年金運用・教区活動連帯金・各種委員選任
総幹事報告に関する質疑の中で、後宮敬爾常議員は教団年金の運用状況について質問した。橋豊年金局長は、前常議員会以降の状況について、「07年三月末の含み損八千万だったものが、前常議員会一億四千万になり、今は二億五千万になっている」と数字を上げて具体的に説明した。また、「厳しい状況下だが、基金の三分の 二と、元本保証されているものへの投資比率が大きいので、損失の比率は多くの企業の平均に比べて半分程で、比較的打撃は少ないが暫く忍耐の時が続く」と述べた。
宮﨑達雄東中国教区議長が教区活動連帯金について質問し、また、その必要性を説く意見を述べたことから、東京教区が07年度分千五百万円の拠出を保留していること、東海教区が昨年度から、中部教区が今年度から、この制度を脱退していることを巡って大きな議論となった。
保留・脱退などは教区間の信頼が壊れたことに起因すると言う前提で、大杉弘常議員は、「兵庫教区に聞く」と述べ、所謂第二次募金が、常議員会決議にも拘わらず、教団に返還されていない事実を、決議に至る前後の経緯を詳しく述べながら問いただし、「兵庫教区は決議を受けとめて欲しい」と述べた。
林邦夫兵庫教区議長がこれに答える形で教区の見解を述べ、大杉常議員及び当時の経緯を詳細に述べた北紀吉常議員との間で議論になったが、結局は過去の常議員会時と同様に、議論はすれ違いに終わった。
「常設委員会および常設専門委員会委員選任に関する件」では、数人の常議員から、各教区の意志を反映していない、偏りがあるなど批判的意見が述べられたが、石橋秀雄選考委員長は、継続性を重んじ全教団的に考慮したと説明した。これに対して、「委員の中には継続性または全教団的視点に照らしても合致しない人がある」 と具体的な名前を挙げた批判が述べられた。
一方北紀吉選考委員は「教団問安使を拒否していながら、委員の推薦では自分の意見を容れろというのはわがままだ」と逆に批判した。同じく長山信夫委員は、「教区のバランスよりも機能性を重んじて選考した」と述べた。採決の結果、賛成十七票で可決された。
宣教研究所委員選任に関する件でも、松村重雄常議員から「宣教研究所委員こそ広く全教団的に人材が求められる。地域的に偏りがあってはならない」と選考結果に批判的な意見が述べられたが、賛成十六票で可決された。
(新報編集部報)
伝道所での洗礼執行についての信仰職制委員会答申を巡って、第36回教団総会で「撤回を求める件」が提出されました。また各教区からも伝道所の現状にあって様々な意見が出されました。この件の重大さに鑑み、常議員会は「伝道所の内容と位置づけに関する検討委員会」を発足させることを決定しました。
同委員会からの報告をもとに教規との整合性、乖離を埋める作業を進めて参りたいと決意しています。
その成果がでるまで、これまで通り伝道所の働きを重く受け止め、諸手続においては現在までの取り扱いを続けていきます。
各伝道所の働きを覚えて、神の祝福を祈りつつ、共に協働できることを感謝します。
2008年12月10日
第36総会期第1回常議員会
常議員会二日目の十日午前、山北宣久議長より、「日本基督教団に於ける『伝道所』の内容と位置づけについて検討し、教団的理解の一致を図るため、常議員会の下に検討委員会を設置する」との第二〇号議案が提案された。
委員数は五名、設置期間は第36総会期。
山北議長は議案書に基づき、次のように、詳細に提案理由を述べた。
「第36回教団総会に議案五八号『日本基督教団信仰職制委員会による答申「伝道所での洗礼執行について」(二〇〇八年七月四日付)の撤回を求める件』が提出され、常議員会付託となった。またここに記されている信仰職制委員会の答申については複数の教区から諮問や要望が提出され、第35総会期第六回常議員会には九月付同 委員会答申を含んだ形で『差し戻し議案』が提出されている。この件の背景には、信仰職制委員会自らが示しているように『伝道所についての教規の規定と実態との間に乖離があること』と『今後検討される必要がある』ことが指摘される。そして何より全国の伝道所で為されている教会形成と伝道の業また信徒と信仰生活が教団的 な一致をもって位置づけられる必要があると考えられる。そのために常議員会は上記の委員会を教規第四八条に従って設置し、『伝道所の内容と位置づけについて』の検討を為さしめ、その答申を受けて総会議案の審議を行うこととする」。
藤掛順一信仰職制委員長(35総会期)は、「長年の教団の歴史と教規の変遷ということがある。教規は非常に緩やかな形で伝道所について定めている。出張伝道という考え方でも伝道所が開設できるようになっている。その後の経緯として伝道所も教会という意識になってきた。『教会・及び伝道所』という場合、内容について詳 しく議論されず、法的整備がされなかったことで乖離が生じている。法的整備によって乖離を解消していかなければならない。
教会とは何か、教会設立とはどういうことか、慎重に議論しなければならない。教規を重視するのが信仰職制委員会の使命である。教規に無理があって現実には守られないということになるので、教規が空文化されないよう、守られるように整備しなければならない」とし、信仰職制委員会に差し戻すことについては「信仰職制委 員会の性格からすると齟齬が起きる。委員会で検討したことを常議員会で審議して、慎重に総会議案にしていかなければならない」と述べた。
これを受けて「信仰職制委員会の答申の是非を問うという形になっているが、教規を変えなければならないということを示唆している」「信仰職制委員会を越えて常議員会が責任を持つべき」との意見や、各教区からは「委員会が方向を出せるまで、答申の効力を凍結して欲しい」との意見も出た。
愛澤豊重総務幹事からは「諮問で出てきている問題について、答申は現状と乖離があるので何とかしろということであって、現状の取り扱いをやめろとは言っていない。現状は現状としてやっていく。就退任についても伝道所主任者と教会主任担任教師は書類の扱いも違う。結論が出るまではこのままでいい」との説明がなされた 。各教区の意見を慎重に受け止め、結論が出るまで現状通りということを確認した上で採決がなされ、賛成多数で可決された。
委員には佐々木美知夫、藤掛順一、高橋潤、向井希夫、三浦修の五名が議長より提案され、承認された。
尚総会から回付されている議案について今常議員会は、別掲の声明を採択した。
(松本のぞみ報)
もはや信仰の一致はないのか
第36総会期第一回常議員会は、十二月九日から二日間、教団会議室で、三〇人中二九人が出席して開催された。
先例に従い、議事に入る前に、今総会期常議員会の運営についての懇談の時が持たれ、山北宣久議長は、①要求陪席は認めて行くが、一括承認でなく個別に採決する。議事を乱した時は退席して貰う。②論議は賛否交互に行い、発言は常議員を中心とし、要請陪席者の中では教区議長を優先する。③三役への集中を避けるため、常任常議員会の設置をかねてから主張して来たが賛意を得られなかった。しかるべき時に再度提案したい。④常議員全員の顔を見ながら論議を進めるため、全常議員を最前列とする席の配置換えを行いたい、との基本方針を明らかにした。
この後、教勢問題の審議、要求陪席の在り方、議事録の訂正方法、常議員会宛文書の処理法などについて意見が述べられた。
議事に入り、議事日程が承認された直後の「第36回教団総会に関する件」で白熱した論議が四〇分間展開された。
まず取り上げられたのは、時間切れ廃案処理。「廃案議案が多く、やるせない気持ちだった。議長は、沖縄教区とどのように回復しようとしているのか」「時間切れの際の対応を決めるべきではないか」「上程していないものを廃案にするのは当然で、かつて三十数議案提案した人もいた」などの意見が述べられた。
次いで、教団総会での聖餐式の乱れについて発言が相次いだ。石橋秀雄常議員は、「総会三日目の聖餐式に感動した。司式した議員が常議員にトップ当選したのを見ても、同じ思いをもった人が多かったことが分かる。総会傍聴の菅沢邦明教師が自ら聖餐まがいの行為を行い、応ずる人が出た。何らかの対応が下さるべきではない か。また、聖餐を拒否した議員がいたことに大変衝撃を受けた」と、聖餐式の乱れを鋭く指摘した。
対立し、平行線をたどったテーマではなく、個人の言動に論議が集中したのも、今回の常議員会の特徴だった。「『もはや対話の時ではない』と発言して常議員に当選した議員が、教団新報で『信仰は二分している』と所信を述べている」と名指しされた北紀吉常議員は、「対話は成り立たないことを述べたまでで、対話しないと いっている訳ではない。聖餐理解が違うことは信仰の一致がないと考えている」と答えた。
また、「教憲教規を破ってどこが悪い、と発言した女性議員がいたことに衝撃を受けた。当該教区はどう理解しているのか」との発言もあった。
山北議長はこれらの意見を踏まえて、「時間切れ廃案議案の中には、常議員提案、教区総会提案が多数含まれており、残念だった。36回総会には前回より十四議案多い議案が提案されており、単純に計算すると一議案十五分間しか取れないことになっていた。そのことは議場に報告したが、議決の無記名投票などで時間を取られ、 結局多くの議案が廃案となった。沖縄教区には、『訪問したい』との書簡を出してあるが、村椿新議長になってから何らの返答も得ていない。先の教団総会後にも、村椿嘉信議長に電話したが、『しかるべき時に三役で相談する』とのことだった。決して沖縄を忘れている訳ではない」と述べた。
(永井清陽報)
▼帯の宣伝文に惹かれてデビット・メイン著、『ノアの箱舟』を読んだ。『言い出したら一直線のノア、迷いつつもついていく妻や息子、そして一風変わった嫁たち。独特の魅力をたたえた登場人物たちが箱舟のはなしを語り始めた…あの逸話は、悩み多き人々が織りなす驚きのドラマだった!』▼『箱舟』は、教会に準えられて来 た。しかし、地球そのものが、『箱舟』かも知れないと思い当たった。箱舟も地球も閉鎖空間であり、そこには限られた資源しかない。▼難題山積の箱舟だが、最大のものは動物たちの棲み分け、ノアは人間に近い生き物を最上階に、遠いものは船底にと考えるが、それでは船底が軽く上が重くなり、あまりにもバランスが悪い。名 前での分類とか、いろいろ模索したあげく、結局、大きさで分類した。閉鎖空間だからこそ必要になる棲み分けは、地球の大問題でもある。▼ノアの家族は一日中、動物たちの汚物処理に追われる。閉鎖空間では最も深刻な問題の一つだ。▼この船には推進機関がない。どこかを目指すことより、波に飲まれず、沈まず、とにかく浮 かんでいることが一番の目的だ。この点も、地球と同じ。▼『ノアの箱舟』は地球そのものの象徴であり、そして、ノアの家族こそが教会かと思う。そこには、悩み多き人々が織りなす驚きのドラマが。
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