第37総会期の第7回信仰職制員会が6月25~26日に、委員7名全員の出席のもと教団会議室で行われ、以下の二つの諮問に答申が出された。
◎東中国教区からの諮問
教会役員会において承認され、父と子と聖霊の名によって執行された洗礼が、他教団で按手を受領している日本基督教団の信徒によって執行されたものである場合、その洗礼は、有効であるか無効であるか。
答申
その洗礼は有効です。(『教憲教規の解釈に関する答申集』(2010年12月・77参照)
ただし、教会役員会が「他教団で按手を受領している日本基督教団の信徒によって執行」される洗礼を承認したことは、教憲(第8条)・教規(第104条⑵)違反ですから、教会役員会はその議決が誤りであったことを認め、その上で、執行された洗礼それ自体は有効であり、その洗礼を授けられた者たちはその教会の信徒であることを確認すべきです。また今後このようなことが繰り返されることのないよう、教区は教憲教規に従った指導をすべきです。
◎関東教区からの諮問
「信徒伝道者」の承認について、教区はどのような基準でこれを承認すべきでしょうか。
答申
諮問にある「信徒伝道者」は、教憲・教規上認められているものではありません。「信徒のまま教師に準ずる働きをしている者」とは、「教師退職年金等規則の特例に関する規則」第1条に規定されているものですから、これについては年金局にお尋ねください。
(小堀康彦報)
異例の臨時委員会、緊急課題に対応
6月5~6日に、今総会期の第5回予算決算委員会が開催された。
計良祐時財務幹事より2011年度経常会計第三次補正予算及び決算に関して報告を受け、確認した。
また、東日本大震災関係の会計報告等を受け、現況と今後の課題について検討した。しかし、様々な検討課題があり、臨時の委員会を開催して集中的に取り扱うこととした。
併せて、臨時委員会において、今後も長く課題となるであろう教団全体の支出の減額の可能性も検討する。
財政支出の圧縮は、教区負担金の減額のためにも必要な課題であるが、すぐに支出を減らす手立ては見当たらないという所が現実である。臨時に委員会を開催することは異例なことであるが、現在の教団の抱えている財政的課題が大きいということとして御理解いただきたい。
2012年度の第一次補正予算案が提示され検討し、承認した。一旦、減額されたNCC分担金が、前年度と同額となり、結果として大きな予算補正が必要となった旨、財務幹事より経過報告を受けた。
教団出版局の決算報告を受け、教団からの担保について加筆して貰うことを確認した。
教団部落解放センター決算報告に関して内部留保額が大きいとの意見があったが、それぞれ承認された。
負担金割賦の計算要素について、教団も教区も実情に合わせて計算要素を決めている傾向が見られ、担当委員を定め、様々に検討して来たが、今回、割賦の根拠となるように、幾つかの要素を定め、教規施行細則として新設してもらえるよう提言することとした。
9月18~19日に全国財務委員長会議を開催するが、直接支出となる教団総会費用や負担金等の事柄を話し合いたい。
また、前回に引き続き、教区活動連帯金検討委員会の提案を受け、伝道資金への移行についても話し合うこととした。通常の報告案件もあり、何より、被災された3教区の報告を聞き、今後の再建のために、心を合わせ、祈りたい。時間が足りないと思われるが、建徳的な意見交換の時となるよう準備を進めている。
(山上清之報)
第37総会期第4回世界宣教委員会が6月25日、教団会議室で開かれた。
教団より世界各地に派遣された宣教師の消息や、ケルン・ボン日本語キリスト教会の齋藤篤宣教師の就任式、また、ロンドン、ウイーンの日本語礼拝からの宣教師派遣要請があり、調査のため加藤誠世界宣教担当幹事が現地を訪問したこと、オーストラリア合同教会、ニュージランド長老教会などからも新しく総会参加の要請があり、世界宣教の活動の新しい広がりを感じさせられた。
宣教師支援委員会などの傘下の委員会報告の後、今回は、特に、ケルン・ボン日本語キリスト教会の奉仕を終えて帰国された林原泰樹宣教師の帰国報告を昼食を共にしながら聞く機会を持った。同宣教師は在ドイツ期間中に長女玲羅さんを白血病で亡くし、深い痛手を負った。ラインラント州教会との関係や現地日本人教会の課題などを聞き、その労をねぎらった。
主な協議事項として、
①小海光宣教師は米国オーシャンサイド・ファースト合同メソジスト教会を辞任し、UMC派遣宣教師として、南青山にあるウエスレー・センターに赴任することになった。従って、教団派遣宣教師を退任し、受け入れ宣教師となることを承認。
②カナダ、バンクーバー日系人合同教会宣教師として坐間豊宣教師を派遣することを承認。
③マレーシア、クアラルンプール日本語キリスト者集会、牧会ボランティアとして、4月から相浦和生牧師が担当、8月より松谷好明牧師が9月まで担当することになっている。それ以降の扱いについて常任委員会に一任。
④米国、ウェスレー合同メソジスト教会、西之園路子宣教師より任期継続願いが出ており、これを承認。
⑤延期されている三国間協議会(スイス、韓国、日本)を2013年に日本で開くことになっているが、東日本大震災2周年を機に、この協議会を三国だけでなく、台湾基督長老会や関係諸外国の教会にも呼び掛けて、2013年3月12日(火)〜15日(金)に仙台で行うことの提案があり、これを承認。
⑥改訂・宣教基礎理論に関して宣教研究所委員会より神代真砂実、長谷川洋介各委員より説明があり意見の交換があった。
(秋山徹報)
▼牧師がチャリティー晩餐会を開いた。最初の料理が並んだ時、牧師が言った。「今日の料理には5種類の肉が使われています。それを全部言い当てた人は、無料にしましょう。誰も分からなかったなら、皆さん倍額支払って下さい」。▼最初の皿。「これは子牛ですね」、直ぐに当てられた。次もたちまち、「ラムでしょう。癖がなく上品に調理されています」となかなか好評。三つ目の皿、考え込む。やっとグルメで知られる監事が「フランス料理では鳩も食べるし、迷いましたが、思い出しました。これはうずらですね。あれはイタリア旅行の時だったかな」。▼四つ目。全員、皿の上のものをひっくり返したり、付け合わせの野菜をかき回したり。そこには薄切りのパンがあるだけ。聖書に通じている一番若い役員が言う。「分かりましたよ。最初が子牛、次が羊、そしてうずら。聖書にこじつけているのでしょう。これはイエス様の体即ち肉、聖餐のパンでしょう」。牧師が、にこにこと肯く。▼最後の皿。運ばれたのは、デザートのアイスクリーム。アイスを口に入れても、肉の味はない。聖餐のパンのことがあるから、みんな舌ではなく、頭で考える。▼気が短い役員が怒り出した。「こんな奇妙な晩餐はあったもんじゃない。こんな人を食ったような」。そして、はっと気付いた時は、もう遅かった。「正解です。しかし残念、タイムオーバー」。▼出席者は納得はいかないものの、チャリティーだからと、倍額の参加費を支払った。(出典不明)
交流を深め、今後の働きの場へ
6月18~20日、天城山荘(伊豆市)にて、2012年度新任教師オリエンテーションが開催された。出席者は73名(そのうち新任教師48名)であった。主題は「教団の教師として宣教を共に担う」であった。教師委員会としては、このオリエンテーションが、教団における宣教の働きの学びと共に、教団教師として、新しい出会いと交わりの恵み(同期の者が集まる唯一の機会)を味わう機会となることを願って準備に当たった。
《日本基督教団の伝道》
1日目、小宮山剛委員長による開会礼拝説教では、最初の任地の経験から、「伝道者は生けるキリストに出会う恵みを、最も身近に見聞きする立場に置かれており、それが伝道者として歩み続けさせていただく源となっている」ことが語られた。
その後、石橋秀雄教団総会議長による講演「日本基督教団の伝道」がなされた。 教会が本来持っている命と力の回復について、自身の経験を通して、主イエスとの出会い-キリストの神性の告白-、伝道する教会の信仰告白、信仰告白と教憲・教規に触れて話された。特に贖罪信仰、悔い改めから洗礼へ、主の教会に加えられて聖餐に与る、この順序が非常に重要であることが強調された。
夜には交わりの時がもたれ、新任教師以外の出席者も加わり、自己紹介を中心にして、いろいろなゲームが行われ、新しい出会いと共に、交わりを深めた。
《教団教師論》
2日目はまず、岡本知之教団総会副議長による講演「教団教師論」がなされた。
教団は合同教会であるゆえに、教師観、教会観においても多様な理解が共存する。しかし、教派の相違を越えて、教師の「職務」について共通の理解を持つことができる可能性が、牧師の職務の伝統的な「三職(預言者的職務、祭司的職務、牧者的職務)」の観点から提示された。特に教師は、教会員の誰よりも早く、かつ深く御言葉によって打ち砕かれ、そこから立ち上がっていく力を、御言葉によって与えられる恵みが力説された。
《震災への取り組み》
続いて雲然俊美教団総会書記による講演「震災の教団の取り組みについて」がなされた。被災教区の教師かつ教団書記という立場から、全体教会としての教団の取り組みの経過と共に、被災教会の状況と各教区の対応が報告された。東日本大震災の被害の特徴として、被害が広範囲であること、地震・津波・原発事故と多重被害であること、再建・復興の取り組みが長期的とならざるを得ないことが強調された。
《教会的権能・教務》
最後に内藤留幸総幹事による講演「教団の教会的権能・教務-教会・教区・教団の関わり」がなされた。
教会形成の土台としての正典(聖書)、信条(信仰告白)、秩序(教会法・組織)について紹介した後、教憲が示す「教会の形」について、また公同教会の権能としての神の言葉の説教と聖礼典(洗礼と聖餐)について述べた。
さらに教団(宣教を担う教師を生み・育てる)・教区(宣教の場所である教会を生み・育てる)・教会(神の手足として、教師と共に宣教を担う信徒を生み・育てる)のそれぞれの働きについて語った。
昼食を終え、午後には「教団の取り組み」として、教団事務局(道家紀一教団幹事)、出版局(有澤年出版局長)、年金局・隠退教師を支える運動(櫻井淳子年金局事務室長)、宣教研究所(宮本義弘委員長)、部落解放センター(東谷誠委員長)のそれぞれの働きや取り組みの紹介がなされた。
《特別講演》
休憩をはさんで、石丸昌彦氏(精神科医・放送大学教授・柿ノ木坂教会信徒)により「メンタルヘルス上の問題を抱えている人々との関わり方」と題して、特別講演がなされた。
メンタルヘルスの現状、精神疾患を抱えている人々との関わり方、精神疾患と信仰の関係について語った。「神のものは神、医師のものは医師に」という、医師、心理療法家、牧師の役割分担を表す言葉が印象的であった。
講演後も個人的に質問する新任教師が数人おり、1時間にわたって、講師にていねいな対応をしてもらい、感謝であった。教師として赴任した時、直面する課題である。良き学びとなったと思う。
夕食前の自由時間は、台風の関係で散策は中止とし、温泉組と残って交わりを持つ組、休息を取る者に分かれ、しばしの休憩によって英気を養った。
夜は分団の時間を持ち、各講演についての感想や、それぞれの働きの紹介と課題、悩みや喜びが活発に話し合われた。また今回は、幼児施設のある教会に派遣された教師の分団が持たれたことは幸いであった。
《牧会講話》
3日目は、大隅啓三隠退教師による牧会講話が行われた。今年度は新任教師の3分の2が担任牧師であったことを前提にして、12使徒のアンデレ、執事フィリポを通して、脇役に徹することの大切さが語られた。また最後まで中部教区で奉仕した中で示されたことが語られ、地方伝道につかわされている新任教師にとって身に迫るものがあり、大きな慰めと励ましを覚える時となった。
その後、全体のまとめとして、参加した新任教師全員が、一言ずつ感想等を述べた。教団を身近に感じるようになったこと、約3ヶ月ぶりに同窓生に会えたこと、異なる神学校出身者、Cコース出身者にも出会えたことへの感謝が述べられた。最後に堀眞知子書記による閉会礼拝をもって、すべてのプログラムを終えた。
5回の食事の席は、毎回くじによって決められ、参加者同士が、和やかに語り合い、お互いを知り合い、交流を深め合うことができた。これらの出会いが、今後の働きの場において豊かに生かされることを心から祈りつつ、恵まれた新任オリエンテーションを終えることができ、感謝であった。(堀眞知子報)
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