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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4654号】刑務所伝道教区代表者会 教団の宣教の働きとして 日本基督教団教誨事業協力会

2008年7月12日

日本基督教団教誨事業協力会主催の刑務所伝道教区代表者会が六月二日~三日国立オリンピック記念青少年総合センターで実施された。教誨師のいない北海教区、沖縄教区を除いた十五教区の代表者と、中部教区以東の教誨師二五名が参加。
任意の団体でありながら、日本基督教団の宣教のわざとして刑務所伝道と被収容者の信教の自由の保障を実現すべく活動する教誨師を支えようと守り続けられた教誨事業協力会を教規第41条の④に位置づけられた日本基督教団の自主活動団体になることの可能性を求めるべく開催されたものである。
昨年は同主旨のもと、西日本で開催された。
開催前に協力会は、協力会が自主活動団体になることで生じてくるさまざまな可能性とそこから求められることになる協力が各教区において可能かどうかのアンケートと協力依頼をした。
教区代表者はそれらの反応を持って参加し、自主活動団体への可能性をさぐった。
その可能性について井上喜雄さんから昨年と同様、『獄の友』33号に掲載された井上さんの資料をもとに教団の機構改正によって消えてしまった刑務所伝道委員会の働きを実質的に継承してした教誨事業協力会の働きと歴史及び協力会の持つ課題と展望についての発題を受け、協議に入った。
教誨師の働きは従前ともすると、個人的な活動と理解されたり、また実際そのような働きとして実践されてきた。
しかし厳罰化傾向の中にあって教誨師が宣教のわざを個人的な活動として展開されることの困難と問題を覚えてきた教誨事業協力会を自主的な働きとして支えてきた教誨事業協力の幹事会は、教会・教区・教団の宣教の働きとして展開されることを願った。
各教区では当該教誨師の働きによって教誨師の働きが教区・地区に理解され、支援されている状況が報告された。しかし協力会が自主活動団体になることによって生じるであろう教区による財政的バックアップ等については、なお十分な理解が得られておらず、困難ではないかとの意見も出され幹事会による一層の努力が求められることとなった。 (山根眞三報)

第35総会期第五回予算決算委員会は六月五日~六日開かれ、財務諸表等につき点検、確認し、二〇〇七年度決算を確定した。
二〇〇七年度経常会計決算は、厳しい状況の中、財務改善に向けて事務局の努力の跡が見られた。収支総額は、三一七、七九五、七四〇円。減価償却積立金として収益事業会計より二千万円を繰入れたことにより、前年度比二・一六%増となった。
収益事業会計は、二〇〇七年度から経常会計より区分したもので、前年度までの「教団住宅」「会館管理」「教団新報」の三会計と教団年鑑の部分を統合している。三会計の収支差額合計三九、九四四、九三二円が前年度繰越金。このうち、二千万円を経常会計に繰入れた。当期収入合計は三二、四四七、二〇四円となった。
出版局二〇〇七年度決算については、有澤年局長他担当者から報告を受け、承認した。損益計算書の売上原価の表示が変更され、製品の在庫額が単行本勘定を控除した後の額となっている。売上総利益としては、前年比一三五〇万円減の一四二、九九二、〇二三円。当期純利益一、六四四、七五〇円。出版界の厳しさを反映した。
部落解放センターの決算については、前年同様、貸借対照表等決算様式について、改善要請が出された。
教団事務局が進めている文書管理システム導入にあたり、資金及び内容について検討し、承認した。
負担金算定基準と教規との整合関係については、教規を変更せず従来通りとすることを確認した。
全国財務委員長会議は、九月十五~六日とし、主要テーマは、「互助」についての情報交換と「教団五〇年データ」の発題と決定した。
また、予決委員会として「教団五〇年データ」を基に、教勢減退を克服できるよう、各個教会への提言をまとめることを決めた。
第35総会期の本委員会を総括すれば、財務改善と健全化を最優先課題とした。その一方で、負担金収入については、全国教会財政減退を厳しく受け止め、二〇〇九年度予算も負担金総額一%減を編成方針とした。これを以って五年連続減額を常議員会に提案する。 (鈴木功男報)

第五回「能登半島地震」被災教会会堂等再建支援委員会(以下、委員会)が、六月三日に、教団会議室で開催された。
委員会は、前回(第四回)委員会記録を確認後、高橋潤中部教区議長及び小宮山剛中部教区能登半島地震被災教会再建委員長より、前回の委員会以降の取組みの報告を受けた。その中で七尾教会牧師館感謝礼拝が行われたこと、中部教区総会で二〇〇八年度の震災支援献金一千八百万円目標を定めるとともに、教区準備金会計から二千万円を教団支援委員会募金へ献金することを決めたこと、また、教区三役及び再建委員長が諸教区総会に出席して支援献金への感謝を述べ、今後の支援をお願いしたこと等の報告があった。
次に教団事務局より五月二八日現在の再建支援募金の状況についての説明及び中部教区へ工事費用の一部三〇、四七六、〇〇〇円を送金したこと、全国諸教会にむけて支援献金を新年度の予算に計上のお願いの葉書を出したこと、支援ニュース№2を四月十日付で作成し、全国諸教会と諸教区総会に発送したことが報告された。
以後、協議に入り前回に引き続き募金、再建計画等今後の運営について協議した。
募金については前回の委員会でも報告があったように様々な形態で募金が行われているものもあるが委員会としては目標金額一億五千万円にむけて募金を推進、集約していくことを再確認した。また、再建支援夏季募金のお願いを出すこと、「支援ニュース№3」を次回委員会で内容を協議し、教団総会に向けて発行することを決めた。
再建計画については中部教区からの報告を受けて再度、被災現地の状況を把握する必要があると思われ、次回委員会を被災現地で行い、その際、中部教区の再建委員会の方、被災現地教会の教師、役員の方に陪席していただき、現状について聞き、話し合い、認識を深め、今後の運営を検討することとした。
次回第六回委員会は九月八日~九日被災現地で開催する予定。
(津村正敏報)

▼「データがないうちに理論づけするのは、大きな間違いだ。事実に合う理論をつくり出すのでなく、無意識のうちに理論に合わせて事実をねじ曲げるようになってしまうからね」…「ボヘミアの醜聞」でのシャーロック・ホームズ。▼全く理解に苦しむ事件が相次いだ。その度に、マスコミで専門家(?)が分かったようなことを言う。「時代の当然なる所産であって、充分に予見できたことだ」。▼かつてある売れっ子心理学者は、当人と一面識もないままに結論めいたことを言うのは無理であって、学者の良心に恥じるとまで言い切り、テレビでコメントするのを止めた。大いに感心したが、この度は彼女も登場し、本人と一面識もない筈なのに、何のデータもない筈なのに、断定的にものを言っていた。▼菜園が思うようにならない。これこそ、データに基づいて確立された理論もある。しかし、天候、苗や種の個性、とても理屈通りには運ばない。仕方がない。天候も作物も生き物だから。▼そして、神様の言葉も、それを読む者も、生き物なのだ。

全国から二〇〇名を超える参加者

第10回部落解放全国会議を二〇〇八年六月九日(月)〜十一日(水)に東中国教区で開催する事ができました。神様の導きを感謝します。また、全国の部落解放センターを支えてくださる皆様に感謝します。
第10回目の全国会議は二〇〇六年六月に兵庫教区にて開催の予定でした。その準備段階で部落解放センターは兵庫教区の関係者から、「活動の有り様(ありよう)に関わる問い」を受けました。それは部落解放センターが、今どこに向かって歩んでいるのかという問いであり、「部落解放方針」に「他の差別と連帯していく」とあるにも関わらず、なされてないとの批判でありました。この事は初めて問いかけられた事ではありません。それまでにも問いかけられており、部落解放センター活動委員会にて協議を重ねておりました。改めて問いかけを受け、協議いたしました。何度も協議を重ねた後、「部落差別がなくなりますように、全ての差別がなくなりますように」と願い、さまざまな差別と闘う仲間と連帯していくことを今回の全国会議の中でもハンセン病のフィールドワークを行い、東中国教区での課題を共に学ぶ時が与えられました。
全国会議の中でかつて約一三〇年前に岡山教会で起こった差別事件に学ぶ時がありました。事柄は岡山教会での聖餐式の中で起こったことです。それは、一つの杯でまわされたぶどう酒を被差別部落出身の方が飲んだ後で聖餐の拒否が起こった事であります。この事は大問題となりましたが、宣教師が間に入り、ことなきを得たと報告がありました。それ以上は記録がないので解らないとの事でした。イエス・キリストによって祝福されたぶどう酒を神の恵みとして受け取るよりも、人間に芽生える差別のこころが優先されたのです。大変悲しい出来事です。この事をふまえた上で、次の事を考えさせられました。岡山教会はその当時被差別部落への伝道を行い、その地で家庭集会をおこない深くかかわりをもっていきました。その結果、岡山教会の信徒の1/6は被差別部落の人であったと報告されました。現在の教会が聖餐拒否のような差別事件は起こさないとしても、差別を受けている人と積極的に出会っているだろうか。被差別部落、ホームレスの方々、外国からの就労者、多くのさまざまな差別を受けている人、困っている人と積極的に出会い、共に生きていこうとしているだろうか。知っていながら無視するのも差別ではないだろうかと考えさせられました。
私はフィールドワークで「美作騒擾」(みまさかそうじょう)に参加しました。案内してくださった方は二人いて、一人は差別をして襲った農民の子孫、もう一人は差別され襲撃を受けた被差別部落の子孫でした。「美作騒擾」とは明治維新からの急速な近代化に戸惑い、「解放令」により、優越感の対象を失った農民が、新政府のお先棒かつぎだと戸長、金持ちなどの打ち壊しを行い、やがて、その矛先(ほこさき)は被差別部落に向けられ、焼き討ちと殺人の暴動、騒擾となった悲しい出来事です。長く公表されませんでしたが、当時襲撃した農民の子孫が先祖の罪を明らかにし、このような差別が二度と起こらない事を願ってフィールドワークを続けておられます。
この方にとっては大変苦しい事ですが先祖の罪を真摯に受け止め、差別撤廃の働きをされている姿を見せられ私は感動しました。全国会議は他にもさまざまなプログラムがあり、多くの事を教えられました。また、多くの人と出会えたことを感謝いたします。学んだ事を私の地元で、部落解放センターの歩みの中で考えていきたいと思います。第10回部落解放全国会議を恵みのうちに終える事が出来ました事心から感謝しています。全国会議を覚え祈り支えてくださったことを心から感謝いたします。
(東谷 誠報・部落解放センター運営委員長)

私の中の部落差別~解放へのつながり

六月九日(月)~十一日(水)、第10回部落解放全国会議が岡山教会にて開催された。全国各地から二〇〇名を越す参加者が祈りと課題を携えて集った。テーマは「宣教の課題としての部落解放『私の中の部落差別~解放へのつながり』」。今回の全国会議は開催の基本理念として、当該教区である東中国教区にて立ち上げられた実行委員会において、テーマ並びにプログラムの一切を相互に理解を深めつつ企画・準備するというものであった。準備当初段階では、部落解放のための全国集会を東中国教区の我々が実際に担えるだけの素養と実力があるか大いに不安であった。しかし、この機会によって開催者側であるわたしたちこそが、全国からの参加者の方々との新たな出会いと交わりを通して、部落差別「問題」を自分自身の問題とされる気づきをこの地元・岡山の地で与えられたいと願い、またこの岡山から部落解放のために更なる歩みを進めていく方々の歩みに東中国教区の者たちもつながっていく一歩を共に踏み出せたらとの思いをテーマに込め準備した。また、あらゆる差別と闘う仲間との連帯が強められていくことを願ってプログラムを企画した。そうした願いは、三日間のプログラムの中で実りとはまだ言えなくとも芽生えとなったことであろう。
三日間に亘るプログラムはどれも、わたしたちの根底に深い問い投げかける内容であった。一日目には、狭山事件の当事者として四五年間の闘いをなお懸命に続けておられる石川一雄さんより記念講演を頂いた。見えない鎖からの完全なる解放の日を確信しつつ、誠実にまたひたむきに語られるその真実な言葉に心打たれると共に、部落差別の陰湿かつ卑劣な現実をなんとしても乗り越えていく必要を感じさせられた。
二日目は「美作騒擾(そうじょう)」、「渋染一揆」、「ハンセン病療養所の現在」の三グループに分かれ現場研修が行われ、差別の歴史をそれぞれの生活の視座へと現在化し、人々のうめきと解放への願いに共鳴する日を過ごした。その後、深澤奨牧師(佐世保教会)による聖書研究の時が持たれた。人は信仰の正しさによってではなく「キリストの真実」によって救われ解放されることを確かめ、信仰の正しさを問うところから生まれ得るキリストの名による差別の不幸を考えさせられた。また夜の分科会ではテーマ別に六つのグループに分かれ、更なる研鑚を深めた。翌日、全体会そして派遣礼拝にて、あらゆる差別からの解放と、互いの働きのために祈りつつ、荊冠のキリストが生きて働くそれぞれの現場へと再び遣わされた。
第10回全国会議を終え、東中国教区では部落解放センターの多大な支えにより主催者との一端を担えたことを感謝しつつ、はやくも第11回全国会議開催への関心と期待が生まれている。二年後の開催までに、更に部落解放への思いを強め、今回の芽生えを実りへと少しずつでも前進していければと思っている。
(指方信平報・実行委員)

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