信仰告白について採決せず 三役一新
大阪教区
第59回大阪教区総会は、5月5、6両日、大阪女学院ヘールチャペルで、開会時、正議員290人中、202人が出席して開催された。
総会審議で最も議論が白熱したのが、「教区総会開会礼拝、准允式・按手礼式で教団信仰告白を全文、告白する」議案だった。
「教団信仰告白は信仰の根幹。すべての教会に求めているのでなく、教区総会、教職を立てる際の告白は当然」との意見に、向井希夫議長は、「今総会の准允式も、教団信仰告白に則って行われており、開会礼拝で行わなかったのは、対立から10年間、総会が開けず、大阪教区の3号精神の生まれた歴史の反映」と議論が噛み合わず、並行線を辿る中で、「強行すれば、分裂しかなくなる。議案は採決にそぐわないので、採決しない」提案が出た。
「賛否、常置委員会付託の何らかの結論を出すべき」「採決になじまないとなると、今後提案出来なくなる」と反論が続いたが、セコンドを得た「採決せず」修正動議を賛成多数で可決した。
同様に、時間を取り、発言者が続いたのが、教団問安使・伊藤瑞男・教団副議長への活発な質疑だった。質問者は12人。「改訂宣教基礎理論は、余りにも内向き。牧師は説教に専念しろというのか」「仙台国際会議はとても良い会議だったが、宣教基礎理論の論議とに乖離がある」「沖縄教区との関係を悪化させたのは、伝道推進室の沖縄伝道応援」「教会選出でなく、推薦議員で教団総会議員となり、常議員に選出された人が27人中5人もいる。常議員会の構成がこれで良いのか」「東日本大震災募金支出で人件費と事務費合計が1億円を超えている」。伊藤副議長の過去の発言への質問も続いた。
伊藤副議長は、1人1人の問いに答えたが、「持ち帰って検討の材料とする」との答えも多く、例年通り厳しい意見を問安使に投げ掛ける時間となった。また、伊藤副議長は、自らの発言について、「性の問題に聖書は厳しく律しているが、米国の教会もこの問題への真正面からの取り組みは避けており、以後、教団がこの問題を棚上げしたことは神の御心かもしれないと思っている」と述べた。
向井議長の「5月末に他教区へ転任するので、議長を辞任する」との発言を議場が了承し、向井議長は、任期1年を残し、6期11年の議長を終えた。教区規則により、残任期間のある議長辞任は、小笠原純副議長(高槻日吉台)の議長昇任となり、副議長選挙の結果、上地武書記(大正めぐみ)が副議長に当選した。正副議長とも任期1年。書記に、正副議長推薦の井口智子議員(河内松原)を選任して3役が一新された。
「教団沖縄宣教連帯金減額分80万円の半額40万円を教区が負担する」議案を賛成多数で可決した。大阪教区は2011年以来、同様の沖縄教区支援を継続しており、論議では「伝道推進室の沖縄伝道応援が関係悪化を招いた」との意見が続いた。
「北村慈郎教師の『免職処分』を撤回し、教団内に聖餐の在り方の議論の場を求める議案を、39回教団総会に提案する」議案も挙手多数で可決した。大阪教区は、55回総会以来連続して同様の議案を可決して来たが、これまでは教区総会可決、56回の教区声明止まりだったが、今総会では、秋の39回教団総会議案として提案することを決めた。また、熊取伝道所の熊取教会設立と北大阪真愛伝道所廃止を承認した。
教団総会議員選挙結果
【教職】小豆真人(東梅田)、上地武(大正めぐみ)、小笠原純(高槻日吉台)、平井文則(阿倍野)、斎藤成二(大阪東十三)、林邦夫(大阪城北)、古郝莊八(高石)、大澤星一(西大和)、岡本拓也(南住吉)、尾島信之(大和郡山)、岡村恒(大阪)、田邊由紀夫(茨木)、小池磨理子(玉出)、中西真二(小阪)、浅見覚(枚岡)
【信徒】安田信夫(高槻)、東谷誠(いずみ)、鎌田英子(玉出)、山田淳子(大阪聖和)、西浜楢和(西大和)、田川久美(吹田)、鈴木恵美子(馬見労祷)、山崎喜美子(愛隣)、飯沼眞(高石)、駒木和男(河内長野)、江本義一(茨木東)、楠原道温(茨木)、宮本修(千里丘)、平田和子(吐田郷)、星野晴彦(和歌山)
(永井清陽報)
第4次長期宣教計画を策定
北海教区
第74回北海教区総会が4月29日、30日、札幌北光教会にて開催された。開会時出席議員は126名中104名。開会礼拝で按手式が行われ、新たに2名の正教師が立てられた。
笠田弘樹副議長が健康上の理由にて辞任したため選挙が行われ、西岡昌一郎氏(旭川六条)を任期1年で選出した。
任期満了となった教区幹事の選任を諮った。全教区中唯一、幹事を置いていることを再考するよう意見もあったが、必要との意見が大勢で日向恭司氏を任期4年で再任した。
久世そらち教区議長は、2013年度総括で「日本社会の深刻な格差を覆い隠す国家主義、近隣諸国との対立、権威による個人の自由の封じ込めがある」と社会情勢を分析した上で、「格差の重荷を負う北海道の地にあって、自由の抑圧と平和の危機の中、教会は主の福音をどのように証しすべきか」とした。10年ごとの教区長期宣教計画総括、策定年度を迎えたが、長期宣教計画は「教区固有の歴史的経験、教団『宣教基本方策』(1961)、『宣教基礎理論』(1963)に負うところが大きい」。宣教基礎理論改訂、また教区活動連帯金から伝道資金制度移行となるならば教区は大きな困難に直面すると、改訂、移行に反対を示した。
2004年から10年に亘り掲げられてきた第3次長期宣教計画の総括と、新たに2023年までの第4次計画策定が諮られた。
第3次総括は、「この10年は、戦争・紛争・大災害・世界規模の不況にさらされた。こうした中で『平和を生きる神の民』の標語が示されたことは意義深いことだった」とした。
第4次計画は前文で「北海教区のすべての教会が礼拝を守り、自らを豊かに革新し、神の愛を証しし、平和を実現することを改めて確認し、『礼拝の喜びに生きる神の民』をミッションを表すことばと定め、新たな10年を歩み出す」としている。前計画から踏襲される「革新・連帯・平和」各項についての解説を前文に付している。10年を3期にわけて期ごとの評価・総括を行うとしている。前文に「イエス・キリストの福音」「十字架と復活のキリスト」等を挿入する修正案を否決して、原案を90名中82名賛成により可決した。
長期宣教計画可決を受け、直ちに2014年度活動計画、予算案7420万円(前年度決算比899万円減)を可決した。新しい長期宣教計画が各年度活動計画に実質的に反映されてゆくのはこれからになる。
伝道所信徒が教区総会議員となる道を備えるため教規61条改正を教団総会に提案することが可決された。多くの伝道所信徒が、教会信徒同様、教区においても大きな働きをしている。役員会を有している等、一応基準を満たしている伝道所を教区議長が認め教区総会議員を選出できるよう教規改正を経た上で教区規則を変更する、としている。
建議「改訂宣教基礎理論再検討」「集団的自衛権について要望書提出」「伝道資金制度に反対する教区声明」3案を採択し議案として審議した。建議は議案とならないとの指摘があったが、久世議長は教区に取り扱いが委ねられていると説明。議案はいずれも可決した。
雲然俊美教団問安使との質疑では、教区負担金算定方式変更、伝道推進室、沖縄教区関係回復、未受洗者陪餐等が論じられた。
常置委員選挙結果(半数改選)
【教職】佐藤幹雄(岩見沢)、原和人(手稲はこぶね)
【信徒】稲垣正策(函館千歳)、三浦英敏(札幌北光)
教団総会議員選挙結果
【教職】久世そらち(札幌北部)、原和人(手稲はこぶね)、西岡昌一郎(旭川六条)、佐藤幹雄(岩見沢)、秋山千四郎(北見望ケ丘)、日向恭司(教区)、卜部康之(千歳栄光)、石川宣道(室蘭知利別)
【信徒】稲垣正策(函館千歳)、佐久間光昭(置戸)、山下信行(札幌北光)、今多正行(札幌元町)、板谷良彦(札幌北部)、浦部浩行(新発寒)、島田久美子(月寒)、松尾みつ子(真駒内)
(新報編集部報)