10月8~9日、統一原理問題全国連絡会が教団会議室で開かれた。
1日目は、藤枝宗浩宣教師(韓国メソジスト教会)が「新天地の脅威と危険性」と題して、新天地の教理、「収穫の働き人」の研修内容などを講演した。韓国では1年間に1万人のキリスト者が新天地信者になっているという。新天地の教理は、統一協会原理の焼き直しだが、徹底して正体を隠し、対象に応じて接触方法を変えることができる高い適応力をもつ。韓国では既成教会を乗っ取る手法がとられるが、日本では信徒を引き抜いたり、名前を隠した新天地教会への勧誘活動が主に行われている。今後も手法が変わる可能性があり、新天地であるかどうかを見極めるのは非常に難しい。しかし相談が寄せられるようになってから応じていては手遅れになるため、早急な予防対策が必要である。
続いて渡辺博弁護士が「清平訴訟及び最近の統一協会事情」と題して、講演した。統一協会内は分裂を繰り返しているが、名称を「世界平和統一家庭連合」に変更し、新しい顔で集金のための活動を続けている。二世や合同結婚式で渡韓した方々、政界との結びつきなど、今後も注視し続けなければならない。
2日目は、新天地に勧誘された体験をもつ学生より、大学で行われている勧誘活動についての現状報告があった。信仰をもたない学生への勧誘が活発に行われており、すでに取り込まれてしまった学生もいるという。走りながら対策を練っている状態であり、急を要する。
年に1回開催される「連絡会」内での情報共有が不充分であるとの指摘があった。様々なカルト問題への対応が全国的に求められていることもあり、共有だけでなく、調査や分析に従事できる場所や仕組みが必要との意見も出された。まずは個人や各教区が持っている情報を即時に共有できるネットワークを立ち上げることが決まった。白河で再スタートした「いのちの家LETS」の教団内での位置づけや、カルト問題への注意喚起の方法などについても時間いっぱいまで意見が交わされた。(与那城初穂報)
世界宣教委員会は、在外教師の派遣や派遣後のケア、海外から日本に来ている宣教師の牧会的な配慮、それに、海外の派遣母体の教会やWCCやEMSなどの海外の宣教団体との連絡、宣教協約を結んでいる教会との協議会の開催、海外からの来客の応対など、働きは多岐にわたり、6つの委員が傘下にあります。
日常業務は幹事と職員2名の体制で総幹事のもとで行われ、委員会はそのすべての働きの報告を聞き、必要な決断をし、キリストの体である世界の教会の一つの肢体の働きを担います。
教団はアメリカを中心に海外の教会からの多大な支援によって戦後復興を成し遂げた歴史があり、先の東日本大震災でも、海外の教会から大きな支援を受けていますが、連携の相手や様相は変わってきています。一方的に支援される形から、互いに人的な交流をはかって、共にグローバルな宣教の課題を担うよう、どの海外の教会や宣教団体からも求められています。日本の教会からの発信と貢献が求められているのです。
最も大きな課題は、世界宣教の現実と課題に対する関心が低いことです。情報の発信力の貧しさもありますが、世界宣教日の献金目標800万円に対して、毎年200万円余というさびしい現実がそれを物語っています。
若い世代が海外の教会を経験し、世界の教会の生きた姿に触れ、課題を担う人材の育成は緊急の課題です。(世界宣教委員長)
日本の被差別部落とインドのダリッド(アウトカースト)、そしてドイツのシンチ・ロマが国際的な連帯をつくろうと2015年9月24日から27日にかけて、ドイツのシュタットゲルト郊外のキリスト教研修施設で協議会を行った。これはEMS(福音連帯宣教会)の主催・招聘によるものである。
部落解放センターは水野松男さんと私、鳥井新平を代表としてドイツに送ってくださった。水野松男さんは部落解放センターの第一回研修生で、現在は部落解放同盟東京都連で働いている。私は、近江兄弟社小学校で教員をしながら、部落解放センターの活動委員長の重責を担わせていただいている。
協議会は毎朝、礼拝からはじまり、それぞれの歴史的経緯や差別の実態、それにむけての教育における取り組み等の様子が報告と対話を織り交ぜながら進められ、お互いの理解を深めることができた。なによりもまず、戦後70年の節目のこの時に、国を超えて人間の尊厳を尊重し合う連帯の絆を深められたことは一番の恵みであった。今回の国際会議に出席していくつかの思いをもった。
⑴EMSのご配慮により招聘されたことへの感謝。
⑵このことは、今回の会議に先駆けてEMSの献金により、部落解放説教集「人間に光あれ」の日英両文が出版できたことの喜びにつながり、有り難い。
⑶インドのダリッド、ドイツのシンチ・ロマ、日本の被差別部落と長い歴史の中で差別を受け続けている状況と教会における取り組みなど、共通する部分とかなり状況が違う部分とを理解することができたということは、今後の国際連帯を考える上でとても大切なポイントだと思った。
⑷そしてそのような働きを今後も教団部落解放センターが担っていくという責任とやり甲斐を感じた。
⑸最後に何ものにも代え難い人との出会いは、大きな収穫だった。シンチ・ロマのギタリスト、ボビーの家族、以前教団の宣教師として働かれたポー ル・シュナイツさんと清子さん、EMSのスタッフの皆さん。主の交わりにあってこれからも連帯の火を燃やし続けたいと切に思った。(鳥井新平報)
菅原正夫氏(飯田知久町主任担任教師)
14年5月26日逝去、73歳。78年日本聖書神学校を卒業、79年より田園調布教会、小高、鳥取信和、飯田知久町教会を牧会。
栗林輝夫氏(無任所教師)
15年5月14日逝去、67歳。76年東京神学大学大学院卒業、89年より四国学院大学に務める。
遺族は息・栗林幹雄さん。
井殿 園氏(隠退教師)
15年8月25日逝去、84歳。56年同志社大学大学院卒業。同年より尼崎、三石、高梁、安中教会を経て、共愛学園に務め、02年に隠退。
遺族は息・井殿基さん。
野田市朗氏(隠退教師)
15年9月13日逝去、90歳。東京都生まれ。53年日本聖書神学校卒業。同年より新丸子教会を牧会し、98年に隠退。
遺族は娘・梅田めぐみさん。
佐々木鉄男氏(隠退教師)
15年9月21日逝去、84歳。北海道生まれ。57年東京神学大学大学院卒業。同年より弓町本郷、常磐、美唄、江差、七飯教会を経て、00年に隠退。
遺族は妻・佐々木信子さん。
2013年3月、東日本大震災の地震の影響により教会と牧師館の移転・新築を余儀なくされた私共千厩教会は、新しい土地・新会堂・新牧師館を与えられ、旧会堂及び旧園舎の解体や整地も終了し2年の月日が経ちました。
教団を始め、奥羽教区、岩手地区、東京の諸教会、数えきれない位の教会が強力に支えて下さいました。その上、私が赴任した17年前から、千厩教会報を発行しておりますが、千厩教会報「おりーぶ」の読者の方々(北海道から九州まで)の力ももの凄く、読者の方々が次々に御自分の知人・友人に、まるで絵本の「大きなかぶ」のように支援を呼び掛けて下さり、「小さな教会の大きなチャレンジ」が実現したのです。
震災前から、千厩教会には、結婚のため韓国から千厩に来た方々が集っていましたが、震災以降、教会員所有の建物で礼拝を守っている間、彼女たちの友人の心痛む出来事をきっかけに一つの使命が与えられました。「新会堂は海外から日本に来られ、重荷を背負っている方々と歩みを共にするために用いられる様に」という祈りと共に、奥羽教区の大きな助けを得ながら再建の歩みが進められました。
新会堂移転後その祈りに神様が応え、韓国の方々、フィリピンの方々が一人、また一人、と集うようになり、昨年10月から月一回日曜の午後に、「タガログ語の礼拝」を開催しています。中心となっている女性の義理のお兄様が牧師で、ネットを通じてメッセージを送って下さっています。タガログ語の礼拝の中でフィリピンの方々の証しや賛美がありますが、涙を流している姿をみると日常の笑顔の裏に多くの重荷があることが伺えます。
千厩教会の礼拝や、タガログ語の礼拝には、フィリピン、アメリカ、韓国、ドイツ(宣教師の方々が子供向けの英会話クラスを開催して下さっています)、日本の方々が集い「国際化」し皆仲良く過ごしておりますが、その一方で日本の歩みは、確実に戦争に向かっています。
そのような中で今年度から5年間、千厩教会の主題等を次の様に決定致しました。
主 題 平和の実現を目指して~神に信頼し、人と人との信頼を築こう~
聖 句 イザヤ書32章15節~20節
讃美歌 393「こころを一つに」
内 容(略)新しい会堂に、国境を越え、神を信じる人たちが集められていることを感謝致します。これからも、教会に集う一人一人が礼拝と交わりを通し、神との信頼、人と人との信頼を築き、聖なる民、神の家族として、共に歩んでいきましょう。目先の事柄や経済を優先せずに、将来を見据えて物事を考えることを大切にし、思いやりの輪を広げていくよう心がけましょう。
移転・新築・解体・整地という、私たちにとっては余りにも大きすぎる決断でしたが、地域の子供会や保育士研修会等にも教会が用いられ、今は皆「ここに移ってよかった」そう思っています。
7月以降は特に、教会に集う子供も大人も、皆、平和を求め、祈り、各々の方法で平和を実現しようと試行錯誤しています。その私たちの姿を後押しするように、「この国は二度と戦争をしないと誓った」と記されている旗が、今日も教会玄関前で風になびいています。
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