「中期宣教計画」立案へ 東中国
童謡「ふるさと」作曲者の岡野貞一の受洗教会であり、今年創立120周年を迎える鳥取教会を会場に、第58回東中国教区定期総会が5月25~26日、開催された。開会時出席正議員は94名中67名。
開会礼拝説教で橋原正彦牧師(鳥取教会)は、9年前に前任地で関東教区第50回総会の開会礼拝を通してチャレンジを受けたことを語った。その際に古屋安雄牧師が、日本の教会のクリスチャンは、説教を聞くことに偏り信仰が頭だけの知識に留まり、生活と全存在に信仰が身に着いた「キリストの弟子」に成りきっていないと述べたことを紹介した。
川崎善三牧師(米子錦町教会)司式により聖餐式が執り行なわれた。
議長報告では宮﨑達雄議長が「2014年以降、人数的に財政的に教会の存立が厳しくなっていく教会の増加が予想される」と厳しい見通しを語った。
また昨年度「部落解放全国会議」の教区内開催、「教区の集い」の盛会が感謝と共に述べられた。さらに教団の中での教区としての課題に関して、現状認識と見解が述べられた。
質疑では教区内教会の諸課題、また教区総会欠席が常態化している諸教会への執行部の取り組みを問う意見等が出された。
教団問安使挨拶として佐々木美知夫教団総会副議長が教団議長挨拶を朗読、質疑が行なわれた。「伝道協力と一致」の具体的計画を求める意見、公式ホームページについての質問、教区活動連帯金の現状をふまえた要望等が出された。出席者全員が一堂に会した夕食席上で、中部教区問安使より能登地震被災教会支援感謝と協力依頼がなされた。 夜には「教団50年データ」DVDを鑑賞、さらに宮川経宣副議長作成資料により受洗・転入者以上に転出者・召天者が多い故の厳しい現状と将来予測を東中国教区の課題として共有した。
2日目朝の礼拝で准允式が行なわれ3名の教師が立てられた。午前中は議案11号「常置委員会の下に『中期宣教計画』を立案する『プロジェクトチーム』を設置する件」を審議した。現状を教区全体で共有し、「教区宣教基本方策」に基づき真摯かつ速やかに宣教計画を立案遂行し、福音伝道の強化を図るものであり、圧倒的賛成多数で可決された。
議案12号「人権問題特設委員会の働きを継続させる件」、その社会委員会への統合提案として議案13号「教区規則変更に関する件」が一括上程された。議案形式に疑義を呈する反対意見、賛成の上で予算額突出へ懸念を表明する意見、それに対し両委員会合算経費は前年度より抑えられているとの反論もなされた。動議により無記名投票で採決され、3分の2以上の賛成により可決。
また教区予算案は、教区活動連帯金収入が前年度比50%となり、支出では全費目原則3%減の緊縮予算、教会強化特別資金繰入の大幅減が説明された上で承認された。
三役選挙結果は、《議長》宮﨑達雄(倉敷)、《副議長》宮川経宣(岡山信愛)、《書記》指方信平(旭東)。
常置委員選挙結果
【教職】宇野稔(倉敷水島)、橋原正彦(鳥取)、八束潤一(米子)、井上孝仁(岡山)
【信徒】土井しのぶ(高梁)、太田直宏(岡山)、松田章義(鳥取)
(松本周報)
「教団新報」、今号4677・78号を合併号とし、4679号は7月25日に発行致します。
総幹事 内藤留幸
「聖礼典の正しい執行」で白熱 関東
第59回関東教区総会は、大宮ソニックシテイー・小ホールを会場に、開会時で、正議員263名中183名の出席を得て開催された。
議事の冒頭、議案20号「日本基督教団神の愛キリスト伝道所」開設の件が上程され、祝福の内に承認された。提案理由に記されたように、「長年の伝道の課題であった…稲敷市(霞ヶ浦)南部一帯の広域農村地帯」に、教会が誕生した。
最大の関心を集め議論されたのは、他の多くの教区総会と同様に「聖餐問題を巡って」であった。疋田國磨呂教区議長は報告で、「聖なる公同教会の交わりに入ったのが日本基督教団であり、…歴史的特質の違いの中にも『教憲教規』と『日本基督教団信仰告白』が一致の核となって来ました」と記し、また、「聖礼典を巡って教団的論議が起きて」いる時に「関東教区の連帯と一致がどのようにして保てるのか、慎重に吟味し対話を続ける必要を覚えます」と結んだ。議長報告についての質疑も、教団問安使の鈴木伸治教団書記との質疑応答もこの点に集中した。
松谷好明議員が提案者となった議案第27号「聖餐式の正しい執行に関する件」は、第3分科会と本会議で審議されたが、「違法聖餐」絶対反対の立場、推進する立場、違法と決め付ける根拠はないと同情的な立場、分裂を回避することが何よりも大事だとする立場と、三ないし四分し、互いに譲らない議論が続き、時間がなくなった。疋田議長が「議論を深めるために、常置委員会に付託しての継続審議」を提案し可決された。
「ナルドの壺献金」推進の件、「会堂・牧師館建設緊急貸出基金」献金推進の件、「教育費互助基金」献金推進の件には、互いに支え合おうとする関東教区の特徴が現れていた。
関東教区が長い時間を費やして独自の取り組みを重ねて来た、「日本基督教団罪責告白」作成特設委員会の報告では、「第58回総会での20号議案修正案をめぐる要望書の件」について、激しい議論が交わされた。「旧6部・9部の弾圧の歴史」と教団常議員会の教師退任決議とを重ねるような表現があったことの処理について、「取り下げられたから解決したではすまない」と対応に厳しい抗議が述べられた。また、これをきっかけに、「罪責告白」と「旧6部・9部の弾圧」について、広範囲に議論がなされた。
次年度総会に提案される予定の日本基督教団罪責告白文(草案)と「日本基督教団罪責告白」礼拝式草案が総会議案書に掲載された。
「新潟県中越地震・新潟県中越沖地震」被災教会・被災地支援推進に関する件では、莫大な借入金を少人数の会員で担う現実など、今なお苦難は続いていることが明らかにされ、今後の協力体制が決議された。
その他、二日間の日程びっしりと沢山の議事が盛り込まれたが、分科会方式の効果か、議事は比較的スムーズに運ばれた。
三役選挙では、疋田國磨呂議長(大宮)が圧倒的な票数を得て再選され、飯塚拓也副議長(竜ヶ崎)、小池正造書記(東新潟)、平山正道宣教委員長(四條町)、四役全員が再選された。
常置委員選挙結果
【教職】秋山徹(上尾合同)、石橋秀雄(越谷)、熊江秀一(新津)、三浦修(埼玉和光)、塚本潤一(高崎)
【信徒】大島健一(大宮)、滝川英子(七里)、内山一(鹿島)、佐久間文雄(志木)、和田献一(氏家)
(新報編集部報)
「距離を置く」ことと 教団問安使との相克 沖縄
第65回沖縄教区総会は、5月24日から2日間、沖縄キリスト教センターで、開会時正議員45人中42人が出席して開催された。
議事に入って早々、教団問安使に関する質問があり、常置委員会報告で扱うこととしたが、常置委報告を待つことなく、続いた議長報告でこの問題が浮上した。村椿嘉信議長は、「教団といつまで距離を置き続けるのか、どのように距離を置くのかについて、決まった答えがある訳ではない。その都度、教団の動きを見守りながら
、場合によっては沖縄教区から声を上げながら、相互批判的な関係を築くために主体的に判断して行く」と「中間報告」と題した議長報告で基本姿勢を明らかにした。
議長報告は他の議案を挟んで2日目に及んで続けられ、村椿議長は2日目午前、教団との関係について、「議長を1年間務めて『距離を置く』とは矛盾した立場にあることを痛感した。今の状況下では距離を置かざるを得ないが、これからどうするかは一緒に考えて行くべきだ。教区内が対立して教区の方針が定まらないのは残念で
、いつまでも距離を置いていいという状態ではなく、作業をしなければならない時期に来ていると判断した。三役は今総会に教団問安使を受け入れようと判断し、常置委員会に提案した」と三役が教団問安使受け入れに踏み切ったものの、その後常置委員会で否決された経緯を説明、十数分間にわたり心情を吐露した。
引き続いた常置委報告でもこの問題は続き、「問安使を呼ぼうと判断したことは、状況が良くなったと判断したのか、それとも反対を薄めて教団とよりを戻そうとしているのか」と議長のスタンスを問う質問に対し、村椿議長は、「議長就任後、山北宣久教団総会議長から『個人的でも非公開でもいいから会おう』との電話があっ
たが、私は個人的に話すことは意味がないと考えて来た。今後どうするかは議場が判断することだが、その判断をするために、問安使にお出で頂いてじっくり話を聞き、その上で皆さんで決めて欲しいというのが私の真意だ」と答えた。議場はこの議長の説明を受け入れ、収拾したかに見えた。
ところが、2日目午後の議事冒頭、「配布された山北議長挨拶の中に『沖縄問安が実現することになった』と書かれ、教団新報も山北議長沖縄問安の日程を掲載している」との緊急質問が出て再燃した。村椿議長は、「教団問安使をどうお迎えするかいろいろ準備していた。教区総会でこれが入れられないときは、議長を辞するこ
とも覚悟していた。教団事務局と連絡を取っていたのは事実だが、その前に常置委で議論すべきだった。今回の不手際をお詫びしたい」と述べ、この問題はようやく決着した。総会は、教団問安使問題と、昨年同様、予算・決算の処理を巡っての論議に大半の時間を割くこととなった。
08年9月、常置委決議で始まった教区宣教方針改定は、今総会で協議会がもたれ、教区内の合意形成に向けて努めるとの作業委報告が承認され、今後時間をかけて作業が進められる。もう一つの作業委員会、沖縄キリスト教センターの法人化は論議を呼んだ課題の一つで、「教区内の既存の法人化」を目指していること、赤字を続
けているセンター1階のレストランは本年6月で閉鎖する方針が報告された。
総会で1名の准允式が執行され、09年度予算の資金不足は、前年度同様、「研修センターなきじん」資金を繰り入れる議案が承認された。
(永井清陽報)
見えてこない教団の未来
東京教区総会は、教区活動連帯金拠出留保を確認したうえで、予算案を可決した。幾つかの教区では、死活問題であるとして、この制度の継続と、速やかな拠出を求める意見が相次いだ。教団問安使を拒否または敬遠する教区もある。「正しい聖礼典の執行」に関する議論をはじめ、諸問題を巡る対立は、激化というよりも、深い溝を生み出し、話し合い・歩み寄りの余地がないかのような状況を呈している。一つの教区の中でさえも、この対立は次第に表面化しているように見える。教団の未来は。
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
Copyright (c) 2007-2025
The United Church of Christ in Japan






