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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4733号】出会って気づく見難い差別 第14回部落解放青年ゼミナール報告

2011年10月8日

部落解放青年ゼミナールは、日本の教会に属する青年たちが部落差別問題と出会い、感じ、考え、解放に向けて行動することをめざして毎年夏に行われるゼミナールです。今年は8月9日(火)から12日(金)にかけて大阪教区いずみ教会を会場に開かれました。のべ30名と、東日本大震災の影響もあり例年に比べて若干少ない参加者となりました。
今回のテーマは「出会って気づく見難い差別」です。家庭や教会、学校、職場、そしてインターネット等、様々な場所で、気づかぬうちに意識の中に入り込んでくるのが今の部落差別の形だと思います。「この辺りは女性が住むには危ないよ」という言葉の背後にいくつの差別が潜んでいることでしょう。
今回の青年ゼミは、部落差別についての知識を得、解放をめざして働く人々と出会うことで、そのような見えにくい差別に気づけるようになりたいと考えました。そこで部落差別入門講座を二回に分けてじっくりと行うと共に、和泉市人権文化センターに事務所を置く人権NPO法人ダッシュの皆さんにフィールドワークをお願いし、また部落解放同盟和泉支部の松田義人支部長に現在起こっている差別とこれからの青年に望むことをお話しいただきました。差別される経験をもち、部落の中で、解放をめざして働いておられる方々の働きと言葉と思いに出会うことは、自分の差別に対する意識の低さに気づかされる時でもありました。
また、東日本大震災・福島原発事故から差別について考えることも、今回避けることのできないテーマでした。震災による不安や鬱憤が外国人差別という形で現れくること、放射線に対する見えない恐怖から差別が起こっていることなど、報道には現れない部分で多くの苦しみがあることを知りました。
短い期間に多くのことを詰め込んだため、プログラムをこなすのに気が向きすぎたという反省もあります。参加者一人一人が、青年ゼミで得たものを日常の働きの中に根付かせていってくれることを願います。
(岡本拓也報/第14回部落解放青年ゼミナール実行委員長)

2011年9月5日(月)~6日(火)、日本基督教団真駒内教会において第37総会期第2回台湾協約委員会が行われた。
そこでは主に、2012年2月20日(月)~23日(木)に台湾において開催される、「日本基督教団(以下教団)と台湾長老基督教会(以下PCT)との教会協議会」の内容について協議がなされた。
それに先立つ報告事項として、2011年4月25日に行われた、PCT総会についての報告がなされ、総会の中で石橋秀雄教団総会議長よりPCTへの献金感謝と震災の現状が報告されたこと、また総会を開催した会場が、マカイ病院というPCT関係病院であり、PCTが教会外にも広く関係と信頼を築いていることが報告され、大いに学ばせられることであった。
また、教団よりの在台湾宣教師の活動についての報告があり、彼らの活発な宣教の業に皆が祈りを合わせた。
報告の最後に、東日本大震災におけるPCTからの4、800万円余の献金の現状報告がなされ、8月5日現在、PCTとしてだけでなく中会の一つである「嘉義中会」からも献金が寄せられており、今回の震災におけるPCT各個の教会の祈りを感じることができた。感謝をもって献金の報告を聞き、感謝の想いそのままに、その後の「PCTとの教会協議会」の協議も熱意をもって協議された。
その中では、まず次期協議会のテーマと方向性について話された。そこでは、協議会を通して、教団・協約委員会として今回の震災対応に関する感謝のメッセージを伝えられるようなものにしたいこと。次は我々がPCTが直面している教会的・社会的課題や試練に心を寄せる番なのではないか。などの意見が出され、テーマとして「日本の今、台湾の今」「共に喜び、共に泣く」などが候補として挙げられた。
また開催地エリアについて協議し、今まで開催されたことのない台湾中部の台中近隣が候補地に挙げられた。内容としては研究・講演とともにフィールドワークを通して台湾の現状と展望を分かち合いたいという意見があった。
募集においては日本よりの参加者に広く呼び掛けたいとの想いの中で、教区推薦として信徒(青年・婦人・壮年)の参加を募ることとした。
最後に、李孟哲委員の閉会祈祷をもって閉会した。今回は北海道の地での委員会開催となったが、アイヌ資料館での研修など、実り多い委員会となったことを感謝とともに報告する。
(野田 沢報)

9月1日に第37総会期第4回宣教研究所委員会が開催され、目下策定中の「宣教基礎理論」についてその構成と主要項目を以下のように決めた。第3回委員会で「ガイドライン」を新たに作成し、それに基づきながらの作業である。
Ⅰ.宣教の根拠・理由
①救済への神の普遍的な招き。
②歴史における神の招きの現実化。
③イエス・キリストの派遣・イエス・キリストによる派遣。
④喜びの共有(個人主義的信仰および救済理解の克服)。
Ⅱ.宣教の主体
①三位一体の神。
②主の選民(〔旧約の〕イスラエルと教会):召命と献身。
③主の民に連なる一人一人。
④宣教に積極的に向かう教職・役員・信徒の育成。
Ⅲ.宣教の内容
①「日本基督教団信仰告白」が反映されること。
②中心としてのキリストの出来事:罪の赦し。
③救済への参与:義認と聖化。
④終末における完成・救いの達成に努めること。
Ⅳ.宣教の対象
①教会とこの世:教会は、この世と問題を共有しながら、一足先に恵みに与っている。
②全ての人。
③罪人である人間(必要であれば、具体的な問題状況への言及を含む)。
Ⅴ.宣教の方法
①中心としての礼拝(説教):各個教会の形成と充実。
②社会的証し(いわゆる「社会活動」)。
③具体的諸方策:ⅰ全体教会の形成・ⅱ教会間の協力(伝道圏伝道、伝道協力)・ⅲ各個教会・ⅳ信徒各自(証しなど)。
④留意して克服すべき諸課題:世俗化・土着化・偶像礼拝など。
Ⅵ.宣教の目標
①神の国の到来と、そこでの普遍的礼拝の実現の待望。
②受洗者が与えられること。
③日本社会および世界が神の国を映し出すこと。
④神に栄光を帰すること。
(補説・先の「宣教基礎理論」・「宣教基本方策」への批判)
この構成と主要項目に従って12月初めまでに「宣教基礎理論」の完成を目指すこととした。
(長谷川洋介報)

関東教区の場合、東日本大震災によって被った被害と救援活動は、奥羽教区や東北教区とも性格が違っています。栃木、茨城、群馬を中心に教会・付属幼稚園・保育園等の建物被害、信徒の家屋の被害が中心で、その復興と再建が課題です。
関東教区内の教会の被害の概況について。特に教会建物に大きなダメージを受けたのは、水戸中央教会(茨城)、伊勢崎教会(群馬)、宇都宮教会(栃木)で、それぞれの教会を中心に、その再建計画と懸命に取り組んでいるところです。
水戸中央教会は街の中心の好立地にある教会ですが、付属館と牧師館に壊滅的な打撃を受け、倒壊の危険があり、解体工事が終わりました。牧師は現在、外に家を借りて仮住まいの生活をしています。再建が急がれます。
宇都宮教会は大谷石で建てられた礼拝堂の構造が問題で、余震のたびごとにつぶれないかと不安で、伝道集会に人を招けないという状況。建物全体の建て替えに向けて、検討しています。
伊勢崎教会は駅の前にある風格のある古い建物ですが、これも構造に問題があって、両脇の壁が外に向かって開きつつあり、余震のたびにその角度が大きくなっていますので、大規模な補修工事が必要です。
また益子教会の場合、教会の塔が倒壊しそうで解体したところ、腐食が進んでいることが判明し、当初の予算をはるかに上回ることが分かりました。
教会員が ほとんどいない教会ではこの費用を負担するあてがなく、教区が責任主体となって再建しなければならないところもあります。
このほかにも、専門家による建物簡易診断によって、桐生東部教会や安中教会、原市教会、勝田教会大宮チャペルなど、はじめにはそれほど大きな被害とは見えなかったところも、被害が指摘され、かなりの補修を必要とするところが出てきています。
関東教区144教会のうち何らかの被害を受けた教会は33教会、このほかに、付属幼稚園の施設で大きな被害を受けたところ、四条町教会の清愛幼稚園、宇都宮上町教会のみふみ幼稚園、西那須野教会の西那須野幼稚園、水戸教会の聖光学園保育部、鹿島教会の鹿島幼稚園、水海道教会の二葉幼稚園、竜ケ崎教会の竜ケ崎幼稚園・保育園など、分かっているだけでもかなりの負担になることが予想されます。
さらに福島原発事故による放射能汚染のために園庭の除染を強いられるところがあります。幼児期の子どもを預かっており、社会的な責任が問われますので、これらの対策は急を要します。
被害額の合計は教会・伝道所で約3億円、幼稚園・保育園で約8千万円。このほかに、西那須野にあるアジア学院は本部棟、研修棟.寮などに壊滅的な被害があり、余震のたびに、中の人たちは外に飛び出なければならないという状態がしばらく続きました。全体の再建に7億円を要するとのことです。アジアやアフリカ、南米などから来て有機農業を学び、それぞれの国に帰って農業指導者として奉仕する人たちの研修の機関で、キリスト者の国際的な証しの場として有益な働きをしている学院です。全国の教会の祈りと支えが必要です。
また、信徒宅の被害が茨城地区の水戸中央教会や日立教会、鹿島教会、勝田教会、栃木地区の宇都宮上町教会などを中心に多数ありお見舞いを考えています。教会の再建を支える教会員も、自宅の復興も図らなければならない事態です。
教区として、「被災支援委員会」を立ち上げ、①各教会の報告された被害状況を把握し、また、②建物診断の専門家を要請に応じて派遣して、全体の被害状況をまとめること、③各教会の自主性を重んじながら、それぞれ重い被害を受けている教会が希望を失わないように、宣教の拠点を確保すること、④それぞれに相応しい再建計画を立てて行くために、何度も足を運んで各教会の協議に参加し、サポートすること、などに努めているところです。
そこで課題になることは、教会再建のために教区・教団からの支援がどのような形で、どれほど可能かということです。教団は東日本大震災の救援対策として、10億円の募金計画を立てました。自らの内に被災教会を抱えている関東教区として、応分の目標を立て、責任をもってこの目標を達成しなければなりません。しかし、これは目標であって具体的な原資ではありません。
一方、各教会の再建の計画は具体的な資金計画を必要とし、それぞれの教会からの援助申請額もまとまりつつあります。このギャップをどのように埋めて行くか、奥羽、東北各教区の教会も同じ課題を抱えています。教団として、被害を受けた人々の体と魂と霊の全体的再建のために、地域社会の痛みを担い、福音による希望を証しする愛の働きを展開しなければなりませんが、それと並んで、このたびの震災で被害を受けた教会や教会関連施設の宣教拠点を確保するための、全体の基本になる再建計画と資金計画が必要だということです。
各地区がそれぞれの被災教会や地域に対して救援活動を展開してきましたが、初動段階では新潟から東北への救援物資運搬のルートがあり、積極的な活動が行われました。
また埼玉地区では大船渡教会や石巻地域でのバザー、物資を送ることが継続的に行われました。地区から集めた衣料が集まりすぎて、地区内の教会の倉庫に山積みになっています。これから冬にかけてまた冬物の需要があるでしょうから、送る計画しています。茨城地区は磐城教会を中心に行われている地域の継続的支援を行っています。
放射能汚染に対する正しい情報と対策法を求める声があがっていますので、これも教団の対策委員会と連携しながら取り組むことを考えています。「一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶ」そのことを実感する機会となるように願っています。
(関東教区総会議長・
上尾合同教会 秋山徹)

地震と津波、奥羽教区内の教会はすべて少なからず被災の中にある。しかし、すでに報告されているように津波による被害の大きさに誰の目も奪われている。確かに甚大な被害は、その総額を計算することができない、津波被害を受けている宮古教会と新生釜石教会は、抜本的な再建計画に着手できない。もちろん、そこには地方自治体の判断が直ぐに出ないということもあるが、各教会とも、建築や整備が終わっていたから会堂建築に備えてはいなかったのだ。
さらに高齢化した信徒が、再建に向けて、なかなか腰を上げることができない。何とかしなければと言う思いと、自分たちの力ではと言う思いとが交錯しているからだ。何回も何回もお訪ねする中でその思いは当然だと思えて仕方がない。でも、そのままにしておけば良いのではない。
そのため、各教会は応急処置を始めている。少なくとも壁や床をはがし、ヘドロの塊を取り除き、再び壁と床を張る作業を10月末までに行わないと、いくら奥羽教区内で温暖な地三陸沿岸と言っても、雪が降り寒風が吹き込んで来る状態に置く事はできない。役員会で決断し、例え、500万円費用が必要になろうと応急処置は行わなければならない。
まず、役員会で教会員の意見を集約して取りかからなければならない。確かに各教会への各地の教会や知友人からの献金が届いていて、それを用いることができるとして、決して充分ではなく、教区や教団全体の祈りが必要である。
教会の再建に向け考えることは、また教会の立てられている地域へどのように仕えることができるかを問うこととなる。宮古教会・新生釜石教会はもちろん、津波被災地となった大船渡教会も、3月から今日に至るまで、地域の復旧復興のために共に働き続けているため、当然のように礼拝堂も集会室も庭すらも多くのボランティアの受け入れ拠点としても活動を続けてきた。
奥羽教区はできる限り現地被災教会の負担を軽減するために奥羽教区事務所で調整することとした。しかし、ボランティアをされる方々は、まさに善意の塊ですから、今、自分たちが出かけることがよいと思われ直接出かけられた。何度も奥羽教区事務所を通すようにと伝えてもホームページやブログに掲載してもほとんど無視された。
もちろんきちっと教区を通された方については、宮古教会は盛岡YMCAと協力して宮古市や近隣の町村での働きを続け、新生釜石教会は独自の自称コーディネーターにつなぎ釜石市と近隣の町村での活動を継続し、大船渡教会は、チャイルドファンドジャパンと協力し社会福祉協議会につなぎ活動を継続した。この活動は現在の状況でも継続されている。
いずれの教会も、多くの方々から送られてきた支援物資を、奥羽教区事務所で整理して、配布状況に応じて配送ボランティアをお願いしたり、訪問する方に委ねるなどして、配布を行った。
しかし、5月初めから不思議なことに小職の携帯電話に「○○の商店街の者だが、いつまで無料配布を続けるのか」という内容の苦情が来始め、ついに6月末で支援物資の収集と配布を終了することを決断した。地域の被災された方への配慮として始めた支援物資配布が、地域の個人商店営業を妨げることになっていたことは本当に申し訳ないことでした。各教会の役員会の決定に基づき収束することを決定しました。それでも大船渡教会は7月末まで規模を縮小して行い、宮古教会も新生釜石教会も教会に残っているものを配布することを続けています。
地震のため、使用不能となった千厩教会の礼拝堂・牧師館については、移転新築を前提として検討している。ただ、この教会の抱える課題は、津波被災教会と同じく、少数の信徒が高齢化していること、もちろん若い方々もおられるが責任が重い。津波被災に目が向く中で決して忘れてはならない震災の被害が甚大となっている教会である。この教会にこそすべての祈りを集中することが必要。
さらに内陸部に位置する一関教会、江刺教会、北上教会、遠野教会、秋南教会、三戸伝道所が被害が大きく今後修繕に入ることになるので、これらにも支援を検討しなければならない。
さらに、教区関係施設としてひかり幼稚園(宮古)釜石保育園(新生釜石)千厩小羊幼稚園(千厩)睦保育園(一関)認定こども園ひかりの子(日詰)遠野聖光幼稚園(遠野)へも祈りを集めなければならない。もちろん法人別で状況が違うこともあるが、被災地にある教会関係施設として主の御業を担ってくださっていることを覚えていたい。
余震は今もなお続いている。それも震度5という大きさだ。この様な中、全国の教区・教会から、信徒の方々から、神の大きな愛の賜物が届けられた。確かに被災したことは突然であり、誰も備えなどあるわけがない。しかし、この奥羽の地で、明らかになったのは、主の大きな愛が確かに現されていることだ。
確かに、教会員の亡くなられた大船渡教会や内丸教会の痛みがある。教会員の家族が亡くなられた教会、家屋や家財を流出・消失した教会員がおられる。この方々に、さらに地域の方々に主イエスにある慰めの言葉を語り続けることが許されている。あの日から主に導かれて「わたしたちの助けは、天地を造られた主の御名にある」と。
(奥羽教区総会議長・
江刺教会 邑原宗男)

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