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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4734号】「あなたの隣人とは」 教会の中の差別  部落解放劇 関西公演

2011年10月22日

部落解放劇の関西公演は京都(8月21日、草津教会、94名)と大阪(同28日、東梅田教会、30名)の二公演おこなわれた。教団総会での東京公演とはキャスト、脚本の一部に変更があったが、教会の中で一般的に起こりうる部落差別を題材とした内容の本筋は変わらない。
一人の青年が牧師に自分は部落の出身だと打ち明ける場面から物語は始まる。青年は、出身によらず、ただ、自分を自分として受け入れてほしかった。しかし牧師は、部落差別に対する知識のなさから青年の気持ちや不安を理解することができない。自分の思いが理解されないことに失望した青年は教会から遠のいてしまう。牧師は、青年が教会に来ないのは本人の問題だと主張するが、ある役員は牧師が青年を受け入れず排除したのであって、それは差別だと指摘する。
牧師にとっては「この程度のこと」かもしれない。しかし、自分の存在が受け入れられない孤独や疎外感は、体験したものにしかわからない。大切なのは寄り添い、理解しようという努力だ。
青年が礼拝に来られないことが自分の責任であると認められない牧師は、青年に寄り添うどころか教会規則に則って事柄に決着をつけようとする。教会規則による結論にも神の御心が働いていると言う牧師は、神の御心を問う前に規則に頼っている自分に気づかない。
牧師にとって幸いだったのは、牧師の間違いを指摘する信徒が役員の中にいたことだろう。信徒達の自発的な聖書の学びと排除された人に寄り添う心によって、牧師も青年も切り捨てない道を教会は選択する。規則に照らせば事柄をうやむやにした格好だが、その決断の先には確かな希望があると感じさせ、劇は終わる。
そこに差別がある、と気づくには痛みや苦しみに対する敏感な感覚が必要だ。自分が差別をしてしまったと受け入れるには大きな勇気が必要だ。それらは容易に養えるものではないだろう。自分が、神の前に間違いを犯し続ける弱い人間であるという自覚をもって日々を歩まねばならないと思う。
(岡本拓也報)

8月29日(月)~8月30日(火)、教団東梅田教会(大阪教区)において第2回部落解放センター運営委員会が開催された。出席者は陪席者をあわせ延べ34名。
開会礼拝は、このたび一木千鶴子新活動委員長と交代した谷本一廣前活動委員長が担当し、礼拝後に東谷誠運営委員長より長年のお働きに対して感謝が伝えられた。
今委員会では部落解放センターや各教区などの活動報告、震災の被災地からの報告、放射能差別について、第8回全国会議の中で気付かされたことの文章について、センターの活動の見直しについてなどの議事のほか、特別に挨拶や報告、講演の時間が設けられた。
一日目には、大阪・釜ヶ先で不当逮捕の弾圧にあい、4ヶ月近くも拘束され、先日保釈された大谷隆夫教師(釜ヶ崎キリスト教協友会)の報告が行われた。大谷教師が保釈されたことを喜ぶと同時に、大谷教師への不当な弾圧を、そして弾圧の動きが広がっていることへの怒りを共有するひとときであった。
また来年の全国大会が開催される大阪教区の山田謙書記からご挨拶をいただき、全国会議にむけて準備が進められていることの報告を受けた。
二日目には、「兵庫県宍粟市の部落差別の実態」と題して宍粟市部落解放同盟支部長から講演を聞いた。その実態に驚くと共に部落差別を解消するための働きをなお強く進めていく必要を感じさせられた。
また、伊藤瑞男日本基督教団予算決算委員長よりEMSからセンターの活動への献金の扱いについて説明があった。質疑の中で、センターに寄せられた献金の扱い、教団からの交付金は人件費であることなどが予決委員会に十分に伝わっていなかったことが判明し、EMSからの献金の扱いは予決委員会で再検討することとなった。
多くの議事を扱う中、関東キャラバンが関東教区によって迎えられ、無事に完走したことが報告されたことは大きな喜びであった。
次回委員会は2月2日(木)~3日(金)に教団会議室で開催の予定。
(多田玲一報)

▼殺人罪を犯し裁判に掛けられた男が、真に改悛したというよりも、少しでも刑を軽くして貰おうと判事に訴える。慈悲をいただけたら、聖職者となって余生を送るつもりだと。判事は答える。「彼が神の道を説くには長期間の修養と、読みたりない聖書をちゃんと読むのに適した、どこへも逃げ出せない場所が必要であろう…文春文庫『少年時代』ロバート・R・マキャモン」。勿論、刑務所のことだ。▼この号で教師検定結果が報告されている。教会から祈りによって送り出されて来た人を、同じ教師が試験し判定する重圧を、委員長は吐露している。そうだろうなと共感する。この重圧だけが、検定委員たる資格と言えるかも知れない。▼そもそも判定を受けるまでもなく、自分は教師にふさわしいだろうか、その資格はないのではないかと、自問自答する。これは試験に合格した後々まで、20年30年後までもつきまとう。そういう意味では、未だに試験を受け続けている。試験官は神様であり、聴衆だ。▼説教の直前に、3回はトイレに入るという人がいる。礼拝後、「今日は良い説教を伺いました」と喜ぶ教会員に、思わず「いえ、お粗末様でした」と応えてしまった牧師もいる。「長期間の修養」、「どこへも逃げ出せない場所」は、牧師にとって現実の場だ。挫折は、牧師を作り上げると信じる。努力を続けるなら。

9月12日~14日、第37総会期第3回社会委員会が開催された。前回委員会における東日本大震災関連の協議を受けて、委員会を、東北教区センター(12日)、仙台~盛岡フィールドワーク(13日)、奥羽教区事務所(14日)で開催した。
委員会は森田恭一郎委員の司式による礼拝をもって開会した。12日は、業務報告、常議員会報告、東日本大震災関連の諸報告を、大三島義孝幹事より添付資料に基づいて受けた。
続いて、日本キリスト教社会事業同盟総会報告を森田委員、原田史郎委員より受けた。それぞれ報告を委員一同承認した。
協議事項として、社会福祉施設援助金への推薦のお願い、長期療養教師調査についてのお願いを教区に配布することが協議を経て承認された。また、社会事業奨励日のメッセージの担当を決めた。
13日は、石巻栄光教会、エマオ石巻、新生釜石教会を訪問した。また、石巻から釜石への移動の車中からであったが、震災半年後の被災地の現状を視察した。予定していた遠野自殺防止センターには立ち寄ることができなかった。
社会委員会は緊急支援として募金を開始したが、教団東日本大震災対策本部が立ち上げられたことから募金及び諸活動は一本化された。社会委員会としては、直接支援活動をすることはないが、現地の声を聞くことにより、継続的な支援に寄与することを願っている。
14日は、第37総会期全国社会委員長会議(2012年7月23日~24日開催)に関することを協議した。
テーマを東日本大震災として発題候補者をたてて、候補者に事務局から交渉することとなった。
また、プログラムと担当者を決定した。社会委員会として、福島を訪問し、現状を視察する必要があることを確認し、委員が訪問することを承認した。
最後に、沖縄キリスト教学院大学で開催される第3回九条アジア宗教者会議(10月5日~7日)に、芳澤信委員が出席することが承認された。
次回委員会は、2012年1月23日~24日に開催されることを確認し、原田委員の祈祷により閉会した。
(上森俊明報)

第4回教区活動連帯金検討委員会は9月12日(月)教団会議室にて開催された。
まず、前回議論された日本基督教団伝道資金構想の基本構想について内容の確認と意見交換を行った。
この機構の主眼を伝道活動活性化のための物的・人的・経済的支援に置くことで、現状維持から、将来展望に基づいた、より積極的な伝道支援へと資金が用いられることを目指すこととした。
また、教区間格差を是正するための配分について継続して検討した。
現行の可住面積を係数に入れた算定に代わるものとして、教区格差の実態を表し得る係数を検討した。
その地域の民度の比較、一教師あたりの信徒数、礼拝出席者数と教区負担金の割合等を検討したが、根拠のある客観的な数値を挙げることが困難であった。また計算によって機械的に再配分することについて意見を交換した。
以上の検討の結果、格差は各教区の伝道に必要としている支援のニーズであり、それぞれのニーズに応じた拠出が有効であることに合意した。
各教区にはそれぞれのニーズのために資金の3分の1を全教区の拠出額に応じて配分し、伝道拡充の資金として用いる。
3分の1は重点的に支援を必要とする教区の申請によって配分する。残り3分の1は教団に伝道資金として積み立て、土地購入などの大規模な需要のために備えること、都市部での伝道展開にも用いられることを想定した。
配分は教団に本部を置き、各教区に支部を置く仕方で連携を保ち、教区の自主的な伝道方策が教団で共有されることを目指す。同時に教団には全体的な視野に立った伝道方針と伝道施策の立案が求められることとなる。
そのため、今後は伝道方策検討委員会や伝道委員会との意見交換が必要となることが話し合われた。
また、全国財務委員長会議と教区活動連帯金配分協議会には各委員が出席し、岡本知之委員長が基本構想について説明し、そこで出された意見を参考にすることとした。
次回委員会は10月31日(月)とした。
(髙橋和人報)

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