二日目午前のセッションで、議長提案による常任常議員会の件が上程された。 山北議長は「何度か常議員会で提案してきている。しかし、状況の把握の差異、中央集権的との批判、地方分権を戻すのかという懸念があって実現しなかった。しかし、昨日来の状況を鑑み、四役一任によって教務を遂行することに限界がきている。今回のことはそのことの証左である。7ヶ月も常議員会がないまま、教務遂行が幹事に委ねられていることの弊害が露呈した。教規通りの設置を行うことが必要」と述べた。
これについて「教規にはっきり書いてあることを実行していないことは問題。教団史の中で、常任常議員会の存在こそが、教団の崩壊と分裂を防いだ。教団の混乱は未だ収拾していない」「執行機関が自らが決して執行することの矛盾と苦悩を議長は訴えている」「事務的に処理できる事柄を常任常議員会が担うことで、常議員会の本来の機能を回復させることが必要」との賛成意見の一方で、「常議員会は教規上2月、10月だが、7月にも開催することで事柄に対処してきた。その状況とどこが違うのか」「教団はどのような教会であるかのある程度のコンセンサスができるまでは、できる限り開かれた会議を持つことが必要」「開かれた会議が必要、常任常議員会は中央集権に陥りやすい」との反対意見が出された。加えて、提案理由の「状況と諸課題」との表現をめぐり「教規に定められていることを大きく超えているのではないか」との指摘があったが、議場は「議案の表現にかかわらず、教規37条に拘束される」ことを確認した。
採決の結果、賛成多数で可決した。
候補者選考は三役一任となり、選考案審議の上、以下の通り選出した。
石橋秀雄、後宮敬爾、小橋孝一、佃真人、津村正敏、松村重雄、望月克仁。
常任常議員会の件
提案者 議長
議案 教規37条に定められた常任常議員会を組織する。
提案理由 日本基督教団教規37条には常任常議員会を組織し、教団の重要事項、諸課題および緊急やむを得ない事項の処理にあたらせることが記されている。
現在の教団が置かれた状況と担っている諸課題、また緊急性のある事項を処理し、教団の運営を円滑に進めるためには、常任常議員会を組織することが必要と考える。
費用については常議員会費より支出する。
*教規第37条
①教団総会議長、副議長、書記および常議員の互選による者7名をもって常任常議員会を組織する。
②常任常議員会は、教団総会議長の承認または同意事項のうち重要事項、常議員会から委託された事項および緊急やむを得ない事項を処理する。
③常任常議員会の処理事項は、次回常議員会に報告し、その承認を受けなければならない。
④第33条の規定は、常任常議員会につき準用する。
(林牧人報)
▼雨上がりの午後、東の空に虹が現れた。完全な円弧をなし、しかも外輪と内輪と、二重になっている。とてつもなく大きい。暫くただ見とれていた。▼虹の反対側には、これも東京の空ではかつて見たことがないほどに、夕焼けが綺麗だった。虹と夕日を一緒に見たのは初めて。感動もしたが、不安にもなった。凶事の前触れではないだろうか。▼隣家との境に立つ柵を修理するシェーカー教徒の父に、12才の主人公が疑問を持つと、父が答える。「むこうだって、おたがいの土地の境には柵を立てたほうがいいと思っている。…柵はいがみあうためのものじゃなくて、仲良くやっていくためのものだ」…『豚の死なない日』ロバート・ニュートン・ペック、白水社。▼隣人との交際にこそ、けじめが、ルールが必要だ。我と彼との明確な境目を持つことこそが、真に相手を重んじることだ。▼虹は、真反対にある二つのものを結ぶ、天国と地上をさえも結ぶ。何もかも一つにならなくとも、虹で結ばれているからこそ、互いを隔てる柵を設けることもできる。
「教団新報」、今号4680・81号を合併号とし、4682号は9月12日に発行致します。
総幹事 内藤留幸
一日目の夕、幹事任用の件が上程されたが、嘱託幹事の内、一人の任用が否決され、さらにこの常議員会の決定を不服として、愛澤豊重総務幹事が辞意を表明するという極めて厳しい事態となった。
すでに総幹事報告までの議事の中でも触れられていたが、嘱託幹事の内一人(上田博子幹事)だけが任期満了で退任したことに関して事情を問う発言があり、内藤留幸総幹事は、それについては表に出せない事情もあるが本人と話し合った上での退任であったと説明した。その他、今回は幹事が揃って再任という形にならなかったことについての疑義や、幹事の任用は個別的に慎重に諮るべきとする提案があった一方で、総幹事の推薦を信頼して一括して承認すべきという意見や、年度が替わって三ヶ月以上も過ぎたこの時期に任用の可否を問うことの問題も指摘され、それとの関連で、教規に定められている常任常議員会の設置を求める意見も出された。
こうした議論を経て、幹事任用については従来のように一括で採決するのでなく、幹事一人一人につき個別に採決すべきという提案があり、「一括か個別か」を諮ったところ、個別に採決することとなった。この時点で幹事らの退室が求められ、その後さらに採決の方法を巡って無記名投票をという提案があったが、これは否決された。いよいよ採決の段になり、そこで陪席者も職員も含め常議員以外全員の退室を求める提案が可決されて、幹事任用の件は、異例の秘密会での採決となった。
審議と採決になおしばらく時間がかかり、そのまま夕食の休憩時間に入ったが、休憩後直ちに山北宣久議長より結果が報告され、勝山健一郎幹事の任用が否決されたことが議場に告げられた。陪席者らはこの結果に驚いたが、さらに愛澤総務幹事が、「常議員会の決定は受け入れ難く、辞任させていただく」と述べて、直ちに退出してしまった。こうした緊急事態を受けて、総務幹事の慰留も含め、対応は三役と総幹事に委ねられることとなった。
(新報編集部報)
書記報告・総幹事報告で長時間の審議
原田謙常議員辞任、木下宣世氏を補充
第36総会期第2回常議員会が、7月6~7日、定例のごとく教団会議室で開催された。開会の祈りの後、蜘蛛膜下出血を病み療養中の原田謙常議員から、夫人の代筆による辞任届が提出されている旨、原田常議員の病状・近況を含めた報告が、山北宣久議長よりなされた。辞任届は承認され、次点者の木下宣世氏を補充することを議決した。
議案1「陪席者」に関する件で、議論があった。石橋秀雄常議員は、教団総会の聖餐式時、菅沢邦明氏が、「別途パンと葡萄酒を配り聖餐を軽視する行為を行った」ことを理由に陪席は認められないとし、個別の陪席者承認を求めた。一括採決すべきという意見もあり、結果、28人中16人が、個別の承認案に賛成し、菅沢氏については陪席承認は11人に止まり、陪席は否決された。
議事日程承認の議事で、向井希夫常議員(大阪教区議長)提案の、議案30号については、北紀吉常議員より、「議案に本文がない。議案の体裁をなしていない」との指摘があり、議論となった。愛澤豊重総務幹事も不備を指摘した。そこで、「議案については、形式を事務局で整えてほしい」との意見があり、一方で「過去に、事務局で整理した際に、越権行為だと批判された。事務局に責任転嫁するな」との意見もあって、紛糾した。
愛澤幹事は、「事務手続きの準備段階で申し出てほしい」と述べた。
山北議長が、議案の成否についても、議案審議で行うこととし、「今は議事の内容審議には入らず議事日程を承認して欲しい」と求め、承認された。
書記報告について、和田献一常議員から、「教団諸委員会各委員の選考について、経緯の説明、手続きについて明らかにしてほしい」と意見が述べられた。山北議長は、その手順等について説明した。
長山信夫常議員は、「上田博子幹事辞任の件が載っていない」と、疑念を述べた。内藤留幸総幹事は、これに答えて、本人納得のことであると上田幹事辞任の経緯を述べ、今後の教団世界宣教体制について、基本的な考え方を説明した。
その他、「教団問安使報告を取り上げてほしい」などの意見が述べられた後、極めて異例な程に多項目、長時間の質疑が行われた書記報告は、挙手多数により承認された。
総幹事報告でも、多くの項目について、多様な質疑がなされ、また、書記報告での質疑と重複した。
「教区活動連帯金」について、江本義一常議員から「教区活動連帯金は崩壊している」との、刺激的な発言がなされ、議論は一気に加熱した。「教区活動連帯金は重要である。この制度は、教団総会の議決に基づくものであり、保留、参加拒否があってはならない」という意見が述べられる一方、高橋潤常議員(中部教区議長)は、「教団内の位置付けが曖昧であり、常議員会で協議しないままに継続することに無理がある。教団総会の議決と現在の制度では内容が違う」と反論を述べた。長崎哲夫東京教区議長は、紛争の混乱の中で、従来の平衡資金が教区活動連帯金となった経緯や理由について詳細を説明し、「教区間相互連帯ができなくなった」と、東京教区が保留せざるを得ない理由を述べた。
宮﨑達雄東中国教区議長は、「『崩壊した』という発言は、教団崩壊という印象を受ける」と危惧を述べた。
この後、「自然災害取組はどうなっているか」との質問をきっかけに、過去常議員会で繰り返されて来た、所謂「兵庫教区二次募金」の処理の議論となった。林邦夫兵庫教区議長は、「総幹事に訪問して貰い返還・取り扱いについて協議したい」と述べ、内藤総幹事は、「二次募金を教団に戻してくれるのなら、何時でも訪問したい」と答えた。この間、「決議事項であり協議の余地はない」と言う意見も述べられた。
その他、「問安使報告」「台湾基督長老教会宣教協議会」、「北村慈郎常議員への勧告についての報告」「東海教区諮問に対する答申」等で質疑が続き、当初の時間配分に支障を来すほどに超過したため、質疑も足早になった。
高橋潤常議員が、戒規提訴の資格問題について信仰職制委員長に質問した。
岡本知之信仰職制委員長は、「答申を確定したが、まだ発送していない。常議員会で要望があれば配布する」と述べ、当該の松井睦教師委員長が、「答申が確定しているのなら、常議員会で要望があれば伺いたい」と答えたため、岡本委員長は、次のように述べた。「教団教師委員会からの諮問『「戒規申立人について」に対する答申に関して』、教憲教規に照らせば、誰でもできる。しかしそれでは混乱するので規定が必要である」。
「戒規乱用が懸念される」という反論に対しては、「戒規は裁判手続きとは違う。相手との対話である」と説明した。
総幹事報告は承認された。
(新報編集部報)
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