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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4634号】「部落解放祈りの日」礼拝 全国の教会・伝道所に部落解放のための祈りを

2007年9月8日

日本基督教団は、一九七五年七月十四~十五日開催の常議員会で部落差別問題特別委員会の設置を決め、教団として部落解放の働きを始めました。この原点を記念し部落解放センターは、七月第二主日を「部落解放祈りの日」として、全国の教会・伝道所に部落解放のための祈りをお願いしています。今年は七月八日が「部落解放祈りの日」でした。
部落解放センターは、「部落解放祈りの日」の礼拝式文を作成し、パンフレットに掲載して配布しております。式文中には祈りの言葉や水平社宣言が載せられていていますので、各教会・伝道所でささげられるこの日の礼拝の参考にしていただけます。
部落解放センター独自の「部落解放祈りの日」礼拝は、七月八日午後三時から大阪の浪花教会で開催され、この中で部落解放センターの小林明新主事の就任式が行なわれました。小林明新主事は、部落解放に向けての決意を表明しました。説教者である向井希夫牧師(大阪教区議長・部落解放センター活動委員)は、ルカ福音書の善きサマリア人の譬えに基づき説教しました。
礼拝の中で水平社宣言をみんなで大きな声で朗読しました。宣言の本文に「兄弟よ」という呼びかけや、「男らしき産業的殉教者」という文言が出てきます。性差別からの自由という観点なしに、この言葉を、そのまま受け取ることはもはやできません。一九二二年の歴史的文書である水平社宣言の文字に、ある種のつまずきを覚えながらの朗読でした。しかしそのように読んでこそ、かえって、文字の奥にこめられた部落差別に対する根源的な怒りの叫び、人間解放への不屈の精神の宣言が、時代を越えて今日の私たちの耳に聞こえてくるように思いました。
礼拝終了後、小林明新主事を囲んでの茶話会がもたれました。部落解放センターは新主事を迎え、また新に部落解放の働きを進めることになります。
(樋口洋一報)

七月三日~四日、教団会議室において今総会期第二回部落解放センター運営委員会が開催された。出席者は二七名。
四月に新しい主事が就任することに決まっていたが事情により辞退され、新たに小林明さん(大阪生野教会担任教師)を新主事として迎えることが承認された。任期は今運営委員会から四年。その活躍が期待される。また長年会計監査を担われた田中義久さん、吉川大蔵さんより、新しい方へ仕事を引き継いで欲しいとの申し出があり、人選に入ることが承認された。
委員会では、センター報告、各教区・支区取り組み報告などが行われ、各審議の他、前回、愛澤豊重総幹事職務代行から提案された職員雇用についての新しい提案を土台にして、センターの将来について意見を交換しあう時も持たれた。
解放劇『最初のしるし』は、内容について様々な批判や意見が寄せられているので、それらを検討して内容を変更したこと、またぜひ各地での上演を検討して欲しいとの呼び掛けがなされた。
また「部落解放祈りの日礼拝」(七月第二主日)、「部落解放青年ゼミナール」(八月)などの活動を盛り立てて欲しいとの要望が寄せられた。第十回全国会議は二〇〇八年度中の実施が承認された。
新しい活動としては、部落解放センター主催の「同性愛者差別問題連続学習会」が六月から始まっている(秋までを予定)ことが報告され、また部落解放センター二十五周年記念礼拝を十一月に東京で行うことが承認された。
運営委員会席上に、辺野古沖で事前調査作業が大規模な形で強行されようとしているとの緊急情報が飛び込み、丁寧に検討した結果、抗議文を出すことと連帯への呼びかけを全国の教会へ発信することが承認された。
次回委員会は二〇〇八年一月二三日~二四日に教団会議室で開催される。
部落解放センター及び各委員会の活動が、各地での解放運動を進めていく上でより大きな力となっていく事が出来ればとの願いと祈り、そして決意が伝わってくる二日間となった。
(多田玲一報)

▼数十年前、郷里の秋田では漬け物・みそ汁が成人病の根本原因のように叩かれた。撲滅運動だったと言えば少し大袈裟か。その後、「塩分控えめ」の漬け物が現れ、今日では名産品になっている。みそ汁は健康食品だ。▼「糖分控えめ」、これは何とか我慢する。砂糖の入らないコーヒー・紅茶の方が、真の味が分かるかも知れない。「カロリー控えめ」…「タンパク質が足りないよ」というテレビコマーシャルを記憶している世代には、ちょっと複雑な心境だが、仕方がない。▼究極のダイエットには「おいしさ控えめ」だそうだ。確かに、おいしいことこそが、諸悪の根源かも知れない。美食・飽食の時代は、同時に「おいしさ控えめ」の時代、何ともややこしい。▼ジェームズ・ヒルトンが伝説の「シャングリア」を描いた『失われた地平線』に登場する宗教は、徹底して中庸を重んじる。その徹底振りは、「この教えをあまり信じ過ぎてはならない」と言う程…成る程。▼黙示録三章十六節…どなたも御存知につき引用省略。それにつけてもこの夏は暑い。

私は東京教区西南支区の常任委員として「教育担当」という支区の働きを担っている。中高生から青年への伝道が主な働きである。これまで教育担当の活動は時に応じて変化してきた。柔軟性を持ちつつ、活動の目的として大切にすべきことは、青年がこの働きを通して教会につながり、教会生活の励ましを受けることだと考えている。創造主と出会い、神に愛されている自分を知り、信仰の友と出会うことができるような活動になれば、と願っている。
これまで教育担当が長年続けてきた働きに浜松の聖隷福祉事業団でのワークキャンプがある。数多くの参加者が汗を流し、豊かな体験を与えられてきた。大勢の方々の助けによって継続されてきたキャンプだったが、ここ数年間準備が整わず休止状態となっていた。しかし、青年たちから「ぜひワークをしたい」との願いがあり、昨年から栃木県西那須野にある農村指導者養成機関である、アジア学院を会場にしてキャンプを再開することとなった。
今年は七月末に二泊三日の日程でキャンプが行われ、少人数であったが青年たちに加えてうれしいことに中学生二名の参加があった。私たちにとって印象的だったのは食用のアイガモを食肉処理する作業に立ち会ったことである。「いただきます」とは自分たちの食生活が「いのちをいただく」ことによって成り立っていることを教えられ実感した場面であった。
ワークで汗を流した後は、食堂の円卓でアジアやアフリカから来た実習生たちに混じって食事をする。アジア学院では調味料以外、自給自足で成り立っていて、完全無農薬のお米、野菜、豚、鯉、卵など全てがここでとれたものであり、食事はとびきりおいしい。普段口にしているものがどのように作られてきたか、どれほど尊いものであるかを味わいながら食べる。夜は二日に分けて二人の話を聞くことができた。初日の夜は政府の圧力の下でいきいきとした信仰に生きるミャンマーの女性から、二日目はアジア学院の職員の方から信仰の証しを聞いた。プログラムが終わるとロビーで遅くまでおしゃべりに盛り上がった。(参加者の一人の感想がアジア学院のブログの七月二七日の記録で載っているのでご覧下さい。)
教育担当で数年前から継続されている活動に「青年の交わり」がある。隔月のペースで日曜の夕方に会場教会に集まり、賛美と交わり、夕食の時を持っている。昨年は平均十五名前後の出席があった。今年は様々な教会を訪問し支区の教会のつながりを体験する集いを計画している。先日の集いでは昨年度の委員の一人であった輪島教会の信徒伝道者である五十嵐成見先生に地震を覚えて寄せ書きを送った。この交わりを通して青年たちは互いに配慮し合い、ウェルカムでアットホームな雰囲気、受け皿ができてきたと思う。青年が求道者の友人をつれてくる時もあるし、この交わりがきっかけとなって信仰告白に導かれる人もいる。青年たちが自主的に活動することができるように見守り、助け、促していきたい。青年時代は生活の変化が大きい年代で、参加者の顔ぶれは変化する。いろんなことで悩み、傷つくこともあるだろう。それでも同世代の信仰の仲間たちと会い、礼拝し、食事を取り、心を開いて語り合い、お互いの声に耳を傾ける場があることが大切ではないかと思う。このような時と場所を持つことは一つの教会では難しくても、支区の働きとなればできるのである。今集っている青年たちに、そしてこれから足を運ぶ青年たちに福音を届けるための業の一つとして、この働きが継続することが求められていると思う。
(増田将平報)

「ともに生きる」ことを実現するには…
54回を数える奥羽教区ユースキャンプ

奥羽教区ユースサマーキャンプは今年で五四回を数えます。今回はテーマを「ともに生きる」とし、八月八日(水)~一〇日(金)まで、会場を奥中山教会、カナンの園・羊めー館を宿舎とし、工房アドナイ・エレでの活動を計画させていただいて実行することが出来ました。参加者は中学生一〇名、高校生六名計十六名、まさに若い力がたぎっておりました。スタッフは八名。
奥羽三県、八教会から集められた参加者は、まず礼拝堂の開会礼拝でキャンプ
長宮島星子教師より「テーマ『ともに生きる』の実現は新しい人と出会い、互いが違うことを知り、理解しようとし、折り合いをつけながら、努力すること、殊にこの時期、広島への原爆投下また、長崎への原爆投下を覚えると、自分たちの日常での努力こそ平和をつくり出すために来られたキリスト・イエスに倣う者となる」を受け、キャンプ開始となる。教区問安師邑原宗男議長の挨拶、カナンの園の齊藤芳弘さんに園と教会の沿革、精神についてお話を聞く。三日間で設けられているのは「集い」と言う三回の全体会、アドナイ・エレ工房での羊毛による製作実習、奥中山開拓団三役の祈りの場であった「一本松」へのハイキング、バーベキュー、キャンプフャイヤー、証しの時など盛りだくさんである。が、生活キャンプでもあるので三食毎の下準備、片付けはスタッフとともに参加者も大いに働かなければならない。教会のキッチンは人であふれる。玉葱に泣かされ芋に逃げられ、食事はその都度整えられた。
二回の夜は睡眠の時ではないらしく、話す者あり、懐かしい、カードゲームを楽しむ者ありの交流の時間となった。電子玩具持込禁止でアナログの遊びはほぼ六歳の年齢差を越えて楽しませるようだ。それらに没頭する者もいるが、周辺にいて雰囲気を楽しむ者もいて、自分のペースを保っている。中々しっかりしたものである。
幾度かの経験者と新人達がどのように受け入れあうことが出来るだろうかと、興味と心配とがない交ぜの出発であったが、十代の人たちは「それなりに」知り合っていったようである。筆者も、またここでは新人であったので、新鮮な気持ちで参加者たちの様子を見させてもらうことが出来た。
こういう場での大人の役割は、出すぎても、引っ込み過ぎてもうまくない。張り切りすぎても、白け過ぎても、なんだかなあ。となってしまう。要は、彼らと無理なく添っていければ良いのである。そう、おとなたちにとってもこれは修養の場・・・
ともあれ、緊張や、不安感の為体調を崩した二、三を除いて事故、怪我無く保険使用無しであった事、帰路での参加者の感想では「楽しかった」であった事で概ねよろしかった、としたいと思います。
教会でいつも小さな群れである十代の人たちが集まってみると地域の縛りや、
関係から一時的にでも解き放たれて伸び伸びとする。良い地に落ちた種がぐんぐん成長していく、そんな場として、このキャンプが存在していけば良いなと思わされた事でした。
(宮島星子報)

2007年8月11日

文部科学大臣
伊吹文明 様
要  望  書
2007年7月18日
日本基督教団
総会議長 山北宣久

日本基督教団に属する私たちは、聖書に示された生き方を基本として、この社会で生活をしています。また私たちの信ずるキリストは、「剣をとる者は、剣で滅びる」と戦争の無益さを教えられました。私たちは、この教えが真理であり、全ての平和に直結するものと考えます。同時にこの姿勢は、憲法第九条とも共通するものであり、日本国民としても、平和のための努力を惜しみません。
しかるに、昨今の日本の状況は、教育基本法が改正され、個人の尊厳に代わり、国家主義に通じる恐れのある愛国心教育が盛り込まれ、さらに憲法改正の準備である国民投票法制定など、再び戦争への道を急いでいるとしか思えません。
また3月末の「高校歴史教科書検定」では、太平洋戦争末期の沖縄戦で起きた「集団自決」の記述に関して、「軍命令による自決」の記述を削除・修正する指示があったことを聞き愕然としています。
「集団自決」に関しては、「家永教科書裁判最高裁判決」で、日本軍の関与を明確に認めています。さらに、軍の関与を削除する理由が、係争中の裁判の一方の主張であり、驚きと怒りを禁じ得ません。
私たちは、かつての戦争による惨禍を思い起こすときに、今こそイエス・キリストの教えられた平和の真理に立たざるを得ないと考えております。であればこそ、戦争放棄を謳った憲法を選び取った日本で生活をしているのです。しかしそのような時に、かつての戦争の悲惨を隠蔽・歪曲することは、過去の戦争を肯定することとなり、断じて許すことができません。
キリストの教えに従うと共に、憲法に則り平和を祈る私たちは、文部科学省が、今回の「高校歴史教科書検定の修正指示」を撤回することを求めます。

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