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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4813号】三役の抱負・祈り

2015年1月24日

信仰・教会 一致にもとづく伝道協力を

石橋秀雄議長

信仰の一致と教会の一致をもって伝道協力を
 第39回総会において「伝道資金規則」が制定され、その運用について第39総会期第1回常議員会において検討し方向が決定しました。全教団的に具体的な伝道協力が実施されることになりました。

 伝道協力を全教団的に取り組んでいこうとする時、そこで求められるのは信頼関係です。この信頼関係は人間的信頼関係ではありません、信仰の一致にもとづく信頼関係です。

 第39総会議長挨拶では、「信仰の一致と教会の一致にもとづく伝道協力を」と訴えました。日本基督教団信仰告白と教憲・教規の中に、教団の教会がどのような教会であるかということが明確に示されています。信仰告白が脅かされ、教団の教会の一致が脅かされるとしたら、信頼関係をもって伝道協力を進めることは難しいのです。「信仰の一致と教会の一致」にもとづく信頼関係の中で伝道協力を進めて行きたいと願っています。

教団宣教基本方針と機構改革を
 私たちの教会の信仰について「改訂宣教基礎理論」第二次草案が全国の教会、伝道所に配布されます。この草案をもって信仰の議論を教団において深めて行きたいと願っています。

 改訂宣教基礎理論が議論され、確認される中で次に求められることは「教団宣教基本方針」を立てることです。この課題を宣教委員会が担っていただければと願っています。

 50年前に出された「教団宣教基礎理論」は、その2年前に出された「日本基督教団宣教基本方策」の根拠を示すものとして作られました。この方策に基づいて「機構改正」がなされました。この機構改正では「伝道・教育・社会」が宣教委員会のもとで並列されています。「伝道」が並列されるのではなく、「伝道」のもとにある教育であり、社会です。

 伝道局を設置し全教団的に伝道への取り組みがなされるように機構の改革が求められます。

東日本大震災救援対策について
 大震災救援対策も支援体制の終息に向かっての議論がなされる時となりました。しかし、仮設住宅で暮らす方々について時間が過ぎれば過ぎるほど深刻さを増しています。被災教区と協議しながら教団の支援をどのように継続して行くかが教団の課題です。

 また放射能被災の中にある方々の支援は教団の重要な課題となります。東北教区放射能被災者支援「いずみ」との連携を教団とし図って行きたいと願っています。

 当初、直接支援と貸付支援をもって、「被災教会会堂・牧師館の復興を」と取り組んで来ました。貸付金の返済が重荷という声を聞いています。この重荷をどのように軽減できるかを検討して行きたいと願っています。

 なお、沖縄教区との関係の回復を求めて、三役で同教区を訪問したいと願っています。(越谷教会牧師)

 

信仰内容を伴い、更に深い段階に

佐々木美知夫副議長

 第39回教団総会に於いて副議長に選任され、その抱負をこの紙面に求められています。

 選任された時に総会の場で申し上げたことは「私のような者を議場がお選びになったことに畏れを覚えると共に、御心と受けとめて誠実に職務に励みたい。副議長の職務は議長をお支えすることに尽きると心得る」ということでした。私は第36回教団総会の副議長を務めさせて頂きましたので、今回が2度目となります。

 前任期を終えて4年を経ていますから教団の状況も変わり、戸惑いながら仕事を始めたというのが現実です。石橋議長を始めとして教団役員、職員の方々に教えを請いながら自分に課せられた務めを為して行きたいと願っております。

 実は6年前にも教団副議長に選任されての抱負をこの紙面に求められました。そこで私が申し上げたことは抱負と言うよりも、「混迷を深める教団の状況とその諸課題を覚え、日本基督教団という教会がどこで一致を見るのかが今や避けて通れない問題である。『信仰内容の一致、職制の確立、それに基づく豊かな奉仕と証』がそれを解く教会の筋道だ。この総会期は信仰内容の一致こそが教団の課題だ」ということでした。

 第39回教団総会に掲げられた主題は「伝道する教団の建設-信仰の一致に基づく伝道の推進-」です。石橋議長が進めて来られた「伝道に燃える教団」形成が、その信仰的内容を伴って更に深められる段階へと入っていきます。もちろんそこには聖礼典や職制の一致と確立も重なります。

 教団総会の開会礼拝で木下宣世牧師はイザヤ書40章の御言葉を挙げながら「伝道する教団の建設」にも“主に望みをおく”信仰が求められると語られました。ペンテコステの日、聖霊が降って教会は誕生し、すぐに神の偉大な業であるイエス・キリストによる救いを語り出したのです。福音を語り、教会を形成する力を得ることは、まことに聖霊なる神に望みをおくことから始まります。

 6年前の紙面にこのように記していました。「教団は一方で高齢化やいわゆる若年層の減少という厳しい現実の波に洗われています。各個教会・伝道所が日々取り組んでいる伝道と教会形成の場には大きな困難があります。このままの状態で10年推移した時、どのような事態がもたらされるのかは既に統計上明らかにされています。

 祈りつつ伝道に励む他、将来に対する手だてはないのです。その時、教会の信仰内容が最も大きな意味を持ち、また力であることも

 事実でしょう。全国諸教会・伝道所の信徒の方々がどこに基を置いて信仰生活を続けておられるのかを受けとめつつ、この総会期の務めに与って参ります」。

 教団という教会と全国の各個教会・伝道所がその信仰内容の一致を確認し、喜び、祈り合う中にこそ、伝道の一致と推進も成る。聖霊が豊かな働きをもって臨んでくださる。このことへの思いは4年後の今も同じです。

 今総会期には「伝道資金」の運用も始まります。また東日本大震災救援対策諸事業も続いています。主が教団に与えられた使命を全国諸教会・伝道所と共に確認しながら、関係学校・関係社会事業団体等と力を合わせて主の御委託に応えられるよう励んでまいります。自分に力はありませんが、“主に望みをおいて”。(静岡教会牧師)

 

神のみこころの実現を目指して

雲然俊美書記

3期目の働きにあたって
 3期目の教団書記の働きをさせていただくことになりました。力の足りない者ですが、精一杯役割を担いたいと思っております。

 教団書記としては、これまで通り、議長、副議長のもとで、教団総会・常議員会をはじめとする会議を整えることに努めてまいります。

 教団総会議場でも話しましたが、会議を整えるとは、単に会議を円滑に進めるということではなく、教会会議(教区総会は「諸教会の会議」としての教会会議)として、教会の頭なる主イエス・キリスト(コロサイ1・18)のご支配のもとに審議し、決議する会議を運営するということです。主なる神のみ前で、神のみこころをたずね求め、私たち自身を用いてくださいとの祈りをもって審議するということです。教会会議においては、民主主義(デモクラシー)のルールにより、神のみこころの実現、言わば、「神主主義」(セオクラシー)を目指しているということです。

 そのためには、それぞれの意見の真意が議場できちんと受けとめられ、議論され、その中で、自らの意見や考えを吟味していくということがなされなければなりませんし、当然、それにふさわしい議事運営がなされるべきであります。

 教団の会議はいずれも案件が多く、早いスピードで審議が進むので、なかなかじっくりと考えることができないということもありますが、できるだけ多くの意見が述べられ、聞かれる会議をと願っています。

震災救援活動の今後など
 教団は、この4年弱の間、その持てる力、あるいは隠れていた力を発揮して、東日本大震災救援活動を継続してまいりました。

 全国および海外から多くの献金が寄せられる中、さまざまな救援活動を展開してきましたし、また、国際会議の開催など、教団として初めての経験もしました。しかし、被災地あるいは被災教会は、なおかなり厳しい状況の中にあります。そのような中で教団としては、今後の救援活動について、どう担い続けるか、あるいは、区切りをつけるかを判断する時期を迎えます。

 これは、被災地の声を聞きつつ、主のみこころをたずね求めながら、教団として決断をしなければならない重要なことです。

 また、教団の教会に所属する誰もが沖縄教区との関わりの進展を祈っています。さらに、伝道資金の運用、改訂宣教基礎理論による論議、教師養成制度の検討、海外の諸教会との宣教協力といった多くの課題もあります。また、私自身は、教団の諸教会・伝道所の伝道の進展のために、宣教協力のさらなる推進を願っております。

 これらのことのために、全国の諸教会の祈りと支援が集められることを願います。

信頼関係構築を目指して
 友人から、三役の持ち味を聞かれて、「37総会期は、直感で行動する議長、論理で行動する副議長、調整で行動する書記。38総会期は、熱く夢を語る議長、冷静に理想を述べる副議長、ひたすら事務を担う書記」(議長、副議長の皆様すみません!)と答えたことがあります。さて39総会期はどうでしょうか。

 皆が顔の見える関係を保ち、信頼を構築しつつ、主なる神からの伝道のご委託に応え、キリストの体なる教会としての教団の形成に共に励んでまいりたいと願っております。祈りをもってお支えいただければ幸いです。(秋田桜教会牧師)

釜石・仮設住宅のクリスマス

 御子イエス・キリストのご降誕を被災地・釜石で仮設住宅に住む方々と共に迎えました。

 釜石には現在65団地3124戸の仮設住宅があり、5086名の方々がいまだに仮住まいを余儀なくされています。徐々にではありますが復興住宅の建設が進み、釜石市分15団地261戸、岩手県分7団地232戸の募集があり、仮設住宅から復興住宅への移動が進もうとしています。仮設住宅全戸廃止されるまでは、まだ2年以上の月日がかかるものと思われます。

 そのような中でも、今年も“ハートフル釜石”のお茶っこ生活応援の活動の中で、9箇所の仮設住宅、1箇所の復興住宅でクリスマス会を行うことができました。

 通常、宗教活動を仮設住宅で行うことはできないのですが、クリスマスだけは特別です。111名の方々と共にイエス様のご降誕をお祝いしました。このために3名のボランティアの方々が駆けつけ、音楽を通しての奉仕をしてクリスマス会に花を添えてくれました。

 教団幹事の飯島信牧師と、新生釜石教会の柳谷雄介牧師によるクリスマスメッセージ、讃美歌を声を合わせて歌い、クリスマスケーキでお祝いの時を持ちました。プレゼントも届き喜んでもらいました。仮設の方々からは「本当のクリスマスが来たみたいだね~」との声を聞くことができ、一人ひとりの心の中に神様からの呼びかけが確かに届いていることを感じることができました。

 仮設住宅の生活が長くなるにつれ、仮設住宅の高齢化が進みつつあります。また、独居の方々も多くいます。そのような中でも“お茶っこ”に集まってもらい一時でも心がホッとする時が持てればと企画を進めています。

 新しく3名のスタッフが加えられ、新年からは更に4箇所の仮設住宅でのお茶っこ生活応援の活動を増加させ積極的な関わりを続けようとしています。

 震災からの年月が経つにつれ被災地の情報が風化してきている今日、皆様の祈り・支えをこれからも宜しくお願いします。
(平田信之報/被災者支援センター・ハートフル釜石、教団派遣専従者)

 

福島・子どもクリスマス会

 12月20日午後、福島の郡山ザベリオ学園において、東京YMCA・日本基督教団共催の〈わいわいキッズ・クリスマス会〉が開催された。福島県内各地から子ども62名、保護者35名、スタッフ・ボランティア等13名、総勢110名が集められた。

 東京YMCAは、2011年夏から東日本大震災で被災した親子のためのリフレッシュ・キャンプを継続してきた。これまでに50回以上のキャンプを行い、延べ1800名が参加している。

 さらに2013年からは屋内プログラム〈わいわいキッズ〉を始め、キャンプ参加者や参加希望者が年に1、2度集まれる場を設けている。今回は、日本基督教団と共に、初めての〈クリスマス会〉を企画した。
最初に、一同でクリスマス礼拝をささげた。皆でクリスマス・キャロルを歌い、聖書のクリスマス物語に耳を傾ける。

 母マリアは、神の選びに従順を示したが、生まれてくる小さな命は、危険と困難の道のりを行かねばならなかった。

 福島では、今なお震災のトラウマを抱える家族、放射能不安から自主避難を続けている家族、子育ての課題の中で孤立する家族が少なくない。母親たちの苦悩の中に、しかし、クリスマスの主はおいでになる。

 礼拝後には、YMCAリーダーたちによるレクリエーション・ゲームをし、子どもたちは、広い体育館の中で展開される長縄跳びやボール遊び、フラフープやクラフト等、それぞれの好きな遊びに参加して元気いっぱいに活動した。

 子どもたちが遊ぶ傍らに保護者のための談話スペースも設けられ、打ち解けて話し込む母親たちの姿が見られた。

 最後には、子どもたち全員でパラバルーンをつくり、各地から集められた一人ひとりがひとつとされた。サンタクロースも登場して、盛りだくさんのクリスマス会が閉じられた。

 困難に直面する子どもたち、子育て家族が出会うこの場所は、多くの人の祈りと奉仕によって、楽しみと安らぎが生まれる場所となっている。(上竹裕子報/磐城教会牧師)

 10月7日から9日の日程で、第6回目の教師委員会が福島教会を会場に行われた。

 教師委員会として、第38総会期最後の委員会を福島教会で開き、福島の諸教会を問安をすることによって、震災の苦しみにある教会を覚え続けることが出来たことを心より感謝している。今回の問安では特に、新しく会堂を建築したり、改修した教会を中心に問安をした。

 〈福島教会〉では、会堂建築の働きについて報告を受け、福島地区が置かれている諸教会の状況を聴くことが出来た。放射能の問題や、被災地における会堂建築の大変さを伺い、その中で主が導かれ、働いておられる姿を見て、共に感謝の祈りを献げることが出来た。

 〈福島新町教会〉では、修復工事が無事に終わったことが報告され、様々な困難を乗り越えて今の歩みが守られていることを聴くことが出来た。除染された土が礼拝堂横に積まれていて、撤去は2年後の予定とのことである。

 〈鹿島栄光教会〉では、献堂感謝式が行われ、75名の出席が与えられたことが報告された。借入金の返済が大きな課題である。

 〈中村教会〉では、新しい礼拝堂が工事真っ最中であった。今までは牧師館が通りに面したところにあったが、礼拝堂を前に持ってきて、より目立つところに礼拝堂が来るようにしている。新たな伝道の希望を感じることが出来た。

 〈安積教会〉は改修工事を無事に終えた。都市の教会から礼拝を共にしてくれる信徒が来てくれて、とても勇気づけられたことを伺い、礼拝出席をする支援について新たなアイディアをもらった。

 〈郡山細沼教会〉は、改修工事を終えたが、その後礼拝堂の天井が落ちてきたので、新たな追加工事を行わなければならなくなった。

 〈勿来教会〉は、震災後、武公子牧師着任時には一組の夫婦しか教会に出席していなかったが、その後、転会者と受洗者が与えられ、今十数名で礼拝を献げている。

 〈磐城教会〉では、震災を覚えることそのものへの苦痛があることを聴かされ、その痛みを覚える時を持った。

 〈常磐教会〉では新しい礼拝堂と牧師館を献堂し、広く地域に教会が用いられていること、食品放射能測定所「いのり」が豊かに用いられていることを聴き、感謝する時を持った。

 9教会を問安し、試練の中に働く主の御業を見させて頂き、感謝をおぼえつつも、これからも継続して支援する必要があることを訴え、問安報告とする。(吉澤 永報)

9:7 イスラエルの人々よ。わたしにとってお前たちは/クシュの人々と変わりがないではないかと/主は言われる。わたしはイスラエルをエジプトの地から/ペリシテ人をカフトルから/アラム人をキルから、導き上ったではないか。
9:8 見よ、主なる神は罪に染まった王国に目を向け/これを地の面から絶たれる。ただし、わたしはヤコブの家を全滅させはしないと/主は言われる。
9:9 見よ、わたしは命令を下し/イスラエルの家を諸国民の間でふるいにかける。ふるいにかけても/小石ひとつ地に落ちないように。
9:10 わが民の中で罪ある者は皆、剣で死ぬ。彼らは、災いは我々に及ばず/近づくこともない、と言っている。
9:11 その日には/わたしはダビデの倒れた仮庵を復興し/その破れを修復し、廃虚を復興して/昔の日のように建て直す。
9:12 こうして、エドムの生き残りの者と/わが名をもって呼ばれるすべての国を/彼らに所有させよう、と主は言われる。主はこのことを行われる。
9:13 見よ、その日が来れば、と主は言われる。耕す者は、刈り入れる者に続き/ぶどうを踏む者は、種蒔く者に続く。山々はぶどうの汁を滴らせ/すべての丘は溶けて流れる。
9:14 わたしは、わが民イスラエルの繁栄を回復する。彼らは荒された町を建て直して住み/ぶどう畑を作って、ぶどう酒を飲み/園を造って、実りを食べる。
9:15 わたしは彼らをその土地に植え付ける。わたしが与えた地から/再び彼らが引き抜かれることは決してないと/あなたの神なる主は言われる。

荒木 勇氏(隠退教師)
 14年11月21日逝去、77歳。樺太に生まれる。63年に東京神学大学大学院を卒業、同年より大夕張、厚別教会を経て、92年に隠退。
 遺族は妻・荒木とみえさん。

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