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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4799号】2014年度教区総会報告

2014年6月7日

「教団に対する態度表明」僅差可決

九州教区

 5月6日~7日にかけて、九州キリスト教会館を会場に、第64回九州教区定期総会が開催された。開会時の議員数は231名中175名。開会礼拝が捧げられ、議長、常置委員会の各報告の後、准允式が執り行われ、4名の教師が立てられた。

 その後、各議案の議論がなされた。議案「『伝道資金』制度の更なる検討を求める件」。総会前日に行われた議員研修会においてこの議案の前提となる議論がされたのであるが、具体的には、この構想が実現したならば、九州教区のみならず、財政面での負担の増加や予算の見通しが立たない等の混乱が生じる教区が複数出ることが予想され、よって、第39回総会への提案の見送りを、常議員会に要請するものである。議場では、議案に賛成の意見の他、必ずしも議案にあるような負担増や混乱が生じるわけではないといった意見が聞かれたが、賛成多数で承認された。

 「日本基督教団の現況に対する九州教区の態度表明に関する件」。この議案は、前年の教区総会に提出され、常置委員会付託となった議案の改訂版ともいえる議案である。内容は、第33回教団総会以降の日本基督教団の現況について、「或る一部の『歴史的特質』が他のそれを侵し、屈服せしめ、或るいは排除して全体を制圧し統制するという教団の現況」と厳しく指摘し、このような教団への服従を拒否し、「夫々の地やそこに立つ教会の『歴史的特質』を尊重し、互いに支え合い、等しく歩む道を求め続ける」と表明している。議場では、議案の中でなされているのと同様の教団への厳しい指摘が多くあり、それに対して、このような表明をすることに躊躇をするといった意見もあった。採決の結果、164中賛成87という僅差で議案を可決した。議長は、「この採決の結果を畏れを持って受け止め、この議案の今後の扱いは慎重にしたい」とコメントした。

 「『改訂宣教基礎理論』(草案)の撤回を求める件」。現段階で作成された草案の白紙撤回と、今後豊かな議論を求める議案である。改訂宣教基礎理論の早急な作成手続きに対して批判の意見が多く出され、賛成多数でこの議案は可決した。

 その他「教会種別変更に関する件」「沖縄教区規則変更に関する件」「神が創造された世界に生きる者として、原子力発電所の稼動に反対し、新しい生き方を志す件」「九州教区の教会および付属施設における『元号』の不使用に関する件」「川内原子力発電所1号機と2号機の再稼動に反対する件」等が賛成多数で可決された。

教団総会議員選挙結果
【教職】梅崎浩二(大牟田正山町)、原田のぞみ (宮崎清水町)、新堀真之(香椎)、多田玲一(福岡女学院)、青山実(名瀬)、日下部遣志(川内)、西畑望 (大分)、池上信也(犀川)、本多香織(瀬戸内)、木村真彦(津屋崎)、西岡裕芳(福岡警固)

【信徒】川畑馨(佐世保)、浅野直人(福岡警固)、島田晋(大分東)、伊津見七生子(若松浜ノ町)、松山萌子(武蔵ヶ丘)、東隆義(田川)、今村泰子 (長崎銀屋町)、園眞實(国分)、中松禎夫(鹿児島加治屋町)、志満秀武(福岡中部)、湯元睦美(中津)
(小林信人報)

 

互助検討委、中間報告を巡り協議

四国教区

 第72回四国教区総会は4月29~30日、琴参閣を会場として開催された。開会礼拝では野村義和牧師(香美)が説教、聖餐式が小島誠志牧師(久万)の司式により執り行われた。開会時出席正議員は154名中125名。

 議事冒頭で「議長メッセージ」が扱われ、芦名弘道教区議長は「四国教区の特質は『教区は各個教会を支える主体』にあらわされる。福音がどこで前進するか。各個教会の伝道である。教区は各個教会の意志を尊重し、生かし、支え、用いられるよう、評価、課題、指摘する。互助と自立連帯献金は各個教会の主体性、教区の主体性の緊張関係の中で、85教会・伝道所が伝道前進していくため。東日本大震災支援は継続して行われている」と述べた。その後、諸報告を扱い、教団総会議員選挙が行われた。夕食の時間中には各分区の近況報告、新任教師紹介があり、互いの教会を覚え合うひとときとなった。夜には「これからの四国教区の伝道を考える」と題し協議会を開催。芦名教区議長より互助検討小委員会中間報告として「互助使途拡大(開拓伝道への摘要)の可能性」及び「互助基準の設置」について述べられ、近藤康夫氏(新居浜西部教会員)より「伝道、互助と自立連帯献金に関するアンケートの集約」が報告された。「なぜ使途拡大なのか。今の教会には幻が見えないというように聞こえる」「複数の教会と共に味わう伝道の喜びがある。自分たちと同じ教会が拠点として生まれることにより、教会一つ一つのかけがえのなさ、それが増え続けることに幻がある」「自立連帯献金の教会予算を満たす意識を変える必要性がある。牧師ではなく信徒が伝えたら意識が変わるのではないか」等活発な意見交換がなされた。

 2日目朝に准允式が執行され、主の委託に応えるべく補教師2名が新たに立てられた。その後、伊藤瑞男教団副議長問安使挨拶により「信仰の一致に基づく伝道協力」「東日本大震災救援対策について」「教団教師養成」「沖縄教区に関して」「教団財政について」等を巡って質疑応答がなされた。また「教師謝儀規定に関する件」「2014年度教区教会互助に関する件」「2014年度各部計画に関する件」「2014年度会計予算に関する件」「2014年度負担金割賦に関する件」等の各議案が可決された。

 閉会礼拝では黒田若雄教区副議長が説教、「主がみわざを起こそうとしておられる、一人の魂の救いのために教会は召されている」と御言葉により教区の歩みを再確認して総会を終えた。

教団総会議員選挙結果
【教職】小島誠志(久万)、黒田若雄(高知)、寺島謙(松山城東)、芦名弘道(近永)、黒田道郎(石井)、篠浦千史(さや)、矢野敬太(愛南)、上島一高(今治)、堀眞知子(瀬戸キリスト)

【信徒】長島恵子(鴨島兄弟)、近藤康夫(新居浜西部)、遊口百合子(西条栄光)、竹村徳子(高知)、安宅登代子(石井)、西村大吉(久万)、木俣努(香川豊島)、土居省悟(丸亀)、柏原伸行(潮江)
(松本のぞみ報)

 

教団議長、陪席者として出席

京都教区

 第78回総会を5月5日、6日、京都教会にて開催。

1.「こだわり」と「見通し」
 教団問安使を拒否し、対話の無いまま、11年が過ぎた。今教区総会を開催するにあたり、教団執行部と京都教区がどのような関係を作りだせるか、話合いを続けたが、結果としては、問安使という位置づけではなく、協議会を開催し、要請陪席者として総会へ陪席して頂いた。石橋秀雄教団議長には3点にわたる質問を事前にし、この回答をもって協議をした。昨年7月に開催の常置委員会にて、教団議長の陪席をお願いし、協議の時間を持ち、そしてこの総会において2度目の協議となったが、溝を埋めると言うよりは、溝を確認するという内容となった。

2.「垂直的宣教?」
 現教団執行部は、特に山北宣久前議長の「荒野の40年」という総括をして以降、ここ4年余りの歩みは、急速に教団宣教体制の改変を進め、教区間の溝を深め拡げつつある。その改変の策が、伝道推進室の設置と伝道資金構想、改訂宣教基礎理論と言える。見通すことのできない教勢の回復を垂直的な方法でもって対応しようとする、それは時によっては良しとされるのであろうが、現状では現場と隔絶した施策が練られ作られようとしている。

3.「教団総会へ向けた議案」
 今回、教団総会・常議員会へ向けた議案が3点提案された。

⑴京都教区提案の「改定宗教法人法再改定を求める要望書」に、今教団総会の名による賛同・署名を求める件

⑵常議員会に「要望と意見」を提案する件

⑶今教団総会に現在の伝道推進室及び伝道資金規則設置に反対する提案をする件
これらの3議案は、京都教区が掲げる宣教方針・方策と教団執行部が掲げる宣教論との違い、そのような提案と考えている。

4.「教区の展望」
 今回、教区議案のひとつに、「教区センターの土地・建物を京都教会へ期間限定的に移管する。また、これを契機に『宗教法人京都教区センター教会(仮称)』設立を目指し、将来に教区センターを同センター教会に移管する件」が承認された。この議案が議決されたことにより、教区が責任をもって、同じ地域にある教会と協力して教会を設立する方向が確認された。

教団総会議員選挙結果
【教職】入治彦(京都)、井上勇一(洛南)、望月修治(同志社)、横田明典(近江金田)、今井牧夫(京北)、森下耕(洛陽)、大澤宣(紫野)、谷村徳幸(水口)、大山修司(膳所)

【信徒】川上穣(錦林)、原田潔(大津東)、谷口ひとみ(八幡ぶどうの木)、中井正子(堅田)、押本年眞(丹波新生)、菅恒敏(京都)、造田弘司(水口)、永島鉄雄(草津)、矢島哲夫(醍醐)
(井上勇一報)

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