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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4608・09号】セクシュアル・ハラスメント防止規則継続審議

2006年8月12日

二日目午後上程された議案のうち主なものは二つで、一つ目は「セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する規則制定に関する件」。まず、議案を巡る現状について山北宣久議長がコメントした。諸教区や諸個人からの意見書が出され、不備や欠けが多いので取り下げるべきなどの意見も寄せられている。さらに、教区での取り組みがあり、それと教団レベルでの関わりとの整合性の問題も指摘される。しかし、教区にも教団にもそれぞれ窓口があってよい、その上で連絡を取り合って活動していけばよいので、まずは大枠の形を定めたいという線でこの議案の趣旨への理解を求めた。
これに対して、専門性が要求されるケースが多いこと等を考慮すると、やはり 議案には不備が多いとする意見、また、「性差別は根絶すべき社会悪」であるから、「防止」に関する規則ではなく「禁止」規定であるべきであり、管理責任も明確に問われる規定があるべきなど、具体的内容についての意見も示された。
その他、教区での取り組みなどの情報を集めてほしい、たたき台や大枠でなく具体的で詳細なケースを拾い上げるべきなどの要望が出され、就業規則なのか教憲教規上の規則なのか、教会以外の諸団体との関係はどうなのかなどについて議論されたが、再度継続とされた。
二つ目の主要議案は、「濱田辰雄教師と阿部洋治教師の正教師登録の件」。両教師は、教団の教師検定試験の基準やあり方に問題ありとして正教師試験を受験せず、福音主義教会連合が行った教師試験と按手礼を受けた。教団の紛争期の問題と痛みを身をもって負いつつ教師の務めを担ってきた教師であるが、現在の教師検定試験が信仰告白に基づいて行われることが明確にされたことを機に、教団の正教師に認められることを求めている。
長い紛争期の諸問題を引きずる課題であり、検定試験における「様々な立場」を巡る議論や両教師の正教師登録をもって一つの決着を見たいとする意見もあったが、議論の主な焦点となったのは、教憲・教規からどう理解すべきかである。
両教師の主張や立場は理解できるが正教師登録については認められない、正規の正教師試験を受けるべきとの意見が目立った。教憲・教規に反する決議は無効であり採決になじまないとする見解も示され、本議案は継続とされた。
「聖餐式執行について信仰職制委員会に諮問する件」は、中部教区の同内容の諮問に対して信仰職制委員会からの答申が出されたため、それを常議員会で受け止め・取下げとした。
なお、「教憲第9条を検討する件」では、「同作業委員会」の報告を受けて、「機が熟していないと思われるので検討を集結する」ことを承認した。
(藤盛勇紀報)

「第35回教団総会開催準備委員会報告」では白戸清書記より報告を受けた。主な報告は次の通り。
まず第35回日本基督教団総会議事日程・議事運営については、次のように報告された。
二〇〇六年十月二四日(火)十三時三〇分の開会礼拝をもって開始し、二六日(木)、閉会礼拝をもって十五時に終了する。主題は「日本基督教団の過去・現在・将来」とする。
この主題については、どのような意図があるのかという質問があったが、山北宣久委員長(教団議長)により「大阪女学院での第14回教団総会から四〇年、教団は荒野の四〇年を経てきた。この四〇年を『過去・現在・将来』と確認して総括していくこととする」と説明された。
推薦議員、准議員については、推薦議員三〇名、准議員十五名が選任された。特に沖縄教区の教団総会議員未選出による未登録について、「沖縄教区の現実を受け止めて、今回、沖縄教区総会で選出された三役、常置委員を推薦議員として登録する。沖縄教区臨時総会の開催は求めない。但し、これは特異な例で苦渋の選択とし、前例とはしない」とし、沖縄教区から、常置委員と三役、前議長を含む十名が選任された。
これに対し、「欠席すると思われる方を推薦するのは、どういうことなのか。全国には、他に人もあるのに空席を作るのはいかがか」との意見もあったが、「教団問題を持ち込まない云々は、考慮しなければならないが、選任された人が拒否するかどうか、個々の立場の判断は出来ない」との説明があった。
投票委員については三名が選任され、十五名の議員以外の投票補助者の応援によって行うことが提案され、承認された。
その他委員会報告について承認され、続いて推薦議員三〇名、准議員十五名の選任についてもそれぞれ承認された。
(松本のぞみ報)

常議員会二日目の十一日午前、議長提案の機構検討特設委員会設置議案が上程された。第30総会期以降検討が続けられて来た教団機構改正・財政検討委員会による第33総会期、04年の答申に基づいた処理の内、残されている諸問題を検討しようというもので、教規52条以下に規定されている一研究所と三業務機関(宣教研究所、部落解放センター、出版局、年金局)の機構検討を目的としている。
竹前昇総幹事は、「部落解放センターは教団の業務機関であって、委員会ではない。三業務機関は自主独立的で財政は総幹事は把握していない。しかし責任はある。部落解放センター、出版局、年金局の財政と教団の予算決算委員会における審議との整合性を図って欲しい」「委員五名は常議員から選出し、任期は今秋の教団総会までとする」との補足説明を行った。
討議の結果、賛成多数で承認し、議長が指名した佐々木美知夫(招集者)、長崎哲夫、後宮敬爾、高橋豊、樋田利明各氏の五委員を承認した。
05年度出版局決算承認の件で秋山徹出版局長は、「前年度比二八九三万円の売上減で総売上高は四億九八八五万円と二〇年振りに五億円を割り込んだ。しかし、製造費削減や販売・一般管理費の減少で一六〇五万円の当期利益を上げ、その二〇%、三一〇万円を本会計に献金する」と報告した。
この出版局決算に関し、「本会計勘定、未払い金の一億一一二〇万円を元入金として自己資本比率をアップさせたが、これは見せかけで経営安定にはつながらない」「貸倒引当金の設定など出版局決算はわかりにくい」「常議員会だけでなく、教団の予算決算委員会にも数字を出すべき」「教区総会での割引販売など在庫処分の努力を」など質問、意見が相次いだ。
また竹前総幹事は「出版局は法人ではない。予算決算委員会との関連を密にし、もっと分かりやすい資料を出すべきだと思う」と述べた後、議案は賛成多数で承認された。
出版局同様、論議を呼んだのが年金局財政計画だった。小林貞夫年金局理事長は、「年金財政を長期的に安定させるため、年間約八千万円の財源捻出が必要となり、07年度に謝恩日献金を八千万円増額し、一億一一五五万円とする。このため教区あるいは教会・伝道所が目標値を定める。謝恩日献金を捧げていない教会・伝道所(全体の44%)に強く協力を訴える」との財務計画を明らかにした。
これに対し、「先の教団総会で年金理念が否決されたではないか。年金を受給しない信徒が受給額の三分の二を負担する案では、新たな年金を考えないと信徒の理解は得られない」「将来の年金制度を考える特設委員会を設けるべき」「総会でしっかりと議論すべき」などの意見が出たが、05年度年金局事業報告・決算、07年度年金局財務計画の両議案は賛成多数で承認された。
また、「働く人」を07年三月で廃刊する議案が議長提案で上程されていたが、次回に継続審議することになった。
(永井清陽報)

初日の冒頭、議題1「陪席者に関する件」では、新しく教区総会議長に選出され、常議員会に出席(要請陪席)した京都、兵庫、沖縄の議長が、それぞれ挨拶を述べた。知花正勝沖縄教区総会議長は、私的見解であると断った上で、用意した挨拶文を朗読した。
以下にその要点を記す。
「沖縄教区議長が常議員会に陪席することで、教団との関係回復が全面的になされるのではない。さまざまな意見があるが、個人の決断でこの場に臨んだ。
『教団に暫く距離を置く』事態があり、問安使拒否が続き、教団総会議員を選出せずに今日に至った。その中で、『沖縄宣教連帯金』による支援や『教区連帯配分協議会』においての特段の配慮をいただいている。その他の諸献金や個々の教会の会堂建築への協力など、この事態の中で、なお支えられていること、人的な交流が続いていることに感謝を述べたい。
『教団に暫く距離を置く』声明以来、教団政治と教区政治の衝突を実感している。わたしは沖縄教区が痛み、病んでいると思う。キリストの体である教会の交わりのこの状態は、キリストの体という教会の悲しみではないかと案じている。 妥協して埋没せず、純粋にして孤立しない在り方を模索する沖縄教区のかつてない苦悩、苦闘を見守っていただきたい。
沖縄教区に教団紛争、左右対立を持ち込まないで。教団政治路線対立を明確にすることが沖縄の最重要課題ではない。沖縄教区は沖縄の宣教という課題を負っている。教区にとって大切なことは、教団への擦寄りでも、自立志向、自律精神強化、民族自存主張でもない。和衷協同の教区回復であり、キリストに結ばれた教会群の回復こそ重要課題だ。沖縄教区は小さくても、神様に立てられた教会と信ずる。信徒達も神の器として用いられ、神の存在証人として立つ力も与えられている。沖縄教区、諸教会・伝道所、信徒達がキリストに結ばれて、宣教の使命を担えるように御加祷をお願いする」。
朗読を終えると同時に、大きな拍手が湧いた。
(新報編集部報)

教憲・教規と宣教課題の間

七月十~十一日、第34総会期第5回常議員会が、教団会議室で開催された。何よりも、第33第34総会を通じて、初めて沖縄教区総会議長が出席したことを、報告する。このことが「沖縄教区との関係回復」の第一歩となるかどうかは、現段階では即断も・楽観もできない。なすべき対応の努力をたんたんと続けることこそが何よりも肝要だろう。対話無くして進展はない。知花正勝沖縄教区議長の決断に大きな拍手が湧いた。

兵庫教区の按手礼式を巡り議論

議題5「総幹事報告」の質疑は、毎回長時間を費やすが、今回も多くの項目で多様な質疑がなされた。
特に次の項目で、質疑が交わされた。
就業規則等検討委員会の答申に基づき就業規則案を作り、職員集会を開き説明していることが報告された。報告に関連しキリスト教事業所連帯合同労働組合の性格について質問があり、愛澤豊重総務幹事は、「企業内労組であった日本基督教団労働組合が改組し合同労組を組織したもの、キリスト教事業所で働く者は誰でも加入できる組合となっている」と説明した。
大きな災害への緊急対応について検討する会合が持たれていること、「教団危機管理ガイドライン」の試案を立てたことが報告された。竹前昇総幹事は、「規則ではなくガイドラインなので強制ではない」と、その性格を問う質問に答えた。
兵庫教区における准允式、按手礼式に関連して、信仰職制委員会に「准允、按手礼についての諮問」をしたことが報告された。今兵庫教区総会で按手を受けた教師の登録をどのように取り扱うのかと言う質問に、竹前総幹事は、「執行通知書が来ているので、それに基づいて登録している」、その後のことについては「信仰職制委員会の答申が出たところで考える」と答えた。また、何故諮問したのかという問には、「いろいろと質問が寄せられているので諮問した」と答えた。菅根信彦兵庫教区議長は、「諮問されていることを初めて知った」。そのことを「当該教区に通知して欲しい」と述べ、「感動的、聖霊あふれる式であったという感想を持ったが、問題は所作のことなのか」と質問した。
愛澤総務幹事は、「所作も問題だが、准允・按手そのものが行われたという事実がない」と答えた。更に、佐々木美知夫常議員は次のように質問した。「教区総会で審議し云々の規定は六六条にあるが、執行を委ねられているのであって方法等についてではない。教憲八条で按手が取り扱われている」。式文の変更は、「一教区で担えることなのか」。
菅根兵庫教区議長は、経緯、事情を説明し、「教区総会の議決を経て行った。按手として行ったとしか答えようがない」と述べた。これに対して、他の常議員からも批判的な意見が述べられた。長山信夫常議員は、「按手は手を置くこと、つながっていることがなければ、按手ではない。既に登録したというが、諮問の結果はどう受けとめるのか」と問い、竹前総幹事は、「答申によっては、登録が取り消されることもあり得る」と答弁した。
議題10「教規施行細則変更に関する件」は、信仰職制委員会の答申に基づき、教規施行細則に変更規則を設けるという主旨であり、「本規則の変更は、常議員会の決議によるものとする」という内容を総会議案とすることが可決された。
議題11「戒規施行細則変更に関する件」は、「施行細則なので充分な時間を掛けて議論することがのぞましい。常議員会の方が時間が掛けられる」。「戒規施行細則ではなくて、規定とするのが相応しい。重要な課題なので総会で定めるのが良い」など、賛否両論が述べられた後、「採決しないで、次の常議員会まで検討しては」という意見が述べられ、継続となった。
議題13「教区常置委員会提出教団総会議案に関する件」は、「山北宣久教団議長による『二〇〇六年度教区総会への挨拶』における『3.合同のとらえなおし』の全文を削除する」と言う内容であった。
向井希夫大阪教区議長による補足的な説明の後、次のように激しい議論が交わされた。「議長が出した挨拶文の削除を総会が出来るのか、根本的に疑問」。「大阪教区の常置委員会が提案しているのだから、内容審議に入るべき」。「先例集でも、議案とするのには、形式が整っているかどうかを審議するので、内容を審議しないことになっているのではないか」。「提案には議案として無理がある。いっそ議長不信任なら理屈は立つ」。
議論は、議案として成立するかどうかに集中し、「常議員会を経るとは、常議員会で審議してという意味ではない」から、常議員会では内容審議せず、総会で行うべきだという意見と、「議を経るのだから、常議員会で審議する。しかし、議案としては未成熟であり、総会議案として相応しくない」との意見が対立した。
岡本知之信仰職制委員長は、求めに応じて次のように見解を述べた。「議を経るとは、内容について検討することが許されるということではない。同時に、形式が整っているかどうかということには、議案となるか否かの審議をすることが含まれる。自動的に議案となるならば、経るということに意味はない」。
この後、賛否両論ともに同じような意見が繰り返された。岡本信仰職制委員長は、「内容が相応しいかどうかではない、議案になっているかどうか」であると念を押し、愛澤総務幹事が、「今までは、全て採決して総会の議案としている」と前例について説明した。
小林眞教団副議長は、「議案となるかどうかであり、内容に賛成かどうかではない」と確認し、採決した。賛成は七名であり、少数否決となった。
議題14「05年度教団歳入歳出予算補正に関する件」、議題15「05年度教団歳入歳出決算承認の件」は、質疑の後、何れも原案通り承認された。
(新報編集部報)

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