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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4754・55号】人ひととき 一瀬 和子さん

2012年8月18日

 母から受けたものを、更に新しく生きる恵み

 80歳を過ぎ、長い年月、主の恵みに支えられ生かされてきたことを心から感謝している。その間、いつも教会の交わりに生かされ、支えられてきた。
 父を早くに亡くし、幼い頃から母と二人きりの生活だった。明治生まれの女性ながら、献身し、神学科で学んだ大変信仰深い人で、婦人伝道師として日本メソヂスト教会に仕えた。母が天に召されるまで、離れることなくその後姿を見て生きてきた。母の祈りによって、私がキリスト者として生きるべき道が備えられたことを思う。
 3歳で日本メソヂスト高町教会(現在の浜松教会)で幼児洗礼を受けた。第二次大戦の時代を挟んで15年、浜松で教会生活を送った。共励会(青年会)の一員として戦後の教会を支えた。母と共に上京してからは、九段教会で信徒として過ごしてきた。もうすぐ60年になる。
 母は、九段教会で幹事(役員)として、また、東京教区東支区の委員としても奉仕していた。しかし、後進に道を譲り新しい人を育てていくべきとの思いから、一切の御用を80歳を機として退いた。今、母と同じ道を歩んでいる私自身、その教えに従う時が来たと考えている。
 教会は、共同体を形づくるための指針としての伝統を守っていくべきだと信じている。九段教会は、設立以来137年、何代にもわたりメソジストの信仰を持つ教職によって導かれ、信徒が集い、主にある聖徒の交わりを培ってきた。変わりやすい風潮、飽きやすい現代に伝統を保ち続けるのは楽ではないが、過去を否定するだけでは、新しい堅固な信仰生活を育てることは難しいと感じている。
 今の日本でメソジストであることを標榜するのはおかしいという意見もある。かつての私自身、何も知らないままに、キリスト者として何のこだわりもなく礼拝を守っていたことを想い起こし、私の考え方が古いのではないかと危惧することもあった。
 温故知新と言われるが、私が母から受けたものを新しく生きることを通して、若い世代に魅力ある信仰生活を示していきたいと、心から願っている。

 一瀬 和子さん 1930年生まれ。九段教会員。

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