PC(USA)、RCAとの間に
議案第37号、38号の可決により、二二日午後五時半から「日本基督教団とアメリカ合衆国長老教会〈PC(USA)〉との宣教協約合意書」「日本基督教団とアメリカ改革派教会(RCA)との宣教協約合意書」の締結式が行われた。
議案の152~163ページに記載されている合意書に双方の代表者が署名、日・北米宣教協力会(JNAC)後の新時代が開かれた。
日本基督教団からそれぞれの教会に七宝焼きの赤富士の額縁と署名に用いられた万年筆が記念品として贈られ、PC(USA)からは記念の書籍が贈られた。
「退任勧告取り下げ」否決、「戒規申立無効確認」僅差可決
未受洗者への配餐の問題や北村慈郎教師に対する教師退任勧告、同教師に対する戒規執行申立の問題に、全国から大きな関心が注がれていたが、これに関する議案第41号から第43号までが三日目に審議された。
これら三議案は、北村慈郎教師への退任勧告に関して、「取り消しを要望」(兵庫教区総会)、「撤回」(神奈川教区総会)、「取り下げ」(東中国教区総会)の決定を内容としている。同趣旨の議案のため、一括して審議された。なお、第43号は分割され、議案の前半のみ審議されることとなった。
各教区議長が議案説明を行った後、賛否それぞれの意見が交互に聞かれた。反対の立場から、持田二郎議員は、教団の教会として教憲・教規を重んずべきであり、教師は教憲・教規を守ることを誓約しているので、北村教師もそれに従うべきと述べた。続いて原田潔議員は、賛成意見の立場から発言し、我々の目指すべきは一致だが、意見の違いもそこにはあり、補教師のため聖餐執行ができず悩む教会も少なくない現実を語り、北村教師の行為は、違反と言っても小さな問題であり、時間をかけて議論すべきだと主張した。
この後、山北宣久議長が発言した。山北議長は、「討論すべきと言われるが、土俵が確立していない所で何を討論するのか。まずは(違法行為を)止めていただきたい。単なる規則違反というだけでなく、教会が教会になるためにどうするかを問うている。教団の『一方的断罪』だという主張があるが、教会が北村牧師を立てたのではなく、教団が教師を立てたのであり、教師に逸脱があれば、教団が責任を問わなければならない」と述べた。
続いて、北村慈郎教師が発言し、「『教会が教会となっていくために』と言うのであれば、そのために、聖書と現実の問題の中で、イエスがどう語りかけているのかを聞きながら、それぞれがやっていくことだ。教憲・教規でただ縛るだけの教会であるなら、それは現実から遊離するだけだ。教会が教会になっていくためには、たとえ逸脱したとしても、その試みをしていくことがなければならない。教団は’87年くらいまでは聖餐についての議論を行っていた。それを継続していくことが重要だ」と述べた。
上田律子議員は、「自分なりに読んできた聖書からすれば、律法を根拠にイエスを亡き者にしようと画策したパリサイ人や律法学者のことが思い起こされ、キリスト教がやってきた宗教裁判の臭いを嗅ぎ取る。注意しやすそうな生徒を狙って厳しく叱る教師のやり方に似ている」と、教師退任勧告を批判した。
最後に北紀吉議員が発言した。「十分な議論無しに未受洗者配餐が行われている。行った後で『十分な議論をしろ』とは欺瞞である。『神奈川教区の意見を聞くこと無しに』と言われるが、紅葉坂が規則変更を申請した時、教区で扱うべきことでないので教団に判断を仰ぐことにし、教団はその申請を認めなかった。これに反するものに対して教団議長が判断を下すのは当然である」。
これらの討論の後、議案第41号から43号が個別に採決され、それぞれ、三五五名中賛成一六一、三五四名中賛成一六七、三五六名中賛成一六一で、いずれの議案も否決された。
議案第44号「教団第35総会期第五回常議員会における「北村慈郎教師に対する戒規申立を行う件」の決議の無効を確認する件」は、柴田もゆる議員の提案の議案であり、ポイントは三点。?戒規施行細則6条との関わりで、教団議長が上告を受理し常議員会が審判委員を選任するのは公正中立を侵害する。?信仰職制委員会の答申によれば、提訴者は限定されており、教団議長も提訴者たり得ない。?教規第35条との関わりで、戒規申立は常議員会の処理事項を越えており、教団議長の発議も違法である。
これに対して、教師委員長の松井睦委員が、教団の常設委員会等において教師としてあり得べからざる行為がなされた場合を例に挙げて、「常議員会は提訴者たり得る」との教師委員会の見解を述べた。続いて藤掛順一議員が、この度の戒規提訴の道筋について、「未受洗者陪餐の問題は、教憲に表されている合同教会としての歩みの根幹にかかわる。ゆえに議長と常議員会が提訴することはその責任である」と述べ、議案の主張に反対した。
最後に浅野直人議員が賛成の立場から発言し、「教団総会が最高の政治機関であり、教憲・教規の解釈についても教団総会の判断が最高である。教規のような規定については、解釈の幅を考えなければならない。とりわけ教師の身分に関する問題に関しては、厳格に考えられるべきである」と述べた。
この議案の採決について、無記名投票の動議が認められ、昼食の休憩を挟んで、午後採決が行われることになった。休憩後、無記名投票が行われ、三二六名中賛成一六七で可決された。
(藤盛勇紀報)
この度、6月からの試運転期間を経て、正式に「日本基督教団公式サイト」が稼働する事となりました。
主に教団が新任教師オリエンテーションで配布する資料や公式の発行物(教団ニュースレター・教団新報)を掲載していく他、教団からのお知らせなどを、必要に応じて掲載していく事となります。
また、教区・各委員会とのリンクも計画しています。このサイトを通じて、信徒の方の教会生活が豊かになり、教団からの情報発信が円滑に行われるよう、祈っています。(広報センター委員会)
「教団・公同教会としての一致と連帯」の主題の下に開催された第36回教団総会、最大の関心は、「未受洗者への配餐」問題と、これに関連した「教師退任勧告」にあった。白熱した議論が交わされ、幾つかの関連議案が採決された。結果は、「退任勧告取り下げ」議案が否決される一方、「戒規決議無効を確認する件」が可決され、極めて分かり難いものとなった。議論は今総会期に持ち越された。
第36回教団総会は、一〇月二一日から三日間、東京・池袋のホテルで、総会議員四〇〇人中、開会時三六七人が出席して開催された。沖縄教区は、34回総会以来連続して、議員(一〇人)を選出しなかったが、知花正勝前教区議長、具志堅篤前教区副議長ら三人が推薦議員として出席した。
山北宣久議長の議長報告を巡って、日本伝道150年での沖縄無視、合同のとらえ直し問題での時間切れ廃案決着、公同教会の在り方など、さまざまな質問、批判が出たが、山北議長は、「150年でのベッテルハイム宣教師の件は、34、35総会期に既に話題となったが、聖公会に問い合わせたところ、琉球前史として位置付けており、 150年を祝うとの答えを得ている。聖餐問題にさまざまな意見があることは承知しているが、公同性の背後に在るのが合同教会で、バラエティ(多様性)があってもユニティ(一致)がなければだめと考えている」と述べ、一時間近く費やした議長報告は、出席者三六八人中二一三人の多数で承認された。
内藤留幸総幹事は、総幹事報告で機構改革に触れ、「総会議員数変更は、賛否相半ばしているので継続とし、今総会には提案しない」と述べた。
今総会最大の争点となった聖餐理解、教師退任勧告問題にからんで、「教団内諸教会の信頼関係を守り、真実の対話の道を確保する件」が上程されたが、この議案が三役、常議員選挙に関わるとの議運提案から、議長選前に先議された。
提案者の小林貞夫議員(東海)は、「未受洗者配餐などを行うことは、教憲教規に言い表されている教団の教会としての在り方を無視し、対話の道を閉ざす。こうしたことを行う教師は、教団三役、常議員、常設委員にふさわしくないことを確認する」と提案理由を説明した。
これに対し、「教会間の信頼の根拠は教憲教規」とする賛成、「議員の被選挙権を拘束する」との反対など賛否各三人の意見表明の後、採決され、三六三人中、賛成一七九で少数否決となった。
教団総会議長選挙は、予定を大幅に遅れ、一日目夜、予備投票を実施した。予備選で五位同数者十三人が出て、議長候補者が十七人と異例の多数となったため、挨拶を省略し、二日目午前、本投票を実施した。この結果、山北宣久議員(東京)が一九三票を獲得し、総会議長に四選された。
山北宣久 一九三、後宮敬爾 一六一、小島誠志 五、青山実・石橋秀雄・北村慈郎・小出望・松下恭規 各一(投票総数三六四無効〇)
山北宣久議長は、「四期続けることは、いかがなものかなとも思うが、この状況下で選ばれたことを受け止め、委ねられた務めを誠実に果たして行きたい」と抱負を語った。
副議長選挙は、佐々木美知夫議員(東海)が副議長に初めて選出された。
佐々木美知夫 一八七、後宮敬爾 一七三、石橋秀雄 五、藤掛順一 二、小林眞 一(投票総数三六八無効〇)
佐々木美知夫副議長は、「責任の大きさを感じている。皆様のご理解と協力を得て、議長を支えて行きたい」と述べた。
三期連続して務めた小林眞前副議長について、山北議長は、来春、同宗連議長に就任予定であると述べ、これまでの働きに謝意を表明した。
書記は議長、副議長の協議で、鈴木伸治議員(神奈川)を推薦し、議場が承認して鈴木書記も四選となった。総幹事は、前総会期途中、竹前昇前総幹事病気退任の後を受けた内藤留幸総幹事を追承認した後、常議員会提案の内藤留幸総幹事(任期四年)の選任を承認。出版局長も同様に、前総会期中に退任した秋山徹前出版局長を受けて就任した有澤年出版局長を追認した後、改めて有澤年出版局長(任期四年)を選任した。 総会は、日程の遅れから、「日本伝道150年記念行事開催を中止する件」「聖餐についての自由な協議の場を設定する件」「米軍再編に抗議し全国の軍事基地撤去を求める声明を内外に向かって表明する件」など一三議案を、時間切れ廃案とするとの議長提案を承認して閉会した。 (永井清陽報)
「半数(7名)連記で常議員選挙」
選挙方法修正案可決
今総会では、常議員の選挙方法を巡る論議が今総会の争点の一つとなった。
常議員会は、35総会期第五回常議員会での可決を受けて、従来の三名連記を一〇名連記とする議案を提案したが、半数(七名)連記の議員提案が修正議案として上程された。
修正議案提案者の向井希夫議員(大阪)は、「常議員会提案の一〇名連記では、過半数をわずかに超えるグループでも74%の獲得が可能となり、安定多数を獲得出来る。大阪教区は半数連記を採用しているが、これにより多様性のある議員を選んでいる」と説明し、さらに無記名投票での採決を提案した。
この無記名投票提案に対し、五分の一以上のセコンドがあり、無記名投票の結果、投票総数三六六、賛成一九三・反対一六九・無効四で、修正議案は可決成立し、常議員選挙は七名連記で実施された。
予備投票を経て三日目午前、本投票を行い、別表の常議員二七名(教職十四、信徒十三)が選出され、教職四名、信徒四名が入れ替わった。 (永井清陽報)
【教職常議員】
○藤掛 順一(神奈川)195票 石橋 秀雄(関東)190票 長山 信夫(東京)189票 小橋 孝一(東京)187票○高橋 潤(中部)184票 原田 謙(西東京)184票 ◎北 紀吉(東海)174票 後宮 敬爾(北海)166票 向井 希夫(大阪)156票 北村 慈郎(神奈川)152票 佃 真人(兵庫)148票 松村 重雄(奥羽)147票 梅崎 浩二(九州)142票 ◎三浦 修(関東)142票
【信徒常議員】
高橋 豊(西東京)196票 望月 克仁(神奈川)194票 大杉 弘(中部)193票 ◎鈴木 功男(東京)188票 小林 貞夫(東海)187票 ◎江本 義一(大阪)184票 ◎岡田 義信(東京)184票 東谷 誠(大阪)158票 斎藤 仁一(東北)156票 難波 幸矢(東中国)155票 和田 献一(関東)155票 ◎伊東 永子(神奈川)149票 津村 正敏(兵庫)149票
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