2011年3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災は、私たちがこれまで経験したことのない大規模な災害となりました。地震による建物の崩壊や津波による家屋の流失といった被害に合わせて、福島第一原子力発電所の事故により、大気中および海中に大量の放射性物質が放出され、放射線による汚染が進むという事態となっております。
日本基督教団では、震災発生直後からその対策(初動対応として被害状況の確認、情報収集と発信、調査員派遣等)を進め、現在のところ、会堂再建・大規模改修等が必要な教会の数は、おおむね30教会以上になるものと見込んでおります。また、教会関係の働きを通した地域の救援のためにも、多額の資金が必要とされます。
そのために、教団としては震災発生後ただちに「東日本大震災緊急救援募金」(取扱い:教団社会委員会)を開始し、その募金総額は、6月30日現在で1億9千万円(国内から約9,000万円、海外から約1億円)に達しております。
震災から4ヶ月が過ぎようとしているこの時、いよいよ教会の再建・補修、地域の復興に向けての具体的な取り組みが進められようとしている中で、日本基督教団としては全教団的にその取り組みを支援するため、新たに「日本基督教団東日本大震災救援募金」を開始いたします。
どうぞ、日本全国の各地において、祈りと共にこの救援募金にご協力くださいますようお願いいたします。
2011年 7月 1日
日本基督教団 救援対策本部長
総会議長 石橋 秀雄
日本基督教団東日本大震災救援募金
目標額 10億円(国内のみ)
期 間 2011年7月1日~2015年3月31日
使 途
1 被災教会の会堂再建・補修支援費 5億円
2 被災地域のための社会福祉事業、キリスト教学校への支援費 2億円
3 被災地の教会が行う地域への支援活動費 1億円
4 被災地域への支援活動費 1億円
5 被災された信徒および外国籍の方への支援 1億円
支援期間
おおよそ5年を目途としますが、支援内容によっては長期にわたる場合もあります。
送金先 振替番号 00110-6-639331
加入者名 日本基督教団東日本大震災救援募金
『地域の人々の救いに仕える教会の再建をめざして』
これは日本基督教団東日本大震災救援対策本部の“テーマ”です。ここには、このたびの大地震・津波や原子力発電所事故による放射能の被害をうけた教会やその地域の人々を支援しようとする教団の基本的姿勢とその活動の方向性が明示されています。
3月11日の大地震が起った次の日に、教団は直ちに緊急救援対策委員会を総幹事のもとに設置し、活動を始めました。被災状況を正確に把握するために調査チームを数次にわたって派遣し、全国諸教会に緊急救援募金を呼びかけ、広報活動も開始して、既に3ヶ月が経過しました。その間、各被災教区に1千万円を初動活動資金として送金し、更に教団として本格的救援活動を担う“救援対策本部”を立ち上げ、本部長に石橋秀雄総会議長が就任、広範囲にわたる支援が精力的に、継続的に展開されています。その主な事柄はテーマに添った募金大綱を作成し、国内向けに10億円、海外諸教会向けに12億円の目標をかかげて協力を呼びかけることです。大綱のポイントはまさに『地域の人々の救いに仕えること』-(生命を守り、生活再建のために立ち上がる勇気を与えること)-と『その奉仕を担う教会の再建』にあります。
救援活動をすすめるに際し、教団レベルで担うこと、教区レベルで出来ること、個人レベルで働くことを整理し、連絡を取りあいつつ協力してまいります。
(教団総幹事 内藤留幸)
1974年千葉県出身。西千葉教会員。
いわゆる、母親のお腹の中にいたときから教会にいたという教会育ちである。祖父母と両親の信仰を17歳で継承し、今に至っている。生まれてこれまで日曜日の礼拝を休んだのは十数回、はっきり言って変人ですとあっけらかんと笑い飛ばす。ただ、教会だけが自分の居場所、というわけではなかったと言う。教会以外にも居場所はあり、いろいろな遊びも経験した。しかし、一見遊び人のような自分が礼拝を捧げていることが、お洒落で格好良いと思っていた。それが礼拝生活の原動力だったと振り返る。現在の仕事は保育士。この務めに落ち着いて8年目。「社会福祉法人そのえだ」が運営する保育園で働いている。もともとキリスト教主義に根ざした法人であるが、現在の職場は、公立の施設の民間委託に応える形で立ち上げられた保育園であり、キリスト教を前面に押し出すことが困難な状況にある。キリスト者の職員もただ一人。そのような状況の中で、キリスト教保育をいかに実践していくか、自分一人がキリストの香りを放つことで、キリスト教保育が果たして可能なのか、そもそもキリスト教保育とは一体どのようなものなのか、自問自答の日々が続いている。悩みは尽きないがしかし、園の子どもが近隣の教会に通っているとの報告を受け、この上ない喜びを感じた。このことがまさに、キリスト教保育が生み出す大きな実りであると確信している。教会では青年会に属しているが、来年の4月から教会の規定により、壮年会に属さなければならなくなる。老害になる前に青年会を去らなければと思いつつ、まだまだ未熟な自分を思う。加えて、両親が教会役員を担っているゆえ、役員選挙で選出されても辞退をしている。いつまでそれが通じるかどうか。3世クリスチャンの悩みは尽きない。
茨城県の被害は、東北、奥羽の各県に比べ、軽微に見える。しかし、地震による、液状化現象、土地の陥没をはじめ、教会堂、信徒の住まいの損傷等、困難な状況を抱えている。大きさの差はあれ、ほとんどの教会に何らかの被害が出ている状況である。
また、地区には、幼稚園、保育園を併設する教会が多く、園舎の補修が課題となっている。中には5千万円規模の補修が必要な教会もある。
紙面の都合上、記者が訪問した2教会、建物の被害が激しい水戸中央教会と、もっとも震源地に近い日立教会の、被害及び地震後の取り組みに絞って紹介したい。
水戸中央教会は、山本隆久教師、山本英美子教師が牧会する。会堂、牧師館が一体の建物は、いたる所にひびが入り、「危険建物」と診断された。主日礼拝は、比較的損傷が軽微であった礼拝堂部分を用いているが、週日の集会は、教会近くの空き店舗を借りて行っている。牧師館部分の損傷も激しく、教会の隣にあるマンションの一室を借り生活している。震災以前から、老朽化した会堂補修のために天日干しうどんを販売していたが、原発事故の影響で続けられなくなった。現在は教会員がブローチを造って地区や教区の教会に販売している。
水戸市は、津波による被害が出た大洗港に近い。山本隆久教師をはじめ地区の有志の牧師たちは、津波によって教会堂が1メートル近く浸水した大洗ベツレヘム教会(ミナハサ福音教団)を支えている。海産加工業や農業等にたずさわるインドネシアの人々が集まる教会である。記者が水戸を訪れた際も、山本隆久教師は、重病を患う会員を訪ね、病状について通訳を行い、公共料金のこと等、生活についての相談を受けていた。緊急事態の中で、弱い立場に置かれる人々と共に歩み、具体的に生活を支えることをもって、主に仕えている。
日立教会は、島田進教師、島田信子教師が牧会する。震災直後、ライフラインが途絶える中、埼玉の教会から支援物資が届いた。それを教会近隣の人々と分け合ったことで、地域の人々に教会の働きを知ってもらう機会になったと言う。また、多くの支援によって、教会員も大いに励まされ、元気を与えられ、自分たちも、被災した人々を支えようという思いが強くなったそうだ。
日立市は、震災後、物流が途絶えた福島県いわき市と隣接する。島田進教師は、いわき市の教会に、ガソリンや、全国から届いた支援物資を届けた。教会としても支援していくことを決めた。現在は、地区、教区もいわき市の教会を応援する取り組みを進めている。復興に向けて、支援、協力の輪が広がっている。
茨城地区の教会は、自ら被災しつつ、より深刻な被害を受けた教会、地域を支援する立場にある。地区では、「茨城地区『東日本大震災』情報センター」を開設し、地区内の教会と関係教会、関係機関および地区委員の中でメールによって情報交換をしつつ、復興に向けて祈りを合わせている。
(嶋田恵悟報)
この度の東日本大震災の被災地域は非常に広範囲にわたっている。これまであまり報告されなかった千葉支区の教会の被災状況を、ここに報告させていただく。
東京教区千葉支区には、62の教会・伝道所が連なっている。4月25日に開催された支区総会にて配布された支区総会資料の中で、支区内各教会・伝道所の震災報告がされたのだが、震災報告をした57の教会・伝道所の中で「特に異常無し」と報告をしたのは、37の教会・伝道所であった。つまり、20の教会・伝道所が、軽微なものも含めて何らかの対処が必要な被害を受けたことを報告したということなのである。これが、千葉支区の教会・伝道所の大まかな被災状況である。
中でも特に被害が大きい教会・伝道所をここに列記させていただき、全国の教会・伝道所の皆さんに祈りの課題に加えていただきたい。
今回の震災で、千葉支区の中で一番被害が大きかったのが、北総分区に連なる安食教会である。被災状況としては、礼拝堂の土台が破損。壁に大きな亀裂。牧師館の水廻り、トイレ、風呂場が陥没、沈下。教会の庭が液状化、というものである。被害額は800万円を超える。その他、千葉台湾教会、千葉本町教会、銚子教会、佐倉教会、小見川教会、船橋教会、松戸教会、我孫子教会などに小さくない被害が出ている。
東北や福島の状況と比較するとその程度は軽微なものであり、千葉支区内でも支区の被災が軽視される危険があり、支区常任委員会では、千葉支区も被災支区であるとの自覚を持たなければならないという声が聞かれた。
千葉支区は、今回の震災対応として、支区独自で「支区内諸教会・伝道所等復興献金」を呼びかけており、120万を超える献金が捧げられている。引き続き、教団との連携の中で、復興に当たっていくことが求められるだろう。
加えて、千葉支区外からの献金として、兵庫教区被災者生活支援・長田センターと、兵庫教区播州地区から多額の献金が千葉支区に捧げられたことを報告させていただく。
(小林信人報)
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