《1日目のプログラム》
開会礼拝
1日目、開会礼拝から始められた。小宮山剛委員長は、開会礼拝説教において、新任教師であった頃の地方伝道の経験に基づいて、伝道の主人公は主御自身であると語った。
講演「教会に仕える」
その後、石橋秀雄教団総会議長による講演「教会に仕える」がなされた。講演では、日本基督教団は合同教会であり、教団信仰告白と教憲・教規に基づいて教会形成に励むべきと語り、特に正しい聖礼典執行について強調した。さらに教団の教勢の減少について触れ、その中にあって、主によってなされる伝道について語った。
交わりの時
夜には交わりの時がもたれた。新任教師以外の出席者も加わり、自己紹介を中心にして、いろいろなゲームが行われ、新しい出会いと共に、交わりを深めた。
《2日目のプログラム》
「信仰に生きる」
東日本大震災で被災した教会に遣わされた新任教師を通して「信仰に生きる」というメッセージで2日目の朝を迎えた。
講演「教団教師論」
午前は岡本知之教団総会副議長による講演「教団教師論」がなされた。ていねいなレジュメに基づき、教団は合同教会であるがゆえに、教師観、教会観においても多様な理解が共存するが、教派の相違を越えて、牧師の「職務」について共通の理解を持つことができるという可能性が語られた。牧師の職務を伝統的な「三職(預言者的職務、祭司的職務、牧者的職務)」の観点から提示し、職務の内実、職務を遂行するに当たっての基本的資質が述べられた。その上で、教団の今を担い、明日を築くために、教団の教師に求められていること、教団の明日を開く宣教論はミッシオ・クリスティであることが力説された。
講演「教会の形」
全体での写真撮影の後、講演に先立ち、内藤留幸総幹事より東日本大震災への教団の取り組みについて報告と説明があった。内藤総幹事による講演「教団の教会的権能・教務・教会・教区・教団の関わり」がなされた。教会形成の土台としての正典(聖書)、信条(信仰告白)、秩序(教会法・組織)について紹介した後、教憲が示す「教会の形」について、また公同教会の権能としての神の言葉の説教と聖礼典(洗礼と聖餐)について述べた。さらに教団(宣教を担う教師を生み・育てる)・教区(宣教の場所である教会を生み・育てる)・教会(神の手足として、教師と共に宣教を担う信徒を生み・育てる)のそれぞれの働きについて語られた。
講義「教団の取り組み」
昼食を終え、午後には「教団の取り組み」と題して、教団の具体的な働きについて学ぶ時が設けられた。教団事務局(道家紀一教団幹事)、出版局(有澤年出版局長)、年金局(藪田安晴年金局長)、「隠退教師を支える運動」(大杉弘委員長)、宣教研究所(宮本義弘委員長)、部落解放センター(一木千鶴子委員)のそれぞれの働きや取り組みの紹介がなされた。
講演「教会総会・教会役員会の持ち方」
休憩をはさんで、楠本史郎教師(北陸学院院長)より「教会総会・教会役員会の持ち方」と題して、特別講演がなされた。まず主に従う形が教会会議であり、教会会議は法(教憲・教規、教団信仰告白、教会規則等)に従って行われるという基本が語られた。次に合同教会としての日本基督教団の「会議制」と教派的伝統が説明され、いずれも教会法に基づく会議によって担われることが語られた。それらを踏まえた上で、具体的に教会総会の持ち方、教会役員会の持ち方が、総会・役員会とは何か、開催のための手続き、任務、開催準備、運営、議事の進め方、会議後の事務的なことも含めて説明された。教会総会・教会役員会は、教師として赴任した時、重要な課題である。参考になったのではないかと思う。夕食前の自由時間は、温泉組と散策組に分かれ、しばしの休憩によって英気を養った。
分団の時間
夜は分団の時間を持ち、各講演についての感想や、それぞれの働きの紹介や課題、悩みや喜びが活発に話し合われた。また今回は、清藤淳教育委員が司会者として加わり、キリスト教教育主事3名の分団が持たれたことは幸いであった。
《3日目のプログラム》
牧会講話
3日目は、小島誠志教師(松山番町教会牧師)による牧会講話が行われた。ここ数年、小島教師に依頼しているが、今回も牧師としての豊富な経験から、説教作成の苦労話や、牧会の失敗談、牧師夫人のことなどが率直に語られた。新任教師にとって、大きな慰めと励ましを覚える時となった。
閉会
その後、全体のまとめとして、参加した新任教師全員が、一言ずつ感想等を述べた。参加をやめようかと思っていたが、来て良かったという感想、また約3ヶ月ぶりに同窓生に会えたこと、異なる神学校出身者、Cコース出身者にも出会えたことへの感謝が述べられた。 最後に雲然俊美教団総会書記による閉会礼拝を持って、すべてのプログラムを終えた。5回の食事の席は、毎回くじによって決められ、初めて出会った参加者同士が、和やかに語り合い、お互いを知り合い、交流を深め合うことができたと思われる。これらの出会いが、今後のそれぞれの働きの場において豊かに生かされることを心から祈りつつ、恵まれた新任教師オリエンテーションを終えることができ、感謝である。(堀眞知子報)