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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4740号】荒野の声

2012年1月21日

▼D.R.クーンツが、小説『オッド・トーマスの救済…ハヤカワ文庫』で、歌舞伎に触れている。…この場面は日本のきわめて様式化された演劇、カブキを思い起こさせた。現実離れしたセット、凝った衣装、大胆な化粧、かつら、大げさな感情表現、俳優たちのいかにも芝居がかった身振りなどは、アメリカのプロレスと同様、日本の伝統的演劇にも滑稽な印象を与えてしかるべきだろう。ところが、なんらかの神秘的な効果により、カブキは知識の豊富な観客にとって、親指をすぱっと切る剃刀(かみそり)のごとく現実的なものになるのだ…。▼歌舞伎の知識はほぼ皆無だし、クーンツがどれ程歌舞伎に通じているのかも知らない。しかし、この表現には惹かれるものがある。▼教会学校で聖劇が上演された。例年にない演出上の工夫もあったが、毎年似たようなものだ。観客は、筋書は勿論、この次、誰がどんな台詞を言うのかまでよくよく知っている。意外性は全くない。しかし、この聖劇は必ず観客に受け入れられる。クーンツの言う通り「なんらかの神秘的な効果により、(聖劇)は知識の豊富な観客にとって、…現実的なものになるのだ」。▼クリスマス礼拝そのものが、この通りだ。神の力が働かなければ、礼拝は礼拝ではない。神が共にいて下さることによって、礼拝は礼拝になる。一方「知識(むしろ信仰)の豊富な観客(教会員)」がいなければ礼拝は成り立たない。▼ところで、CS生徒が欠席し、ヨセフとマリヤは、急遽80歳近い実の夫婦が演じた。リアリティーがあった。

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