第5回日本基督教団教誨師定期総会・研修会(隔年開催)が7月9~10日、オリンピック記念青少年総合センター(東京・代々木)を会場に、正会員93名中、14教区32名が集まり、開催された。その歩みは、教団伝道委員会の下での刑務所伝道委員会が1968年の教団機構改正で消滅。その働きを有志による教誨事業協力会が継承し『教誨マニュアル』なども作成、40年にわたり現場の教誨師の働きを支援してきた。
しかし、矯正管区や他宗教との関係から、2009年に関係者が集い教団教誨師会設立準備委員会を組織。翌年、教団教誨師会設立総会を開催。設立目的を「日本基督教団における教誨師の働きを支え合い、宣教の使命を果たす」として事業協力会の働きを継承、全国からの献金や教団伝道委員会の支援を受ける任意団体として今日に至っている。
昨年度『信徒の友』で教誨師の働きが取上げられ、多くの献金が献げられた。教誨師の働きは個人プレーと受け取られがちだが、関係者は毎回、教団・教区の業として教誨の働きに臨んでいる。
講演では、長く教誨活動に携わる時久忠夫牧師(広畑キリスト教会)から『教誨師の働きを通して』と題し、しみじみと語る体験談に大きな感銘を受けた。現場で孤軍奮闘する者も、教誨師を始める者も、この研修会は大切な学びと意見交換の場となっている。
教区報告では多くの教区で教誨活動支援が進む状況を聞いたが教区間格差はまだ大きいようだ。前総会より正会員3名減となった。働きの継承には様々な支援が必要だ。
総会では加藤幹夫教誨師を議長に、他、運営委員・監事が選出され、「日本基督教団教誨師推薦規定」が決議された。
来年、教誨活動の原点である北海道での研修会予算が承認、運営委員会で準備することとなった。近日上映予定の俳優大杉漣さん遺作映画『教誨師』が紹介され、聖書を抱え受刑者に向う姿に自らの思いを重ねながら散会となった。 (福島義人報)