【4759・60号】二度目の秋に 東北教区復興支援現況報告

全国の祈りと支援に力づけられて
東日本大震災から一年半を経て

震災から1年半となりました。東北も酷暑でした。
その中で東北教区被災者支援センター「エマオ」にはこれまでになく多くのボランティアが参加しています。遠く台湾の教会からも大勢で来てくださいました。炎天下をいとわずワークに励んでくださったことに勇気づけられています。
活動内容も、泥出し住居の整備から農耕地の再生へ、石巻では養殖の手伝いなど生活再生へ、仮設や地域のコミュニティーへの働きかけなどへ、次第に展開してきています。
9月27日には、エマオ笹屋敷が移転しました。向かいにある町内会館を新しく休憩場所に使い、近くのビニールハウスを資材置き場に提供してもらいました。
これまでの場所も地域の方の好意で使わせていただいていましたが、事情で移ることになりました。スローで地道な働きの継続が、無理なく受け入れられ、喜ばれるようになりました。町内の行事参加などでもすっかりなじみになってきています。
さて、震災から2度目の収穫の季節を迎えました。海岸沿いの道路は今年も、一方は美しく稲穂が実り、反対側は一面の雑草地という光景です。津波を被った耕地の再生には数年、それ以上の時間と人手がいることになります。さらに、収穫物が売れない、そのために収穫できないという状態がいつまで続くか分りません。
東日本大震災のもたらしたものは地震の直接の被害、そして津波による被害、さらに福島第1原発爆発による放射能被害の三種の被害です。福島県の浜通り地域はこの三種の被害を全て被っています。

小高伝道所

小高伝道所と浪江伝道所は立ち入りが制限されています。小高が日中立ち入りできるようになったのは今年4月でした。現在も夜間はとどまることができません。
そこではいまだに津波直後の状態がそのまま残されています。街には警戒用の車が巡回している他は人影もほとんどなく、いくらかでもにぎやかにしたいという有線放送の歌謡曲が響いていました。
放射線量の高いホットスポットが点在していると聞きました。地震と津波の被害が残された上に、余震と人の手が入らないことで建物の被害が進み続けています。
小高伝道所では、いわき市に避難している信徒の方が3時間かけて自宅にこられたときに様子を見て下さいます。しかし、廃棄物の処理方法も決まっておらず片づけも進めることができないでいます。

浪江伝道所

浪江伝道所の教会員は数度に渡る避難と転居を余儀なくされ、現在は他教会で信仰生活を続けています。
浪江町は立ち入り制限区域です。解除される見通しはありません。町の復興計画も見通しが立たない状態です。震災の日以来まったく時間が止まり、住んでいた人々には厳しさがつのります。二つの伝道所の将来について、これからも辛抱強く祈り考えねばなりません。主が伝道の地として選ばれたこと、そこで働き救われた人々のことは大事にされねばなりません。
さらに、福島県と東北教区全体は長期にわたる放射能汚染の不安、健康、生活、経済に深く入り込んだ痛みを抱えています。
東北教区は教団を中心に、そして他の教区や団体の支援を受けながら、できるだけの対応を重ねています。幼児施設に対しては、エアコン設置、園児の受け入れに関わる費用、除染費用などに補助することができました。
また子どもたちの遠隔地での短期保養のためプログラムを行っています。放射能の心配のあるところは、外に出ることはもちろん、様々なものに触ることが禁じられ、深呼吸もおぼつかず、子どもらしいことができなくなっています。心配なくのびのびできる機会はとても喜ばれています。
心配を抱える親たちのために専門医による健康相談が継続されています。山崎知行医師には福島県と宮城県を巡回していただいています。また、放射線量の測定器を持つ会津放射能情報センターや東北ヘルプとも連携して情報交換を行っています。
東北教区は放射能被害への対応として、緊急対応マニュアルを作成配布し、福島原発四号炉に対応して緊急情報メール配信システムを立ち上げました。第67回教区総会では「原子力発電所の廃止を求める声明」を採択しました。課題はきりがありません。わたしたちの力にも限りがあります。しかし、ここまで歩みを重ねることができたことで希望も与えられています。なお一層のお祈りをお願いします。
東北教区88教会の内50以上の教会が被災しました。それぞれの努力でも改修や補強が進んでいます。大きな被害を受けた教会でも補修が進んできました。

岩沼教会

岩沼教会は石造りの大変雰囲気のある重厚な建築であり、建築学的にも歴史的にも貴重で、地域の人々に親しまれてきました。しかし石組み建築は地震国には適さない工法で、今回の地震で礼拝堂本体と特に塔の部分が大きく損傷し、塔は一部の石材がつぶれ、礼拝堂との接合部分は離れ、傾斜してきました。礼拝堂にも横に一周するほどの直線の亀裂が入りました。すぐに立ち入り禁止にされました。
当初、多くの人が補修は無理で、保育園の園児の安全のこともあり、早急な解体新築が必要だと考えました。岩沼は教会から国道を挟んで数百メートル先まで津波が押し寄せ、また市内の古くからの建物が倒壊して、街並みも人々の生活も傷ついていました。そのためにも教会堂がそこに残ることは復興の希望を表すことになります。建築の専門家からも惜しむ声が上がりました。幸いにも、石造の専門業者と建築業者が得られて、特殊で困難な工事が、愛着のある姿をそのままに見事に完了しました。7月16日には復興記念礼拝が行われ、教会と地域の多くの人が集まりました。
他にも、ヴォーリズ建築で知られた福島新町教会は大きく壊れた煙突の塔と屋根の補修が終わりました。郡山細沼教会も登録文化財の歴史的な外観を残して再建できました。安積教会も補修が完了しました。仙台ホサナ教会と川俣教会で牧師館復興の工事が始まりました。白石教会、中村教会、鹿島栄光教会、福島教会、常磐教会、名取教会で復興、再建の準備が進められています。これらの教会の多くは教会員も少なく、その教会員自体が被災し、住居を失って仮設に入居している人がおり、今年になって体調を崩す人も少なくありません。これまでも財政的にも困難な中で教会を支えてきた人々です。
そのために教団の支援は大きな力です。実際には必要額の半額支援、半額借入という支援の原則が与えられている中で、返済を考えることは本当に厳しいことです。しかし、貴重な、祈りのこもった捧げものが用いられることで、しっかりした再建復興がなされるよう力を尽くしています。東北教区内の教会は、自分たちも被害を受けている中で支援に加わっています。これだけの課題を担うためにすべての地区から教会救援復興委員が選ばれ、支援センターのスタッフと委員が立てられ、節約をしながら、知恵を出し合い仕事を分け合い、支えあい、さらに支援活動を進めようとしています。
ボランティアの宿泊受け入れや食事の奉仕が継続されていることも大きな働きです。全国の教会の祈りと支援に力づけられて続けることができています。御名を崇め感謝いたします。
髙橋和人(東北教区総会議長)

 

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