第85回東海教区総会は、五月二七~二八日、千曲市の上山田ホテルを会場に、開会時正議員一九五名中一五九名の出席を得て開催された。
議長報告に於いて、教区・教団の諸重要事項に先んじて、逝去した教師のことなど教区諸教会・教師の消息に触れられた。また、祈念式では、一年間に亡くなられた全信徒の名前が朗読され、祈りに覚えられた。隠退した教師には、全信徒を代表して北紀吉議長から謝辞が述べられ、慰労金が手渡された。教区主催の諸集会に驚く程多くの出席者があることは昨年度も報告した。一つ思いとなって伝道・教会形成に当たる東海教区の姿勢が、これらのことに如実に表れていた。
裏腹に、議長報告で言及された「悔い改めのへ返済献金」について、内容のみならず呼称にまで異論・反論があり、直接は無関係と思われる他の議事でも、このことが蒸し返された。二年前の総会で明らかにされた、かつての教区会計担当者による所謂使い込み事件の処理を巡って、七千万円という金額の大きさもあり、教区に浅からぬ傷が残っていることが露呈した。
北議長は、「総会で損金処理として扱い、事柄は終わっている。これ以上議論することはない」とした上で、「返済献金」の入金状況を説明し、当人が総会の場で謝罪すべきだという要求については「在籍していた教会で、陪餐停止という信仰者としては重い戒規処分を受けている。謝罪云々は、戒規の期間が終わってからのことだ」と述べた。
傷跡は残ってはいるにしても、教団総会議員選挙に於いては、現執行部が揃って上位当選しており、問題への対応を含めて、大方の信任を得ているものと思われた。
教団問安使挨拶では、多くの教区に於いて、その性格上、疑義・反論が述べられることが多いが、東海教区では、それ以上に、積極的な賛意・謝辞が述べられた。所謂「退任勧告」についても、性急だという批判と並んで、「洗礼の有無を問わない配餐は、教会員であるかないかを問わないことであり、もしそうなら誰が献金・奉仕で教会を支えるのか、それではやがて教会は衰微する」という強い発言が信徒議員からなされた。
総会初日夜、教区互助制度検討協議会が持たれた。西之園路子議員による発題は、詳細なデータとその分析に基づくものであり、鷹澤匠議員によるものはマンガ・イラスト入りで分かり易いものであった。何れも、提案ではなく、シミュレーションによる試案であり、今後検討を重ねるべきものだとの説明であった。「無いが意見の総仕舞」という言い回しがあるが、資金が「無い」中で、如何に制度を残し充実させていくのか、真摯な模索、活発な議論が続けられている。
「八ヶ岳伝道所開設に関する件」が可決され、八ヶ岳南麓に伝道所が誕生した。主任担任教師は山本護牧師、現住陪餐会員十三名、その伝道・牧会のために祈りが捧げられた。
教団総会議員選挙結果
【教職】北紀吉(愛宕町)、小出望(静岡草深)、小林眞(遠州)、山本将信(篠ノ井)、宮本義弘(沼津)、佐々木美知夫(静岡)、加藤誠(静岡一番町)、長倉勉(三島)、森田恭一郎(遠州栄光)、西之園路子(蒲原)
【信徒】塩入隆(長野本郷)、的場武彦(下田)、小林貞夫(日下部)、村田誠(甲府)、原田昭三(諏訪)、辻昭(静岡)、本堂正(沼津)、増田伸子(静岡一番町)、鈴木保美(富士見高原)、長谷川了(遠州栄光)
(新報編集部報)
五月二七日(火)~二八日(水)、第63回東北教区定期総会が仙台青葉荘教会及び、東北教区センター「エマオ」で行われた。
開会時に正議員一五四名中一二〇名の出席だった。開会礼拝では「神の似姿にふさわしく」と題して説教が語られ、聖餐式が執行された。
今総会中は、聖餐のあり方を意識した発言が目立った。特に教団問安使が山北宣久議長の挨拶を読み上げた時には北村慈郎教師に対する退任勧告も含めて「教勢が落ち、教会が弱体化していると言われる中で、この対応が適切か」「教団が各個教会に介入するという事にならないか」「セクシュアルハラスメント事件を起こした教師に対する対応と比べると、バランスを欠いているように思える」「教憲教規で切り捨てる事が適切か」等の質問、意見が述べられた。
それに対して鈴木伸治教団書記から、各教師が教師試験を受けるとき及び教会に就任するときには、教憲教規を守ると誓約しているので、それを守る義務があること、性差別事件については対応中であること、社会的な事件と信仰の問題は区別されるべきであることが示された。
また、東北教区宣教共働研究所が「未受洗者について教師個人や各個教会の判断で行う事はできない」との見解を示した事に対しては「未受洗者配餐を承認するのではなく、様々な背景を持った合同教会として、学びと対話を深めていく」件と、「未受洗者陪餐は東北教区を崩壊させる事になる」とする「宣教共働研究所の見解『未受洗者への配餐について』を重んじる事を決議する」の二つの建議案が議場に諮られ、挙手により前者が多数で承認された。
また、大きな問題として青年学生センター主催のスタディーツアーにおいて交通事故が発生し、サブスタッフ一名が天に召された事を受け、ツアーのあり方や、今後の有事の対応方法、責任者を明確にする事などが確認され、二度とこの様な事が起こらないよう努める事が述べられ、教区として正式な謝罪の時を持った。
また議案に「東北教区宣教共働連帯金規則改定に関する件」が上程される事を受け、「宣教共働連帯金実施」について、協議会が開かれ、活発に意見交換が行われた。
他に承認された主な議題は以下の通り。「正教師按手礼早期執行報告と承認に関する件」「捕教師准允早期執行を常置委員会に委託する件」「東北地区センター財政支援に関する件」「東北教区センターの規則及び組織並びに運営等について再検討をする件」
教団総会議員選挙結果
【教職】福島純雄(郡山)、高橋和人(仙台東六番丁)、宮﨑新(福島伊達)、原裕(天童)、佐々木栄悦(福島)、望月修(仙台広瀬河畔)、高橋真人(会津坂下)、片岡謁也(若松栄町)、柴田彰(川谷)
【信徒】境澤栄美子(山形六日町)、志藤仁一(山形本町)、遠藤道雄(福島伊達)、斎藤仁一(山都)、稲垣弘輔(仙台東六番丁)、田村眞一(仙台東一番丁)、石原裕子(常磐)、志子田雪子(仙台東)、丹治正雄(福島)
(辻順子報)
第57回東中国教区総会は五月二六日~二七日、岡山教会で開催された。正議員九七名中六八名の出席によって成立し、開会礼拝を献げ共に聖餐に与った。
教区議長報告が丁寧に行われ、その中で、教区の課題として、まず「教会強化特別資金の充実」が強調された。
これは、いわゆる謝儀保障・互助、活動援助であり、この活動の理解の浸透化が訴えられた。また、議案としても取り上げられている人権問題特設委員会の常設化やセクシュアル・ハラスメント相談窓口の設置、さらに、これらを生かす中・長期宣教計画立案の必要性が掲げられた。教団に関する課題としては、教団の常議員会は「教会会議とは思え」ず、「『教憲・教規や信仰告白による一致』が、他を排除して自分たちの意思に基づいて運営している現状」だと批判し、特に「教師退任勧告決議」に関しては、「会議制を無視しているとしか思えない」としたが、これらについては見解を異にする議員からの質問が出た。
一日目の夕食後の時間は、議長報告でも取り上げられた「教会強化」の課題に関連して、二宮泰助、加藤吉利、宮川経宣の各氏が発題を行い、豊かな教区を目指すための課題と希望を共有した。
議案第一〇号「第三六回日本基督教団総会に『北村慈郎教師に対する退任勧告を取り下げ、全教団的に聖餐理解を深めるための取り組みを開始する件』の議案を提出する件」では、宮﨑議長が説明をし、常議員会の会議としてのあり方を批判して、まず聖餐の学びを始めるべきことを主張した。議場からも、退任勧告決議は多くの者にとって唐突であり不信感を抱かせた、だまし討ちだとする意見などの他、聖餐が重要な意味を持つならば軽々に変えるべきでない、教師は教憲・教規に従うことを誓約している、などの反対意見も出され議論となった。この議案審議の途中、内容的に重なる部分が多いということで、教団問安使山北宣久議長の挨拶を受け、主に教師退任勧告決議を巡る意見のやりとりが行われた。
議論は二日目、准允式が行われた朝の礼拝の後に、午前中いっぱい行われ、修正動議も出されたが否決され、この議案は原案通りに可決された。
この他、第36回教団総会に向けて、「『同性愛者をはじめとするセクシュアル・マイノリティ』の人権問題を宣教の課題として取り組む件」、「『合同のとらえ直し』を自分のこととして聴き直し、再度合同関連議案を提出するために、合同記念の日を二月二五日に設置する件」を議案として提案する件が、それぞれ可決された。
教団総会議員選挙結果
【教職】宮川経宣(岡山信愛)、宮﨑達雄(倉敷)、宇野稔(倉敷水島)、指方信平(旭東)、川崎善三(米子錦町)、八束潤一(米子)
【信徒】土井しのぶ(高梁)、難波幸矢(光明園家族)、加藤吉利(鳥取)、谷野順子(倉敷水島)、河田直子(蕃山町)、松原慎一(米子)
(藤盛勇紀報)
第58回関東教区総会は五月二八~二九日、大宮ソニックシティ・小ホールを会場として開催された。開会時、正議員二六四名中一六二名の出席。
総会礼拝の中では一名の准允式、三名の按手礼式が執行された。疋田國磨呂議長は「議長報告」において全国諸教会・伝道所・学校・団体・海外教会の祈りと支援により、教団の「中越地震被災教会支援募金」目標額が満たされ、「中越沖地震被災教会支援募金」も目標額を超えたことの感謝、2008年度は被災教会の復興と共に、「能登半島地震被災教会支援」のため祈りを献げたい旨を語った。各教会・伝道所の牧師から経過と現況及び感謝報告等がなされた。主な事柄として、2007年度諸報告承認、教団総会議員選挙、教団問安使・鈴木伸治教団書記との質疑応答など。特に教団書記に対し「聖餐の問題が波紋を呼んでいる。教団議長は教憲教規だけしか示さないが、教団としての聖餐論をどのようにとらえるか」という質問があり、「教会規則は教憲教規に基いている。教団を一つにしていくために教憲教規を守ることは、教団議長の使命。聖餐論についても論議を展開する前にこれを逸脱することはやめるべき」との応答がなされた。各議案は協議を深めるため四つの分科会に付託され、その報告を受けて議案審議に入り、2008年度関東教区活動方針に関する件、「日本基督教団罪責告白」作成検討特設委員会継続の件、「ナルドの壷献金」推進の件、「2008年度教団部落解放センター活動献金」推進の件、「『新潟県中越地震・中越沖地震』被災教会・被災地支援推進に関する件、「関東教区教会負担金新割賦方式に関する件などが可決された。
また五味一議員提案による「教師退任勧告」に反対する件は、次のような活発な議論がなされた。まず提案理由として「未受洗者配餐は容認しない。しかし教団議長も丁寧な対話をしてほしい。北村牧師と面識はないが退任勧告はやめてほしい」と述べられた。教区議長からは北村常議員退任勧告に至った常議員会経過について報告された。「聖餐論の議論を期待して常議員会に出席した。すると北村常議員の紅葉坂教会で未受洗者配餐を執行してしまっていると聞き、驚いた。次の常議員会の時には未受洗者配餐は止めるよう勧告がされ、またそうでない場合には退任が求められる旨提案された。常議員全員に意見が求められた。関東教区関係の常議員も意見が割れていた」。これを受け、次のような意見交換がなされた。「教団規則を破り続けるならば、退任はやむを得ない」「北村議員を狙い撃ちではないか」「五味提案に賛成しても、反対しても亀裂を残す。賛成したら未受洗者配餐を容認することになる」「神奈川教区の要望も、退任勧告を否定していない」「信仰の事柄は多数決になじまない」など。途中修正案も出されたが、時間を二度延長して議論を尽くすも採決には至らず、教区議長より審議未了廃案が宣言され、拍手をもって議事を終了した。
教団総会議員選挙結果 【教職】平山正道(四條町)、疋田國磨呂(大宮)、飯塚拓也(竜ヶ崎)、三浦修(埼玉和光)、最上光宏(所沢みくに)、石橋秀雄(越谷)、小野團三(桐生東部)、村田元(原市)、五味一(安中)、秋山徹(上尾合同)、塚本潤一(高崎)、熊江秀一(新津)、小池正造(東新潟)、新井純(十日町)
【信徒】滝川英子(七里)、 小西文江(新潟)、綿貫富夫(桐生東部)、アンダーソン礼子(埼大通り)、和田献一(氏家) 、佐久間文雄(志木)、金刺英雄(上尾合同)、大島健一(大宮)、丸岡早苗(甘楽)、後藤和子(館林)、内田聖子(長岡)、内山一(鹿島)、渡辺洋子(五泉)、田島裕子(安中) (松本のぞみ報)
教区の信仰告白を目指す 「将来委員会」九項目の最終答申 沖縄
第64回沖縄教区定期総会は、五月二五日から二日間、沖縄キリスト教センターで正議員四六名中、開会時四三人が出席して開催された。沖縄教区は六年連続で教団問安使を拒否した。
議長報告で知花正勝議長は、報告書記載の議長総括を読み上げることなく、「言葉が通じ合っていないところに教区の課題がある。分かって貰えないことも言わなくはならなかったが、これ以上は語らない。次期役員にバトンタッチしたい」と教区内の亀裂・対立に、うみ疲れた心境を吐露した。
議長選挙では、三度目の上位二人の決戦投票も、知花正勝、村椿嘉信両氏が各二〇票で同数となった。教区規則では「同数のときは抽選で決定」とあるが、議場から再投票を求める提案が採決に付され、賛成二一で可決され、異例の四度目の投票となった。
所信表明で知花氏は「解放の時をひたすら願っている」と語り、投票の結果、村椿嘉信氏(石川)二一、知花正勝氏(与那原)一九(投票総数四〇)で村椿嘉信氏が議長に選出された。
副議長選挙も同様の経緯を辿り、三度目の決戦投票前に、具志堅篤氏が「新体制で」と表明。投票結果は、小倉隆一氏(平真)二四、具志堅篤氏(読谷)一〇(投票総数四〇、有効三四、白票六)で小倉隆一氏が副議長。書記には藤原仰氏(宜野湾伝道所)が選出され、三役が一新された
一日目夜、四年間に及んだ「沖縄にある将来教会の在り方を検討する特設委員会」報告が平良修委員長から行われた。委員会四八回、全体協議会十四回の協議を経て作成された特設委の最終答申は、議案書の四五ページに及ぶ大部のもので、望ましい将来教会の在り方、教団との関係、答申を実質化するための提言の三点について述べている。
将来教会の在り方は、九項目あり、その中から主な点を拾うと、①「歴史を踏まえた沖縄に立つ教会」②「国家体制からの自立」③「内外に開かれた合同教会」④「教団の信仰告白を唯一の告白とせず、複数の信仰告白を目指す」⑤「小さくされた人々と共にあり、財政・教勢の拡大を最優先しない教会の形成」⑥「聖書は未受洗者配餐の妥当性、可能性を示唆している。聖礼典の在り方の検討」⑦「財政的自立のため、牧師の兼務、兼職の勧め」⑧「二種教職制の廃止、多数決制をとらない徹底した対話による合意を重んずる合議制」⑨「六九年合同はすべきでなかった」。
将来教会の在り方が、三三頁に及んで詳述しているのに比べ、教団との関係が二頁と簡潔である点にも、答申にこの問題に苦慮したことが伺われ、「『相互批判的な連帯関係』を築くため、教団の『距離』置き続ける」と現状を肯定している。平良修委員長は、「教団から離脱するなど六つの選択肢があったが、留まるとも決別するとも結論出来なかった。最小限の距離を置いて自主自立の途を模索するしかない」と語った。
答申の実質化のため、「教団総会議員を選出せず、委員会等に派遣・推薦しない」「教区宣教基本方針の改定」「沖縄教区の信仰告白の制定」「教区規則を改定して伝道所信徒を教区総会正議員とする」などを提言した。
委員長報告後、「六九年合同は喜びと愛に包まれていた」との反論が一人から出ただけで他に意見も出ず、議場が委員長報告を声もなく聞き入っていた光景が印象的だった。
この特設委答申を受けて、「答申の検討と具体化を新常置委員会に付託する」との建議が挙手多数で可決され、答申の実質化を巡っての論議は、今後の審議に委ねられることになった。
議案には「教団総会議員選挙に関する件」も上程されていたが、「答申に沿って、教団と距離を置くため、総会議員選挙を行わない」との議員提案が動議として成立し、賛成二二で可決され、沖縄教区は34回総会以来三期連続で教団総会議員選挙を実施しなかった。
常置委員選挙結果
【教職】竹花和成(首里)、知花正勝(与那原)
【信徒】高里鈴代(西原)、上地武雄(読谷)、中原芳子(志真志)、宮里幸子(高原・推薦)
(永井清陽報)
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
Copyright (c) 2007-2025
The United Church of Christ in Japan






