけて、第34総会期第五回伝道委員会が、名古屋北教会で開催された。第四回伝道委員会議事録承認の後、以下の諸報告を承認した。
第四回常議員会報告、宣教方策会議(三月六~七日)、宣教委員会(三月七~八日、六月十二~十四日)。エクロフ委員会(四月二〇日)、「信徒の友」「こころの友」編集委員会、「働く人」編集委員会。開拓伝道援助金(〇六年度分八教会、計一二〇〇万円)の送金。〇五年度伝道委員会関係会計決算承認。「こころの友」文書応援伝道の報告。〇六年度日本基督教団全国教誨師協議会・教区代表者会報告。
協議事項として
一 第34総会期教区伝道委員長会議についての総括。嶋田順好氏より「ミッションスクールの伝道」をテーマに主題講演をいただいたが、今日の教団の伝道の現状分析と共に、ミッションスクールの現状とこれからの伝道方法について現場である金城学院の会場提供をいただき、参加者と共に具体的な課題を共有しつつ語り合えたのはよかった。今日の青年伝道において、ミッションスクールと教会の協力体制の一層の充実が求められることから、伝道委員会の課題であることを確認した。十四教区の伝道担当から、各教区の現状と課題を伺ったが更なる論議が深められればよかった。
二 今総会期の伝道委員会の総括と申し送り事項の確認を行った。
(1)「開拓伝道援助」のための「教会創立記念日献金」運動の拡充。(2)「こころの友」の応援伝道、及び点字「こころの友」運動の推進。(3)各教区の現状の課題の共有のための教区伝道委員長会議の実施。(4)キリスト教学校との連携を深め、青年伝道を推進する。(5)「農」に関する活動者協議会の開催。(6)「開拓伝道協議会」に関心を持つ。(7)教誨事業に対する支援。(8)「宣教一五〇年」をいかに迎えるかの検討を開始する。(9)教会訪問・委員会の現地開催の実施。 (白砂誠一報)
第34総会期第五回宣教委員会が六月十二~十四日、沖縄で開催された。豪雨と落雷の影響で、宜野湾セミナーハウスには遅れて到着した。
当委員会は、沖縄で開催するにあたり、特に沖縄の歴史を学ぶことをプログラムに組み入れた。沖縄大学で教鞭をとる又吉盛清(またよしせいきよ)教授(沖縄・東アジア地域研究専攻)の講演を聞いた。又吉氏は、過去の植民地支配と侵略戦争の歴史を今日的な課題と結びつけて、具体的な事象を挙げて明らかにする調査研究がなおざりにされてきたことを懸念しつつ、これまで執念とも言うべき調査研究を行ってきたことを語った。その研究の成果は、著書『日露戦争百年』に詳述されている。講演は「沖縄でアジアを考え、アジアと共に生きる」と題し、主に「私と台湾-植民地問題を考える」ことに焦点をあてて、一八七四年の台湾出兵から一八七九年の琉球処分を経て沖縄から台湾、更に朝鮮、中国等の支配に向かう日本植民地主義の歴史に触れつつ、被害者が加害者に変質してゆく構造を語るものであった。「あと十年で戦争体験者はいなくなる」という言葉に重みを感じさせられた。
講演後は沖縄教区三役と交流の時をもった。知花正勝新議長は「信徒が持っている痛みをしっかりと受け止めて欲しい」と強く要望されたこと、そして「バラバラにならないで、キリストに結ばれている沖縄の教会、また教団の教会がキリストの身体として一つである」ことを祈りの課題とし、ゆっくりではあるが、時間をかけて課題を担ってゆきたいと述べた。
十三日は現地研修として、開催地の諸教会を訪ねた。高原教会、与勝教会、読谷教会、与那原教会の順で問安した。牧師と信徒に歓迎され短い交流を持ち祈った。訪問者である委員が沖縄の信徒の祈りに慰め励まされるひと時でもあった。途中、辺野古にも立ち寄った。
十四日は、那覇中央教会で委員会を行った。常設専門委員会等の報告を受けて、協議をした。主要事項の一つは自主活動団体認定申請に関する件(日本キリスト教保育所同盟)であるが、委員会は要件が整ったことを確認し、これを可決した。障害者差別問題小委員会が開催する「障害者差別と取り組む活動者全国交流会」について、実施に際しては、支障を来たさぬよう丁寧に対処してゆくことを申し合わせた。
(藤田義哉報)
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