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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4767号】母国語で御言葉を、賛美を ドイツ・ベルリン日本語教会から

2013年2月23日

ドイツ、ベルリン。この東西分断を乗り越えた未曽有の歴史を持つヨーロッパの国際的大都市にも日本語教会があります。
80年代に日本人牧師の呼びかけで始まった日本語礼拝は、ささやかながらも主に守られ導かれて今日まで歩みを続けてきました。礼拝に集う人々は、在独数十年という方から留学生、ご家族の転勤に伴って、ワーキングホリデーの方、旅行者、日本語や文化に興味のある外国の方など実に様々です。
しかしながら大都市とはいえ邦人数は決して多くはなく、街中で日本人に出会うことは非常に稀です。そんな中いかに教会の存在を多くの人に知ってもらうか、試行錯誤しながら皆で心を砕く日々です。
言葉や食事、習慣、気候など海外生活は予想以上に不安や困難が多いものです。教会にも人とのコンタクトを切実に求めて来られる方や、疲れた日常の中ふと昔の教会学校を思い出して行ってみようと思って、という方も多くいます。この規模でほぼ毎回新来者があるのは驚きです。母国語で御言葉を共に聞き共に賛美することには、本当に深い慰めと励ましとがあるのだということを外国語教会の牧師としても痛感しています。
教会は、月2回の礼拝と聖書研究祈祷会などを軸に活動しています。信徒同士も情報交換を密に取り交わしつつ、助け合う良き交わりが続いています。
海外受洗者も多く、信仰背景は実に多様です。それゆえに教会形成の意識は希薄で教会理解も各自で全く捉え方が異なるため、これまで何度も教会の存在自体を揺るがすような事態もありましたが、その違いを神さまからの恵みとして活かしつつ、どう教会の群れとして歩んでいけるかが私たちの引き続きの課題といえるでしょう。
数年前から2度にわたり「教会とは何か」とのテーマで、礼拝や御言葉、奉仕、賛美、伝道などを学ぶ機会を与えられ、キリストを礎とする信仰共同体、礼拝共同体、宣教共同体として教会一同思いを確認できたことは主からの大きな祝福です。海外教会ゆえ流動性が高く、役員会など教会組織もなく礼拝出席平均も10名ほどの小さな群れですが、ここに教会があることの意味を喜びのうちに分かち合い、ここで私たちにしかできない証しをしていくことができれば素晴らしいと思います。
単なる教勢拡大という視点からは決して見えてこないであろう主の豊かな秘められたご計画が、今日まで変わらず続くこのベルリン日本語教会にはあると感じています。海外生活が続く中30年ぶりに日本語での聖餐に与ることができた、と喜ばれた女性、家族のような教会ですねと仰った求道者の方。こんなに私のために祈ってもらえたのはここが初めてです、と日本へ帰国していった方。主によって蒔かれた福音の種がこの地に育ち根付いていくよう願うばかりです。
小さな私たちの教会ですが、現地教会や外国語教会との豊かな交わりは尽きることなく与えられ本当に感謝です。エキュメニカルな視点を持つ現地教会は無償で礼拝場所を提供して下さり、合同礼拝やバザー、合同聖研祈祷会などは毎年恒例となりました。
また、私たちを覚え助けてくださるベルリン宣教局や東アジア伝道会の多くのドイツ牧師先生方は、実によく日本事情にも通じておられ、日本や日本語教会のため深く祈って下さいます。教会の規模ゆえどうしてもできることに限界がありますが、ベルリンに日本語教会がある、ということを現地教会、他の外国語教会がポジティブに受け止めて暖かい交わりに招いて下さることは大きな励ましです。20を超える教派や外国語教会で守るペンテコステ合同礼拝や韓中日合同礼拝など、これまでも様々に私たちも関わることができており、教会一同開かれた共同体としてよい刺激と交わり、学びの機会になっています。
ここにきて私も在独10年を迎えました。宣教師として派遣されて9年目。これから先どのような道を主が備えて下さっているか全く分かりませんが、主が用いてくださる限り、賜物を精一杯生かしてこの地での宣教に励みたいと日々思いを強くしています。
また、多くの日本の方々が世界宣教委員会発行の『共に仕えるために』や『信徒の友』、支援会を通してベルリン日本語教会のことを覚え祈り励まして支えて下さり心強い限りです。
「小さな群れよ、恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる」(ルカ12・32)との御言葉に押し出され、私たちが大胆に自由に歩むことができますよう、どうぞこれからもお祈りください。
(秋葉睦子報/ベルリン日本語教会牧師・日本基督教団派遣宣教師)

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