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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4625・26号】教師検定委員会新組織発足 小堀康彦委員長、倉橋康夫書記選出

2007年4月28日

第35総会期の第一回教師検定委員会が、三月十九日(月)~二〇日(火)、教団会議室において、委員七名全員が出席して行われた。二〇〇七年春季教師検定試験は、準備の都合上前総会期の委員会が担当したので、今回が新委員による最初の委員会となった。
最初に各委員が自己紹介をし、愛澤豊重総幹事職務代行が挨拶した。今期は、三名の委員が交代した。委員の互選により、委員長に小堀康彦委員、書記に倉橋康夫委員が選出された。
まず、教規と教師検定規則等に基づき、当委員会の任務について確認した。続いて、当委員会の性格をふまえ、教師検定の実務についての基本的な共通理解を持つための話し合いがなされた。また、前委員会からの申し送り事項を確認し、これらの検討を行った。特に、従来二会場で開催していた試験を一会場(秋季を大阪クリスチャンセンター、春季を中野サンプラザ)としたことの成否について、今回の形が最善ではないにしても、受験者にとっても、試験実施を担当する関係者にとっても、概ね利便性において優れていたと評価できること、但し、東京会場についてはキリスト教関係施設など、再検討を要すること、危機管理の面でも、病気により委員の欠席があったが、対応できたのは一会場であったためであること、等の申し送りに関して、これを了解した。従って、当面は一会場とすることについての不都合はない、と判断した。
次いで当委員会の今期の方針について検討し、前期のものに若干の修正を加えて決定された。基本的には、「主の召命に応えて日本基督教団の宣教を担い、主の教会に仕える教師を送り出すために、教憲教規に基づき、教師検定規則に則って教師検定試験を実施する」ということである。
二〇〇七年秋季教師検定試験準備をした。各科目の担当を決め、更に試験日程や提出物の課題などを決定した。
第一回委員会の審議を進めながら、改めて当委員会に課せられている責務の重大さを痛感させられた。この任に堪え得るよう祈って、閉会した。
(倉橋康夫報)

三月二五日、〇六年度最後の日曜日、能登半島の北端にある輪島教会では、八年という時を一緒に過ごした勇文人牧師一家の送別会が、礼拝後に予定されていた。過疎地に立てられた小規模教会では、人間関係が濃密だ。輪島教会員にとって、この日は特別の日となるべく定められていた。
午前九時四二分、教会学校の分級の最中、この地方を震度六強の地震が襲った。数日前から空気が生ぬるかったとか、モグラを一度に一〇匹も見たというような話が、巷間まことしやかに語られたのも事実だが、それは、ことが起きてからのことで、後知恵。地震は全く突然のことだ。老朽化した教会の二階は、誰もが体験したことのないほど揺れ、生徒の一人は棚から落ちた地球儀で頭部を怪我した。幸い重傷ではなかった。
教会建物は、一見したところ大きな傷はない。しかし、子細に見れば壁に無数のひび割れが走り、屋根の形が微妙に歪んでいる。
教会周辺には、空き地が目立つ、何年も前から無住となり傷みが酷かった家々は崩壊した。僅か一週間の間に撤去され、更地となったものだ。今なら市が無償で撤去してくれるから。
踏みつけられたように潰れた家も少なくない。そのような地域の中で、輪島教会はかろうじて踏み留ったのだ。もしかすると、建物の内部には、亀裂があり、今後致命傷になるまで拡がるかも知れない。実際、比較的被害が軽微と見える羽咋教会でも、余震の度毎に亀裂が増大した。その様子を、内城恵牧師は、テープでマークし記録していた。亀裂と共に不安が拡がる。
七尾教会では、土台に隙間ができ、屋根が歪んだ牧師館を見た。倒壊してこそいない建物も、立て替えが必要となれば、被害の程は全壊と何も変わらない。
輪島市門前地区の被害の甚大さは、一言で壊滅状態。戦場を連想させられた。外形が一応そのままに残っているコンクリートの建物も内部はどうなのか。
輪島教会の送別会は中止となった。勇牧師は被災の後、予定通りに金沢の若草教会に転任した。その後、輪島まで往復最短で二五〇キロの道を毎日通っていると聞いた。後任の五十嵐成見氏は、東京神学大学の新卒、彼も被災した輪島教会に、予定通り赴任した。他教派から転入した関係で、信徒伝道者としてスタートする。「大変な所に、大変な時に赴任しましたね」と話を向けると、彼は、口元に笑みを浮かべて頷いた。静かに、しかし覚悟を定めた様子は、既に伝道者の顔だ。勇牧師と共に忙しく働き、一緒に信徒宅を訪問している。今、はからずも、共同牧会が実現している。このこと自体は、後々良い体験となるだろう。
健気さに打たれ、「何か困ったことはありませんか」と、実に愚かな質問をしてしまった。答えは意外、「車がないんです」。それはもともと、地震とは関係ないが、最も必要な時、最も必要な所に、それがないという、教団の貧しさだ。
過疎の地を、そこに立てられた小規模な諸教会を地震が襲った。能登の諸教会を、その働きを、具体的に支えなければならない。

日本における宣教
-伝道協力とその展望-
聖学院大学学長 阿久戸光晴

パウロがローマへ赴く途中、エウラキロンという暴風雨に遭遇する。パウロの行動と励ましによって、乗り合わせた全員は無事上陸(使徒言行録27章)するが、これは、暗示的なエピソードである。今日世界は同じ船に乗り合わせていると、よく言われるが、大事なことは海図と羅針盤と舵取りだ。
第2回伝道旅行でパウロは、アテネに失望し、コリントで思わぬ成果を上げる。しかし、そのコリントでガラテヤ教会的反動が起きる。古い律法への回帰こそ、今日のナショナリズム回帰への底流である。パウロの直面したコリント教会的自由の暴走とガラテヤ教会的回帰という二つの課題は、そのまま今日の教会的課題となる。
パウロの語った自由は、ピューリタンの信教の自由、人権理念とその保障制度となって広く歓迎されているが、パウロの伝えた自由は、他者に仕えるという愛の責任と結び付いている。自由の外形だけ学んで、十字架の愛を学ばねば、コリント的退廃か、ガラテヤ的反動がやってくる。
プロテスタント教会の日本宣教は一四〇年以上たつが、今日信徒数は実質〇・四%以下といわれる。なぜ日本伝道は戦後も困難を極めているのか。家族主義の壁、墓を
同じくしたいという思いが大きな阻害要因になっている。だが、天皇制や家族制度の残る限り希望はまったく無いのだろうか。
今、日本の家族は危機に直面しており、ここに福音を聞きに集まってくる契機がある。日本人の教育に対する類い稀な尊敬と熱意は、福音受容という花を開かせる可能性を持ち、キリスト教主義学校の存在意義もそこにある。日本のキリスト者数が統計上増えない理由は、受洗後遠のきがちな信徒を、一定年限で整理して行く制度上の問題もあるだろう。
諸教会に対話がなくなれば、福音は独善的になり、ナショナリズムと結合しやすくなる。宣教協力、国家を超えた真の教会的フェローシップが必要で、北米や東アジアの宣教師の真の証しと同時に、日本人伝道者も海外に出て行くことが望まれる。今日の伝道の使命は、何を何のために伝えるのかという宣教の質的側面と宣教における海図と羅針盤の問題だ。
古い血縁的秩序が世界で壊れつつあり、親子関係型社会から夫婦関係型社会へと展開している。ここには聖書の契約思想が背後で働いているが、信仰を抜きにした社会は壊れやすい社会である。伝統的家父長制社会は崩壊して「無く」、新しい形態の社会で生きるエートスも「無い」。ここしばらくは、二つの「無い」状態から、ナショナリズムへの回帰と経済グローバリゼーションの動きが跋扈するだろう。大切なことは、信仰を共有する者の国籍を超えた連帯といえよう。
(永井清陽報)

鮮明なヴィジョンと具体的な方法を求めて

二一世紀の宣教を、それぞれの地域で共に担う

 日北米宣教フォーラムが三月二七日~二九日、青山学院大学を会場に開催された。今回のフォーラムはJNAC(日北米宣教協力会)が二〇〇五年一月に解散総会を開催した際、解散後も引き続き日北米の宣教協力を継承して行く方向付けとして開催が予定されていた。
 今回参加したのは、北米側は六教団、日本側は在日大韓基督教会(KCCJ)、CoC、日本基督教団で、スタッフを含めて五七名であった。
 開会礼拝説教は大宮溥牧師で、「宣教の幻」と題してお話された。

「このフォーラムを通して、二一世紀の宣教を、一人の主の体としての教会が、それぞれの地域で共に担っていくための、鮮明なヴィジョンと、それを共に担うための具体的な方法が、明瞭に与えられることを期待するものであります」と述べ、パウロが幻を示され、ヨーロッパ伝道への導きの声を聞き、パウロによって開始されたように、今日の日本の社会にもこの導きの声が響いていると示された。開会礼拝後、開催委員長の山北宣久議長が挨拶をされた。

「JNACはIBC以来六〇年の歴史を閉じ、解散しました。解散にあたり日本でのフォーラム開催が決議され、そのための予算も承認されました。そして、今回の開催の実現に至りました。今回のテーマは『日本における宣教』(伝道協力とその展望)であります。二〇〇九年にはプロテスタント教会宣教一五〇周年を迎えようとしています。

 日本の伝道は北米から開始されました。いくつもの教会やキリスト教主義学校、社会福祉施設が設立され、今日に至っています。これらの働きは大変大きく、日本の社会はキリスト教の影響を大きく受けました。日本のキリスト者は一パーセントという少ない人数でありますが、日本国民全体が宣教師の働きの貢献を受けているのです。
一九四五年に日本が太平洋戦争に負け、灰燼と帰したとき、宣教師の皆さんが復興の大きな力となってくれました。北米教会にはどれほど感謝を申し上げてもなお足りない気持ちを持っています。
 KCCJは一九七八年にJNACに加入しました。北米の宣教師は指紋押捺反対運動・人権運動に積極的に参加し貢献されことも忘れることはできません。KCCJは二〇〇八年に宣教一〇〇年を迎えますが、北米教会との生きた関係が覚えられ、主の御名が賛美されると思われます。
 今回のフォーラムは日本の伝道、日本のナショナリズムに焦点が当てられることになりました。日本が神の哀れみによって与えられた平和憲法、特に九条を改定しようとする動きもあります、東アジアの動静も緊張を増してきました。日本の教会が、また属する青年が東アジアに貢献することができたら、どんなに素晴らしいことかと思います。 

 新しい宣教体制が要請されています。このフォーラムを通して宣教協力の具体的合意が得られるなら、生きた協力関係が生まれるのです。解散に伴い、五月にはCoCが発展的に解消することもお知らせします。その後は教団が責任をもってお引き受けいたします。
 教団は世界宣教部を創設し、世界宣教の業を充実することを第35教団総会で決意いたしました。この日北米宣教フォーラムを神が祝福し導いておられることを確信しつつここに臨んでいます」

 開会礼拝と挨拶に続いて、「日本における宣教」(伝道協力とその展望)と題し、阿久戸光晴氏(聖学院大学)が主題講演を行った。…講演の趣旨は別掲参照。
 その後、質疑応答があり、特に「日本の教会にとって、しなければならないことを三つあげて欲しい」との問いに、
「①福音に即し、聖書を読み、祈り伝道すること。
 ②日本を含めて世界の大きな風向きを読み取ること。どこからどこへ風が吹いているか。なぜ風が吹いているのか。日本においてはナショナリズムへのリアクション、経済グローバリゼーションの動きがある。個人化、自由がガラテヤ教会的でなく、マケドニア教会的な自由の正しさを教えること。教会は情報媒介を通して世界に発言を発信すべきである。
③日本は世界の人々と連帯を深め、痛みを分かち合い、助け合うことである」と示している。

 分科会は四つのテーマのもとに六分団でおこなわれた。「日本のナショナリズムとキリスト教」「日本における学校の役割と使命」「日本におけるキリスト教の指導者養成」「伝道を担う青年の育成」のテーマのもとに、アクション・プランへ向けての話し合いをした。
 二日目の午前に二人から発題がおこなわれた。「十字架と空の墓の地平に立って」と題してトーマス・ジョン・ヘイスティングス氏(アメリカ長老教会宣教師、東京神学大学教授)、「共に生きる世界をめざして-二一世紀ディアスポラ教会の宣教の課題」と題して金性済氏(在日大韓基督教会・名古屋教会)である。
 二日目の午後七時からは青年の夕べが開かれた。KCCJ青年会、青山学院ACF、聖ヶ丘教会青年会が賛美と証を行い、時代を担う皆さんの力を示され、大きな希望が与えられた。
 全体会では声明及びアクション・プランについて熱心に協議された。最終的に字句の訂正等については日本側の実務委員会に委ねられている。草案の声明は次のようである。

「日北米宣教フォーラムに集められ、平和の主の主権を信じる私たちは、今日本で、『憲法改正…特に第九条』の準備が急速に進められていることに、大きな不安と憤りを抱いています。(中略)もし憲法九条が改定され、集団的自衛権が行使できるようになると、日本は、米国と共に、戦争ができる国となるのです。(中略)私たちは、憲法改正に関するすべての動きに反対し、主の支配のもとにある真の平和を心から願うものです」

三日間の宣教フォーラムは次回の開催を願いながら閉会した。

(鈴木伸治報)

▼歌が苦手だ。嫌いではないが、上手ではない。歌うことを強いられるような場面になるととても辛い。一番だけでも歌詞を憶えている歌は一曲もない。▼と思い込んでいたら、二番三番まで記憶しているものが数曲あることに気付いた。所謂変身ものの主題歌、例えば『宇宙刑事ギャバン』を全部憶えていた。アニメソングもかなりの程度まで。皆、二〇年程前のものだ。残念ながら、私は三〇歳前後の青年牧師ではない。いずれも当時幼稚園生の長男が熱中していたテレビ番組。▼懐かしのポップスなどという類の曲が流されていると、つい、立ち止まっても聴いてしまう。グループサウンズにも、演歌にも。当時好んで聞いていたかというと、全く逆で、大嫌いだった。にも拘わらず耳に残っているし、今となっては、とても懐かしい。毛嫌いしていた演歌にもホロリとしてしまうのだ。▼若い時から親しんだ讃美歌が無くなってしまったという嘆き、むしろ怨嗟の声を聞く。『懐かしの讃美歌名曲選集』とか、何かしら、工夫頂けないものだろうか。

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