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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4888号】伝道のともしび 伝道129年、これからの展望 東北教区・三春教会牧師 佐々木 威

2018年9月15日

 山と谷間に囲まれた人口1万8000人の小さな城下町に宣教されて、教会は129年、幼稚園は103年になります。谷間にあった教会は、朝10時に太陽が昇り、2時には隠れて太陽の恵みに乏しく、常駐の牧師と無牧とが2~3年毎に繰り返えされ、無牧の方が長い困難な時代が続きました。知り合ったと思ったら何時の間にか居なくなっていましたと就任時に語られました。放置された教会は、雨もりで屋根の支柱は腐食して釘が無く、トタンが乗っているだけ、ホールは犬猫の遊び場でした。

 私は三春教会に神様のご計画を信じて2度目の招きに応えて在任48年になります。1990年に太陽の恵み豊かな2千坪の土地に幼稚園と共に、移転しました。

 東日本大震災の被害は、はじめ建物の壁にヒビ割れだけの微少と思われましたが、90メートルに渡って擁壁が傾き隣地に1メートル移動したり、地盤が80センチ沈下して、ガス、水道、トイレ、浄化槽、2個の魚池、兎と象の特製大型コンクリート滑り台等の遊具に6450万円の被害を受けました。教団、教区から630万円、全国の諸教会、施設から377万円、国、県から3759万円の献金や補助金を頂きました。残りの1684万円の自己負担で返済の重荷を負うています。

 東電の放射能爆発汚染から7年経過していますが、今も幼児には、県外米、飲料水、副食等を家族と別食事を与えて、20年後の健康被害に脅えている家庭があることを忘れないで欲しいと思います。

 多くの方々から支援の物品、献金を頂いたことを心より感謝申し上げます。放射能汚染で、教会員の老兄姉4人が県外に家族と共に避難しましたが、帰ることなく召されました。キリスト者が、天父の許に召されると、寺の墓地に埋葬され、何時しか信仰の継承が断絶されてしまいます。保守的で因習の強く根差している地方の教会には、信仰の継承のために、教会墓地はどうしても必要です。

 市街化調整地域の境界線上の一画に、所有者の地主も知らない68坪の土地が、幼稚園の隣接にあることを発見して、神様に備えられた聖地として20年前に購入しました。避難した兄姉たちは、納骨堂の建設を遺言として献金をし、全国の128の教会、幼稚園から納骨堂建設の支援金として261万4093円の献金を頂きました。

 129年間、主に召された信徒と教会の絆は、皆無です。しかし、墓地があったら教会形成の土台は築かれ、信仰が継承されて、強い球根を残されたと思われます。東京電力の放射能汚染で離散の遺族との音信は不通。

 全国諸教会で、納骨にお困りの方がおられたら、三春教会が、神様に召された家族の兄姉としてお迎え致します。罹災者の遺言と祈りの納骨堂の建築が祝福されて用いられるようにお祈り下さい。

教団新報
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