【4737号】組織的・継続的なボランティア派遣 西東京教区の取り組み

4次にわたり、のべ200人以上が!

東日本大震災のために甚大な被害を被った地域・教会支援のために、諸教区、地区、各教会、諸団体、そして個々人が、なすべき役割を模索し、そして実行している。それぞれの働きを覚え、感謝し、主の見守りを祈る。そうした中で、極めて特徴的な働きを展開している西東京教区の被災地支援を紹介したい。多くのボランティアが、それぞれに大事な役割を担っているが、西東京教区では、教区として組織的・継続的に、これに取り組んでいる。11月末までに、延べ200人を超える参加者が得られ、この働きを支える献金が500万円を超えた。教区としての目標額を1億円と定め、組織的救援募金も始まっている。

3月11日以降、西東京教区が教区として組織的に被災地へボランティアを派遣し続けている。
今回は、西東京教区副議長であり、西東京教区東日本大震災支援委員会委員長である真壁巌牧師(相愛教会)に話を聞き、西東京教区の働きを紹介させていただく。
震災直後の3月14日に行われた西東京教区三役会において、教区として被災地支援委員会を設置しようとの提案がされ、4月4日に開催された西東京教区宣教委員会にて、東日本大震災支援委員会が正式に設置されたところから、西東京教区としての正式な被災地支援活動が開始されることになる。
宣教委員会は、支援委員会立ち上げと同時に、被災地への、教区としてのボランティア派遣と、募金開始を決定した。
真壁牧師は、西東京教区が比較的早い時期に、このように教区として動き出すことができた背景には、三つの大きな理由があると語る。
一つは、震災直後の3月21日に阿佐ヶ谷教会を会場に行われた、2010年度の西東京教区全体研修会のことである。講師に経堂緑岡教会信徒の写真家、桃井和馬氏を迎えて行われた集会は、予定を急きょ変更し、前日まで被災地での取材をしていた講師の被災地報告が主な内容となり、写真を多数用いて語られたその講演は、当日集った参加者に大きなインパクトを残した。さらに講演後に、藤盛勇紀総務幹事から、被災地訪問報告を直接聞くことができたことも、大きかったと語る。
二つ目は、教団の働きの一つである、学生キリスト教友愛会(SCF)の働きである。SCFは、西東京教区内に施設があるが、そのSCFの野田沢主事が、西東京教区の教師として震災十日後より教団から東北教区被災者支援センターに派遣されていた関係で、現地の情報収集や、現地での活動の基礎がSCFに関わる若者たちの働きによって教区にもたらされていたことは、教区の動きを速めた要因であったと語る。
三つ目は、過去の震災において、西東京教区の働きが組織的に行われていたことの影響である。西東京教区が組織的に災害地にボランティアを派遣するなどの働きをしたのは今回が初めてではない。阪神大震災当時、未だ西東京教区が東京教区の西支区であった時、西支区は組織的に阪神大震災の被災地支援を行っていた。その経験が、その後の中越地震などに生かされ、献金などの余剰金も積み立てられていた関係で、今回具体的な活動においても、会計的にも比較的スムーズに組織づくりが行われたというのである。これらの要素が全くなければ、現在のような活動が教区として組織的にできていたかどうかは分からないと、真壁牧師は語る。
4月25日から派遣されたボランティアは、基本的には1週間単位でその活動が区切られ、5月末までが第一次派遣、6月27日から7月11日までが第2次派遣、8月1日から9月9日までが第3次派遣、10月24日から11月20日現在、第4次派遣のボランティアが活動をしているという状況である。
これまで延べ200名を超えるボランティアが被災地で様々な活動を行った。メンバーは幅広く、教職、信徒、キリスト教主義学校の学生、まったく教会を知らない人などが西東京教区を中心として集まっている。70代の参加者や、西東京教区以外からの参加者もいるという。
派遣のための費用はすべて教区内で賄っているが、もちろんこれまでの余剰金の積み立てだけでは賄い切れるものではない。今回新たに教区内でささげられた献金は、現在500万円を超えており、ここにも教区内の一人ひとりの意識の高さが表れていると言える。
具体的な活動は、エマオ内の東北教区被災者支援センターからの指示に従って行われている。ボランティアの宿泊場所は、西東京教区が独自に現地の教会を手配し確保するなど、できる限り、現地エマオに負担のかからない方法が考えられている。

一人の人と寄り添うことでなし得ること

ボランティアの活動場所は、仙台市内の若林区荒浜地区が中心となっている。活動の内容は様々で、当初は泥出しが中心であったが、時間が経過するにつれ、活動の内容も多少変わってきたということである。現在は、かろうじて使用できる家屋に戻ってきた人たちのための住居の補修なども行っているということであった。
順調に見える働きであるが、荒浜地区での活動は当初は容易なものではなかった。簡単に言うと、現地の人々のキリスト教に対する疑義。ボランティアの見返りに何か求められるのではないか、キリスト教への改宗を強要されるのではないか、何の見返りも期待せずに、そんな活動が行われるはずはないという反応が強かったそうだ。
そんな現地の人たちの心を必死に解きほぐしたのが、前出の野田SCF主事であった。与えられた賜物を生かし、現地の人たちと粘り強い対話を重ね、また、ボランティアの働きを見せていく中で、少しずつ理解が得られていったということである。
現在では本当に信頼を得るまでになり、当初と比べるとはるかに、現地の人たちの口が柔らかくなっていることを実感すると、真壁牧師は語る。
印象深いエピソードの紹介がいくつかあったが、その中から一つ。ある牧師夫人ボランティアの話である。彼女の出身は東北。東北育ちの彼女は東北弁で会話ができる。若いボランティアは、そこまでの余裕がないのか、方言の壁が大きかったのか、なかなか現地の人たちと打ち解けるところまではいかない。しかし、彼女は東北出身であることを生かし、ある高齢の女性に寄り添い、じっくり話をすることで、現地の人たちや若いボランティアらに良い感化を与えていた、というのである。ボランティアの働きは何も力仕事だけではなく、そうやって一人の人と寄り添うことでなし得ることもあると知らされた、と真壁牧師は語る。
これからの課題は、何よりも継続。規模がこれまでよりも小さくなることがあるかもしれないけれども、この活動を息長く続けていくことが何よりも大切だと真壁牧師は語る。そして、エマオがモットーとしている「どれだけ早く被災地を復興できるかより、どれだけ被災者に寄り添い、気持ちを合わせられるか」を大切にしていく活動を続けたいと語った。
西東京教区は、宣教の三本柱として、
積極的に福音伝道をする教区
諸教会が互助に努め、連帯する教区
課題に取り組み、地域に奉仕する教区を掲げている。
今回の教区としての被災地ボランティアの活動の土台に、この三本柱があるのは言うまでもないことであろう。
(小林信人報)

 

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