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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4646号】人ひととき 後藤 和子さん

2008年3月22日

地に足をつけて

機屋(はたや)商人の四人姉妹の次女として生まれる。先に姉が生まれたので両親は次こそ男の子、と期待されての誕生だった。両親の期待を裏切った事を肌で感じて成長する。それ故、ひねくれ、ひがみ根性たっぷりの性格に育った(本人の弁)。敗戦当時の中学校担任教師は、東京女子大卒業生であり、その人格的影響を強く受けて日本女子大学に進学した。そこでキリスト教と出逢い、弓町本郷教会に足を運ぶようになる。そして当時の田崎健作牧師から洗礼に与った。
日本女子大在学中は、学生YWCA の会長を務め、カンファレンスで日本全国を回って活躍する。大学卒業と同時に父親により実家に引き戻されるが、館林教会の前身となる働きをしていた金子牧師夫人と、農繁期に子どもを預かる季節託児所を立ち上げた。その伝から地域の学校長の裁量で、音楽の教師として採用される。しかし、キリスト者として未熟な私では「生徒を指導する事が出来ない」、と言う思いが強くなり、二年で退職した。その後、東京YWCA野尻キャンプの働きに転向するが、あんなに逃げ出したかった学校を離れると、逆に恋いしく思い出され、子ども達の顔が次々に浮かんでは消えた。
転機は、結婚後主婦となった時に与えられた。臨時で中学校の社会科教師として採用され、その後二七年間教師を勤めた。この時に、「現場を離れては勉強も出来ないし、信仰も生きない」という事を強く心に覚えた。
後藤さんのこの思いは、館林教会設立に尽力させ、今も教会長老と教会学校教師として、会計長老の息子さんと一緒にお仕えする力となっている。地に足を据えた信仰により、ひがみ根性の少女から主に賜を用いてい ただく喜びの人に変えられた。
今、教区の働きを通して感じる事は、牧師と信徒が同じ信仰告白に立ち、教会という現場にしっかりと御言葉を通してお仕えする事が成長の力となる事を心に強く受けとめている。

去る一月二一日~二二日にかけて、農伝協の総会及び研修会が、岩手県の舘坂橋教会で行われた。参加者は、日帰りも含め二五名であった。
農伝協の特徴は、食材を持ち寄り調理し、それを皆で食べるという会の持ち方を大事にしている。また、教会の礼拝堂の長椅子を利用させていただき、ベッドを作り、持ち寄りの寝袋で宿泊させていただくというやり方も定着している。これをすることにより、食事への思いが入ることは当然だが、突然参加者が増えたりしても、気楽に対応できるし、参加費も安くできるという特徴を持っている。自給率の高いメニューを太田先生は「陸の刺身」と表現された。
今集会のテーマは「農の視点から見た憲法」だった。東山道晴牧師による開会礼拝から憲法に添った奨励は良い繋ぎになったと思う。
主題講演は太田一男氏(酪農大名誉教授)にしていただいた。まとめが難しいので、印象に残る言葉を列記してみたい。
◎グローバル化の意味するものは近代が古くなること。◎近代文明は役割をパーツ化し、自然人を棄民化する文明だ。◎農民等は自然人に類する。排自然人は法人や会社のことだ。◎全てのものを商品にしてしまう近代の資本制商品生産関係は負の現実だ。◎地球球体の有限性の認識の広がりが、足るを知る文明への転換につながる。等々。
夕食後の現場報告は土沢教会の入江敦兄によってなされた。有機農業や地域の諸問題を述べてもらった。早天礼拝は北上教会の酒匂節雄兄によって守られ、授産施設の所長としての証しであった。総会では「農に関する活動者協議会」の反省の場となった。去年六月に土沢教会を会場に持たれた、教団伝道委員会主催の会だが、運営面への批判が多く出された。その後は次回の農伝協の内容の事等が話し合われた。
閉会礼拝は篠崎勲牧師による奨めで守られた。その後そうじをしたり、おにぎりをにぎったりして別れた。(田中洋一報)

「種を蒔く人」として召され
バートンルイス・キャシー
(UMCからの派遣宣教師)

四〇年近くになる日本での宣教活動、そして自分の人生を顧みるとき、これ程長い年月を経たものかと驚きを隠せません。
一九七〇年一月、夫ハリー、まだ乳飲子だった娘と共に私は東京に到着しました。薄曇りの寒々とした日と記憶しています。多くの人が外出時に白いマスクをする様子を不思議に思いました。日本で生活を始めてから今まで、解らない事だらけの私を辛抱強く支えてくれたのは、仕事仲間や友人でした。心から感謝しています。
最初に赴任したのは筑波学園教会でした。爾来二〇年間、茨城地区の牧師先生、教会員の皆様からの御指導と教えに恵まれました。夫は巡回説教に当たり、筑波大学でも教鞭を執りました。私は女性のための英語クラスで教え、教会付属幼稚園では英語も教えました。又筑波クリスチャンセンターでは、夫婦で聖書勉強会を行い、英語を通しての外国人牧会にも当たりました。
筑波地区ではInternational Training in Communications と Toastmasters Clubというクラブ立ち上げのお手伝いもでき、それはとても遣り甲斐のある仕事となりました。
私生活で最も時間を要した働きは、地元学校に通う三人の子どもに英語を教えることでした。
夫は次に聖学院に迎えられ、家族で東京に移りましたが、筑波での奉仕は続けておりました。
一九九四年、夫が重い脳梗塞に倒れ、本国に戻って集中治療を受け、介助つきの施設に入ることになりました。これからどうすべきか、様々の選択肢を考え、祈り合いました。一九七〇年に神様の使命によって日本へ送られたことを覚え、私一人が日本へ戻り奉仕を続けるべきと決断しました。夫は米国の合同メソジスト教会運営によるブルックス・ハウエル・ホームに移り、愛情のこもった介助を受けております。娘はそこから遠くない所に住んでいます。
九〇年代初め、私自身、日本語習得が困難だったので、宣教師としての意味を自問自答しました。しかし、神さまは教えて下さったのです。私の賜物は討論会・聖書研究会・英会話学校で教え導くことで、私の使命はそこで女性に仕えることであると。これを一旦受け入れると、日本での活動が意味深く、充実したものと感じられました。私たちは皆、種を蒔く人で、神様の愛を日毎の生活を通して証しする者なのです。
一九九五年に日本へ戻ってからは明治学院の東村山高校での英語教師を続けてきました。日曜には銀座教会の礼拝に出席し、教会の英会話学校でも教えています。
今まで支えとなった聖句は、マタイ6・34の「だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である」とフィリピ4・13の「わたしを強めてくださる方のお陰で、わたしにはすべてが可能です」でした。
この三八年間、紆余曲折を経てきました。しかし、良い時も悪い時も、派遣元教会・同僚・友人、そして家族と、大勢の方々から祈られ、支えられ、愛されてきたことを覚えます。皆様に、心より感謝申し上げます。
三人の子どもは、それぞれ結婚し家庭を築いています。東京には、息子夫婦二組と孫が一人います。娘夫婦は二人の子どもたちとワシントンDCに住んでいます。彼らの故郷は日本です。この文化の中で、居場所を見つけようと試行錯誤をしてきましたが、一度も孤立感を味わうことなく過すことができました。永住ビザを取得して、これからもまだ日本に住み続けることを楽しみにしています。
神様は私たちがどこにいても、見守り支え愛して下さる方です。

「とても無理ではないか」「しかしなんとしてでもやり遂げなければ」。
1億5千万円の目標を掲げてスタートした「新潟県中越地震」被災教会会堂等再建支援募金。困難な中で更に期間を延ばし、目標も3千万円アップ。しかし、達成できました。3月末で募金は終了いたします。皆さまのご協力を心から感謝し、ご報告いたします。

「新潟県中越地震」被災教会会堂等
再建支援委員会

第三回在日韓国朝鮮人連帯特設委員会が二月四日、教団会議室で開催された。
まず、十一月二〇日に施行された外国人生体情報採取制度について同日、総会議長及び当委員長名で出された「改正入管法の施行に対する声明」、旧日本軍「慰安婦」支援募金献金取組終了についての幹事会の認識、および一月十七日~十八日に西南KCCで開催された第二二回外キ協全国協議会の報告を受けた。
その後、外キ協と教団との関係の在り方、教団と在日大韓基督教会との宣教協約に基づく今後の取組、「外国人住民基本法(案)」の条文などについて若干意見交換し、次の事柄を決定した。
◎次の会合に委員を派遣する。教団宣教方策会議(3/10〜11)、在日大韓基督教会〈宣教100周年〉第14回人権シンポジウム(4/20〜22)、第13回外登法問題国際シンポジウム(6/30〜7/2)、第19回全国キリスト教学校人権セミナー(8/7〜9)。
◎「外国人住民基本法」制定国会請願署名、「外国人指紋」制度の中止を求める要請署名を各教区総会宛送付し取組を要請する。
◎在日大韓基督教会「宣教100周年」記念事業に対する協力献金の依頼を各教区総会宛振込み用紙を添えて送付する。(現在献金高11教会26万3千74円)
◎第二回在日大韓基督教会との宣教協議会合意文書に基づき、(a)「平和聖日」のメッセージを両教団が協力して作成し発表することを提案する。(b)「共同讃美歌」編纂の可能性、両教会の歴史編纂の可能性を探る。(c)宣教協約締結の日(2月8日)を「宣教協約の日(仮称)」として制定することを提案する。
◎外キ協事務局への当委員会の関わり方については、委員長に調整を委任する。
(土井桂子報)

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