北海教区
4月30日~5月1日、札幌北光教会を会場として第72回北海教区総会が開催された。開会時の出席正議員は、127名中105名だった。
点呼後、4年にわたり教区分担金未納を続けている札幌教会の議員資格を問う質問があった。久世そらち議長は「未納により議員資格を消失する規定は教区規則にはない」と答弁した。
組織会に続く開会礼拝では、聖餐、3名の正教師按手が執行された。按手礼式に先立ち、二種教職制の問題指摘が従来どおり司式者によって述べられた。
「議長総括」で久世議長は、まず「時代の状況の中で」として東日本大震災後の被災地支援対応を報告した。この中で「北日本宣教会議」を北海教区担当にて11年10月に東北・奥羽両教区からも参加を得て開催できたことを報告した。
次に「教会内外の課題」として現住陪餐会員数、礼拝出席者数の減少、教会員高齢化が顕著で財政状況も厳しいことを述べた。また、2つの伝道所がそれぞれ閉鎖、教団離脱をしたことを報告した。複数年にわたる分担金未納教会が増えていることを挙げ、未納が財政的な理由による場合には軽減を考慮しているとした。また、「札幌教会をめぐる問題」については、07年の発端より比較的詳細な経過報告をした。71回教区総会の要望を踏まえて常置委員会と札幌教会との話し合いを重ねたが解決していないことを報告した。
最後に、教区宣教活動方針に基づく「革新・連帯・平和」各項目について11年度の取組みを報告した。
質疑では総括にて比較的大きく扱われた札幌教会問題に多くの時間を用いた。
東日本大震災支援では、被災地の教区、教会の要請に応え支援活動を行うこと、また教団救援対策本部の支援活動に協力すること、教区支援委員会を設置することを決定した。また12年度末を期限に400万円を目標に募金に取り組むこととした。今後も年度毎に目標を定めて募金を当面継続する。
教区宣教活動方針に基づく12年度活動計画を「革新・連帯・平和」各項目に則して決定した。また、04年度より10カ年に亘り行われてきた「第3次長期宣教計画」が13年度で終了するのに伴い、今期総括と次期長期宣教計画策定を常置委員会で行うこととなった。
71教区総会で決定した教区機構改変によって、今年度より宣教部のもとに革新・連帯・平和各部門が置かれ特設委員会等が統合再編される。予算案審議では、これに伴う会計科目変更が決定された。また、新謝儀基準に15年度までの経過措置を経て移行するが、これと共に謝儀保証制度を改変し算定方法を明確化することとなった。
2日目午前の協議会では、五味一隠退教師による発題とこれを巡っての協議、教団問安使である雲然俊美教団書記との質疑応答が行われた。どちらも丁寧に協議、質疑が行われた。
この他に、「アイヌ民族権利回復運動推進」、「脱原発社会を目指す運動推進」等が決議された。
常置委員選挙結果(半数改選)
【教職】田中文宏(真駒内)、ロバート・ウィットマー(名寄)
【信徒】島崎康広(千歳栄光)、佐久間光昭(置戸)
教団総会議員選挙結果
【教職】久世そらち(札幌北部)、西岡昌一郎(旭川六条)、後宮敬爾(札幌北光)、笠田弘樹(琴似中央通)、佐藤幹雄(岩見沢)、日向恭司(教区)、秋山千四郎(北見望ケ丘)、卜部康之(千歳栄光)
【信徒】佐久間光昭(置戸)、島崎康広(千歳栄光)、稲垣正策(函館千歳)、相馬述之(札幌北光)、荒木とみえ(岩見沢)、一條英俊(札幌北光)、藤巻朋子(札幌元町)、浦部浩行(新発寒)
(渡邊義彦報)